久坂部羊のレビュー一覧

  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    同じ自由が認められながら、なぜ今までは日本の医療はまがりなりにもやってこられたのか。それは端的に言えば、医師と時代そのものにモラルがあったからであろう。自由に任せていても、医学生は自分の能力に応じた科を選び、必要とされる場所で勤務し、節度をもって開業していた。医学部がそれほど多くなく、優秀なものが医師になり、世間から尊敬される分、それに見合う責務を果たしていた。
     時代のモラルが低下したことも大きい。ルールさえ守れば何をしてもいいという風潮、少しでも自分が得をすることが要領のよい生き方とされ、若者はそのための情報収集に奔走している。
     診療にすぐれた医師を優遇せよ
     良い医療が優遇されれば、医師は水が低きに流れるごとく良い医療に向かう。しかし今、良い医療を行おうとすれば、医師の私生活が破壊されかねない状況になっている。

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    2009年10月07日
  • 廃用身

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    途中までノンフィクションかと思って読んでたんだけど、途中からフィクションであるということを知ってからはとても長く感じた。だけどノンフィクションだと言われたら信じてしまうほどのリアリティ。ノンフィクションだと思って読んでた時の気味の悪さがすごい。

    老人介護は介護するものだけが苦しむわけじゃなく、本人だって苦しい。老人介護を多角的に見た時に浮かび上がる問題があり、これはフィクションにするには惜しいと思ってしまった。介護のシーンが辛すぎて読み終わったあとに「安楽死 日本」で調べてしまった。いつか来る介護の問題、というか私だって関わらなければならないし、この問題は考え続けないといけない。自分ごととして考えるきっかけとなる。3人に1人が老人なんて…どうなっちゃうんだ…

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    2026年10月16日
  • MR(下)

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    後半は紀尾中にとっての障壁が次々と現れ、悩み苦しみつつも誠実に対処していく。
    紀尾中のように誠実で、心から「患者ファースト」を信念としている医療関係者は果たして何人いるのだろう、と思った。あそこまで真っ直ぐに患者のためを思って行動できる人間ばかりであれば日本の医療はもっと良くなるのだろうな、とも感じた。しかし、そのような理想的な医療の実現は厳しいのだろうとも思った。紀尾中を含む数人を除き、多くの登場人物が会社の利益や自身の名誉のために動いているし、実際もそうなのではないだろうか。
    私自身も医療に関係する立場ではあるが、紀尾中のようには立ち回れない。やはり自分の利益や生活が大事だし、患者のことは大切に思うが、自らが不利益を被ってまで尽くしたいとは思わない。むしろ、現実に紀尾中のような「完璧な人間」がいたら疎ましく思ってしまうかもしれない。そんな自分がすこし恥ずかしくも思った。

    ドラマはWOWWOWのみの配信なので、早くネトフリやアマプラで見られるようになってほしいと期待している。

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    2026年10月14日
  • 人はどう死ぬのか

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    死ぬだなんて縁起でもない、と目をそらす人間を椅子に縛って読み聞かせたい。

    「人生100年時代」とかいうどこぞのマーケティング用語も、床にビターンと音がするくらい投げつけたい。

    100歳以上の人口はいま約11万人
    人口の0.09%
    うち女性が87%
    (特に男性諸君は100歳を甘く見ちゃいけない…)

    介護ベッドのうえでまだ若い母の目から魂が抜けた、その記憶が浅いうちに読んだ。だからこの本に書かれてることが前衛的だとは思わなかった。当たり前に知っておけ、ということを、言葉選ばず書いてるところがある。

    人生50過ぎたらボーナスステージ、と思っている。その方が有意義な時を過ごせる。
    明日生きてるかもわからんのに30~40年後の老後の心配なんて老後の私がしろ。扶養家族がいたら別かもしれないけど。

    なんにせよ死ぬんだから、生と向き合うことと同じように、死に向き合おう。
    軽い気持ちで口にしてる突然死が理想的かどうか、ちゃんと考えてみよう。
    考えられないなら、この本を読んでみよう!

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    2026年10月13日
  • MR(上)

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    WOWWOWで映像化すると知って読み始めた。何か一つの大きな事件をストーリーとして追いかけるのではなく、小さな出来事が起こっては解決、起こっては解決という感じで短編集のような読みやすさがある。
    MRという職業は聞いたことはあったが詳しくはなかったので、この本をきっかけによく知ることができた。
    直接患者と関わることがないからこそやりがいを感じにくく、さらに医者にぞんざいに扱われることがあっても頭を下げ続けなければならない。新薬を普及させることはできるのもMRがいてこそではあるが、難しい仕事なのだろうなと感じた。

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    2026年10月12日
  • 命の横どり

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    久々に一気に読み終わる、センシティブな話。他人事だからエンタメで読めるけど、自分がそうだったら?って移植を待つ側、移植に提供する側、そのコーディネーターだったら?言葉の尻を捉えての攻撃。失言するつもりはなくとも、言葉は同じ内容でも相手の捉えた先に変化が起きるものだから、怖い。
    誰の思いも間違いではないけれど、生きること、死ぬこと、生きがい、夢、信念、簡単に折り合いのつくことじゃない。積み重ねで花開くつもりが途切れる絶望から自分をどう立て直すか、正論は理解すれど心に馴染むには時間がかかる。
    いい意味でハッピーエンドになり、安心して本を閉じれた。

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    2026年10月11日
  • MR(下)

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    前半はMRの仕事ぶりとか、現場でのやりとりだったけど、後半は薬の上場に関する話とか、社内の同僚を蹴落とす「半沢」チックな内容だった。あっという間に読み終えてしまった。
    このドラマがWOWOWだけの配信なんて、もったいないなあ。向井理さんもみたいし、ちゃんとシリーズで10話くらいまで放送してほしいなあ。
    うごめく製薬業界の中を見た気がしたけど、どこまで本当なのかしら。会社を背負う者としての社長の最後の言葉には納得しました。また、この方、「廃用身」を書いた方なんですね‥‥映画もすごく怖くて良かったです。

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    2026年10月10日
  • MR(上)

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    MRの具体的なお仕事の紹介から始まってライバル会社とのやりとりがテンポが良くてすいすい読めます。
    コミュニケーション等の能力が問われる仕事。あらゆるところへ気を遣い、言葉も選び、なおかつ売り上げも必要かあ。実際にこんな場面ありそうだけどどうなのかしら。下巻も楽しみです。

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    2026年10月08日
  • 医人の夢

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    読みやすくて子供向けなのかな?でも医療に騙されやすい高齢者向けでもあるのか。結論は書かれてなく中途半端感はあるけど、理想論と現実論、結論出すのは難しいでしょう。医者もいろいろいるから全員に倫理観を期待するのも無理でしょうし。

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    2026年10月06日
  • 告知

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    短編集ではあるものの、主な登場人物(医療者側)は一貫していてとても読みやすかった。

    私は在宅医療の現場も、少ないながら実際に見た経験がある。あとがきで作者が「在宅医療で診た患者をモデルにした」と語っていたが、本当にどの話にもリアリティを感じて面白かった。

    病院とは違って在宅は「生活の場」であるとよく言われる。実際その通りで、たくさんの患者が入院していて、ある程度の制限がある病院に対し、患者と家族の意思や価値感が大きく反映されるのが在宅医療である。本作でもその色は濃く映し出されていて、特に「アロエのチカラ」では顕著であるように感じた。そんなまさかと思いたいが、ああいった患者家族もいるだろうな、と感じた。病院ではないのだから当事者の気持ちを尊重するべきではあるが、かといってどこまで許容するかというのは難しい話だ。病気を治すため、楽にするため、安全に生活してもらうため。「正解」を知っている、あるいは自分の中の「正解」を信じている医療者は、どうしても患者と家族を思うように動かしたくなってしまう。しかし、それが果たして当事者のためになるのか、そもそもそれは「正解」なのか。同じ病気でも、きっと「正解」は患者によって違うだろうし、同じ患者でも時と場合によって変わってくるだろうし、元から「正解」なんてないかもしれない。在宅医療で「正解」を導き出すのは、病院でのそれよりも難しいのではないかと感じた。在宅での生活を支える医師や看護師へのリスペクトが強まる作品だった。

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    2026年10月04日
  • 廃用身

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    本当の話かと思うほどリアルな内容でした。
    漆原先生の言葉には読者も納得させられたのではないでしょうか。少なくとも私は感心し、納得しました。ですがどんなに心身に良い影響を与えようが自分や家族の見た目の変化は受け入れにくいものがあります。
    今後の日本がどうなっていくか…。気になりますね。

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    2026年09月30日
  • 無痛

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    もう10年ほど前になるかな?
    ドラマをやっていて友人から本が面白いと聞き買った本。10年の積読です。
    今の私には刺激が強過ぎた。
    話はとても良くできていた。
    憲法39条は私自身、ずっと引っかかっている。
    心神耗弱、心神喪失、泥酔者、覚醒剤の常習者にも適応される。
    そして痛みを感じることが出来ないイバラ。
    全て悪いのは他人にしてしまう、そういうふうに育ってしまった大人。医者、臨床心理士、刑事。
    それぞれの立場、考え。
    法律、命。
    さすがお医者さんの書く小説。
    別の作品も読みたい。

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    2026年09月28日
  • 廃用身

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    前半は「なるほど、こういうスタイルの話ね」と思っていたら、後半の展開が想定を超えてきて思いっきりくらった。
    マスコミに踊らされるということを差し引いても、善なのか悪なのか分からない。それにしても、実写化しようとした人、凄いな。

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    2026年09月28日
  • 命の横どり

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    ネタバレ

    移植の優先順位ってわかるんだね。
    特殊な血液型だったからたまたま?
    でもレシピエント希望するならドナー希望必須にするのは良い考えじゃないかと思う。
    レシピエント希望できるけどかつドナー希望してるなら優先順位あげるとか。

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    2026年09月22日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    『廃用身』って言葉自体初めて聞いた。
    これを映画化?
    観たいような、怖すぎるような。
    人の決意や感情はその時々で揺らいで、結果オーライもあれば後悔もあり。
    事前に丁寧に説明しても、同意のサインがあっても「誘導された」と後出しジャンケンのように告白されたらキツいなぁ。
    漆原先生の周囲の人の様々な証言があっても、一貫して応援したい気持ちだったから結果は残念。
    葬儀の場面で先生に感謝している人が描かれていた事、「究極のAケア」が身を結んだ事が救い。

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    2026年09月19日
  • 砂の宮殿

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    題名が象徴するように、主人公才所准一と彼が理事長の集学的先進医療施設「カエサル・パレスクリニック」が破滅・崩壊へと進む過程を描いた医療ミステリー。
    富裕層向けに自由診療を推進する彼の周辺で、次々と不審な死が連続する。
    犯罪を疑うジャーナリストが面会を求めるが、そのジャーナリストも取材先で不慮の死を迎え、いよいよ疑惑は、主人公へ・・・。
    主人公には最後まで共感が持てない、小説だった。

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    2026年09月15日
  • 悪医

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    患者の「少しでも治療を続けたい」という思いと、医師として効果のない治療を続けることへの葛藤。どちらの立場にも共感できるからこそ、患者と医療者のすれ違いが印象に残った。仕事柄、患者と医療者の認識のズレをどう埋めるか、そして「正しい」選択へ導くのではなく、患者自身が選択できるよう支えることの大切さをわかっている。と同時に絶対無理だろとと言う自分の声が繰り返し聞こえてくる。

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    2026年09月10日
  • 無痛

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    面白かった!後半一気に読んだ!作者は登場人物を完全にいい人、悪い人、に分けないでいい人にもちょっと嫌なところ、悪い人にもちょっと感情移入するところを書いてる気がした。1人めっちゃ嫌な人はいたけど。最後終わりかたが…

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    2026年08月27日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    ノンフィクションかと思って読み進めていたけど、最後まで読んで『あ、そーゆーことか』と納得。
    社会的問題への切り口として、小説としてこれはすごい。
    色々考えさせられるし、実際考える。
    医療従事者の友人にも勧めたい1冊。

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    2026年08月27日
  • MR(下)

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    ネタバレ

    私が自身が製薬会社に勤めており、MRがドラマ化することをきっかけに興味が湧いて小説を探したのがきっかけ。

    作者が現役の医師ということもあり、細かな描写がリアルでした。

    "患者ファースト"の真の意味とはなにか…?
    綺麗事だけでは片付けられないなと思った。

    所々で危機が襲ってくるけど、どんでん返しが気持ちいい!!

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    2026年08月19日