久坂部羊のレビュー一覧

  • 健康の分かれ道 死ねない時代に老いる

    Posted by ブクログ

    健康な人がピンピンコロリを叶えるなんて幻想だよねという哲学(コロリといけるのはむしろ不摂生な人)、病気の治療には望まぬ延命治療のリスクがついてくるという警告、外国には健康診断も人間ドックもないとの話、、、はじめて聞いた。読んでよかった。

    長寿なんて目指さなくていいし、異常値なんて異常じゃないから放置してかまわないし、なんなら病気も治療しなくていいし、キリのいいところで人生を終えればいいでないかという本書後半部分。ぜひ自分の親に読ませたいが、きっと受け入れられないんだろうなぁ。。

    『廃用身』の告知動画をきっかけに、久しぶりに手に取った健康本。以前は仕事だったから健康法の本を実によく読んだし、

    0
    2026年05月10日
  • 廃用身

    Posted by ブクログ

    老人介護をクローズアップした話だが、脳卒中による麻痺は老人に限った話ではない。明日は我が身かも知れない。動かなくなった体を切除出来るか、その時にしたいと思うかどうかは色んな観点から考えることが出来そうだ。
    自身は数年前に交通事故に巻き込まれ、既に義足の身体障害者の身だが、幻肢痛は無くなったものの断端の痺れはあるし、身体のアンバランスさは感じるし、実際身体のラインにも表れている。普段は義足なので一見健常に見えるが、風呂の姿見で全身を確認すると未だにぎょっとすることもある。やはり視覚的なインパクトは大きい。とある義手の女性は義肢製作所なんていう特殊な場所で出会したにも関わらず、目立たないように隠し

    0
    2026年05月07日
  • 廃用身

    Posted by ブクログ

    めちゃくちゃ面白かった。
    前半で漆原先生の原稿、後半で編集者の注という構成にまず驚いた。そして作品全体に常に漂う気味の悪さ。
    テーマとなっているAケア自体の不気味さ。閉鎖環境で患者やデイケア施設の関係者がある種ハイになっているような状況の不気味さ。事情を曲解して関係者を追い詰めるマスコミのグロテスクさ。漆原先生の本当の目的がわからない怖さ。。
    老人の手足を切断するという非常にショッキングな術式をテーマにしているが、著者が医者ということもあってか、作中での漆原先生の説明は非常に合理的で、現実でもそのうち実現するのではないかと思わせる説得力が作品を身近に感じさせ、より薄気味悪い。
    しかし構成や文章

    0
    2026年05月03日
  • あなたの命綱

    Posted by ブクログ

    がんと診断された時、人はどうやって生きていくのか。
    本人や家族、友だちが、がんとどう向き合っていくのか考えさせられた。考えても答えはでない問いだし、読んでいて辛い描写もあったけど、現場の医師、医療ベンチャー、研究者、がんとなってしまった人、その友だち、様々な立場からの視点とミステリーが描かれていて、とても読み応えがあった。
    キュブラー・ロスの死への5段階。教科書で読んだだことがあるが、真に理解できていなかったなと実感。小説で読んだからといって、真に理解できたと言えるわけではないし、もし自分に降りかかったとしてもどう乗り越えるのか、乗り越えられるのか?受容の段階までいけるのかもわからない。
    大切

    0
    2026年05月01日
  • 生かさず、殺さず

    Posted by ブクログ

    認知症の患者も、がんや糖尿病などさまざまな病気を患う。彼らをどのように治療すべきか。一般の患者なら、検査や治療に協力も得られるが、認知症の患者はスムーズにはいかない。認知症患者専門病棟「にんにん病棟」では、主人公の医長の三杉や看護師たちが、日々認知症相手ならではの奮闘を続けている。
    久坂部羊さんならではの医者の目で描かれている。
    高齢化社会が進む中で、認知症、そして介護の問題は本当に大きな課題だと思う。特に認知症になった家族をどのようにしてケアしていくのか。認知症の介護の仕方にマニュアルがあってこうすればよくなるってことが分かればいいけどそんなものはありません。介護が楽になるのは、患者が死ぬし

    0
    2026年04月24日
  • 命の横どり

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    移植医療がテーマ。レシピエントの側から見れば、移植はほとんど無条件に肯定されるべき医療である一方、ドナーの側に目を向けた瞬間、脳死という状態においては、医学的には死とされながらも、身体はなお生命の徴候を保っている。「死後の贈与」なのか「命の切り上げ」なのか。ここで浮かび上がる「生ききる権利」。完全なる回避不能なトレードオフ関係。この非対称性が、タイトルにつながる。さらに、レシピエントはドナーとその家族のために品行方正に生きるべきなのか?移植医療の背後に色んな葛藤や問題があった。他人事ではないと感じた。⑤

    0
    2026年04月22日
  • 命の横どり

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人の気持ちを変えるのは難しい
    現実はドラマのようにハッピーエンドにはならない
    ただし、時間の効用はある
    悩みも怒りも苦しみも、時の流れが輪郭をぼやかしてくれる

    0
    2026年04月14日
  • 廃用身

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    怖いと聞いていたがさほど怖さや後味の悪さはなかった。
    出来事自体は仄暗いものばかりだが、どれも理路整然としており、なるようになっただけであるように感じた。心理や情景などあらゆるものがシームレスに描かれ、とても読みやすく自然であった。


    記者よ、なぜ気付けなかった。

    0
    2026年04月11日
  • 嗤う名医

    Posted by ブクログ

    現役医師の書く小説。
    リアルな医療現場が書かれてるんだろうなー楽しみだなーって軽はずみな気持ちで読んだら、
    かなり別の世界のあまりにもリアルな描写が…
    電車で読むの気まずかった…
    でもおもしろかったです。
    解説もよかった。他の作品もとても読みたくなった。

    0
    2026年04月10日
  • 廃用身

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ノンフィクションかと思って読み進めると
    違うことに気づきながらも、馴染みの場所が出てくると妙にリアルで、あとがきに辿り着いてもどちらかわからなくなるほど、凄かった。こういう手法の本に出会ったのは初めて。
    この考え方も一理あるなとか、なるほどと思う部分も多々あったけど、自分が介護する立場だとAケアはありがたいけど、される側になった時どんな判断をするのか答えはまだ見つからない。
    5月に映画が公開されるので見たいと思う。

    0
    2026年04月10日
  • あなたの命綱

    Posted by ブクログ

    久坂部羊『あなたの命綱』。実用書ではたくさん学ばせてもらったが小説は初読みの作者さん。医療ジャーナリスト中道颯子ががん治療について取材する一方、末期がんの宣告を受けた友人との葛藤や混乱に直面する…。榊の「癌との共存」論は説得力がある。全読したい作家さんに出会った!期待通り。

    0
    2026年04月08日
  • 人はどう死ぬのか

    Posted by ブクログ

    幸せな死を迎えるための予習。

    友人に借りた本だけれど
    何度か読み返したいので買おう!!

    100歳まで生きちゃう時代
    どう生きるかを考えることも
    どう死ぬかもちゃんと考えておきたい

    0
    2026年04月04日
  • 砂の宮殿

    Posted by ブクログ

    久坂部羊『砂の宮殿』角川文庫。

    医療サスペンス小説。

    なかなか面白い。超高齢化社会が到来した日本に於いて、医療は非常に重要な砦となるが、全ての医療従事者が清廉潔白で患者のために愚直に働いているとは限らない。中には私服を肥やし、名声を得ることだけに拘る医療従事者もいるのだろう。そんな医療従事者への不信感を煽る恐ろしい小説だった。

    『砂の宮殿』というタイトルは、『高い志も富や名声の前では脆いものだ』ということと舞台となりクリニックが『カエサル・バレスクリニック』という2つにかけたものであろう。


    最先端の医療チームを持ち、海外から裕福な患者を集め、自由診療を行うカエサル・バレスクリニックで

    0
    2026年03月31日
  • 人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期

    Posted by ブクログ

    外科医である著者の父親の死生観。自身、麻酔科医でありながら医療を信じず、ストレスが諸悪の根源と考え、節制をせず、検査の類は一切積極的に受けなかった。それで87歳まで長生きした。

    この本を真に受けて検査を軽んじたり医療不信に陥るのは避けたい。この父親には死への覚悟があったり、自身や息子が医者である点でも一般的ではない。あくまでn=1の挿話として読みたい。心配性、不安がちな自分は本書のおかげでだいぶ気が楽になった。

    「世間では長生きをよいことのように言う人も多いが、実際の長生きはつらく過酷なものだ。足腰が弱って好きなところにも行けず、視力低下で本も読めず、聴力低下で音楽も聴けず、味覚低下でおい

    0
    2026年03月15日
  • 廃用身

    Posted by ブクログ

    麻痺で動かなくなった手足を切断する「療法」を考案した医師の語りから始まる。過度な医療や延命に関しての議論はあちこちでされているけど、この切り口は新鮮。前半は、介護現場の描き方が生々しすぎるうえにややあくどい表現でウッ…となる。自分の経験と重なるのに捉え方が違うせいで、そんなふうに書くのやめてよーみたいな気持ちに、つい。

    ただ、この書き出しは介護保険制度の始まる1年前から始まっている。1999~2000年代だと、今よりも介護の過酷さに焦点が当たっていたような記憶があるので、このネガティブな描き方がまさに!という感じもある。

    0
    2026年03月15日
  • あなたの命綱

    Posted by ブクログ

    ノンフィクション作家の颯子がガンについての作品を描こうと関係機関にインタビューする。どの治療法もメリット、デメリットあり。そこに後輩がステージ4のガンであると聞かされ自分事のように必死に励まし説得する。知り合いの榊先生が信頼できた。

    0
    2026年03月12日
  • 老乱

    Posted by ブクログ

    「認知症介護のいちばんの問題点は、うまくいかない原因は認知症を治したいと思うことです」

    現代の医者という存在は整形外科の医者も含めて“患者”の老いをキャンセルする存在として期待されているような気がする。
    個人的に現代の医者には、「ずっと若々しく元気でいたい」という呪いを解く存在でいてほしいと思う。

    世にある医療エンタメはどうしても病を治す、というところに物語を見出すものが多いように思う。
    病と向き合うこと、ひいては人と向き合うこと。
    それが医療の物語です。

    0
    2026年03月10日
  • 健康の分かれ道 死ねない時代に老いる

    Posted by ブクログ

    心にじんときた。生きるとは何か。健康に執着し縛られて、生きている意味や目的を見失う。そんなものを考えて生きてはいられないが、死を目前に感じた時、思うのか。おもしろい人生観のある本でした。

    0
    2026年03月02日
  • 嗤う名医

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    過去何回か読んでるけどおもしろい。文章も本当に読みやすい。なのにあまり読まれてない気がする。【シリコン】運が悪く豊胸手術失敗し、もとに戻す手術も再度失敗、イケメンドクターはたまには気楽な手術をしたくやったのに開いてびっくり。報復する彼女の今後が幸せだといいな。【至高の名医】医療ミスに、一夜の迷いからエイズ疑惑にびびる名医、現実にいそう。【愛ドクロ】頭蓋骨を愛する解剖学技術員。美しい頭蓋骨なんて考えたこともなかった。献体処理もたぬきを鍋で煮て脱脂というのも知らない世界。おすすめ。

    0
    2026年03月01日
  • 悪医

    Posted by ブクログ

    多分何度も読んでいるがいつも医師と患者の距離を感じる。52歳で余命宣告された小仲、エリート医師森川、それぞれのパートを交互に読むことでどちらの感情も一理あるのがわかる。そして開業医はリップサービスが大切というのも実感する。治療に執着するのがベストではないと読者からは俯瞰で見てるからわかるが、当事者はわからない。だからこそ医師にとっては当たり前のことを患者に伝えてほしいが医師には時間がない。そこを埋める専門職がいたらいいのに。綺麗事ではない久坂部氏の作品が好きです。

    0
    2026年02月26日