あらすじ
在宅医療専門看護師のわたしは日々終末期の患者や家に籠る患者とその家族への対応に追われる。末期がんだが告知を拒む陽気な患者に徐々に忍び寄る最期。院長は彼に病状を告げるのか?(表題作)卵巣がん末期の妻を支える夫は医者不振で次々、怪しい民間療法に縋っていた(「アロエのチカラ」)。リアルだが、どこか救われる6つの傑作連作医療小説。
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Posted by ブクログ
医療系が好きなので話がどれも面白かった。
泣いたり、時に笑ったりもして、自分も訪問看護してるような気持ちになった。実体験からの小説とあって、小説にしてくださった事に感謝します。
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在宅医療、終末期医療の何たるかがリアルに描かれている。
私達にも訪れるであろう未来の話。
急死とは違い、覚悟を決めて向き合う死の話。
父が母を自宅で看取った時、こんな覚悟だったんだと今更ながらに気が付きました。
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終末期医療の凄惨な現実が描かれています。医師ならでは書ける内容と思います。エンジェルケアには驚きを感じました。看護師さんのお仕事を敬服致します
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医者である著者だからこそ書ける作品だと思う。訪問医療における医療者のかかわりの難しさだったり、自宅で最期を迎える人の心のケア、家族のケアなど考えさせられる内容だった。認知症の妻の介護をする人の話は外で読んでたけどジーンと来てしまったし、ALS患者の最期の関わりの難しさなども泣けてくる内容だった。
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久坂部先生の本はみんな本当の話をのように生々しい。
患者側、看護師側、患者側の家族側、先生側の本音と建前と交錯する。
いつ自分がアルツハイマーの当人になるか、難病の本人もしくは家族になるか、誰にもなりうることで、人ごとではない。
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在宅医療専門のクリニックで働く看護師が語る6人の患者さんとその家族、そして医療スタッフのお話し。
人それぞれの終末期の過ごし方を見る。病気か高齢か認知症か個人の性格もあって千差万別。
さて 私は??
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audible120冊目。
シンプルに面白かった。
funnyではなく、interesting。
社会派小説好きならおすすめです。
現代社会の見えにくい問題に向き合ってくれています。
なんらかのかたちで映像化してもいいなあと思います。
Posted by ブクログ
タイトル通り終末医療や在宅医療をテーマにした小説で、あとがきで語ってたが実際に起きたことをモデルにした話らしい。なのでどう最後を迎えるか迎えたかがテーマにあるのだが、患者の希望、告知をしないで欲しいと願う家族、医者の言うことを聞かずに暴走する家族、やっかいな患者、それぞれの家庭にそれぞれの事情があり読み応えがある。最後の話は特に切なく心に残る話だった。
訪問看護・医療について知りたかったので読んでみました。
医師であり小説家であるという著者のため、興味深く読めました。
訪問医療を受ける人々は末期の方々が多く、看取りを含め、それぞれの作品に悲しみがありましたが、人は誰もが死ぬ存在なのだと改めて感じました。
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在宅医療専門病院「あすなろクリニック」を舞台とし、訪問看護師からの視点で書かれた短編集。
久坂部羊さんの本の中ではあまりブラックな感じがしなく、終末期医療の現実が書かれている。後書きにはほぼ実話と書かれています。
ただ、重度の認知症や統合失調症の病状を見たことがない人が読むとかなり重い内容なのでは…と思いました。
タイトルになってる「告知」で、先生が癌の告知をいかに回避しながら病状を説明する文章がミステリーを説いているように書かれていて引き込まれます。
「セカンド・ベスト」はALSの患者さんの終末期のお話。最後が久坂部羊さんらしいなと思いながら悲しくなりました。
Posted by ブクログ
著者の実体験を交えた短編集。在宅医療専門看護師のわたしが、終末期の患者とその家族への対応に追われる。「罪滅ぼし」(認知症の妻)「告知」(末期がんの夫)に感動。リアル生々しい中にもどこか救いのあるものでした。
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初めての久坂部羊さん。在宅医療の現場、辛く救われない事がほとんどなのだろうけど暗さを感じない。さらっと読めました。最期はこんな先生たちに診てもらえたら幸せだろうなと思う。
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ほぼノンフィクション。在宅医療は良くなることのない患者の治療であるという事実が胸を衝く。しかし患者にとって病院は非日常で、自宅での生活が日常なのだということもまたあらためて思わされた。
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ほぼノンフィクションといってよいだろう連作小説集。いつもの久坂部節ではなく、予定調和も解もなく、今そこにある終末医療の現実が淡々と語られる。その静謐さに圧倒された。
Posted by ブクログ
在宅医療クリニックに勤める看護師の視点で描いた、6編の連作医療小説。
何れもリアル感に満ち、あとがきによると著者が在宅医療に携わった体験に基づいた実話だということで、納得。
まず、1話目の「綿をつめる」で、死後処理の克明な描写に圧倒されてしまった。
続いての認知症患者とその家族の「罪滅ぼし」には、涙腺を刺激され、「告知」では自分の場合ではと思い惑うが、「アロエのチカラ」には、そこまで縋りはしないのではないかと。
「セカンド・ベスト」は、究極の問題=安楽死がテーマ。
どのケースもいずれ、原題の「いつか、あなたも」の通り、自分の身に起こるかもしれない、起こるであろう問題。
そうなった時どうする?と、読後考えさせられてしまう。
Posted by ブクログ
看護師から見た在宅医療の実態。ほぼノンフィクションだとか。
医療の世界はドラマのようにはいかない。突然スーパードクターが現れて天才並みの手術を執刀して病気を治してしまうとか、医者と患者との間の感動物語とか、そんなものはフィクションなのか。
本作は、1つ1つの話自体は地味なんだけど、だから余計にリアリティがあって、なんだか怖くなった。自分が介護する立場になった時、在宅医療を視野に入れた時、どうするだろう?著者が読者に向けて、問題を投げかけてるようにも思えた。
Posted by ブクログ
在宅医療専門の「あすなろクリニック」の医師と看護師たちが対する患者さんたちとの短編集。
最期は慣れ親しんだ自宅で迎えたいという末期がんや治る見込みの低い患者さんたち。
まだ在宅医療に入って間もない三沢医師と自宅のご遺体のエンゼルケアを完璧にこなす中嶋看護師との医療側でのやり取り。
そして、家で家族を介護する家族と医療側のやり取り。
末期癌やアルツハイマー、精神的な病にALSの難病まで、様々な患者さんのそれぞれの思いに寄り添いながら、大変という一言ではとても片付けられない現場。
家族との意志疎通も難しい。
寿命が長くなった現代、在宅介護は増えるかもしれない。
そんな未来に向けて、覚えておきたい一冊。
2025.9.15
Posted by ブクログ
限りなく実話に近いフィクション。
在宅医療をテーマとし、誰もが迎える死に本人が家族かどう向き合うか、とてもリアルに書かれている。
この本を読んで、健康でパタリと死にたいと思った、
Posted by ブクログ
在宅医療短編。
医療スタッフと、患者と、家族と、それぞれの綺麗事ではない思いがリアルに書かれている。
久坂部氏特有の毒はあまり感じないが、現実的なだけに重く、ハッピーエンドにはならない。
どのように死ぬのかはどのように生きるのかであり、間際の自分が何を手元に残すのか。
必ずくる未来にむけて、しばし考える。
Posted by ブクログ
在宅医療という知らない世界の話。
終末期医療の本人と家族の辛さが描かれており、読んでいて悲しくなる。
事実、このようなことが日本のいたるところで起こっていると思う。
感動する話もまるが、ただ辛い話もあり、読後感がスッキリしませんでした。