南條竹則のレビュー一覧
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初心者が噂のクトゥルーを読んでみるぞ三冊目!
今回は「ハイファンタジー」も含む一冊で、前二巻とはまた毛色が違っている。
不気味で湿度の高い陰気な屋敷や町並みが展開する一方で、夢の中で幾度を旅するきらびやかなファンタジー世界も作者のなかに広がっている。
個人的な読書体験になるけれど、直前に『文豪怪談傑作選 妖魅は戯る』(ちくま文庫)を読んでいた。
夏目漱石の「夢十夜」に連なる「夢」をもとに描いた作品を中心に収録した一冊で、
独特な夢日記を展開する中勘助、うす暗さと怪談味を帯びる内田百けん、見た夢をその都度分析する寺田寅彦と、
「夢」の世界、「夢」への向かい方、作品の描きかたなど、それぞれの個性 -
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英国生まれの古文書学者で、聖書学者で、そして怪談作家という異色の経歴を持つ作家、M.R.ジェイムズ。元々作家志望ではありませんでしたが、生来の怪談好きが高じて創作怪談を自作しては茶話会でそれを朗読し披露していました。
処女作である怪談集も、本来の目的は親友の絵を世に売り出すことだったのですが、その出来が評判を呼び、怪談作家としての地位が確立されたのです。
本書は処女作である『好古家の怪談集』の南條竹則氏による新訳本です。ラヴクラフトの作風に影響を与えたとされるのも尤もで、所々で後のクトゥルフ神話を思わせる表現が出てきます。
ブラックウッド、マッケンとともに近代イギリス怪奇小説の三巨匠と -
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ヴィクトリア朝時代の英国ウェールズに産まれた稀代の作家アーサー・マッケン。牧師の子であったがアーサー王伝説の色濃いウェールズで育った故か、神学と同時に隠秘学(オカルト)にも傾倒し、前期はケルト神話やギリシア神話をモチーフとした幻想的な怪奇小説を連続して発表したが、いずれも当時の価値観に合わず「不道徳な汚物文学」として批判された。
本書は翻訳家である南條竹則による「彼岸」と「女性」をテーマにしたマッケン作品の選集である。
以下、ネタバレ無しの各話感想。
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『白魔』
緑色の手 -
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ネタバレクトゥルー神話は作家が創造した架空の神話ということを初めて知ったので相当驚いた。それだけ広くさまざまな創作の元になっている存在。
SFホラーといった内容だった。
この中では表題作が1番読みやすかった。旅行で訪れた先で恐ろしい体験をして逃走劇が繰り広げられるシーンも良かったが、更に自分との血の繋がりに話が発展していくのが良かった。伏線の回収もあり、面白く読んだ。
「あの深きものらの棲処で奇蹟と栄光に囲まれ、とこしえに暮らすであろう」こんなラスト想像していなかった。あれほど忌み嫌った存在そのものになることをもう受け入れていてゾクゾクする。 -
Posted by ブクログ
1906年から1923年に書かれたアルジャーノン・ブラックウッドの短編を集めたアンソロジー。
ブラックウッドといえば、どの作品だかもう分からないが(本書にも入っている「秘書奇譚」かもしれない)高校生の頃読んでひどく衝撃を受け、「これは凄いかも」と思ったことがある。しかし、その後創元推理文庫『ブラックウッド傑作選』を読んでみると、そんなにショッキングなところはなくむしろ「ふつう」っぽくてがっかりしてしまった。あの時の「衝撃」というのは、その短編では恐怖小説の骨格ばかりが肉を落とされて露出し、その小説システムの露見が極めてラジカルなものに思えたのだ。骨格が露出するとともに、登場人物はハリボテ人