あらすじ
枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される……。裁判の結末は? 権力に翻弄される江崎の運命は? そしてプロジェクトの行方は? 医療ミステリの傑作。
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内容が医療モノなので、ちょっと難しかったですが、途中からサクサク読めました。高齢化社会はこれからの課題ではありますが、そんな無茶苦茶な解決策は。。でも終わりは、まぁ一応無事に着地したかなと思いました。
Posted by ブクログ
28冊目。上編からあっと言う間に読んでしまった。面白い。第2の「白い巨塔」とも言われるそうな。医療ミスを巡る裁判に並行して、厚労省官僚(佐久間)の企てる高齢者抹殺計画(このキャラといい、腐敗屍骸像と言い手塚治虫作品を彷彿とさせる)。時あたかもコロナ禍も背景に陰謀があるのではと思ったりする。
Posted by ブクログ
長かった…予想以上の文字数です。
そして何よりも怖かった。
個人的には、佐久間が個性強くて好きだなあ。
高齢者社会に警鐘を鳴らしている本作は、今最も読んだほうが良い作品かと思います。
最近じゃ、介護疲れもあり殺人事件にまで発展してしまう日本。
だからこそ、佐久間は将来の自分の為にも安楽死を認める施設に躍起となっていたが、快適な死はどこにもない。
ポックリ死を実現したかった佐久間が、結構愛おしいキャラクターでもあります。
キーマンじゃないかなあ、佐久間みたいな人は。
Posted by ブクログ
医者や弁護士は、社会的地位が高いが、殺されるほど憎まれることがあると思うと怖い。ロバートデニーロ主演のケープフィアーを一瞬思い出した。
松野の死、香村の死、衝撃だった。
それで終わるかと思ったら、最後の最後に佐久間の初めて聞く言葉だが、閉じ込め症候群。これが一番衝撃だった。
何の疑問も抱かず、老人をひたすら長生きさすのが正しいことなのか。と、問題を提起して考えさせる作品だった。
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久坂部作品、本作もいろいろ考えさせられた。
超高齢社会や安楽死の問題について、佐久間の考えや行動は恐ろしいけど否定もできない。。
どうなるんだろう、、日本の未来は。。
Posted by ブクログ
2004年に書かれたとは思えない程、現実的に今の世の中に問題を投げかける少子高齢化問題。15年経っても何も変わらない。でも、命の問題はどうにもならない。。
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医療ミス裁判、大学病院でのポジション争いとそれにまつわる保身、厚労省が水面下で進める人口調整のための高齢者のぽっくり死推進、これらが絡み合い物語は進む。本筋は大学病院の隠蔽体質を突く医療ミス裁判のようだが、一方で超高齢化社会をどう乗り切るのかを突きつけてくる。
ハッピーエンドではないのだが、それゆえに読者に対してこの国の医療制度や先行きに疑問を投げかけているのが印象に残る。
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安楽死合法化は理想的だと思ってしまった。
佐山さん焦らずプロジェクト進めればよかったのに…
佐山さんは悪者じゃない
でも優生学的な世界になるのも怖いもんな〜
Posted by ブクログ
高齢化社会問題、安楽死も定義していて興味深いけど、やっぱり残るのは大学病院の白い巨塔かなあ。医療ミスは難しい。医療裁判で原告側がほぼ勝てないのはここだと思う。難しい医学用語を裁判で並べられても分からないしね。それに、「無痛」だったかな、どんな簡単な手術でも成功率100%なんてなく、必ずリスクが伴うものであり、医者は神様という意識は日本独自のもの、というのも理解している。でも遺族が浮かばれないかあ。
Posted by ブクログ
ドラマが見応えあったので、原作も手にとりました。
下巻は少し勢いが失速したような気がする。
しかし問題提起としては、原作の方が重苦しい結末になった。最後は結局皆いなくなり、問題だけが山積み…。江崎も結局自分のことで手一杯だし、芹沢とかどうするの、一体?
原作は本当に医者の描かれ方がいやらしくて、ちょっと辛かった。いくら何でもそんな嫌な人ばっかりじゃないと思うよ…。作者こそがある意味一番医者に嫌気を感じてるんだなあと感じた。
ドラマの香村は原作の香村と江崎を足して割ったような人物設定、佐久間は割とそのままかな。ドラマ版は親子関係とかも入って来てたし他も皆何かしら信念がある風になっていたのはまだ救われたかも。対立軸が思い切りブラックジャックになってました。まあ、手塚治虫先生も、医学部ですからね。
恋愛要素はいらないと思う、なんか古くさかったし。カラオケで歌うシーンとか…うん…。
個人的には自分の出身地周辺が舞台なので、地名とか、病院の名前とかが分かりすぎて笑ってしまう。これ怒られないのかな〜…(^^;;
そして阪◯医学部は「白い巨塔」から何も変わってないんだなあと思った。disられすぎ(笑)!
Posted by ブクログ
医療事故、高齢化社会、汚職、隠蔽、殺人、中毒、権威欲、正義といった言葉がキーワードかな。
結末が明らかにならずに終わってしまったことでモヤモヤ感が残ったので星ひとつマイナス。
医療関係への取材力は凄いと思う。
Posted by ブクログ
老人介護に関わる者として、後半は一気読みでした。
介護保険、年金、医療保険、高齢者が増えていく中で、いつまでこの体制が保てるのか。もう破綻は見えているのでしょう。綺麗事ではすまない。
とても重たい読後感です。
Posted by ブクログ
確かに、『死』への距離が短くなっている。
どう死ぬのか?
と言うことは、重要なことに見える。
アルツハイマー症にはなりたくない。
寝たきりもいやだ。
それ以外ならば いいかな。
そうすると ガンが 痛みが伴うけども
いいのかな。
中途半端な脳梗塞が 危険だ。
死ぬ時に 快楽があれば。
という 説が いかにもいいね。
主人公が いないのが 特徴的な編集法。
松野が 医療過誤を暴くかと思ったが、違っていた。
江崎は 重要なところで 麻酔中毒者となり リタイアー。
香村も 裁判では 実質的な負けとなり、別の事件で襲われる。
江利子は、最後までは 追求せず、元の鞘に収まる。
佐久間の野望は 途中で挫折する。
それぞれは、何らかのカタチで 挫折する。
そして、残されたのは 寝たきり老人と 老人医療費の増大。
医療の問題を 違った角度から 浮き彫りにしたのは
佐久間という 存在が 貴重だったんですね。
つまりは、主人公は 『寝たきり老人』と言うことかな。
Posted by ブクログ
医学知識がすごいと思っていたら、作者は本当の医師だった…それだけ治療の難しさや、医師の葛藤、ずるさもリアルだった。
子供が増えないならば、高齢者を減らすしかない…という発想自体はわからんことはない。日本社会は、あと数十年で本当に本当に破裂するかもしれないなぁと不安になった。
Posted by ブクログ
医療ミスの背後には国家的な陰謀が。予想を超えるスケールで展開する医療ミステリー。現代日本の抱える重大問題である老齢化社会に深く斬り込んだ作品。死とは、老いとは、幸せとは何か深く考えさせられた。
主人公と思われた元新聞記者の松野の殺害、正義の麻酔科医、江崎の転落という意表を突く展開に驚愕。見事なストーリー展開だ。
医療機関に比べ、一般人が何とも不利なことか。余りにも真実味のある物語に医療に対する不信感が募る。そればかりか、国家機関への不信感、疑念も。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される…。裁判の結末は?権力に翻弄される江崎の運命は?そしてプロジェクトの行方は?医療ミステリの傑作。
Posted by ブクログ
劇的な登場人物の割には、急に小説が終わってしまうようなせっかちな部分があります。それでも現代の医療に対する一面は確かに浮かび上がらせていると思う
Posted by ブクログ
なかなか読み応えのある内容だった。ストーリーがグロテスクというか、生々しいというか。無さそうで有りそうと言うか…。
終盤は一気に種明かしされて、割とアッサリしている感があったのがちょっと残念。
Posted by ブクログ
前作「廃用身」を読んだ時、何ともいえない気持ち悪さを感じた。
この作品はグロテスクさはないが、医療事故や医療の問題点・厚生労働省の官僚主義などをからめ、何が正しいのか解らなくさせる気持ち悪さは残る。
登場人物はみな弱い人間のままで、ヒーローはいない。誰が正しいのか解らない。たぶん正解はない。
視点が変わるたびにそれも正しい意見のように思わされ、読み終わった後、高齢社会を生きなくてはならない自分たちのこれからを考えさせられた。
Posted by ブクログ
上巻に続いて一気読み。
ミステリーとして読むには、途中から展開が予想できてしまったところもあって、ちょっと不完全燃焼。
キャラが全員すごく立っているんだけれども、地の文に誘導されるようなところもあり、先入観を持って読み進めてしまったところもあるのかなあと。
主題に関わる、医療ミスなり、高齢者問題なりは、難しい問題。倫理的にはそうかもしれんが、社会的には何が悪、というか問題なのかは議論がつきない。
Posted by ブクログ
白い巨塔をテレビで見てから思わず読んでしまった。
スピーディな展開、ドラマ化にはぴったり。
少し現実味がないかな。
でも、ハラハラドキドキ面白い、イッキ読み。
Posted by ブクログ
3月-5。3.0点。
下巻。厚労省エリートの画策、主人公の麻酔科医にも誘いの手が。
主人公のキャラクターが薄かったかな。イマイチ感情移入できず。
Posted by ブクログ
枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される…。裁判の結末は?権力に翻弄される江崎の運命は?そしてプロジェクトの行方は?
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手術の医療ミスで大金を請求するなら、逆に手術が成功したときには同じくらいの報酬をよこせ、的な記述があって、結構納得してしまった。
人間なんだから絶対ミスをしないなんて無理だし、どんなに注意して二重三重のチェック機構を作ったとしても100%ミスをなくすことはできないと思う。ミスを減らすことはできるかもしれないけど。
だからといって医者の凡ミスで命を落とした人とその遺族は仕方ないと思えないっていうのもわかる。
医療ミスとは別に少子高齢化の問題も出てきて、いろいろと考えさせられる。
でも私もピンピンポックリがいいなあ。
Posted by ブクログ
すごくビックリした事があったんですが・・・・
ネタバレだろうと思うのですが、内容紹介に出ちゃってるので書きます。
ジャーナリスト松野さん死んじゃうの?( ̄□ ̄;)
主役級の人物死す・・・・
とりあえずそこが一番衝撃でした。
高齢化社会への問題提起と「プロジェクト天寿」計画。
テーマはとっても良いと思ったんですが、結局どうなの?って感じで終わってしまったのが残念でした。
これだけ問題提起したのだから、最後何らかの結論が欲しかったです~。
医療ミス、報道、高齢化問題、安楽死問題など興味深いテーマが山盛りなのですが、山盛りすぎたのでしょうか。。。
ラストがあっけないと言うか何と言うか。
あと、主役は誰なのか?ってのがいまいち分からないので、読む視点が定まらない感じがしました。
主役は松野じゃなかったのか?(←まだ言ってる。)
あんまりな感想になってますが、途中まではかなり面白く読みました!色々考えさせられる内容となってます。
Posted by ブクログ
本屋でなんとなく目に付いた久坂部 羊氏の「破裂」を読みました。
日本の長寿問題をクセのある登場人物を通して物語で描いています。
医療ミス、安楽死問題、官僚、報道、高齢化問題など多くの要素が含まれています。
はじめは一体どうなっていくのかと思いましたが、最後はすっきりとおさまりました。
久坂部氏は現役の医師で 他にも2作品が発売されているようです。
順番に読んでいきたいと思います。
Posted by ブクログ
やっぱり落ち着かない感じはある。
が、ピンピンコロリ、安楽死、快楽死。実に考え込んでしまう内容。
一応の敵役がみな再起不能になるラストはいまいちスッキリしない感じ。
が、それもこのテーマだからこそ、勧善懲悪にしないところが奥深い、のか…
Posted by ブクログ
枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。
その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。
それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと
見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される…。
裁判の結末は?権力に翻弄される江崎の運命は?
そしてプロジェクトの行方は?医療ミステリの傑作。
Posted by ブクログ
針を体内に置き忘れたせいで父親は死んだと、枝利子に訴えられている心臓外科助教授・香村。その一方で彼は、厚生労働省の佐久間に、あるプロジェクトへの協力を依頼されていた。佐久間が推し進めるプロジェクト「天寿」には、香村が研究しているペプタイド療法が不可欠だったのである。弱った心機能が一時劇的に回復するが、その後突然心臓が破裂して突然死が起こってしまうという副作用がまだ改善されていない、ペプタイド療法が・・・。なぜならプロジェクト「天寿」とは、高齢者抹殺を目的とするプロジェクトなのだ。
裁判の行方はまぁ、予想通りといったところか。やはり医療裁判というのは患者側にはまだまだ不利だなぁと思う。しかしそれ以上に高齢者問題や安楽死の問題に考えさせられるのが今作。”ポックリ死”を望む高齢者がいるというのは、きっと嘘ではないだろう。この先ずっと寝たきりの状態で何もできず、家族の世話になって”生かされている”状態が続くだけならば、最後は突然死するとわかっていても、一時でいいから元気な状態に戻って好きなことをしたいという気持ちもわかる。しかしだからといって、ペプタイド療法の副作用を、効果として使っていいとも簡単には思えない。これから超高齢化社会になっていく中、後期高齢者医療制度だったりこういった終末期医療問題だったり、本当に問題は山積みだなぁ。