久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先日読んだ久坂部羊さんの『老乱』がセンセーショナルでしたので、もう一冊認知症の父親のことを描き、話題になった久坂部さんの小説を読んでみた。
今回のお話は自宅(マンション)で認知症の父親を介護する夫婦の物語だ。『老乱』よりも、認知症患者を取り巻く周りの人の感情などに焦点を当てているような感じでした。
マンションにはいろいろな人がいて、隣近所の方も皆んなが認知症の老人に理解があるわけではなく、徘徊したり、大声を出したり、糞尿を撒き散らしたりされたら迷惑だから、早く老人ホームに入れろとまで言ってくる人もいる。この話ではマンションの理事会で認知症問題についての話し合いまでされる(結論は平行線となる -
Posted by ブクログ
なかなかズシっと精神的に重い本でした。しかし読んだ価値はある貴重な小説。
妻を亡くし78歳で独り暮らしをしている幸造さんが主人公であり、ヒシヒシと押し寄せてくる認知症への恐怖と、彼を取り巻く家族の心理状態の描写が非常に細かくリアルでした。久坂部羊さんは医師でもあるので、よく分かった上で執筆しているのだろう。
幸造さんが単に老いを感じ始めてから、どんどん認知症が進行していく様が、彼の毎日書いている日記にあらわれはじめ、漢字が書けなくなったり、車をぶつけたり、孫の名前が思い出せなくなり…徘徊が始まり、免許や預金通帳を取り上げられ、家族がわからなくなり…病院に入院…その後、施設に入居する費用を捻 -
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マジか!すごいな!
見るだけで病気や助かるかどうかも分かる町医者
養護施設で働くシングルマザー
その母親をストーカーするクズ男
養護施設に入所した14歳の少女
同じ見るだけで病状が分かる大きな病院の医院長
その病院で働く無痛症の男
街中で次々と子供たちが通り魔に襲われる
とある家族の惨殺事件が起こる
刑法39条をテーマに想像もできないことがそれぞれに起こる
生々しい描写やこちらが顔を歪ませてしまうほどの言動が衝撃的すぎる
でもただリアルなわけじゃなく、登場人物たちの動きが読めずのめり込んでしまう
目の前で映像を見ているくらいあっという間だった
そしてラストの1行
なんとっ!!
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Posted by ブクログ
結婚して新築マンションを買ったけど、手続きの関係でなかなか入居できず、「今死ぬのは本当に嫌。望んでいるものが手に届きそうで届かない時に人生終わるのだけは勘弁!」と思ってた時に、この本を見つけた。
お医者さんとしてたくさんの人の死に関わってきた視点から、死とどう向き合うべきか書かれたエッセイ。
結論の死との向き合い方は、難しい方法ではあるが、本当にその通りだな、そうしてみよう、と思える内容だった!
自分が、何となく死を怖がっていて、何となく今を生きていて、感謝や足るを知る心が充分じゃなかったんだと感じた。
また死が怖くなった時、生きるのが嫌になった時に読みたい。 -
Posted by ブクログ
在宅医療Dr.の著者が自身の経験をもとに、上手な死に方を提案する一冊。
まず前提として、現代日本人のほとんどは、病院で亡くなっており、死を身近に感じる機会がない。結果どうなるかというと、身内の死に直面したとき、あわてふためき、病院にすがりつき、医師の言われるがままに延命治療をして、本人が望んでいない悲惨な死を迎えることになる。
必要のない治療をして、身体がむくみ、腹水になる症状は生きたまま腐っている状態という表現には衝撃を受けた。
また、家族を死に目に間に合わせるために苦しい心臓マッサージをしたり、投薬をすることにも意味がなく、意識がなくなったあとも耳だけ聴こえているというのも都市伝説らしい -
Posted by ブクログ
医師である著者の方の経験と知識を持って書かれているので、リアルで生々しく勉強になることの多い一冊だった。
死に目に会いたいとゆう家族の望みだけを叶えるための、一時の悲惨な蘇生措置のところ、これが医療の現場での事実なのだと知った。
私は身近な人であればあるほど、死に目に会いたいとおもっていた。だから死に目に会えなかった時、間に合わなくてごめんね、と後悔した。
誰もそばにいなくて、たった1人で逝くのはさみしい、と思うのは自然な感情だと思う。
だけど、そこにこだわることはもうやめよう、そう思った。
どうか安らかに、と願って手を合わせた、それでよかったと思おう。