久坂部羊のレビュー一覧

  • 破裂(下)

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    なかなか読み応えのある内容だった。ストーリーがグロテスクというか、生々しいというか。無さそうで有りそうと言うか…。
    終盤は一気に種明かしされて、割とアッサリしている感があったのがちょっと残念。

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    2010年06月26日
  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    サブタイトルに「そんなに長生きしたいですか?」

    「アンチエイジ、バンザイ!」な現代に、死に際の「美」だって捨てたもんじゃないと説く。

    「死」という言葉をひたすら忌み嫌うのじゃなく、安らかな死、幸せな死だってあるんじゃないかと提案。多くの老人介護に接する現役医師だからこその説得力がある。

    考えたら、人間の最後の目標って、自分にも周囲にも迷惑をかけずに死ぬことじゃないか。

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    2010年02月17日
  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    久坂部さんの今までの小説をすでに読んでいるなら、もうわかりきったことが書かれている。『破裂』や『廃身用』なんか特に、彼の考え方が如実に表れているんだと、改めて実感した。いくら長生きはできても、寿命は決して変わらない、という事実にはハッとさせられた。寿命を迎えてから医療にすがった長生きは、死んでいる身体を無理やり生かせているだけ。長生きすればするだけ、1つずつ何かを諦めていかなくてはならない。例えば歩行。そして飲食。そして意思の疎通。何を諦めてでもいいから生きたいかを、意識しておかなくてはならない。気づけば心臓が動いているだけ・・なんてなりかねない。一度病院に頼ったら最後。まず、自然な死を迎えることはできない。病院へ行かないという手段は、選択の1つのうちに入れておくべき。

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    2011年11月30日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    センセーショナルなタイトルとはちょっと違う内容で
    現在の日本の医療界の問題を淡々と述べていました。

    著者さん、実は面白い人なんじゃないかと思います。

    マスコミは理想論ばっかり言うんじゃないよー!

    というお叱りの本ですが、
    この本も結構理想論だと思いました。
    ワタクシは、現実を見て理想を述べられるのは好きなので、
    この本も結構好きです。

    日本のお医者さん、頑張って欲しい。

    最近話題の医師不足に興味のある人にはおススメ。

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    立場的に患者と医療者の中間…のような位置にいる私には、賛同する部分と複雑な気分にさせられる部分とがありましたが、筆者の主張は共感する部分が多いように感じました。
    研修医の教育システム然り、マスコミの助長による過度な医療不信然り。
    医師不足の危機を招いているのは、世間が異常なまでに正義を振りかざし、現実離れした理想論を追い求めた結果かもしれない。

    普通の企業に就職しても、新入社員は失敗してそこから学んで成長していくものだと思います。ベテランだって、人間がやる仕事である以上ミスが0なんてことはあり得ない。
    医療者だって同じです。命を預かる以上、「ミスしました、はいそうですか」では済まない事は事実ですが、新人のうちは患者に協力してもらって練習させてもらうしか技術を向上させていく道はないんです。
    新治療法も、誰かが実験的に始めてくれない限り、発展することはないんです。
    「患者も賢くならなければならない」とはよく言われますが、自分の主張を通す賢さだけでなく、こういった側面もあるということに対しても賢くなってもらわなければ、本当に日本の医療は崩壊します。。

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    2009年10月07日
  • 破裂(下)

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    前作「廃用身」を読んだ時、何ともいえない気持ち悪さを感じた。
    この作品はグロテスクさはないが、医療事故や医療の問題点・厚生労働省の官僚主義などをからめ、何が正しいのか解らなくさせる気持ち悪さは残る。
    登場人物はみな弱い人間のままで、ヒーローはいない。誰が正しいのか解らない。たぶん正解はない。
    視点が変わるたびにそれも正しい意見のように思わされ、読み終わった後、高齢社会を生きなくてはならない自分たちのこれからを考えさせられた。

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    2009年10月04日
  • 破裂(上)

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    単純に命を救う医療を極めていくことが社会のためになるのか。
    すごい命題を突き付けたまま終わる衝撃作。(080518)

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    2009年10月07日
  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    ぶっちゃけ読んでて楽しい本ではない。けど、読む価値はある。特に年配の人ほど。
    長生きして、体のあちこちに障害がある人、寝たきり状態の人、痴呆患者、など色んな人達(及びその家族)がどれだけ苦労しているかを書いた本。「長生きしたい」と何も考えずに求めることがどんなことか考えさせられる。

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    2009年10月04日
  • 破裂(上)

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    老人医療問題をよく扱う人なんですが、色々考えさせられますな。帚木の「安楽病棟」をもっとシビアに突っ込んだ感じ?物語としては「廃用身」同様、広げた大風呂敷がどうしてそんな簡単に畳みきれるのか謎ではありますが、やっぱテーマ勝ちか。あとキャラ。どいつもこいつも感情移入するにはちょっと引くような、普通のよくいる人なので困る。主格がコロコロ移るのがちょっと読んでて解りづらいかも。

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    2009年10月07日
  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    人がどう生きるかはそれぞれの人間だけが決められる、というのが近代社会の大原則なのだが、どう死

    ぬかは死期が近づくと、実質的に自分では決められなくなる。
    今の何がなんでも延命、アンチエイジングという「とにかく生きさせる」行政・医療・介護全体の方針

    は、死が絶対に避けられないものである以上、本質的にムダな部分を含んでいるのに、生きたいという

    それ自体は当然の欲望を煽り利潤化する資本主義にばかり貢献して、実質的にそれぞれの人の生を決め

    る権利を奪っている。

    スーパー老人、元気なお年寄り、あるいはその逆の極端な例ばかりメディアは取り上げるな。
    「普通に死ぬ」ことは、今では健康年齢と肉体年齢にどうしてもタイムラグを生じ、その間の生死の権

    利を奪われているに近い。

    というのが筆者のだいたいの主張。
    考えなければいけないことだが、考えるには憂鬱なテーマ。第三者の医者だから言えるんだよ、という面もある。個々人の生は周囲の人間の生ともだぶっていて、切り離せるものではないので、どうしても基準化・ガイドライン化とそぐわないのが難しいところだが、難しいで止まっていて、議論の手がかりもない、とにかくたとえば無条件で安楽死は許されないのが日本。
    自分一人だけで生きているのだったら、そんなに迷わなくて済む気がするが。

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    書名を見ると週刊誌的に大学病院の内部を告発する内容かと思うが、実質はその反対に近い。

    大学病院が一般の病院と違うのは、教育・研究という部門が治療部門とは別についていて、そのため未熟な若い医師のオン・ザ・ジョブ・トレーニングの場になっていることだ。それは次の世代の医療を供給するのに必須なのだが、当然一定のリスクを伴う。
    それで事故が起こるとマスコミは袋たたきにするが、常にベテランが治療に当たるのは物理的に不可能だし、実践を積まないでベテランにはなれない。

    筆者ははっきりと、必要もないのにいつもベテランの最高度の医療を求めるのは患者のエゴであり、マスコミの無責任なあおりのつけは必ず将来の医療や地方やマイナーな医科などにしわ寄せがいくと批判し、リスクがまったく伴わない医療はありえず、必要なのはリスクをゼロにしようとする不可能な努力ではなく患者と納得した形で合意できる保障制度だとする。

    ここでの批判の対象は、むしろできもしないことを要求するマスコミと患者のエゴの方だ。そしてこの議論にはかなり説得力がある。

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    大学病院とその他の病院。同じ「病院」と名がついていながら前者は医学の研究に重きを置いていて後者は診療に重きを置いている。大学病院が診るのは未来の患者、その他の病院が診るのは現在病気を抱えた患者。誰かが研究をしていかないことには医療分野は発展しない―。
    現在の日本の病院が抱える問題点(主に大学病院の構造とその問題点)についてまとめてある本。病院選びで泣かないように、診療を受ける立場である私たちが読んでおくと面白い。

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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     日本の医療の現状とその問題点、その問題点の背後の歴史や事情。

     それをよく知るマスコミの必要以上の煽動とただ自分たちの利益のための世論誘導。

     そしてそのマスコミに煽られる市民。

     その市民たちの反発を恐れ、必要以上の(悪ともいえる)制度を作ってしまう役所。

     その制度に翻弄される病院と医師。そして押し寄せてくるプレッシャーと世論の反発に耐えられなく辞めていく医者。

     そして医療問題がますます深刻になる。

     病院、医師の視点、役所の視点、そして患者と一般市民の視点とそれぞれの本音をちゃんと書いている。

     作者は医師で作家である。だからこそかけたこの一冊だと思う。

     ただし、逆に医者だから見解が偏ってしまっている部分もある。

     自分のために読んでおくべき本だと思う。

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    2009年10月04日
  • いつか、あなたも

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    在宅医療を行う、あすなろクリニックの日常を描く短編6話。
    10年以上前の話だから、今の医療とは違うところが多いけど、大切な部分は時代が変わっても、大きく違わない。
    何を大切に生きるか、それをどう支えるか。

    少し綺麗事で終わってるから、その先が知りたい!とも思ってしまうが在宅医療の現場を少しだけ覗いた気分になれる。

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    2026年09月29日
  • 欲張らない死に方 ――賢く老いるヒント

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    2006年に出た「日本人の死に時」と同様に長生きって、そんなにいいものではないといった内容。
    著者の経験した見取りのエピソードや、まとめの部分での老荘思想や良寛さんとか前の本と共通している部分も多く、結論としても変化はあまり感じない。
    まあ、20年たっても内容に変化がないことは逆に信頼感が持てる気もするし、日本の死に際の問題があまり進展していないということだとも思う。

    平穏死やデスリテラシーといった言葉については新しく学べたので、個人的に調べていきたいと思う。

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    2026年09月23日
  • オカシナ記念病院

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    東京での研修後、離島の医療を学びたいと「岡品記念病院」にやって来た新実一良。
    しかし、そこでは東京での医療が全く役に立たないどころか、それらを否定するようなことばかりだった。
    患者を治すことに情熱を燃やしていた一良は、そんな日々に愕然とする。
    そこで、院長の岡品に在宅医療や認知症外来等、様々な提案をして、実施した…が…この島では思わぬ問題ばかりが起こり、全然上手くいかなかった。
    医療とは何か、生きるとはどういうことなのか、死と向き合うこと等々、一良という研修医が東京の最前線と離島での医療との違いを通して考える。
    読み応えある。

    2026.9.17

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    2026年09月17日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    実話でもおかしくないほどのリアリティで、読みやすかった。
    今まで介護にあまり触れてきたことがないから、新鮮だったな〜。
    Aケア仲間が周りにいれば容姿も気にならなさそうだし、そこからどんどんAケアが広がっていってほしいなあって思ってた。

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    2026年09月12日
  • 生かさず、殺さず

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    認知症てありながら、さらに何らかの病気がある医療小説。例えば糖尿病、癌、それだけでも大変なのに、認知症の大変さが重なる。さらには家族の対応。病気、認知症、それぞれを描いた小説は多々あるが、両方をテーマにしたものは少ない。が、現実はこうなのだろうと納得し、同時にお医者さんと看護師さんに感謝した。

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    2026年09月12日
  • 医人の夢

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    ネタバレ

    現代医療への不安がある一般人側の視点や、それに対する医者側の視点など、小説というかたちをしているが「ちくまプリマー新書」なんだなこれは と思った(ちくまプリマー新書読んだの初めてですが)
    エンタメとしての小説を想像していたからちょっと違ったというのはある
    最後までスパッとしない感じ?と思っていたが
    「現代医療ってこんな感じだから、どう考えるかは自分で決めろ」という感じなのかなと思った

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    2026年09月07日
  • あなたの命綱

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    たぶんダヴィンチでおすすめされていたので気になってチェックしていたんだと思う。

    がんのいろいろな治療方法を紹介しつつ、そのどれもががんを治すには至らない(どころか効果があるのかも怪しい、あまりに限定的すぎる)とか、医療ベンチャーとビジネスの癒着とか、そういうのは興味深かった。こんなにいろんな療法があるのか〜と驚いた。

    しかし登場人物(主人公が相談する医者以外)の描写がストーリー都合で動きすぎじゃないかな?とはちょっと思った。ステージ4のがんになった友人との掛け合いが間抜けすぎないかな。普通はこういうもんなの?ちょっと一般人を甘く見過ぎじゃないか?
    逆に榊先生がいい先生すぎないか?とも思った。こんな先生滅多にいないんじゃないかな。がんの友人がおかしくなった原因になった先生みたいな奴のが多い気がする。
    医者は医者に甘く、一般人を見下しすぎじゃないか?とちょっと作者に対してちくりと感じた。

    近藤誠を含めて、実在する人物の名前変えたバージョンの人がたくさん出てきたのは面白かった。

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    2026年09月03日