【感想・ネタバレ】カンタヴィルの幽霊/スフィンクスのレビュー

あらすじ

結婚を控え、手相占いに翻弄される「アーサー・サヴィル卿の犯罪」。生真面目で頑張り屋の幽霊が棲みつくお屋敷をアメリカ公使一家が買って一騒動の「カンタヴィルの幽霊」。知る人ぞ知るあの長詩「スフィンクス」ほかワイルドの短篇4作に、出獄したワイルドを迎えた親友の女性作家が当時のワイルドの様子を綴る「回想」を含む佳作を収録。ワイルドのことがますます、好きになる短篇集。

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Posted by ブクログ

東雅夫氏がブログにて映画『クリムゾン・ピーク』を観る前に「カンタヴィルの幽霊」を読んでおくと吉と書かれていたので手に取りましたが、これがものすごく個人的にはアタリ本でした。表題作はもちろんのこと、ワイルドの友人であるエイダ・レヴァーソンの回想や作品も付録で載っており、これもまたかなり惹きこまれ、こんな本を出された南條竹則氏と光文社はホントすごいです!「スフィンクス」については、まだまだ知識の足らない私には難解でしたが、また時期を置いて読み直してみたいと思います。

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2016年02月16日

Posted by ブクログ

むぎゅん

はい、オスカー・ワイルド2冊目は怪談多めの短編集『カンタヴィルの幽霊/スフィンクス』
また、出獄したワイルドを迎えた親友の女性作家エイダの佳作も収録
特に表題作『カンタヴィルの幽霊』はかなりの傑作

ほんとワイルドってひねくれ者やなー

「童話集」は悲しい死で終わるのに「怪談話」はハッピーエンドかい!っていうね

はいはい、そして翻訳の方ね

これがもうびっくりするくらい見事にぜんぜん違う
まずもうルビが多いのよね
つまり小尾芙佐さんに比べて南條竹則さんの方が圧倒的に難しい漢字を多用してるんよね
「童話」と「怪談」っていう物語性の違いだけではないと思われるほど圧倒的
それに小尾芙佐さんは『幸福な王子』を大人向けに訳したと仰っているので、「童話」だから難しい漢字を避けてるってわけではなさそうだし(事実小尾芙佐さんの他の訳でも難しい漢字は少ない)

そして小尾芙佐さんの訳に比べて、改行がめちゃくちゃ少ないのよ

そもそも英語の文章って改行が少ないんでそれをそのまま訳すと日本人にはとても読み辛い文章になるのよね

読みやすさを優先するなら適切な位置で改行を足す
原作の雰囲気を大事にするならそのまま押し通す
この辺の塩梅も翻訳者さんによって変わってくる感じです

読みやすさ重視の小尾芙佐さんと雰囲気重視の南條竹則さんていう色が出ていて、その色を踏まえて光文社がそれぞれの作品の翻訳をお願いしてる仕事の跡が見えるんよね

まぁ、ぜんぜん違うかもしれんけどw

次は『サロメ』!そもそも戯曲なんで、それだけでも、またぜんぜん違う感じになりそう

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2024年11月02日

Posted by ブクログ

何で読んだだらうか。スフィンクスの話のあらすじを読んで心惹かれたことを覚えてゐる。
あらすじでは謎こそスフィンクスといふことだつたが、それはかなり大雑把すぎるあらすじだらう。さういふ話があつたらしいとしめくくつてゐるところに謎があるのではないか。あくまで、この話は伝聞でしかない。謎の内容ではなく、謎を問いかける存在そのものこそが謎。スフィンクスの異国的な姿かたちとあひまつて、謎はひとを魅了する。現存するエジプトのスフィンクス像のその先にある謎。
カンタヴィルの幽霊は、喜劇的な物語の中に、皮肉と哀愁、そして浄化を含んでをり、単なるコメディではない、印象的な物語。劇で上演されたならかなり舞台映えする作品だと思ふ。
また、ワイルドにゆかりの深いエイダ・レヴァーソンの作品の中でも、ワイルドの裁判関係の出来事の回想録は、ジッドの描くワイルドとは異なる、ワイルド像が垣間見られた。良くも悪くも、ワイルドの大きな転換点となつた。夫人との関係や彼の行動、友人の視点である以上、同情のまなざしが含まれてゐないといふことはあり得ないが、それでも彼は彼なりのやり方で生き抜いてゐたことを感じさせられた。

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2019年11月18日

Posted by ブクログ

お得な一冊。後編にてエイダ・レヴァーソンという女性の作品が掲載。解説は彼女と作者の関係に触れ、ワイルドの私生活が覗ける。何だか有名な人らしいなという印象しか持っていなかったが、エキセントリックな愛人の父親に憎まれ、同性愛という理由で逮捕された人なのね。やはり作品はウィットに富みながらも繊細でロマンチック、三島由紀夫ぽいなと思いました。エイダの方は女性であることを心から謳歌しているような陽気な作風で、花のような存在感がある。

全体的にとても好きなので、他の作品も読んでみるつもりです。

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2018年08月27日

Posted by ブクログ

アーサー・サヴィル卿の犯罪、カンタヴィルの幽霊、そのほか二つの短編も楽しめた。だけど、、、スフィンクスと絡めてエイダ・レヴァーソンの短編と回顧録を入れる必要があったのだろうか…

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2023年01月22日

Posted by ブクログ

ワイルドの小説はワイルドらしい道徳的説話集になりそうでならないところをうまく語る短編になっている。「カンタヴィルの幽霊」については、一般的に幽霊より人間の方が強く人間が脅かされるだけだが、この幽霊はかなり弱い。この着眼点は面白い。「スフィンクス」は流麗な詩といったところ。このような詩も書けることがワイルドの教養の深さでもあると思う。
後半のエイダ・レヴァーソンはなかなか辛かった。ワイルドの友人・同時代人ということで「回想」では同時代人ならではの事象に言及されているが、個人的にはそこまで興味が持てず、私自身がそこまで細かい話に興味がないということなんだと思う。

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2021年12月13日

Posted by ブクログ

好きな短編小説の類。詩も入っていて、詩とかはよく分からないけど一応読んでみて、やっぱりよく分からない。海外の短編はサキとかカポーティとかフィッツジェラルドとかヘミングウェイとかO・ヘンリーとかロアウド・ダールとかマーク・トウェインとか好き。これもちゃんと偏りがあるのだろうと思う。

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2020年08月03日

Posted by ブクログ

オスカー・ワイルドらしいちょっと怖いショートストーリー。
表題作は、ちょっとユーモラスで悲哀を感じる幽霊。
良いですね!!

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2016年02月02日

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