久坂部羊のレビュー一覧

  • 悪医

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    ネタバレ

    評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    余命宣告された52歳の末期がん患者は、「もう治療法がない」と告げた若き外科医を恨み、セカンドオピニオン、新たな抗がん剤、免疫細胞療法、ホスピスへと流浪する。2人に1人ががんになる時代、「悪い医者」とは何かを問う、第3回日本医療小説大賞受賞の衝撃作。

    余命を言い渡された患者の絶望的な気持ちや、何かにすがりつきたいと思う気持ちが痛いほど伝わってきた。確かに医師は自分の仕事を精一杯努めるしかないだろうが・・がん難民いつか誰にでも訪れるだろうと思うと切なかった。

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    2020年09月23日
  • 悪医

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    一気読み。久坂部先生のマジメ本ではトップクラス。感動する作品です。
    「余命三か月」と医師からこう宣告され残された時間を有意義に生きなさいと宣告される患者。
    セカンドオピニオン外来から始まり、がん免疫療法と現実を受け入れることなく、最期まで諦めません。結局ジタバタすることが、有意義な過ごし方だったんです。
     治る見込みのない患者をこれ以上抗がん剤で苦しめずに、残りの時間を体力のあるうちに有意義に暮らしてもらうにはと悩む医者と必死に生きようとする患者が交互に出てきます。
    癌に罹患していない今だから冷静に読める本ですね。

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    2020年08月30日
  • 悪医

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    医療小説は好きでたくさん読んだけど、私にとって1番の衝撃作。

    医者の立場の言い分もわかる。
    患者の立場の言い分もものすごくわかる。

    ウチの息子には医学部に進んで欲しい反面、医者になるのは可哀想な気もする。。。

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    2020年08月30日
  • 廃用身

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    すごいインパクト!
    最初、書き方の感じからして、「これはノンフィクションだ」と思っていたけど、え?こんなことあったっけか?
    えーっ?
    って思って、調べてみたり、最後の方を読んだりして、、、混乱してしまいました(笑)

    すごいわー。
    こんなやり口、なかなか思いつかないですよね!
    実際、「それもアリなんじゃない?」などと思ってしまったんですけど・・・(汗)

    ほんと、引き込まれて読みました!
    どんどん久坂部羊読もう!読もう!

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    2020年07月29日
  • 破裂(下)

    購入済み

    内容が医療モノなので、ちょっと難しかったですが、途中からサクサク読めました。高齢化社会はこれからの課題ではありますが、そんな無茶苦茶な解決策は。。でも終わりは、まぁ一応無事に着地したかなと思いました。

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    2020年07月05日
  • 悪医

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    一気読みでした。

    抗がん剤は毒で、逆に命を縮ませることもあるから、残りを有意義に生きるためにやめた方がいい。という医者の気持ちも分かります。

    ただ、患者からすると、治療法が無くなるのが怖いのです。
    特に、色々な治療をしてきた人にとっては、使う薬が無くなったと言われると、死ぬしかないのか。ってなると思います。

    医者と患者のこの距離がどこまで縮めることができるか。これが、この本の読みどころなのかなと、思いました。

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    2020年06月18日
  • 思い通りの死に方

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    30冊目。「大往生したけりゃ医療とかかわるな」を読まれた久坂部先生が対談を申し込まれたそうで、ユーモアもたっぷりだった。

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    2020年05月01日
  • 破裂(下)

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    28冊目。上編からあっと言う間に読んでしまった。面白い。第2の「白い巨塔」とも言われるそうな。医療ミスを巡る裁判に並行して、厚労省官僚(佐久間)の企てる高齢者抹殺計画(このキャラといい、腐敗屍骸像と言い手塚治虫作品を彷彿とさせる)。時あたかもコロナ禍も背景に陰謀があるのではと思ったりする。

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    2020年04月23日
  • 悪医

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    今の時代、がん=不治の病という認識はだいぶ変わってきてはいるものの、やはり医師からがんを宣告されたら、誰でも大きなショックを受けるでしょう。
    小説の主人公は50代のがん患者。そして、もう一人の主人公は30代の医師。数ページ単位で、それぞれの話が進んでいきます。
    この本の著者は現役の医師で、がん治療の描写がとてもリアルです。(私の身内にがん患者だった者がいて、それとの比較です)

    山崎豊子さんの白い巨塔のようなベストセラー本にはなっていませんが、とても現実的で、私も主人公と同じ立場になったらどうなるかと考えさせられる一冊でした。

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    2019年10月21日
  • 院長選挙

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    久坂部羊『院長選挙』幻冬舎文庫。

    大病院に行くのが怖くなるようなブラック医療コメディ。医者と言えど、人間だから色々な性格や精神構造の方が居て当たり前なのだが、社会的地位の高さや恵まれた生活環境により、一般人より性格の悪い部分だけが増長されるのかも知れない。それにしても、こんな病院には絶対に行きたくないぞ!(^_^)

    天都大医学部の病院長、宇津々が謎の死を遂げ、近々、病院内で新院長選挙が行われることに。候補者の4教授はいずれも歪んだ性格の変人ばかりで、互いに足を引っ張り合い、新院長の座を譲らないのだが……

    本体価格600円
    ★★★★★

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    2019年08月10日
  • 破裂(下)

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    長かった…予想以上の文字数です。
    そして何よりも怖かった。
    個人的には、佐久間が個性強くて好きだなあ。
    高齢者社会に警鐘を鳴らしている本作は、今最も読んだほうが良い作品かと思います。
    最近じゃ、介護疲れもあり殺人事件にまで発展してしまう日本。
    だからこそ、佐久間は将来の自分の為にも安楽死を認める施設に躍起となっていたが、快適な死はどこにもない。
    ポックリ死を実現したかった佐久間が、結構愛おしいキャラクターでもあります。
    キーマンじゃないかなあ、佐久間みたいな人は。

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    2019年07月29日
  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    同感。最近はなかなか簡単に死ねない。
    医者は病気を治療することに一生懸命になりすぎて「死」に対しては考えられてこなかった。
    PPKがいかに難しいことか思い知らされる。
    本人の意思ではなく周りの自己満足で無駄な引き伸ばしをされるほど辛いものはない。
    末期になるまで症状がなく手遅れでパッと逝きたい。

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    2019年03月23日
  • 告知

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    久坂部先生の本はみんな本当の話をのように生々しい。
    患者側、看護師側、患者側の家族側、先生側の本音と建前と交錯する。
    いつ自分がアルツハイマーの当人になるか、難病の本人もしくは家族になるか、誰にもなりうることで、人ごとではない。

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    2019年02月19日
  • 破裂(上)

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    相変わらずのゾッとするような面白さでした。
    白い巨塔のような、医療裁判…果たしてどうなるのか?
    ここぞとばかりに、医療界のどす黒さを暴く内容。
    得られる知識も沢山ありました。
    下巻読みます。

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    2019年01月23日
  • 告知

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    在宅医療専門のクリニックで働く看護師が語る6人の患者さんとその家族、そして医療スタッフのお話し。
    人それぞれの終末期の過ごし方を見る。病気か高齢か認知症か個人の性格もあって千差万別。
    さて 私は??

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    2018年11月07日
  • 廃用身

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    凄まじすぎた…ウチの大好物なグロテスク系がこんな形で書かれているのは初めて。
    最初はほんまに現実にあった話やと思ってた…だから更に怖かった…怖いけど納得は出来る。ウチは漆原先生にめちゃくちゃ同意!

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    2018年05月11日
  • 第五番 無痛II

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    結局、何が伝えたいかと結論から書くと

    執拗に医療を信用するな

    ということかなと思いました。
    コンビニ受診なんて言葉を初めて聞きましたが、カネのある健康オタクはどうしてもそうなりがちかもしれません。

    そんなに信頼されても困りますよ。医者は神様じゃないんだから

    そう訴えたいのが伝わってきました。

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    2018年02月09日
  • 虚栄 上

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    ネタバレ

    がん治療の国家プロジェクトの利権を巡り、それに参加する内科、外科、放射線科、免疫療法科による派閥争い。患者が見えなくなるほどカネや名声に執着する面々の腐り切った姿は「白い巨塔」を彷彿とさせます。

    読んでいると思わず顔をしかめ、眉間にしわを寄せてしまいそうなほど醜い登場人物たちの姿に辟易しながらも、論文捏造や医療ミスなどのスキャンダルに見舞われながら進行していく泥仕合がどうなっていくのか。また、そんな医学会の中で異彩を放つ雪野などの(ごく一部の)真面目な人たちが今後どうなるのか。

    そうした先の話が気になって、久々に短時間で一気に読み切った本となりました。

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    2017年09月30日
  • 虚栄 下

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    久坂部羊『虚栄 下』角川文庫。

    がん治療の国家プロジェクトに便乗し、患者無視の覇権争いを繰り広げる医師たちの姿が滑稽であり、恐ろしくもある。まるで今の日本の政治家たちの身勝手な振る舞いを見るかのようだ。

    主人公は間違いなく『がん』であり、がん治療を巡り、論文データの改竄や医療ミスなど、最近、見聞きしたことが散りばめられており、非常にリアリティを感じる作品だった。

    ここ10年の間に叔父、父親、叔母、義理の父親、会社の同僚とがんに罹患する身内や知人が相継いだ。あながち、がんの凶暴化は創作ではないのかも知れない。

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    2017年09月26日
  • 虚栄 上

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    久坂部羊『虚栄 上』角川文庫。

    さすがは現役医師の作家というだけのことはあり、専門的な医療に関する描写も非常に解り易く、生々しいリアリティを感じる面白い作品である。

    最初は医療ミステリーなのだろうかと思いながら読んでいたのだが、途中から『がん』を主人公にした作品ではないかと思うようになった。登場人物が次々とがんに罹患していくのだ。最近、がんに罹患した知人や親戚の話を聞く。それだけに、身近な恐ろしさを感じる作品でもある。

    凶悪がん治療の国家プロジェクトを巡り、覇権争いを続ける、がん治療に関わる医師たち。患者のことなど全く考えずに、自分たちの立場を守り、覇権を手にすることだけを考える医師たち

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    2017年09月24日