あらすじ
医者、患者、病気、医学部、医学研究、医療。
生まれてから死ぬまで、人は病院と医者から離れられない。
「医」と「病」をめぐる6篇の傑作短編小説集。
学生時代に自殺した親友と瓜二つの男が、新人医師として自分が勤務する病院で働きだした。以後、不可解な事件が頻発する。彼は誰なのか?(「「爪の伸びた遺体」」)著書はベストセラー、新聞の人生相談も好評、患者からの信頼も厚い女性精神科医のもとに「二度と人前に出られなくしてやる」と差出人不明の脅迫状が届いた(「悪いのはわたしか」 )。信心がまったくない医学信奉者の内科医が、病院の近所にある神社で同僚外科医の絵馬「手術が無事に終わりますように」を誤って割ってしまった。以降、降りかかる悲劇 (「絵馬」 )。突如として髪が増え始め、若返った元教員・泉宗一(68)の数奇な体験 (「リアル若返りの泉」)など全6篇。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ピンクの題字とは裏腹に小説の内容は実にシニカルで、物語の嫌な感じがじわじわ伝わり病膏肓に入る人たちを描く。
こういう人間の描き方は好きだ。
人間の弱さや多重性や狡猾さや傲慢を、最後の最後まで読まないと足元を掬われるような結末が待っている。
怪しいピンクの装丁がブグログに無いのが残念。
Posted by ブクログ
とても読みやすい短編集でした
久坂部羊作品大好きです
さすが医師が書く小説です
どのお話も医学的根拠を感じさせられるオチでとても面白かったです
スキマ時間にサラッと読める作品なので万人におすすめです
読み応えについては、久坂部羊作品の中ではかなりライト層向けかなぁと感じました
もっとガッツリのめり込むように読みたいなら他の作品の方がいいかもしれません
普段あまり読書しない人が読む分にはとても満足できると思います
Posted by ブクログ
久坂部羊先生らしい、老いと病の皮肉をたっぷり描いた短編集
それぞれ続編があるのではないかと思っちゃうほど、ラストにヒヤッとする読後感が良かったです
Posted by ブクログ
医師で作家の久坂部羊さん。
『廃用身』を以前読んだことがある。
(目次)
爪の伸びた遺体
闇の論文
悪いのはわたしか
絵馬
貢献の病
リアル若返りの泉
6篇の中では「闇の論文」が良かった。
西国大学の生命機能研究科が舞台。
「生検により起こり得るがん転移のリスクについての洞察」
助教授の山極温(やまぎわゆたか)は、丸山の論文を科学雑誌に掲載すべく手を尽くすが、思わぬ壁に阻まれてしまい…。
「研究にはタブーがある。生検による転移の論文は学界にとっての"不都合な真実"なのだから!」
研究医が触れてはならない領域があると、医学の闇の深さを感じさせる一篇だった。
書き下ろし「リアル若返りの泉」はとてもユニークな作品。
「頭髪が増えた」とFacebookに投稿した元教師の泉宗一(68)は『若返りの泉』ともてはやされ、有名人になるが…。
「調子に乗っている」と冷淡な眼差しを向ける妻に対し思わず「離婚!」と口走ってしまった夫。その後の展開に何度溜息をついただろう。
最後はゾクっとさせられた。
色々な病気を物語に上手く落とし込んでいて流石だと思った。短編の方が重くなり過ぎず読むことができた。
Posted by ブクログ
短編集です。
医者である、久坂部 羊ならでは、書きぶりです。
6作品、どれも短い中にもどんでん返しがあり、読みやすかった。
最後の「リアル若返りの泉」は、ちょっとコミックな要素もあり楽しく読めました。
あっという間に読めてしまう短編集でした。
Posted by ブクログ
文体・展開共に久坂部羊さんらしく、ユーモアとブラックジークに溢れた6篇です。一気に読める爽快感があります。ただ、私は「廃用身」にみられる究極の医療のあり方を問うショッキングな展開を求めてしまう。
Posted by ブクログ
「病」をめぐる6篇の短編集。
医師であり作家だからこそ鋭く描けているなぁと思う。
それぞれ違った角度で攻めてくる、ちょっとブラックな感じが楽しめる。
「つめの伸びた遺体」学生時代に自殺した親友と瓜二つの男が、新人医師として入ってくる…どっちがサイコパス!
「闇の論文」2年以上もの年月をかけての努力が、何の価値も残らない無駄なものになるという医療の世界の不都合な真実。
「悪いのはわたしか」新聞の人生相談が好評の精神科女医に脅迫状が届くが、女医には別人格が…。
「絵馬」信心よりも医学のみを信奉する内科医が、同僚の外科医が書いた絵馬を誤って割る。それ以来、気になって仕方がない。
「貢献の病」作品を通じて社会に貢献すべきだという作家が、アニメ化された著作権使用料の支払いについて問題にした件だが…回りからは傲慢でプライドが高い自己チュー老人と言われている。
「リアル若返りの泉」薄毛の元教員・泉が、突然ですが髪が増え始めていることに気づき、数奇な体験をするのだが、増えた原因が病だったとは…。
Posted by ブクログ
6編の著者ならではの短編集。
最後にクスっと嗤うオチがあるものが多く、風刺が効いている。実際に起こりそうなものばかりの医療界隈だ。
表題にもなっている2つが好きだ。
・悪いのはわたしか
・絵馬
Posted by ブクログ
流石、久坂部氏は小説はハズレなしで粒ぞろい。特に「爪の伸びた遺体」「絵馬」「闇の論文」あたりは流石。「悪いのはわたしか」も面白いが、これ医師作家オムニバス「謎解き診察室、本日も異状あり」と重複です。
Posted by ブクログ
久しぶりの久坂部羊
やはり良い作家さんですね!短編集なのでいつも読んでいる長編に比べてどうなんだろう?と思い読んでみましたが、どの作品も限られたページを存分に活かした面白い話しばかりでした。
ふと、個人的に最近の”世にも奇妙な物語”は面白く無くなったなぁと言うのを思い出し、こんな短編を題材にドラマ化したら面白いのに!と思いました。
Posted by ブクログ
初めての作家さん
医療や老いに絡めた短編ミステリー
どの話も短い中にも謎あり皮肉たっぷりで、ラストにちょっとした驚きありで楽しめた。
そして非常に読みやすい
なんだけど今ひとつ物足りない……
同時進行で非常に暗くて重い作品を読んでいるからかもしれない…(꒪⌓︎꒪)
少々の毒のあるミステリーを書かれる方なのかな?
長編はどうだろう…読んでみようかな♪(´ε` )
Posted by ブクログ
短編の1話目だけ読んだ。「爪の伸びた遺体」サイコパスの友達が自殺した。葬儀に行くといつも爪を短くしていたのに伸びていた。医者になったとき、死んだはずの友達にそっくりな医者が来た。2人は双子だった。そこまでは想像ができたが、最後の展開は違っていた。サイコパスは実は…。
Posted by ブクログ
6篇からなる短編集。
久しぶりの久坂部羊さんのご著書。
今作はなぜか惹かれるものがあり手に取り読んでみた。
「闇の論文」
がんの診断のために行われる生検が、
がんの転移を引き起こす可能性がある。
その研究結果を公表すると意気込む医師。
ただ、すんなりとことは運ばない。
P93
〈だれもが医療を信じている。治る患者も、
治らない患者も、医療によって危険にさらされている患者さえも、
みな医療という神にすがろうとしている〉
「絵馬」
手術前に絵馬を奉納し
無事に手術が終わるよう祈る先輩医師。
その行いを馬鹿にする内科医。
医師も患者も、最後にすがるのは神なのか。
短編集なので、サクサク読むことができた。
次回作も、ハラハラドキドキが続くストーリー展開を期待して。
Posted by ブクログ
いずれも久坂部さんらしい、詳しい医療描写もある、6つの短編集。「悪いのはわたしか」と「絵馬」が特に面白かった。こんな恵まれすぎて、なんの才能もない庶民からは妬まれる医師もいそうだし、神仏を信じない方もいそう!
どちらも極端な事例かもしれないけど、それはそれとして、楽しませてもらえます!
Posted by ブクログ
著者ならではの医学的見地を交えた短編ミステリー集。
ブラックで、毒のある切り口。最後に衝撃的な結末を用意して、読者を楽しませる手法を取る6編が収録されている。
だが、自分としては、がんの確定診断に使う生検ががんの転移リスクを高めるという論文を巡る話である「闇の論文」が一番興味深かった。
この論文が世に出れば現場が大混乱するという「不都合な真実」
これが、現実世界では、どうなのか、非常に気になった。
他は心臓疾患に携わる医者が神頼みになるという「絵馬」、自らが解離性同一性障害に陥る精神科医を描いた「悪いのはわたしか」が面白かった。
Posted by ブクログ
医療をキーワードにしたブラックな短編集でした。
どんでん返しのキモの部分に医療ネタが織り交ぜられてるのは新鮮な印象もありましたが、どの小編も後味が悪く(それが久坂部羊のウリではありますが)、何となくスッキリしない読書体験でした。
著者の「ブラックさ」は、長編小説ならばこそ、その居心地の悪さと社会へのメッセージ性が溶け合って魅力になるのではないか、と思います。作品の背景や登場人物の内面を十二分に描き出すことができない短編作品では、露悪的な部分が顕著に表れているように感じられました。
Posted by ブクログ
2025/03/10予約 9
「リアル若返りの泉」
薄毛の定年退職後の男性が毛髪が増えた!と喜びSNSに投稿しバズる。体毛も濃くなり、病院にかかると原因は毛母細胞がんでステージ4だとのこと。離婚し出ていった元妻が戻ってきた理由は看病のためではなく小金持ちになった男性の資産だった。
これが一番好きだった。
今後は廃用身や、無痛、のような作品は執筆しないのかな…あの頃の作品が好みだっただけに少し残念。