久坂部羊のレビュー一覧

  • 人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期

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    外科医である著者の父親の死生観。自身、麻酔科医でありながら医療を信じず、ストレスが諸悪の根源と考え、節制をせず、検査の類は一切積極的に受けなかった。それで87歳まで長生きした。

    この本を真に受けて検査を軽んじたり医療不信に陥るのは避けたい。この父親には死への覚悟があったり、自身や息子が医者である点でも一般的ではない。あくまでn=1の挿話として読みたい。心配性、不安がちな自分は本書のおかげでだいぶ気が楽になった。

    「世間では長生きをよいことのように言う人も多いが、実際の長生きはつらく過酷なものだ。足腰が弱って好きなところにも行けず、視力低下で本も読めず、聴力低下で音楽も聴けず、味覚低下でおい

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    2026年03月15日
  • 廃用身

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    麻痺で動かなくなった手足を切断する「療法」を考案した医師の語りから始まる。過度な医療や延命に関しての議論はあちこちでされているけど、この切り口は新鮮。前半は、介護現場の描き方が生々しすぎるうえにややあくどい表現でウッ…となる。自分の経験と重なるのに捉え方が違うせいで、そんなふうに書くのやめてよーみたいな気持ちに、つい。

    ただ、この書き出しは介護保険制度の始まる1年前から始まっている。1999~2000年代だと、今よりも介護の過酷さに焦点が当たっていたような記憶があるので、このネガティブな描き方がまさに!という感じもある。

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    2026年03月15日
  • あなたの命綱

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    ノンフィクション作家の颯子がガンについての作品を描こうと関係機関にインタビューする。どの治療法もメリット、デメリットあり。そこに後輩がステージ4のガンであると聞かされ自分事のように必死に励まし説得する。知り合いの榊先生が信頼できた。

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    2026年03月12日
  • 老乱

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    「認知症介護のいちばんの問題点は、うまくいかない原因は認知症を治したいと思うことです」

    現代の医者という存在は整形外科の医者も含めて“患者”の老いをキャンセルする存在として期待されているような気がする。
    個人的に現代の医者には、「ずっと若々しく元気でいたい」という呪いを解く存在でいてほしいと思う。

    世にある医療エンタメはどうしても病を治す、というところに物語を見出すものが多いように思う。
    病と向き合うこと、ひいては人と向き合うこと。
    それが医療の物語です。

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    2026年03月10日
  • 健康の分かれ道 死ねない時代に老いる

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    心にじんときた。生きるとは何か。健康に執着し縛られて、生きている意味や目的を見失う。そんなものを考えて生きてはいられないが、死を目前に感じた時、思うのか。おもしろい人生観のある本でした。

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    2026年03月02日
  • 嗤う名医

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    ネタバレ

    過去何回か読んでるけどおもしろい。文章も本当に読みやすい。なのにあまり読まれてない気がする。【シリコン】運が悪く豊胸手術失敗し、もとに戻す手術も再度失敗、イケメンドクターはたまには気楽な手術をしたくやったのに開いてびっくり。報復する彼女の今後が幸せだといいな。【至高の名医】医療ミスに、一夜の迷いからエイズ疑惑にびびる名医、現実にいそう。【愛ドクロ】頭蓋骨を愛する解剖学技術員。美しい頭蓋骨なんて考えたこともなかった。献体処理もたぬきを鍋で煮て脱脂というのも知らない世界。おすすめ。

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    2026年03月01日
  • 悪医

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    多分何度も読んでいるがいつも医師と患者の距離を感じる。52歳で余命宣告された小仲、エリート医師森川、それぞれのパートを交互に読むことでどちらの感情も一理あるのがわかる。そして開業医はリップサービスが大切というのも実感する。治療に執着するのがベストではないと読者からは俯瞰で見てるからわかるが、当事者はわからない。だからこそ医師にとっては当たり前のことを患者に伝えてほしいが医師には時間がない。そこを埋める専門職がいたらいいのに。綺麗事ではない久坂部氏の作品が好きです。

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    2026年02月26日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    単行本でも何度も読んでいるが医師ならではの衝撃的な作品。ずっと好きで追っている作家だけどこれがデビュー作ってすばらしい。動かなくなった四肢を切断するAケア、他にも考えるべきことは多いがメリットも多いと感じてしまう。行く先は四肢切断された老人がカプセルに入った工場…いつか日本の未来はこうなるのではないかと思うほどリアル。政治家がこれを読んだら何というのか聞いてみたい。
    初期の頃の作品が好きで繰り返し読みたい。

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    2026年02月11日
  • 謎解き診察室、本日も異状あり

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    5作品とも読み終わった後の気分は、後味悪いなあって思う作品たちだったけど、読みやすく面白かった!!!

    全ての作品、現役のお医者さんが書いているからか、こんなこと考えてるんだー!ってお医者さんの気持ちが少しだけど分かるのも楽しい。先生たちの他の作品も読んでみたい〜!!

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    2026年02月10日
  • 廃用身

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    映画化を予告で見て興味をもったので読んでみた。とんでもない作品を知ってしまったという感じ。本の中でひとつの本が再現されているという、入れ子構造も面白い。単にグロテスクであるというだけでは済まされない、介護や医療といったものの本質を皮肉的に実直に描いている怪作という印象。なぜ今までこれを読んでいなかったのか。

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    2026年02月10日
  • 命の横どり

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    脳死に関して色んな立場の人の心情を掘り下げた作品として素晴らしい。
    ドナー患者が少ない日本においてこのような内容でドラマ化して社会に問題提起してほしいなと考えた。
    どの選択をしてもよいが、考え方や感じ方が分からなければ選択できるものも選択できない。
    分かりやすいことばかりではなく、深く考える重いテーマを扱うのが本だけではなくエンタメの世界にも入ってきてほしい。

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    2026年02月06日
  • 告知

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    医療現場を知る者が読んでも大満足する作り込みです!
    さすが本物の医者が書いた小説です
    私、著者の作品めっちゃ好きなんです
    学生の時に本屋で平積みされていた廃用身をなんとなく手にとって読んでからずっと大好きです
    いろんな作品を読みましたが全て本当に面白いです
    それでもここ数年は他の作家の本をいろいろ読んでいたので、著者の作品はとても久しぶりに読みました
    改めて面白いなぁ、と…!
    まるでノンフィクションのような作品でした

    あとがきまでぜひ読んでください
    そこまでが作品です!
    綺麗事では終わらないリアルな終末期·在宅医療を目の当たりにできます
    他人事では終わりません
    いつあなたがこうなるか神のみぞ

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    2026年01月31日
  • 命の横どり

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    医者である久坂部 羊だから書ける小説でした。
    心臓移植などの臓器移植をコーディネートする女性の心の葛藤を中心に展開。
    思いもしない突然の脳死状態に翻弄する家族。
    その一方、心臓移植を心待ちにする患者。
    また、日本の心臓移植の現状、生い立ちなども盛り込まれている。
    そして、心臓移植の最前線で頑張る医師。
    心臓移植にまつわる全ての関係者の心の揺れがうまく纏められていました。
    医者にしてもコーディネーターにしてもよかれとおもってしたことが、思わぬ展開になってしまう。
    おこってしまったことの回復に取り組む関係者。
    最後、思わぬ展開で、将来に向かって展望がもてる方向で小説は終わりましたが、色々考えさせら

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    2026年01月25日
  • 命の横どり

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    1件の心臓移植を取り巻く関係者の想いが多様な視点で描かれています。臓器移植の課題を捉え、物語仕立てで分かりやすく表現しているので、この本を手にしたのを契機に、心臓移植に関して家族と会話する機会ができる方もいるのではないかと感じます。

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    2026年01月23日
  • いつか、あなたも

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    生まれてきたからにはいつか死と向き合うことになる。この本は自由に生きることの大切さ、難しさを考えさせてくれた。

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    2026年01月14日
  • 廃用身

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    発売まもない頃に読んだわ、なんだか急に話題なのね?
    前半後半で流れというか、雰囲気がガラッと変わるお話だったように記憶してる。前半は一見、すごくいい話風なんだけど…みたいな。後半は結構衝撃。
    20代で読んだからなのかな、結構記憶に残ってる。映画で観るか、再読しようか悩むわ。

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    2025年12月26日
  • 老乱

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    認知症介護者は偉大な力を持っている。
    それは東洋で言われてきた「孝」の力だ。
    西洋なら「愛」のパワーだろう。
    いずれも無償のエレメントである。
    著者の先手必敗の考えには賛同できる。
    症状もないのに早期発見は意味がない。
    異常もないのに検査を受けてしまって
    余計な不安を抱えることはゴメンだ。
    手遅れで結構。生物は死すべき運命なのだから。

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    2025年12月23日
  • 悪医

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    とにかく暗くて重くて苦しくて…医者・患者どちらの感情も分かって…
    病気になった今は、怖くてもう読めないけど…でもとてもよい作品だったと思う。

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    2025年11月19日
  • 命の横どり

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    インパクトの強いタイトルである。

    脳死は、「本当の死」なのか。
    臓器移植をめぐる、患者家族と医師、臓器移植コーディネーターたちのドラマ。

    マイナンバーカードの裏などに、何気なく臓器提供意思に丸をつけてしまっている。
    自分が死んだら、必要としている人に差し上げてもいい、と思っていたが、「何気なく」表示していいものではなかったし、「自分が死んだら」が実際どういう状態なのか全く分かっていなかったと呆れるばかりである。
    正常性バイアスのなせる技か、自分には起こらないとどこか思っていたのだろう。
    私は、脳死とはどのような状態なのか、脳死と寝たきりの違いさえ分かっていなかったのである。お恥ずかしい限り

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    2025年11月18日
  • 告知

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    医療系が好きなので話がどれも面白かった。
    泣いたり、時に笑ったりもして、自分も訪問看護してるような気持ちになった。実体験からの小説とあって、小説にしてくださった事に感謝します。

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    2025年11月14日