久坂部羊のレビュー一覧

  • 神の手(下)

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    安楽死という取り上げたテーマは興味深く、特に作者が医師なのでリアリティーもあり、考えさせられる内容だった。がただ、非現実的な事もあり(カリスマ指導者のような人が出て来たり)それが水を差したような。

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    2021年06月10日
  • 祝葬

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    信州にある大病院経営の土岐一族は、代々医者の家系であるが、その大半が早死にしている。この一族の4代に渡る物語。正直最終章までは、もう投げ出そうかと思っておりましたが、最終章はだいぶ未来の話になり、超高齢化社会を映し出す。それまでの章はこの最終章への前振りにも思える。
    一貫として「長生きすることは幸福なのか」というテーマで一冊の本を書き上げているところも素晴らしい。

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    2021年05月28日
  • 無痛

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    ネタバレ

    刑法39条の本筋がヘビー
    イバラは、痛みが知りたいのかと思ってたけど手術ごっこがしたいの、?

    「見ただけで病気や犯罪が見える」というのがスピリチュアルでなく根拠があってすごく興味深かった。

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    2021年05月22日
  • 介護士K

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    自分自身の介護問題は避けて通れんし、社会問題としても論議すべき点が多いなあ。
    確かに財源や人材を投与しても、高齢者を喜ばすだけで、社会の生産性が上がる訳でもない。医療とも関連するけど、点滴や胃瘻による栄養補給までして、延命させる必要性が本当に有るんかいね?
    小説としては、話を回している美和さんが最後に犯人である事が判明するなどのどんでん返しが有るんかと期待したが、そんなんやったら「五十嵐貴久」になっちゃうし。さすがにそれは無かったわ。

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    2021年04月21日
  • 廃用身

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    感想を一言で述べるとしたら、衝撃的。
    ある医師が描いた老人介護に関わる医療方法。
    また話の構成に、ノンフィクションのような錯覚に何度も陥った。
    それだけ内容もリアリティーがある。
    この作品が書かれてから、また更に時代は進んだ。
    ますます、介護時代は加速して、これからも留まるかとはないだろう。
    そうなると、またこの小説も現実に近付いてくるのてはないかと思う。
    恐怖を感じる部分もあるが、完全否定も出来ないと思う…
    2021.4.11

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    2021年04月12日
  • いつか、あなたも

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    在宅医療専門の「あすなろクリニック」の看護師や医師が、より良い最期を患者さんが迎えられるように力を尽くす日々を、短編集のような形で描いている。
    綺麗事ではない在宅介護の現実が、ほぼ実話に基づいて書かれており、本当に考えさせられる。
    辛い話でもあるのだが、病と戦う患者さんと家族の姿に、他人事ではない人間の最期に自分自身新たな思いが生まれてくるような気がしました。

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    2021年04月06日
  • 黒医

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    ネタバレ

    久坂部羊さんの短編集好きですが、
    BLACK 2 × HUMOR
    ブラック感半端ないです。
    登場人物が心の闇にのまれていく描写を読んでいると疲れてしまう。
    だいたいラストにどんでん返しが出てきますが「不義の子」は最後2ページ驚きました。まさかね〜と。

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    2021年03月25日
  • 院長選挙 (1)

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    久坂部羊氏の原作を元にマンガ化。

    天大病院医学部のトップが、自宅で急死した。
    後釜を狙う副院長(教授)は4人。

    どれもこれも、個性的な人物ばかり。
    そして、院長の急死(不整脈)にも、不審な点が...

    出版社のルポライター・吉沢アスカ。
    『医療崩壊』をテーマに、4人に取材を申し込むものの、想像を絶するとんでもないことが...

    実際の医療現場が、こんなことになっていない事を祈るばかりです。

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    2021年03月17日
  • 神の手(上)

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    【安楽死】

    大切な人が助かる見込みもなく、痛み苦しむ姿を見てもそれでも生きて欲しいと願うのはエゴなのだろか。

    楽にしてあげたいと思うのだろか。

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    2021年01月24日
  • 神の手(下)

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    安楽死をめぐって

    医者

    患者

    政治家

    が絡み合い、縺れ合う。


    聞き慣れない専門用語などが出て来るから難しい。

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    2021年01月24日
  • 院長選挙

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    急死した大学病院の地位を巡って、各科の副院長がお互いを罵りながら院長を目指す笑える話。
    おそらく、本当の病院の偉い人達もこのレベルなんだろうなと思いながら読んだ。
    現場はたいへんなのに何をやってるんだか、と呆れながら笑いたい人には向いている本。

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    2021年01月13日
  • カネと共に去りぬ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    医療と人生の最後についての、アイロニー含む逸話集。
    医療人の黒い側面と、人生の最後の迎え方について、はばかりなく語っているが、一般の方にも心響くでしょうか。

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    2020年12月26日
  • 祝葬

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    ネタバレ

    いわゆるクオリティ・オブ・ライフがテーマでしょうか。同作者の「神の手」「廃用身」も似たようなテーマだったように記憶していますが、病気との向き合い方を他人に決められてしまうことの嫌悪感を「希望の御旗」にて同じように感じました。

    対して「ミンナ死ヌノダ」の覚馬は、検査も治療もしないことを自ら選んで死んでいったわけですが、その様子はとても満足そうに映ります。

    本書はこうした終末期医療に対する問題定義がメインかと思いますが、ラスト直前に出てきた誤診と医師の労働環境に関する問題についても作者は訴えたかったのかな、という気がしました。どちらの点についても、いろいろ考えさせられたり興味を持って調べたりす

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    2020年12月20日
  • 黒医

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    後味の悪さは一級品!
    随分と意地悪な目線で書かれてる気がするけども、優しさという名前の無関心の薄皮を剥ぎ取れば、ぎゅうぎゅうにこんな感情が詰まってるんだよね、人間。

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    2020年11月15日
  • 廃用身

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    廃用身という言葉を初めて知った。
    Aケアという療法についても興味深かった。
    終始重い話で目を背けたくなるような描写もあったけどイッキ読み。
    うーモヤモヤ。。
    慎くんに鳥肌が立った。。
    読後感は悪い。。
    でも読んでおいて損は無い。

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    2020年10月01日
  • 神の手(上)

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    医療訴訟の話ですかね。
    まだ途中なのですが、、けっこう強引な描き方をしている部分もあるのかなとは思いますが、趣旨はわかります。
    ただ、読んでてしんどい(笑)
    少しずつ読み進めています。
    人権・尊厳死、、、ホスピスなど、、、医療の現場にまつわることについてはいろいろ整えられてきているのかもしれませんが、実際に病気や死を目前にした本人や家族が、その選択肢について、知らなすぎる気がします。
    現在、上巻の半分手前くらいですが、ゆっくり読み進めていきます~

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    2020年09月30日
  • 嗤う名医

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    6つの短編の中では【シリコン】が1番面白かった。
    【至高の名医】もよかった。
    【名医の微笑】はちょっと苦手。

    いずれも、お医者さんって、色んな人(患者)を相手にして、ストレスの溜まる職業なんだなぁと思う。

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    2020年09月29日
  • カネと共に去りぬ(新潮文庫)

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    芥川の小説を再構成した医療エンターテイメントに続く、名作のパロディー医療エンタメ(解説者によると正確にはパスティーシュというそうだ)。
    名作をちょっとひねった題名にシニカルさを、その内容にブラックさを味わうことができる。原作をしっかり読み込んで理解したうえでないと、このような作品は書けないのでは。
    その一編『アルジャーノンにギロチンを』は、日記形式で構成されている。高慢な医者すぁる主人公は、認知症を恐れ、日記をつけているが、その進行と共に徐々に文章が乱れてくる。
    既視感があると思ったら、著者の『老乱』でも、主人公にあたる老人の日記で、認知症の進行具合が迫力満点に描かれていた。
    いずれも、現役の

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    2020年09月07日
  • カネと共に去りぬ(新潮文庫)

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    医呆人/地下室のカルテ/予告された安楽死の記録/アルジャーノンにギロチンを/吾輩はイヌである/変心/カネと共に去りぬ

    どこかで聞いたような題名ばかり。こうもブラックな話に利用できるとは、きっと凄いんだろう。心身の健康への気になり具合が大きい時に読むのはちょっと辛かった。元気でないと読めないかも

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    2020年08月09日
  • カネと共に去りぬ(新潮文庫)

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    久坂部羊『カネと共に去りぬ』新潮文庫。

    世界文学のパスティーシュ医療ブラックユーモア短編集。世界の名作小説を連想させるようなタイトルの『医呆人』『地下室のカルテ』『予告された安楽死の記録』『アルジャーノンにギロチンを』『吾輩はイヌである』『変心』『カネと共に去りぬ』の7編を収録。

    最近の久坂部羊の作品はシリアス路線ではなく、ブラックユーモア路線の作品が目立つ。本作に収録されたいずれの短編もブラックでユーモラスな一面を持つのだが、シリアス路線の方が好きだな。

    『医呆人』。アルベール・カミュの『異邦人』のパスティーシュ。村壮はムルソーのパロディだし、基本的なプロットも元ネタのパロディだ。主人

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    2020年08月05日