感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年04月16日
医者である著者だからこそ書ける作品だと思う。訪問医療における医療者のかかわりの難しさだったり、自宅で最期を迎える人の心のケア、家族のケアなど考えさせられる内容だった。認知症の妻の介護をする人の話は外で読んでたけどジーンと来てしまったし、ALS患者の最期の関わりの難しさなども泣けてくる内容だった。
Posted by ブクログ 2019年02月19日
久坂部先生の本はみんな本当の話をのように生々しい。
患者側、看護師側、患者側の家族側、先生側の本音と建前と交錯する。
いつ自分がアルツハイマーの当人になるか、難病の本人もしくは家族になるか、誰にもなりうることで、人ごとではない。
Posted by ブクログ 2018年11月07日
在宅医療専門のクリニックで働く看護師が語る6人の患者さんとその家族、そして医療スタッフのお話し。
人それぞれの終末期の過ごし方を見る。病気か高齢か認知症か個人の性格もあって千差万別。
さて 私は??
訪問看護・医療について知りたかったので読んでみました。
医師であり小説家であるという著者のため、興味深く読めました。
訪問医療を受ける人々は末期の方々が多く、看取りを含め、それぞれの作品に悲しみがありましたが、人は誰もが死ぬ存在なのだと改めて感じました。
Posted by ブクログ 2021年04月15日
在宅医療専門病院「あすなろクリニック」を舞台とし、訪問看護師からの視点で書かれた短編集。
久坂部羊さんの本の中ではあまりブラックな感じがしなく、終末期医療の現実が書かれている。後書きにはほぼ実話と書かれています。
ただ、重度の認知症や統合失調症の病状を見たことがない人が読むとかなり重い内容なので...続きを読むは…と思いました。
タイトルになってる「告知」で、先生が癌の告知をいかに回避しながら病状を説明する文章がミステリーを説いているように書かれていて引き込まれます。
「セカンド・ベスト」はALSの患者さんの終末期のお話。最後が久坂部羊さんらしいなと思いながら悲しくなりました。
Posted by ブクログ 2020年05月24日
著者の実体験を交えた短編集。在宅医療専門看護師のわたしが、終末期の患者とその家族への対応に追われる。「罪滅ぼし」(認知症の妻)「告知」(末期がんの夫)に感動。リアル生々しい中にもどこか救いのあるものでした。
Posted by ブクログ 2019年05月30日
初めての久坂部羊さん。在宅医療の現場、辛く救われない事がほとんどなのだろうけど暗さを感じない。さらっと読めました。最期はこんな先生たちに診てもらえたら幸せだろうなと思う。
Posted by ブクログ 2019年08月01日
ほぼノンフィクション。在宅医療は良くなることのない患者の治療であるという事実が胸を衝く。しかし患者にとって病院は非日常で、自宅での生活が日常なのだということもまたあらためて思わされた。
Posted by ブクログ 2019年03月21日
ほぼノンフィクションといってよいだろう連作小説集。いつもの久坂部節ではなく、予定調和も解もなく、今そこにある終末医療の現実が淡々と語られる。その静謐さに圧倒された。
Posted by ブクログ 2019年01月16日
在宅医療クリニックに勤める看護師の視点で描いた、6編の連作医療小説。
何れもリアル感に満ち、あとがきによると著者が在宅医療に携わった体験に基づいた実話だということで、納得。
まず、1話目の「綿をつめる」で、死後処理の克明な描写に圧倒されてしまった。
続いての認知症患者とその家族の「罪滅ぼし」には、涙...続きを読む腺を刺激され、「告知」では自分の場合ではと思い惑うが、「アロエのチカラ」には、そこまで縋りはしないのではないかと。
「セカンド・ベスト」は、究極の問題=安楽死がテーマ。
どのケースもいずれ、原題の「いつか、あなたも」の通り、自分の身に起こるかもしれない、起こるであろう問題。
そうなった時どうする?と、読後考えさせられてしまう。
Posted by ブクログ 2018年12月17日
看護師から見た在宅医療の実態。ほぼノンフィクションだとか。
医療の世界はドラマのようにはいかない。突然スーパードクターが現れて天才並みの手術を執刀して病気を治してしまうとか、医者と患者との間の感動物語とか、そんなものはフィクションなのか。
本作は、1つ1つの話自体は地味なんだけど、だから余計にリア...続きを読むリティがあって、なんだか怖くなった。自分が介護する立場になった時、在宅医療を視野に入れた時、どうするだろう?著者が読者に向けて、問題を投げかけてるようにも思えた。
Posted by ブクログ 2024年03月11日
在宅医療短編。
医療スタッフと、患者と、家族と、それぞれの綺麗事ではない思いがリアルに書かれている。
久坂部氏特有の毒はあまり感じないが、現実的なだけに重く、ハッピーエンドにはならない。
どのように死ぬのかはどのように生きるのかであり、間際の自分が何を手元に残すのか。
必ずくる未来にむけて、しばし考...続きを読むえる。