久坂部羊のレビュー一覧

  • 第五番 無痛II

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    「日本人は健康を大切にするあまり、健康の奴隷になっているのではありませんか」
    「日本人は守銭奴ならぬ"守健奴"だというのか」
    皮肉にもその通りだと思う
    確かに早期発見 早期治療は病を克服する手段なのだが 病だと言われて治療するも加齢のせいとも思えてきて なんだかなぁ…とやるせなくなる

    医者の地位向上のためには病気が必要
    治すと収入が減る
    その場しのぎの励ましと検査と投薬が金になる
    病気のバラマキが必要だと?
    外科医ならではの 患部は根こそぎ切り落とす大胆さにゾッとする

    「無痛」の後の話なので間を空けずに読んだのだが
    病が視診でわかる医者の対決も 刑務所上がりのイバラの悪

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    2026年09月12日
  • 廃用身

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    名作。かなり現実的な問題が描かれている。

    実在する医師が書いた医療記録のような読ませ方をしてくるので、あれ?これノンフィクションだったっけ?モデルになった事件があるのかな?実際の医療現場で起こってたりするのかな?と、読んでいるうちに混乱させられる。そのドキュメンタリーっぽい書き方がおもしろくて、熱中しました。

    私は少数派で物事に取り組み、考え、自分の内面ととことん向き合うことができる人をリスペクトしてしまうので、終始、漆原先生の肩を持つ派で読んでいた。

    その処置をすれば本人も家族も楽になるのなら…と思う。でも実際は周囲からの奇異な視線や偏見によるストレスに耐えられるのだろうか、と考えさせ

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    2026年09月08日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    解説でも賞賛されていた通り、とっても読みやすい

    確かにこれを映画化するのは困難だと言われた理由が分かるくらいに救いようがなく、グロテスクだった。
    実話だと思うようなリアリティと小説の書き方もあって、医療系の本だけどとても読みやすく、引き込まれた。

    映画と違うのは、結末。映画では漆原氏だけが無くなるが、本では奥さんも亡くなること。
    中の細かい所などがちょいちょい違った。
    漆原氏が自殺に追い込まれたという遺書の存在や
    一人一人の事例が細かくかかれていたような気がした(半年前に映画鑑賞したので間違っているかも)

    本も映画もどっちもおもしろかったーჱ̒˶ー̀֊ー́ )✧︎

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    2026年08月29日
  • 廃用身

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    久坂部羊さんのデビュー作。
    今年(2026年)には映画化もされている。

    「映像化、絶対不可能!」と言われていたのは
    おそらくはビジュアル的な面を主題に置いたもの言いだったのだろうと思うけれど、
    読んでみるとこれだけ複雑なメッセージ性をどうやって映像作品に落とし込んだのか、の方が気になってきた。

    上梓されたのが2003年。
    そこから20年以上の時を経て、
    ようやく現実的な問題と感じる人が多くなったからこその映画化だったのだろうと感じる。
    久坂部さんの医者としての立場からのリアリズムには迫力がある。

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    2026年08月27日
  • 廃用身

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    なるべく聞きたくない、考えたくないと皆が目を背けているテーマを、顔面に思いっきりぶつけてくるような内容。
    自分が介護する側だとしても、される側だとしても、考えることを先送りしたくなる問題は山積みなんだよなぁ…。
    自分で自分のこと何も出来なくなって、ベッドで寝たきりで全部誰かに世話してもらって生きるくらいなら早めに死にたい。
    だけど、回復してまた動けるようになるかもという望みも捨て切れないと思う。
    家族が寝たきりになったとしたら、生きててくれてよかった。私が何でもしてあげようって最初は思うだろう。
    でも、この先一生自分の時間全部介護に費やすことになるとしたら…

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    2026年08月25日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    (ネタバレを含みます)

    リハビリに親しみのある医療従事者の立場から、麻痺した四肢の切断というテーマにとても興味が出て読みました。

    ストーリー自体、何度も「事実なのか、創作なのか」と検索してしまいました笑

    切断を最良の治療と信じていた医師の心境は、最後までよく分かりませんでした。

    私の考えですが、本当に切断は良い結果ばかりだったのか。
    悪い作用は、患者のバックグラウンドをきっかけに精神面にのみ現れてしまうのか?

    ストーリーの中では、オペ後の経過を追っているのはせいぜい1〜2年ほどでした。

    「審美性」という言葉があります。
    医療の中でもよく使われる言葉みたいです。(私も使います。)

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    2026年08月23日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    前半は、健康法で自費出版してそうな医療エッセイを読んでる気になってしまった。
    持論と経緯、そして改善した実例。
    通販の医学博士がおすすめするような胡散臭さが漂っていて、繰り返すことで洗脳されるような怖さ。

    後半はその原稿の編集者による取材で、一つの事実と二つの考え(漆原/マスコミと漆原へ悪意を持つ者)が解説される。

    時折身体に痺れや可動域が狭くなっている自身の老化が進んで、麻痺して、自身の部位の不自由さに苦しめられる未来は確実にやってくる。
    その時、切断して身が軽くなり晴々とした人が現れたら、私もそうなりたいと願ってしまう…
    五体不満足(乙武洋匡)を参考文献に挙げて、無くなれば有るものを活

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    2026年08月08日
  • 廃用身

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    途中までリアルすぎて実話だと思って読んでいた。
    私はAケア賛成派。
    世間は違うのかな?
    病院の待合室で読切り何とも言えないリアルさとスリルを感じました。
    前向きに生きていきたいな。

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    2026年07月30日
  • 廃用身

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    妙に説得力がある「Aケア」とセンセーショナリズムのマスコミ。あり得るのかなと思わせるラインも絶妙。非常に読みやすい。

    解説が秀逸。流石の春日武彦先生。
    グロテスクとは「取り返しのつかない状態に対する無自覚さ」であると解く明晰さ。

    「善意や正義は、自らを検証することなく他者を『もはや取り返しのつかない状態』へと追い込んでしまい得る」とは、まさしく本作の核そのものを端的に剔出している言葉だと思う。

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    2026年07月29日
  • 人はどう悩むのか

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    お医者さんの本であり、脳神経系の本棚に置かれていたので、「人が悩む時、脳はどういう挙動をするのか」というような物理的、医学的な内容かと思って手に取ったが違った。「人はみんな悩むよ」と教えてくれる、温かい本だった。

    本書のキモは「はじめに」の部分で、悩みとは「できないことや、状況の不運さなどの悩みのタネを、なぜ自分が…と受け入れられない」状態のことで、大抵の悩みのタネはライフステージによって自然と生まれるもので、みんなそうなんだよと思うこと、あらかじめそういうことが起こるもので普通、と思うことが大切。ということだった。

    9章に分かれていて、それぞれ老年期から遡っていく順番で、悩みを世代ごとに

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    2026年07月20日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    読み始めた瞬間から、本作が「小説」であることを忘れ、最後のページに辿り着くまでずっと現実に起きた話だと思っていました。それほどまでに日付や登場人物の設定が細かく、読み終えた後も「これはフィクションだったの?本当に?」と疑っていました。

    本編の衝撃的な展開も去ることながら、個人的は介護業界が抱えている闇や、人知れない苦労の方がグロテスクだと感じました。私の両親も近いうちに介護対象の年齢になりますし、私だっていずれはなります。そのとき、自分はそのグロテスクな存在になるべくなりたくないと誰もが考えると思いますが、ではそのために自分には何が選択肢として残されているのでしょうか?

    映画化されることを

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    2026年07月19日
  • 人はどう老いるのか

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    著者は本書を出版した当時68歳とのこと、今の私より一歳若い。写真を見る限り、髪の毛では私の勝ちですw丁重に老いを説明していて、これから老いるための予習としてはとて勉強になったのではないかと思いました。

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    2026年07月15日
  • 人はどう死ぬのか

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    死についてかなりリアルに考えることができた

    終末期を家で過ごし、がんで亡くなった祖父のことを思い出しながら読んだ。確か当時小4で、そりゃそうだけど死ついて何もわかっていなかった。他人が死ぬということから目を背けていたなぁと思う。自分のことしか考えていなかった。もっと祖父のことを考えて接していればよかった。
    こんな後悔を今後せずに済むように生きたい。

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    2026年07月08日
  • 医人の夢

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    高校生向けかもしれないが読みやすい。医師になりたい高校生が悩み色々な人にアドバイスしてもらいながら現実を知っていく。医師は理不尽に耐える、厳しいけどそのとおりなんだろう。医療に正解はないだろうし、相手は素人だから間違えたり思い違いしたり体調が悪いから医師に当たる人も多い。正義に燃えて医師になり想像と違うと思ったりするのかな。著者の限りある保険料や医療を必要な人に届くようにという思いは痛いほど伝わる。いい本でした。

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    2026年07月07日
  • 健康の分かれ道 死ねない時代に老いる

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    健康をいかに維持するかのHOWTO本かと思いきや真逆の内容で驚いた。
    著者はアンチ健康を提唱する稀有な作家だ。健康を目的とする事で人生の満足度や楽しさを下げては本末転倒である。健康診断は会社の義務であるくらいに留めておいて重要異常箇所以外の項目は無視していこうと腹が座った。長生き信仰がまだ根強い日本だが平均寿命に惑わされずに60歳まで生きれたら個人的には御の字ぐらいの気持ちでいれば65で死んで世間でいう早死でも気にならなくなる。つまり自分軸が大切という事だ。あえて傍若無人に不摂生をしようとは思わないが適度に楽しみ適度に気にするくらいが一番楽しく生きれるのではないだろうか。
    これからの長寿社会を

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    2026年07月05日
  • 医人の夢

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    医療だけではないが、世の中に完全というものはなく、異常潔癖で何でも白黒つけたがる国民性に、グレーな等身大医療の現実をつきつける、いつもの久坂部節炸裂。大病経験もして、普通にERCPで炎症経験ある身からすれば、至極当然のことが書かれている。医者は病気を治すのではなく、一所懸命に治す手伝いをしているという当たり前のことが理解できない者たちが多いからこそ成立する本だともいえる。

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    2026年07月04日
  • 無痛

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    ネタバレ

    再読。
    面白かった。最初読んだ時より面白く読めた。
    病気がわかるという、ファンタジー寄りの設定だけど、嫌悪感なく読めた。

    責任能力のない人間を罰することは、非人道的なことなんや。それは罪の償いやない。ただの報復や。それがどれだけ恐ろしい人権侵害につながるか、わかるやろ。

    刑法三十九条の話。

    無罪はおかしいと思う。病気でもなんでもその人がやったんだから。嘘か本当か判断がつかないなら、全部悪にしてしまったらいいのに。

    最後はイバラが消えて終わり。
    為頼先生は麻痺が残った。
    ナミコの理想主義はイライラした。
    イライラする登場人物ばかりなんだけども。

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    2026年07月02日
  • 廃用身

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    内容の重さと文章量に圧倒されながらも面白くて手が止まらない本でした。

    あらすじ

    廃用身という言葉、すなわち麻痺したり事故や病気によって動かなくなった体に出会った漆原医師は、廃用身を切断し、残った人体で生きていく。そんな医療を考案して、自身が経営するデイサービスの患者に対して行っていた。しかし、その理屈を理解できない、またはその恐ろしさに狂乱するマスコミと大衆、漆原医師周辺の思惑によってどんどん自体は悪化していき。


    廃用身という言葉自体も初めて聞きましたね。麻痺くらいで使うのかと思いきやもっと率直な意味、使い道のない体のパーツ、医療用語にはそういうものが多くあります。本当にその通りです。

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    2026年06月21日
  • 廃用身

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    映画見る前に絶対に原作を読みたい!と思い、急いで読み始めたけど、面白すぎてすぐに読み切ってしまった。こんな面白い作品が20年近く前の作品なんて信じられない。もっと早く読みたかった!
    物語として面白いのはもちろん、今現在の介護の状況にもリンクしていて、凄く考えさせられた。初めの方は四肢が欠けた老人の姿を想像して思わずゾッとしてしまい、流石にダメでしょ…なんて思っていたのに、読み進めるうちにだんだんとAケアの有効性や効果に気持ちが傾くのが自分でも分かって、なんともいえない気持ちに襲われた。
    漆原医師の人間性についても凄く興味深くて自分なりに色々考えさせられた。確かに思うところは沢山あるけれど、漆原

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    2026年06月19日
  • 廃用身

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    映画化を期に、原作ものだと知り手に取りました。2005年にこの作品が書かれていたことに、まず衝撃を受けました。2026年の今読むと、本作はより現実味を帯びて感じられます。

    構成が非常に秀逸で、医療をテーマにした作品ならではの重さと恐ろしさがありました。きつい描写も多く、読み進めるのはかなり体力が必要でした。

    久坂部さんの他の著書も読んでみたい気持ちはあるものの、またあの重さに向き合うには覚悟がいるため、なかなか重い腰が上がりません。読み続けたら精神を病みそうなので笑。

    とはいえ、その他の著書も読破したい位面白い。

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    2026年06月19日