【感想・ネタバレ】思い通りの死に方のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2012年11月17日

私はまだ世間的には、死を意識するような年ではないけれど、思い通りの死に方、について様々な思うところがあるので、読んでみた。
しかしこれが痛快!このふたりの高齢者医療に携わる医者のふたりは、私が常々疑問に思ってたけど、不謹慎かも知れないと感じていたことを、次から次へとバサバサ斬り込んで、膝を打つような...続きを読む話を気持ちよくしてくれた。
例えば、70を(60でも?)過ぎて癌の手術をするなんてのは、本人にも社会にも大いなる無駄ではないか?と、感じていた。医療費の削減の為に必要なことは、ちゃんとヒトをヒトとして死なせる、ということではないかと。
このふたりは、医療費についてはなにも言わないけれど、なにより本人の為にならない、とはっきりおっしゃっている。
そして身につまされる話として。親の死、配偶者の死について、ダブルスタンダードはダメですよ、と。自分がヒトとして死にたいとかいいながら、ボケた親には胃瘻をしてくれとか、それはとんでもない話。
私も老い行く両親を持つ身として、そろそろ色々考えておかないといけないこと。

1

Posted by ブクログ 2022年08月21日

父を亡くし、老人ホームに入居した母は軽度認知症で、記憶がなくなる感覚に怯えながらいつも私に「早く死にたい」と訴えます。正に死にたくても死ねない「長命地獄社会」というのが身近過ぎて、冒頭から引き込まれました。
元気で長生きしてほしいと思うけど、その時が来たら延命治療はせずに穏やかに死を迎えたいと、母の...続きを読むみならず自分自身の時もそうしたいと心底思いました。

そして80歳でガンで逝った父の時のことを思い返して、とにかく良い病院を、良い治療をと促した自分を悔やみました。
何も不調はなかったのに検診でガンが見つかり、手術を繰り返したこと、本当に可哀想でした。
父の死にふれ、なにしろガンが怖くなり、
本の中の笑い話のように「ガンにさえならなければ死んでもいい」みたいな健康オタクになりつつありました。
でもガンになる最大のリスクは『加齢』でこれは予防しようがないし、ガンも無駄な治療さえしなければ痛みもなく穏やかに死ねると知れて、その恐怖心は半減し、抵抗感がなくなりました。
「がんにならない唯一の方法は、なる前に死ぬこと」この言葉最高です。
人はガンで死ぬか寿命で死ぬか、どちらにせよ死亡率100%なんだから、そこにばかり気を取られず、死ぬまでの時を謳歌しようという意識に変わりました。

毎年きっちり受けている人間ドッグもガンが見つかる前に辞めようかな。

そんなに長生きしたくもないし、もしガンで死ぬなら、最期まで知りたくない。「知らずにいる権利」を行使したいです。

とにかくこの本は、今まさに高齢医療の現場にいる医師の話なだけにリアリティがあって、とても参考になり、読んで良かった一冊です。

0

Posted by ブクログ 2021年08月30日

死ぬまでの生き方を考えること、なるほどその通り。
第四章のなぜ死ぬのはがんに限るのか、がスッと体の中に、考え方として入り込んだ。この章だけでも再読する。21/8/30コロナ禍、母の症状を知った夏。

0

Posted by ブクログ 2020年05月01日

30冊目。「大往生したけりゃ医療とかかわるな」を読まれた久坂部先生が対談を申し込まれたそうで、ユーモアもたっぷりだった。

0

Posted by ブクログ 2014年01月24日

医者は毎日死に目に会っているから、すべての患者に親身になっていたらやっていられない。だからきもちの上でギャップがあるのは当たり前のこと。

自分は安楽死したいが、親は延命治療をしたい、というのは矛盾。
延命治療をしたがるのは、親孝行が足りないから。

「余命6ヶ月と言われたら」エクササイズ 「お通夜...続きを読む」エクササイズ
夫婦げんかも、相手が死ぬことを考えれば、怒りも収まる

がんで死ぬのがいちばんいい。
がんの一番の危険因子は加齢。年を取れば取るほどがんになりやすい。
元気に死ぬためには、がんを治療しないで自然に死ぬこと。

手遅れの状態で発見された末期がんは、そのとき痛みがなければ最後まで痛みが出ない。
がんで苦しいのは、がん治療が患者を苦しめるから。
がんが痛むなら、もっと早く見つかるはずだから、見つからなかったということは、最後まで痛くないはず。
余命が見当がついていれば対処しやすい。

「肝胆膵のがんで死ぬのは仕方ないが、消化器がんで死ぬのはバカ。消化器がんは、早期発見で治るから。

人間ドックは、基準値を厳しくしてB評価が出るようにしている

症状が出てからでは遅いのではないか、と思いがちだがそういう病気は先に見つけてもダメなものが多い。

胃瘻はしない。食べられなくなったということは、死ぬ時期がきたということ。

スーパー老人は運が良かっただけ。自慢話を本気にしない。

棺桶体験。死ぬときは何ももっていけない。物事に執着心がなくなる。
少欲知足。
死を視野に入れながら生きる

諦める、とは理由がなくても受け入れる、こと。投げ出すことではない。

1

Posted by ブクログ 2014年01月13日

「大往生したけりゃ医療とかかわるな」の著者である中村医師と、医師で作家の久坂部さんの対談。自分も不惑を過ぎ親族の死が身近になってきたので非常に興味深く読ませてもらった。ほとんどみんな病院で死ぬのはどうなんだろうか?寝たきりで食べられなくなっても点滴だけでずっと生き続けているってのはどうなんだろう?な...続きを読むどなどの疑問を感じたことがあれば本書はとても有意義な一冊だと思う。もちろん著者らは基本的に現代の医療、とくに終末医療に対して批判的な態度です。とくにガンの治療なんかに関して。そしてタイトルの「思い通りの死に方」というのは無理だ、という結論です。そもそも仏教では思い通りにならないものの4つの中に死がある。それを認識して思い通りに生きましょう、ということ。

1

Posted by ブクログ 2013年05月14日

誰もがいつかは死と向き合い、どう最後を過ごすかを選択しなければならない。
そうなる前に、ぜひこの本を読んでおくことをお薦めする。
延命治療や胃瘻などの選択もあり得る現代医学ではあるが、実際、医者は自分や自分の家族にはしたくはないと考えているそうだ。
知識の乏しい患者の家族と多くの最後を看取ってきた医...続きを読む者との間で考えの相違があるのが当たり前であり、患者側の言いなりにならず、抗議を覚悟の上で熱心に説明してくれる医者にかかりたいと切実に思う。

1

Posted by ブクログ 2018年07月29日

【文章】
 とても読み易い
【ハマり】
 ★★★★・
【共感度】
 ★★★★★
・延命治療を行うのがよい事なのかは、患者本人次第
・安楽死が法的に認められる社会になるべき
 ・長く生きる事のみが尊いわけではないはず
【気付き】
 ★★★・・

0

Posted by ブクログ 2013年01月25日

面白いところだけ抜粋します。

死にたい、という患者さんに「異常ないですね」というと、「まだ死ねないんですか」と言って怒る。

70、80、と年をとると、どうしても前のように動けなくなる。「前のように動けなくなってきた」そんな人が病院にきても困る。病名もつけられない。

「気持ちに体を合わせるのでは...続きを読むなく、体に気持ちを合わせて欲しい」皆、自分だけは老衰にならず、まして病気にかからない、と思っている。

サプリについて。「エビ、カニ、サメ、のなんたらを体に入れてなんとかなるなら摂れば?

戦争のとき、「丁種不合格」で生き延びた97歳の、「早くしにたい」という老人がいる。「死ぬにはまだ不合格だな」という。

診断と治療は別。どこか痛い、と訴えれば何かしら病名はつくかもしれない。本人は、原因がわかりません、というよりは納得するかもしれないが、病名がある=治療薬がある、ということではない。

診断の結果、病名がつくことで患者数が増える。昔の高血圧は160以上。今は140、ときには125を越えると高血圧。国民の3000万人が高血圧、はおかしくないか?

家族の心情。自分が死ぬ時は延命しないで、という人が、自分の親が危篤になると延命を依頼する。

孤独死が問題視されているが、若年の方が急病で亡くなるケースを除き、ほとんどは自然死だと思われる。死ぬ直前に電気ショックやチューブを入れられない、というだけでもプラスでは。東京都では、100歳以上の都民、158人のうち、26人が一人暮らし。

著者の父親の体力が落ちた時、「すぐ死ぬな」と思ったら30日生きた。常に例外はある。

家族が、「○○さんは余命6ヶ月です」と言われたら、すぐ葬式エクササイズをせよ。明日、告別式。としたら何をいましてあげたいか、を考えよ。

ガンは放置しても何年かは生きる。ガンで急死した人がいると、「治療をしていれば長生きできたかも」という報道がされるが、実際は、がん治療をしてしまうとそのつらさ、負担、から仕事にならず、長く苦しんで死んだ、という結末になっているはず。がんは痛みを伴うものでなければ静かに逝ける。苦しいのはがん治療なのである。

足腰を 鍛えに 鍛えて ガンになり

長生きしている人はたまたま長生きしている。医学的には特段、こうすれば長生きできる、というものがあるわけではない。それなのに、その人独自の、あたかもそうすれば長生きできるようなものがあるように報道されてしまう。

0

Posted by ブクログ 2019年08月12日

長生きは素晴らしいこと、というマスコミの報道に疑問を呈する内容。不健康な状態で長生きすることにいいことはないらしい。

0

Posted by ブクログ 2016年09月11日

(たぶん)本音ベースが身上のお医者さんお二人の対談形式の本です。「思い通りの死に方」、2012.9発行です。内容的には、中村仁一先生の「自然死のすすめ(大往生したけりゃ医療とかかわるな)」と久坂部羊先生の「日本人の死に時(そんなに長生きしたいですか?)」を足した感じでしょうか。確かに長生きすればいい...続きを読むわけではなく、長生きの中身が大切ですね!そして「老い」と「病気」の違いは、本人が(きっとわかるはずと思います)しっかり自覚して、薬で治るとの錯覚を持たないことがいいと、私は思ってます。

0

Posted by ブクログ 2014年03月17日

死にたくても死ねない長命地獄社会、治療の苦しみがわからない、幻想を与えてお金を儲けている医者。納得のいく生き方をすれば、死に方はどうでもよくなる。

医療の歴史。ここまで出来るようになったと言うべきか、まだまだ遠いと言うべきか。

0

Posted by ブクログ 2013年01月31日

高齢者は不調を病気のせいにしたがる。一部の例外の元気な高齢者や闘病環境に恵まれた立場の人が手本になってはならない。胃ろうをしたらまた口から食べられるようになる、というのは、この株は絶対にあがる、というのと同じ、だと。僕は長生きするつもりでいるけれど、突出して長生きで元気な人が世の中に自慢するのは害悪...続きを読むだと言い切られた。年代や立場で感触が大きく変わりそうな本。ただ、歳をとればそれに応じた変化がでるのが当たり前、そろそろお迎えがくるよ、という表現ができる社会に、というのは、いまのところ、賛成。

0

Posted by ブクログ 2012年11月17日

体の不自由も痛みも「年のせいだから受け入れろ」と言われてもねえ・・・・。いずれ死ぬことは仕方がないとしても、腰が痛い膝が痛い何が痛いというのを、我慢しろというのは殺生だと思います。
老いることは、すなわち高齢障害者になること。元気な年寄りは例外なのだと口をそろえるお二人。だったら、だからこそ、年寄り...続きを読むの体の痛みにはもっと同情してしてほしいと思いました。
しかし、老いにともなう痛みの問題以外は、「死と太陽はみつめられないから、死をちら見しながら、明日死んでもいいように毎日を生きよう」という話など、その通りだなあと思うことばかりでした。

0

Posted by ブクログ 2012年10月01日

久坂部 羊 さんの作品を読んで、興味があったので手に取った。「老い」と「死」について加齢とともに考えてそれを受け入れ、明日死んでもいいように悔いなく生きなさいってことが書いてあった。がんになっても治療せず延命治療もしないで、生きた方がいいという考えの著者なので、それはそれでこういう考え方もあるのだと...続きを読む思って読むのが良いと思った。

0

「暮らし・健康・美容」ランキング