【感想・ネタバレ】人はどう死ぬのかのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月11日

死生観を見直すきっかけになる良書。
僕は薬剤師として日常的に医療に携わっているため、胃ろうチューブは入れたくないなとか、延命治療はしたくないなとか、なんとなく終末期医療に対する想いは持っていた。

本書を読んで感じたのは、そんな"想い"だけでは足りず、"覚悟"...続きを読むをしなければいけないということ。
延命治療を拒むなら、病院には行かないという覚悟が必要で、それを大切な人と共有しておく必要があると。
早速、妻にも話をして終末期医療の事前指示書を作成することにした。

あと、個人的に健康ヲタクで16時間断食や毎日の運動など不老長寿を目指しているわけなんだが、それもエゴなんだなと思えた。
もし人類がいつか不老不死を本当に手にいれるようなことがあったら、それこそ地球は人で溢れて住む場所、働く場所、食べるものに困って大変なことになるもんな。

それから、足るを知り「期待値を下げる力」を鍛えることが人生の満足度を上げることにつながると理解した。

30代の今のうちから"死"を受け入れて、今を大切に生きたいと心から思えた素晴らしい一冊。

【Action plan】
①終末期医療に対する事前指示書を妻とともに作成する
②両親に本書をプレゼントする

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Posted by ブクログ 2024年02月05日

人の死について考えるいい機会になった。
「死」と聞くと、不吉で、想像するだけで縁起が悪いと思いがちだが、だからこそ、自分の死について目を背けることなく考えていく必要があるのだと思う。
ただ、延命せずに死ぬことが作者の理想のように感じたが、それはあくまで自分が人生を楽しみきったと思えるから、延命しなく...続きを読むていいと思えるのだと感じる。もし、まだ20代半ばで人生これからだというときにそのような選択を迫られても、助かる一縷の望みに賭けるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2024年02月04日

ほとんどの人があまり経験しない人の死について、経験の豊富な医者の著者が赤裸々に語った本。
生々しい内容が多く、死に対する考え方が大きく変えるきっかけとなった。今後、両親や妻、自分の死に直面した際にあたふたしないよう、しっかりと考えをまとめて準備しておきたい。

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Posted by ブクログ 2024年01月29日

自分の死に向き合える好著。
色々な角度から死に対する態度、覚悟を養うことができる。

宗教によって死を受け入れられる国。
医療の不足が死を受け入れられる国。
死の不安を飼い慣らす。死後はないよ。
死に目に遭うことを過度に執着しない。
死には不都合な面がある。選べない。コロリ死は不摂生の結果。老衰も案...続きを読む外大変。
死期に救急車を呼ばない。病院に行かない。自宅死、施設死のススメ。

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Posted by ブクログ 2023年07月12日

人の死…あまり考える機会がありませんでしたが、改めてこの本を読んで考えさせられました。
生きていることと、生かされていることは違う。
余命幾ばくもない時に、無理に生かされることの苦痛、恐怖を知りました。
この現実から目を逸らしてはいけません。
自分は生かされることなく、静かに息を引き取りたいです。

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Posted by ブクログ 2023年04月18日

引き続き「死」を知りたくて手に取る。在宅医療医師が人生一度きりの死を、どうすればうまくやり終えるかのヒントを教えてくれる一冊。
私も延命治療はして欲しく無いと思い、「尊厳死の宣言書」を書いたが、もっと確固たる意志も必要な事が分かった。周りに死が近づいたと感じたときに再度読みたい。65歳を過ぎて癌が見...続きを読むつかったら治さずに死のうか。

■学
上手な最後意識する
病院死より在宅死(病院には行かない覚悟が必要)
超高齢、末期胃癌の人は病院には行ってはならない
7割が病院死
メメント・モリ(死を想え)
ACPを調べておく
本 老人力 赤瀬
死ぬときはある程度は苦しいものだと覚悟
ガン 医師が思う良い死に方No1
近藤誠 患者よ、がんと闘うな
安楽死をするためにスイスに行く

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購入済み

考えさせられる

A
2023年02月18日

死ぬことにも準備が必要だということ。
普段はあまりかんがえたくないことだが、
誰もがいつかは必ず死ぬのだから。
自分の死もさることながら
大事な人を送る場合も
あらかじめ、考えておかないといけない。

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Posted by ブクログ 2023年01月25日

習わないからこそ自習しておきたい「死」についての一冊。医師が実際の死について紹介するために書いた本なので死の描写に説得力があり、大変勉強になりました。いろんな形の死が紹介されるので自分はどう死にたいか、考えさせられます。また死から逆に生きることについても考えさせられました。死ぬと「無」になるので、そ...続きを読むんなにがんばらなくても大丈夫ではないかという気にさせられました。医療業界の現実についても書いており一般人には学ぶ点がとても多かったです。日本では「喪中」など死についてネガティブなイメージが強く、気軽に話題に出来ないからこそ自習しておきたい一冊です。

●絶対に意識があるうちに意思を残したい
病院か家か、延命治療が必要か。など。延命治療は本人にメリットがない場合があるなど、意思表示しておかないと自分らしく死ねない場合が多くある現実が分かりました。病院に運んだら、病院側は医療行為せざるを得ない(しないで返したら、家族から言われるから)というのも知識がないゆえに起こることなんだなと感じました。

●ピンピンコロリのコロリの方法
理想の死に方でよくある表現ですが、著者に言わせればコロリと行くには不摂生が必要だとのこと。高血圧で致命的な血管が切れてコロリと逝くイメージです。なのに、ピンピン=健康を意識して行動すると、なかなか弱らないのでコロリといかない。よくある「眠るように死にたい」というのはなかなか実現しないのが現実とのことです。

●死に顔の良し悪しは生きてる側が決めている
死んだら「無」です。脱力しているので表情筋がついているわけがありません。なのに、「少し笑ってる」とか死に顔を評されてるのを聞いたことありませんか?それは生きている側がそう思いたいからだそうです。同様に、家族の希望で本人にメリットのない生きるだけの延命治療が存在することが何度も紹介されますが、とても考えさせられました。

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Posted by ブクログ 2022年12月17日

オーディブル。一般に想像されるような”理想的な死に方”は、現場を知る人からしたらロマンチック過ぎる。
延命は正しいのか?意識のない人の体に管を刺したりしながら心臓を動かせば遺族は満足なのか?
なぜ死に目に会いたい?生前に会ってこそでは?など。
自分なりに意訳すると「ちゃんと考えてものを言え。ステレオ...続きを読むタイプに動かされるな。」みたいなメッセージが沢山。確かに考えもせずに”そういうもんだ”くらいに思わされていた。
こういう本に出会いやすくなるから、本の読み放題、聴き放題って素晴らしいなとも思う。興味持って買って読めと言われたら返す言葉もないですが。

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Posted by ブクログ 2022年11月11日

死ぬ準備をさせてもらえる。死ぬ事に逆らうのではなく、受け入れ方を教えてもらえる。久々に、一文字残さず読みました。

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Posted by ブクログ 2024年04月10日

・病院での最後の場合、
心肺停止になった時は、無益な蘇生処置は必要ありません、と伝えておく。
→安らかに死ねる可能性が高くなる
死に目に会うことに執着しない。

・がんとの共存
根絶しようとすると過度な治療を受けて副作用で苦しんだり、場合によっては逆に命を縮めてしまう。
過度な治療ではなく、ほどほど...続きを読むの治療で様子を見て、治療の効果より副作用の方が大きくなったら潔く治療を止める。
がんで上手に死ぬ。
腫瘍内科・化学療法科(抗がん剤(分子標的薬)・免疫療法(オプジーボ))

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月28日

植物状態は、大脳は死んでいるが脳幹は生きているので自発呼吸ができる=水と栄養があれば生きられる。
脳死は、脳幹が死んでいるが人工呼吸で心臓が動いている状態=臓器移植が可能になる。
脳死概念が確立したため、臓器移植が可能になった。心臓移植では心臓は生きているが患者は死んでいる、という状態が必要だった。...続きを読む

そのままなら死ぬが、病院にいって治療すれば助かるとき、病院にいかないという選択ができるか。
悲惨な延命治療か、賢明な治療か。
がんがいいのは、治療しなければ生活の質を保てるから。
死の直前は酸素マスクも点滴も効果は無く、当人の負担になるだけ。
90~100まで生きたら、苦しいだけの生活が待っている可能性が高い。
死んだら無表情になる。寝顔をみるのはケンカの抑止力になる。
苦しみたくないと思っている人ほど苦しむのが人の死。

メディアは不都合なことは知らせない。
100歳まで生きることはいいことではない。長生きを望んで、健康管理していると思いがけない苦しみを抱えることになる可能性がある。
健康管理していると内臓は元気で、コロリといけない=死ぬまで不自由と付き合う時間が長くなる。
病院には近づかない。
心筋梗塞か脳血栓、くも膜下出血などは苦しい。発作と同時に気を失わない。
老衰死は、死ぬまでがたいへん。不自由と惨めさに耐えなければならない。見たり聞いたり食べたり飲んだりの楽しみができなくなる。
がんで死ぬのが一番いい。無理に治ろうとしないこと。
どのように死ぬのか、は考えないようにする。

何かをしようとするから、できないことが発生する。ありのままを受け入れること。

がんが大きくなってから転移する、ということはない。がんもどき理論。血行性転移は生検でも起こるのでは無いか。
オランダの安楽死は、現場で行われていてそれを追認する形で法制化された。全死亡者の4%いる。25人に一人が安楽死を選択している。
安楽死法は、安楽死防止法にもなりうる。

病院に行かない、という選択もある。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月09日

老衰 体が不自由な時間が多く、どうしてこうなったのかと嘆くことが多くなる。

自宅で最期をと望んで、同居人が了解していても、同居していない家族が動揺し病院に送るケースがある。病院に行くと延命治療を受けることになり苦しむことになる。
死に目に会うよりも普段の時間のほうが大切。
若いときから健康増進に努...続きを読むめていた人は内臓も元気ですぐにコロリとは死ねない。タバコや肥満、高血圧など悪い状態の人はコロリと逝ける(脳卒中などですぐに病院に運ばれた人は生き返りの障害が残ることもある)
ポックリ死の具体例では、心筋梗塞、脳卒中、くも膜下出血がある。実際は発症と同時にすぐ死ぬのではなく、該当部署に激痛をうけつつなくなっていく。これで死ぬのかと狼狽しながら、後片づけができず、見られたくないものを残して死んでいく。果たしてポックリ死は妥当なのだろうか?


老化により生じる不自由・不如意に対する方法には、新老人力という考え方がある。思い出せないことには忘却力が付いた。効率的に動いたり考えることができなくなった時は、のんびり力がついたと考える。受け入れる力で過ごし、現状への満足力感謝力で乗り切る。満足力は期待値を下げることでつけられる。

人が死ぬ状況はどんな状態なのか知りたくて手に取った。
老いてから死ぬ場合が多く載せてあり参考になった。在宅死が一番穏やかな死なんだろうと感じた。ただ、死ぬ直前に病院に担ぎ込まれたら一環の終わりで苦しい死あ待っていることが分かった。

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Posted by ブクログ 2023年12月04日

死にゆく人を元気な人間の思い込みで決めつけてはいけない。
だから、自分の最後を自分で決められるように準備する。それが嫌な人は、周りの人間のやりたいようにやらせることになる。

私は準備する。

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購入済み

H
2023年10月20日

人は死ぬものであることは、全ての人は解っています。また、それの受け入れ方は、文化の影響を大きく受けることも解っているのであろうと思います。
著者のご意見は理解できたと思います。著者と反対の医者も有られるであろうと思いますので、両者の意見を比べて、自分で判断したいと思います。
一方で、文化人類学の観点...続きを読むから文化の違いによる点も読んでみたいと思います。
死については、多面的に見ることが必要であろうと思います。その意味では、一つの見解を明確にされた著作ですので、読む価値はあると思います。

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Posted by ブクログ 2023年10月13日

人の死の現実

老衰にいいイメージがありすぎた。現実は違うんだな。
コレステロールが気になっていたけれど、好きなもの食べて好きなように生きた方がいいかな。
これ程死について考えたことはなかったので、いい機会になった。
高齢になったら病院に行かないようにしたい。しかし自分以外に対しては救急車呼んでしま...続きを読むいそう…

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Posted by ブクログ 2023年06月05日

上手な死に方、こうすればこうなるなんて方程式のようには行かないけど、”足るを知る”ということ、その心構えが大切のがよくわかった。
人間ドックも日本特有のものらしい。
悪いとこがないのに検査って外国では合理的ではないそう。
日本は心配という感情を大事にする故とか。
いつまでも”生”に執着して胃ろう、人...続きを読む工呼吸などはほどほどに。
”死”を受け入れること、それが良い死に方なのだと思った。
最期は著者に父上のように自己肯定感と感謝に気持ちで逝きたいわ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月22日

医師の視点から、現代における人の死の定義を事実として教えてくれる内容
感情的に身につまされるものはあるが、この事実を知っていることで、場面に直面した際に少しは頭の整理が出来るのではと思えた
求めない、その中からまた生まれてくるものがある
素敵な言葉でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年01月29日

メメントモリと病院に行かないことと。結構気合がいるなあ。親世代はまだ見てるのかなあ。私は見てない。兎も角ACP書いておこう。

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Posted by ブクログ 2022年12月30日

著者は辛口なので、身近な人の死の前後には読まない方がいいかもしれない。死の前後に慌てて考えるのではなく、常に備えて行動しなさい、という考えなのだから。

今は差し迫った事ではないけれども、余裕がある時にこそしっかりと考えておく事が重要である。

過度の延命治療の否定等、多くは著者の意見に同意する所が...続きを読む多かったが、自宅での見取りや尊厳死については今後の自分への課題となった。安楽死は人類全体の課題であろう。

著者は医師であると同時に若い頃「viking」という同人誌に参加していたとも書かれていた。viking、久しぶりに聞いた。久坂葉子以来か。

ジュンク堂書店近鉄あべのハルカス店にて購入。

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購入済み

良い死に方をするには準備が必要

2022年12月17日

医師の立場で数多くの患者の看取りをしてきた筆者が、死に方の良しあしを様々なケースをあげて教えてくれる。
日本で病院で死ぬのであれば、延命治療をどこでやめてほしいのかあらかじめ医者に伝えておいたとしても、そのとおりにしてもらえるかは分からない。おだやかな死を望むのなら自宅で逝くのをすすめている。うま...続きを読むく死ぬには残される人と意識を合わせ準備をしておくことが必要。

#タメになる #切ない #怖い

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Posted by ブクログ 2022年12月13日

「一回きりの死を失敗しないために、多くの人が死の恐怖から解放され、上手な最期を迎えられることを、心より願っています」からはじまる本。

しっかり考えないと、いけないんだな、と改めて思いました。

最後は、やはり仏道に近い話になるんだな、とも思いました。

P210
求めない-
すると
いまじゅうぶん...続きを読むに持っていると気づく

求めない-
すると
求めたときは
見えなかったものが-
見えてくる

求めない-
すると
命の求めているのは別のものだ
と知る

P212
私は自己肯定が苦手で、ふだんはできるだけ厳しい自己評価を下すようにしています。それでも死ぬ間際には、多分思い切り自己肯定するでしょう。それまで自分に厳しくしたことが、積立金のようになって、ベストを尽くしたと感じられるのではと思うからです。(中略)
最後まで自己肯定できず、人生に悔いを残しているとしたら、それはある種の驕りではないかと私は思います。(中略)
視野を広く持てば、すべてはうたかたの所業にすぎず、目先の比較で一喜一憂しても仕方ないとも言えます。(中略)
感謝の気持ちを深めれば、不平も不足も不満もかすみ、自分に与えられた多くの恵みや親切、幸運に気づき、穏やかな気持ちになれる可能性が高いです。

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Posted by ブクログ 2022年09月19日

考えさせられた。
がん治療や最後の看取り方や普通の生活をしていては
そう何回も経験できないことを知ることができて、
必ず訪れる最後の事について後回しにせずに考えておかなければならないと思った、

死は必ず訪れるもので、自分ではその時期や方法を選べないものだからこそ、先に考えておかなければいけない。
...続きを読む延命治療受けないと言う意思表示を家族と早めに行っていくことや、在宅で看取りを希望する際どこに問い合わせたらいいかなどもしることができて大変参考になりました。

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Posted by ブクログ 2022年09月08日

在宅医療や終末医療などが、色濃く小説に反映されていて、リアルに病気や医療と向き合わせてくれる。

今回は小説でなく新書として、生の声が文字になっている。
年老いて読むよりは、老年に向かう今、読むことでより肯定的に受け入れられる。

しかし、高齢の母親に勧めるには、少し深刻でリアルすぎるのでやめておこ...続きを読むう・・・とも思う。

本書に出ていた「ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力」 (朝日選書)を読んでみよう。

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Posted by ブクログ 2022年06月11日

延命治療せずに死にたいなあと思うけど、いざとなるとそれをしてまでも生きたくなったりするんだろうか。
いつかは死ぬんだから、死ぬときのために心の準備はしておきたい。

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Posted by ブクログ 2022年06月07日

私自信医師として、患者さんの死に向き合ってきた経験もあり、ある程度イメージしていることはあったけれど、数々の死に立ち会った著者の体験からは勉強になることが多かった。

安楽死や尊厳死についても、さまざまなな考え方があることも改めて知れたし、一つ一つのテーマを深く考え直すきっかけになった。

欧米では...続きを読む食べられない高齢者に無理やりご飯を食べさせるのは虐待と聞いて、日本とは真逆だなと思った。

死に方をいろいろ想像するけれど、一番大事なことは、こうでなければいけないという思い込みを捨てて目の前の現場を受け入れる心なのだろう。

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Posted by ブクログ 2022年05月08日

様々な人の死をみとってきた医師である著者は、本人も家族も上手に死を受け入れることを勧める。もちろん、治る病気は治せばいいが、老年に達し、死に至る病にかかれば、無理な治療や延命処置は悲惨な結果をもたらすという。むしろ、死ぬことを受け入れて、残された時間を有意義に使うことの方が意味があるし、ある意味楽に...続きを読む逝けると説く。
いざ自分がそうなったとき、どういう思いでどういう行動を取るかは分からないが、著者の意見は大いに理解できるし、多くの死を見てきた人の言うことだけに説得力がある。

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Posted by ブクログ 2022年05月07日

久坂部羊(1955年~)氏は、阪大医学部卒、大阪府立成人病センター麻酔科、神戸掖済会病院一般外科勤務の後、サウジアラビア、オーストリア、パプアニューギニアの在外公館で医務官として勤務し、帰国後は在宅医療に従事。2003年に作家デビューし、医療現場を題材にした小説のほか、医療系一般書の執筆もある。
...続きを読む書は、現在の日本では、「死」が日常から必要以上に遠ざけられているために、死の実際を知る機会が少なくなっていることを踏まえて、著者のこれまでの臨床の現場における様々な経験を基に、「死に関する新しい教科書」として書かれたものである。著者は、死の実際を知ることによって、家族や自分の死が間近に迫ったときに、最良の方法を選び、亡くなったあとに悔いを残さないようにでき、また、一回きりの死を失敗することなく、死の恐怖から解放され、上手な最期を迎えられるようになるという。
章立ては以下である。
第1章:死の実際を見る、心にゆとりを持って 第2章:さまざまな死のパターン 第3章:海外の“死”見聞録 第4章:死の恐怖とは何か 第5章:死に目に会うことの意味 第6章:不愉快な事実は伝えないメディア 第7章:がんに関する世間の誤解 第8章:安楽死と尊厳死の是々非々 第9章:“上手な最期”を迎えるには
様々な視点から「死」について書かれているが、全篇に通底し、何度も語られているのは概ね以下の点である。
◆(自分の)死について考えることは苦しいことではあるが、死が間近に迫ったときに狼狽し、後悔するような選択をしてしまわないためにも、死について日頃から考え、心の準備をしておくことが大切。
◆死に対して医療は無力である。医療の限界を認識しないと、無駄で苦しい延命治療を強いられることになり、上手な最期を迎えられない。
◆自分以外(家族等)の死に際しても、残る側の感情や理屈ではなく、自分が死ぬ側になったときのことを想像して、医療(延命治療等)の判断をするべき。
私はこれまで、死(や死生観)について、医学・医療、生物学、宗教等の側面から書かれた一般書や、エッセイ集を多数読んできて、本書の記述で特段新しいものはなかったのだが、改めて、病院・医療との向き合い方を考えることができたし(端的に言えば、悲惨な延命治療につながるようなことは絶対に避けたい)、一読の意味はあったと思う。
現代の医療現場の状況を踏まえて、我々はどのように死の準備をするべきかを考える材料を与えてくれる一冊である。
(2022年5月了)

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Posted by ブクログ 2024年04月01日

死後にご遺体を整えるエンゼルケアで便を出すために肛門に指を突っ込んだり腹部をつよく押すとあり衝撃を受けた。100歳まで生きたいと漠然と思ってたが、医療で無理に生かされた状態なら、死を受け入れた方が幸せだなーと思った。

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Posted by ブクログ 2023年12月16日

「死は眠りと同じ、ただ目が覚めないだけ」とのフレーズが中頃にある。夢を見ている時はそれが夢だとは思っていない。「なんとかならないのかーーー。」と叫んで夢から覚めてホッとすることがある。「人生は夢のまた夢」そう考えると、朝、目覚めた時が誕生である。

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Posted by ブクログ 2023年06月26日

私自身は平均的に考えれば、まだ何十年かは生きると推測されるが、いざというときのために、死に対して、ある程度は準備や覚悟をしておいた方がいいと思って読んでみた。
治る見込みもないのに延命治療を行うのだけは避けたいと思う内容であった。

誰もが必ず迎える「死」について考える契機になるので、年齢に関わらず...続きを読む読んでおいて損はない。本書の様な本を読んで心の準備をしておけば、闇雲に死を恐れたりしなくなるかもしれないし、自分や家族のいざというときに的確な判断ができるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2023年03月08日

寿命がつきる2年前、に引き続いての2冊目。だいたい前作と同じ内容かな。元気なうちに諸々決めておいたほうがいい。感謝しておいたほうがいい。
求めないこと、それがなかなか難しいんだけど、求めて何が得られるか、そのためになにを犠牲にするのか、考えられるときに考えておくべき。縁起でもない、そう避けたい話題で...続きを読むはあるけれど。

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Posted by ブクログ 2022年07月07日

■ Before(本の選定理由)
タイトルに惹かれて読み始めた。
死をどう捉える?付き合うか?は永遠のテーマ。

■ 気づき
ガンの終末医療、外務省の医務スタッフ、在宅終末医療の経験をもつ筆者の言葉は説得力がある。無為な(それどころか患者を傷つける)延命治療への警鐘は心から納得。ただ、現場の愚痴とい...続きを読むうか、エンゼルケアをおこなうナース批判など公平性を欠くようにも感じた。

■ Todo
死に際は自分で決める。
そして、自分の死よりも近い、親の死に備える。モノもカネもココロも。

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