久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ現役医師の久坂部羊さんが書いたダークな医師小説の5編の短編集。
精神状態が不安定な患者がセカンドオピニオンが信じられずに、その医師のプライベートを暴き、誹謗中傷や痴漢冤罪の罠にハメ、クリニックを閉鎖にまで追い詰める。しかし実はそれが同姓同名の医師だったという話。
医者として、人に不幸を告げる…患者に不治の病であることや余命を告げる瞬間が快感になってしまった医者の話。
いずれもダークで読んだ後に嫌な気持ちになる『イヤミス』な内容が続く…そして一番なんとも言えないどんよりさを感じたのは『老人の園』という短編だ。
医師の傍らデイサービスの施設を作り、たくさんの老人を集めたが、やがて老人の中にヒラ -
Posted by ブクログ
抗がん剤治療では癌はなくならないことを初めて知った。私の祖父も癌でなくなったが、最期は治療が辛いからもう死なせてほしいというようなことを言っていたと聞いた。
しかし、治療が難しいと聞いても最初からすんなり諦めて残りの人生を楽しもうと気持ちを切り替えるのは難しいと思う。本人も家族も。
知識がないから尚更いろんなものに縋ってしまうのだろう。
小仲のような傲慢な患者に対しても治療をしなければいけない医療従事者は大変だなと思った。あんな自分のことしか考えてないやつまで救わないといけないのか。
私なら癌と宣告されたらどうなるのかと考えざるを得ない一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ脳死判定された患者からの心臓移植を題材にした医療小説。
臓器移植コーディネーターの女性を主人公にして、心臓を提供する側とされる側の重くて複雑な心境、臓器移植推進と反対派の奥深い葛藤をあぶり出す。
心臓病の専門病院で、適切な臓器の斡旋を行う臓器移植コーディネーターとして働く立花真知。
彼女が担当する患者は、拡張型心筋症を患い心臓移植を待つ池端麗。
麗は、五輪金メダリスト候補のフィギュアスケーターだったが、血液型が、日本人には500人に一人と言われるRHマイナスであり、ドナーの少ない日本で、移植を受けるのは至難の技で、絶望の淵にたたされていた。
ところが、くも膜下出血で倒れ脳死判定を受けた -
Posted by ブクログ
死ぬのが怖かった。生まれ変わった先の人生が超無理ゲーだったらどうしよう、とか考えたり、例えば脳梗塞でめっちゃ強い痛みを感じて死んだらどうしようとか考えていた。しかし死ぬのも人生の一部。生まれてきたらみんな必ず死ぬ。これを書いてる次の瞬間に死んだとしても、明日通勤途中に車に轢かれて死んだとしても、あるがままに受け入れるしかない。
その代わり、いつ死が訪れるか分からないという気持ちでいると、今日を精一杯生きようと思える。あと死ぬのが怖いのは、今が幸せで今が終わって欲しくないから、あとはこの人生でまだやり追えてないことがあるから人生を終わらせたくないのだと気づいた。
最後は自己肯定と感謝!! -
Posted by ブクログ
臓器移植の提供する側とされる側の思いに踏み込んだ作品
息子の脳死を受け入れられない母親
心臓を移植するが、以前のパフォーマンスが出せずに絶望するアイススケーター
その間を取り持つコーディネーターや医師たち
どちらが正義と言えない中、時間をかけて故人の想いに身を馳せる家族
実際には、脳死を受け入れることは簡単ではないだろう
しかし救われる命があるのであれば救いたいという人は少なくないと思う
臓器提供について、この著書で考えるきっかけとなった
なかなか普段接することのないテーマなのでもっと多くの人に今の臓器提供の状況を知ってもらうことが急務だと思った