久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
外科医である著者の父親の死生観。自身、麻酔科医でありながら医療を信じず、ストレスが諸悪の根源と考え、節制をせず、検査の類は一切積極的に受けなかった。それで87歳まで長生きした。
この本を真に受けて検査を軽んじたり医療不信に陥るのは避けたい。この父親には死への覚悟があったり、自身や息子が医者である点でも一般的ではない。あくまでn=1の挿話として読みたい。心配性、不安がちな自分は本書のおかげでだいぶ気が楽になった。
「世間では長生きをよいことのように言う人も多いが、実際の長生きはつらく過酷なものだ。足腰が弱って好きなところにも行けず、視力低下で本も読めず、聴力低下で音楽も聴けず、味覚低下でおい -
Posted by ブクログ
医療現場を知る者が読んでも大満足する作り込みです!
さすが本物の医者が書いた小説です
私、著者の作品めっちゃ好きなんです
学生の時に本屋で平積みされていた廃用身をなんとなく手にとって読んでからずっと大好きです
いろんな作品を読みましたが全て本当に面白いです
それでもここ数年は他の作家の本をいろいろ読んでいたので、著者の作品はとても久しぶりに読みました
改めて面白いなぁ、と…!
まるでノンフィクションのような作品でした
あとがきまでぜひ読んでください
そこまでが作品です!
綺麗事では終わらないリアルな終末期·在宅医療を目の当たりにできます
他人事では終わりません
いつあなたがこうなるか神のみぞ -
Posted by ブクログ
医者である久坂部 羊だから書ける小説でした。
心臓移植などの臓器移植をコーディネートする女性の心の葛藤を中心に展開。
思いもしない突然の脳死状態に翻弄する家族。
その一方、心臓移植を心待ちにする患者。
また、日本の心臓移植の現状、生い立ちなども盛り込まれている。
そして、心臓移植の最前線で頑張る医師。
心臓移植にまつわる全ての関係者の心の揺れがうまく纏められていました。
医者にしてもコーディネーターにしてもよかれとおもってしたことが、思わぬ展開になってしまう。
おこってしまったことの回復に取り組む関係者。
最後、思わぬ展開で、将来に向かって展望がもてる方向で小説は終わりましたが、色々考えさせら -
Posted by ブクログ
インパクトの強いタイトルである。
脳死は、「本当の死」なのか。
臓器移植をめぐる、患者家族と医師、臓器移植コーディネーターたちのドラマ。
マイナンバーカードの裏などに、何気なく臓器提供意思に丸をつけてしまっている。
自分が死んだら、必要としている人に差し上げてもいい、と思っていたが、「何気なく」表示していいものではなかったし、「自分が死んだら」が実際どういう状態なのか全く分かっていなかったと呆れるばかりである。
正常性バイアスのなせる技か、自分には起こらないとどこか思っていたのだろう。
私は、脳死とはどのような状態なのか、脳死と寝たきりの違いさえ分かっていなかったのである。お恥ずかしい限り