あらすじ
枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される……。裁判の結末は? 権力に翻弄される江崎の運命は? そしてプロジェクトの行方は? 医療ミステリの傑作。
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Posted by ブクログ
医者や弁護士は、社会的地位が高いが、殺されるほど憎まれることがあると思うと怖い。ロバートデニーロ主演のケープフィアーを一瞬思い出した。
松野の死、香村の死、衝撃だった。
それで終わるかと思ったら、最後の最後に佐久間の初めて聞く言葉だが、閉じ込め症候群。これが一番衝撃だった。
何の疑問も抱かず、老人をひたすら長生きさすのが正しいことなのか。と、問題を提起して考えさせる作品だった。
Posted by ブクログ
高齢化社会問題、安楽死も定義していて興味深いけど、やっぱり残るのは大学病院の白い巨塔かなあ。医療ミスは難しい。医療裁判で原告側がほぼ勝てないのはここだと思う。難しい医学用語を裁判で並べられても分からないしね。それに、「無痛」だったかな、どんな簡単な手術でも成功率100%なんてなく、必ずリスクが伴うものであり、医者は神様という意識は日本独自のもの、というのも理解している。でも遺族が浮かばれないかあ。
Posted by ブクログ
本屋でなんとなく目に付いた久坂部 羊氏の「破裂」を読みました。
日本の長寿問題をクセのある登場人物を通して物語で描いています。
医療ミス、安楽死問題、官僚、報道、高齢化問題など多くの要素が含まれています。
はじめは一体どうなっていくのかと思いましたが、最後はすっきりとおさまりました。
久坂部氏は現役の医師で 他にも2作品が発売されているようです。
順番に読んでいきたいと思います。