久坂部羊のレビュー一覧

  • 介護士K

    購入済み

    家庭での介護疲れによる虐待や無理心中、殺人、施設の中での同様の事件や事故、自殺ほう助や安楽死の問題は年々増えてきているように感じます。

    介護する側、される側共に、どうにも身動きの取れない状況があり、福祉サービスで改善されれば幸運ですが、現実はそうではないようです。

    また日本では安楽死や尊厳死に対する理解も低いままです。

    この作品では介護士Kが果たして事件の中心人物なのかどうか、最後まで微妙な立ち位置にいましたが、あとがきで著者が「罪と罰」のラスコーリニコフを意識して執筆したと書いているのを読んで納得しました。

    中学時代、読書感想文を書いたものですが、社会に出る以前の、人生経験皆無の、底が浅く甘い道徳観をふりかざした記憶があります。

    死だけが救いの人に直面した時、何ができるのか……
    答えは曖昧なままです。

    #切ない #タメになる #深い

    0
    2023年11月16日
  • 人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期

    購入済み

    親子で医師であり、自然体の生涯を貫くことができたのは、うらやましいです。
    老いや病、生死の知識があったからだと思いますが、何より強い決意と覚悟があって為せること。

    寝たきりの父のノロウィルス感染やおしめ交換など、具体的に率直に書いてくれていたのは現実感があり、勉強になりました。

    介護は、周囲を巻き込んでの本音とたてまえ、気持ちのゆらぎや体力など、様々な問題がありますが、介護する側、される側が、どちらもあるがままの流れでいられたら、それが一番なのでしょう。

    #タメになる #共感する #ほのぼの

    0
    2023年11月15日
  • 悪医

    Posted by ブクログ

    がん末期になっても、最後まで治療してほしいと願う患者。なぜなら、治療をやめるということは死を受け入れることだから。

    がん末期になったら、最後まで治療しないほうがよいと言う医者。なぜなら、副作用で体力が奪われるよりも、体力が残されているうちに有意義に過ごした方が患者のためだと思うから。

    両者とも、もっともな思いだから、伝え方が大切だと思った。特に、がん末期の患者や家族にとって、その医者からの言葉は最期通告にしか聞こえないから。

    私は両親をがんで亡くしたので、とても他人事とは思えない小説だった。

    0
    2023年10月15日
  • 悪医

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「もし、私や身内が癌になったら」と考えながら読みました。

    有効な治療が無いことを上手く伝えられない事に悩む医者の様子を読んでいると、無理に治療を求める患者を煩わしく感じました。しかし、もし自分や家族が患者という立場になった時、私は医者の言葉を素直に受け止める事ができるのか。この小説を読んで、医療現場で働く人の考えを知ってもいざ自分が当事者となるとなかなか難しいと思います。

    ならないのが1番ですが、もし実際に直面した時この小説を思い出したいです。

    0
    2023年09月29日
  • 善医の罪

    Posted by ブクログ

    あまりスッキリできる結末ではなかったけれど、法律で安楽死、尊厳死が良しとされていない日本の現状のような気がして個人的には好きです

    0
    2023年09月25日
  • 老乱

    Posted by ブクログ

    年老いた母にプレゼントしてしまった。1年以上前に読み終わり、感想を書こうと思ったらほぼ忘れている私は認知症だろうか。また読み直そう。

    0
    2023年08月14日
  • 寿命が尽きる2年前

    Posted by ブクログ

    きっと誰もが『その時』になったら、焦るし、泣くし、怒ると思う。でもそんな時に心の片隅にこの先生のコトバがあれば少しは落ち着ける、かな。
    また何年後かにも読んでみたい。

    CEA/ 肺、食道、胃、大腸、胆道、膵臓、乳がんに反応の腫瘍マーカー

    PSA/ 前立腺がん

    メメントモリ = 死を想え→ 死を意識して生きよ、今を楽しめ!

    2009年東大病院調査
    「望ましい死を迎えるために、最後まで病気と、闘うことが必要か」 がん患者の約8割は必要、慰謝料約2割は必要。

    プラセボ効果= 効くと思ってのむと実際に効く心理的効果のこと

    安心は幻想、心配は妄想

    『莫妄想』= 妄想すること莫れ/なかれ
    『少欲知足』 欲望を押さえて足るを知ることが大事
    『無為自然』 余計なことはせずあるがままを受け入れる
    『ライオンは野菜を食べない。でも健康』
    『時間は有効に使おうと思えば思うほど、足りなくなる』
    『事故は青信号の時に起こる』
    以上 父上の名言

    作者は外科医→ 外務省 医務官@パプアニューギニアの日本大使館勤務 経験

    無頓着力、満足力、感謝力
    物忘れ→ 忘却力、老人力ととらえる!笑

    0
    2023年08月10日
  • 老乱

    Posted by ブクログ

    認知症で施設に入所している母が部屋で書き殴っていたメモと幸造の日記が重なる。
    アホだ、私はバカになった、死にたい、、、、

    認知症は本人が一番辛くて苦しいはず。自分が自分でなくなる恐怖と日々闘っているのだ。
    母も精神科に入院し、施設スタッフが介護しやすいようになって退院した。歩けていたのに目の前の母は車椅子で紙オムツで生気がなかった。それでも皆、母を取り囲んで「良くなりましたねー」と言う。まさにこの本に書かれていた通りの体験をした。
    自分で母を介護はできない私は、母を姥捨山に置いてきていると日々戒めている。

    0
    2023年08月02日
  • 寿命が尽きる2年前

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     死に時は早めに設定(Ex60歳)しておいたほうが、死ぬときに悔いが少ないと考えた久坂部羊さんの「寿命が尽きる2年前」という発想を具体化した本です。2022.10発行。寿命とは、寿命を延ばす方法、寿命を縮める病気、寿命に逆らう苦しみを説明したのち、2年後の死は予測できないけど、理由なしに食欲がなくなり、活動量が減ってくると、死の準備を勧められています。死にたくない人は死が迫ったとき必ず医療に頼り、失敗する最期を迎えてしまう。いったん死のスイッチが入ったら、どんなに医療を施しても、それを止めることはできない。泰然と死を受け入れるには、十分に生きたという実感をもてればいい。2年間あればいろいろなことができる。逆に、2年間は医療に近づかないこと。

    0
    2023年07月18日
  • 寿命が尽きる2年前

    Posted by ブクログ

    現役医師である作者の死生観について書かれている内容。これは、人生の教本と言っても良い作品だと思う。常に不安を抱えている現代日本人への標となりうる名著。

    0
    2023年07月09日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

    Posted by ブクログ

    薫子の家族全員闇を抱えていて結末も家族バラバラになってしまう。

    母親の自殺から始まり、次兄の殺人、長男が精神を病み、父親は末期ガン。薫子も遺族に対して心情を重んじない行動をとるなど1人マトモだとおもっていたが家族に対して見ざる聞かざるという行動に出ていた事が判明。読んでいて自分は次兄の意見に同調していたが薫子の死んだら終わり、家族が悲しむ、の意見に同調する人もいる。どっちが正しいのか、今自殺する人が多いが生きろ、相談しろの声が多数を占めている。死にたいと願う人はどう感じているのだろうと色々考えさせられる内容だった。

    0
    2023年07月01日
  • 院長選挙

    Posted by ブクログ

    久坂部さん範疇の医療作品だが、一味違うコメディ作品だが最後まで笑って一気読みする。大病院の医者、看護婦、薬剤師、事務・技師のカースト化された体制、又医者内でも細分化された診療科の優劣への拘りを背景とした次期院長選挙のストーリー。
    次期院長を狙う、其々の診療科のトップでその診療科に近い派閥科を束ねる4人の副医院長の軋轢が子供の喧嘩レベルで笑える。「面白い巨塔」の章ネーミングセンスやダジャレの効いた登場人物の名前も壺にハマる。
    エリート意識の高い医者の世界は、多かれ少なかれ差別意識、コンプレックス、優越感を抱えているのは良く聞く話で周りは笑えるが当の本人は真剣何だろうと思える。

    舞台は、日本医療の頂点に君臨する天都大学医学部附属病院で宇津々医院長(緊急救命部長教授)が亡くなりその委員長の椅子を狙う副医院長4人
    ・徳富(循環器内科教授)
    ・大小路(消化器外科教科)
    ・鴨下(整形外科教授)
    ・百目鬼(眼科教授)
    と医学部長の夢野(麻酔科教授)
    が其々近い診療科の教授連と共に派閥を作り選挙での医院長の座を狙う。
    徳富:メジャー4科以外はマイナー科でメジャー科の中でも上ランクの内科が一番、内科の中でも唯一絶対の心臓を扱う循環器内科が一番と疑わ無い、先人教授の残物を隠して教授部屋を鏡貼りにして過ごす研究好き。
    大小路:外科医としてずば抜けた実績を持ち手術後の備え付け風呂に浸かるのが至福の時間だが、女子風呂設置で男風呂が狭くなって事に不満を抱える。又、女好きで有名。
    ・鴨下:自称若手組ホープでイケイケ気質で百目鬼と犬猿の仲
    ・百目鬼:白内障手術等で病院の利益に最大に貢献しているのが自慢の守銭奴のあだ名を持ち鴨下と犬猿の仲
    この4人が表裏何処の場でも織りなす相手を貶す口喧嘩が面白い。
    ストーリーとしては最後、医学部長の夢野が漁夫の利を得て医院長を兼務すると思いきや、陰で4人のスキャンダルを調べ陥れ且つ、宇津々医院長殺しの犯人で捕まり終える。

    0
    2023年06月30日
  • 寿命が尽きる2年前

    Posted by ブクログ

    時間とお金をかけてわざわざ人間ドッグや健康診断に行っても、異常が見つかれば精神的に大きなダメージを負い、病院に行けば医療地獄に陥る。「異常なし」の場合でも全く安心できない 。若いうちならともかく還暦過ぎの生き方として何が重要なのかつくづく考えさせられました。

    0
    2023年06月15日
  • いつか、あなたも

    Posted by ブクログ

    在宅医療でも様々な患者がいて苦労も多いし、どんなケアするのか知りたくてノンフィクションとあったので手に取る。
    内容は介護をしてる方々そこまで苦労しているようにみられず、お金に余裕がある患者が在宅医療を受けるのだろうか?と無知な自分は最下層で余裕のない人が在宅医療を受けていると思っていたので驚きと、自分の家では当てはめれないけど話は医師や看護師の思いや内容が優しい、温かい雰囲気を醸し出していたので読みやすく、有意義な時間を過ごす。

    0
    2023年04月19日
  • MR(上)

    Posted by ブクログ

    新卒3年目ごときが生意気だが、ソリシターとMRには共通点が多いと思う。
    共感に次ぐ共感で、一気読み。

    0
    2023年04月16日
  • 告知

    Posted by ブクログ

    医者である著者だからこそ書ける作品だと思う。訪問医療における医療者のかかわりの難しさだったり、自宅で最期を迎える人の心のケア、家族のケアなど考えさせられる内容だった。認知症の妻の介護をする人の話は外で読んでたけどジーンと来てしまったし、ALS患者の最期の関わりの難しさなども泣けてくる内容だった。

    0
    2023年04月16日
  • オカシナ記念病院

    Posted by ブクログ

    赴任/臨終/自由/検診/青年/嫌煙/縮命/離任

    あぁ おもしろかった。命とは、医療とは、さて私は?
    患者の立場、医師の立場、個人の思い……
    それらが絡み合い渦巻いて思わない方へ進むこともあって、へぇーとかふむふむとか、えぇっ!とかブツブツ言いながらいろいろ考えながらラストへ。一良君 大丈夫??が最後の感想でした(笑)

    0
    2023年02月22日
  • 人はどう死ぬのか

    A

    購入済み

    考えさせられる

    死ぬことにも準備が必要だということ。
    普段はあまりかんがえたくないことだが、
    誰もがいつかは必ず死ぬのだから。
    自分の死もさることながら
    大事な人を送る場合も
    あらかじめ、考えておかないといけない。

    0
    2023年02月18日
  • 悪医

    Posted by ブクログ

    身内が癌になって、一切のがん治療を自分から断って亡くなったので、心に響きすぎる内容だった。
    癌になって、標準治療が効かなくなった後、自分だったらどうするかな。
    どういう形にせよ、自分で道を決めて、やり切ることが大切なんだと思う。

    0
    2023年01月09日
  • 芥川症

    Posted by ブクログ

    なんとふざけた題名の本だろう・・・と読み始める。だが、待てよ!?目次を見ると、おお!これは芥川龍之介の作品パロディだ!自然と顔がにやけてしまった。私はこの手の機転を利かす言葉遊びが大好きな人間なのである。「病院の中」=藪の中、「他生門」=羅城門、「耳」=鼻、圧巻は「蜘蛛の意図」=蜘蛛の糸である。ブラックユーモア風の作品に仕上げてある。これは面白い!・・・他の作品もそれぞれ医療に関する観点から書かれてあり読み応えがあった。そして、龍之介が盗作していたなんてだれが想像したであろうか。いや実に面白い作品だった。


    0
    2022年12月04日