久坂部羊のレビュー一覧

  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    人の、少なくとも俺の生き方にまで影響しそうな本。残されたリソース(金、時間)をどう使っていくか。死ぬ事、老いる事を避けるより、日々を大事に生きていこう。ジタバタするなよ!

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    2011年01月08日
  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    長生きはそんなにいいことばかりじゃないよと、悲惨な事例や老人の嘆きがこれでもかというほど紹介される。著者は、老人医療に携わる現役の医師だ。医者の口から、「医療によって無理矢理生かされることは、本人のためにならない」という言葉が聞かれようとは。

    アンチエイジングや「スーパー老人」報道に批判的なことなど、著者は現代の欲望肯定主義や、若さを追い求める風潮に違和感を持っている。医師として多くの老人、多くの死を看てきたことも大きいだろうが、同時に、父親が仏教や道教に造詣が深いことや本書でも兼好や良寛を引いていることからして、著者自身が東洋的な死生観に共感を持つ素地があるんだろうという気もする。その意味で、少なくとも我が日本では、本書のような考え方が庶民の間に復活することは、存外たやすいのではあるまいか。

    医師の中で著者のような考え方を持つ者がどれくらいの割合でいるのかは、知らない。だがゆくゆくは多数派になるんじゃないか。そうなってほしい。著者のような医師となら、治療方針についてスムーズに相互理解が図れる気がする。自分の「死に時」を看てもらいたいと思うのだ。

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    2009年10月04日
  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    当たり前のことがセンセーショナルになる瞬間。
    これを読んで、認知症である祖父の世話をしている知人が神に思えた。一瞬。

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    大学病院の現実と世間の意識のギャップを的確に著していると思う。
    世間の認識を変えることが必要であるという主張にも説得力がある。
    医局が崩壊していること、医療がいまや崖っぷちの状況であること。
    ジャーナリズムとして客観的によく書き切ったと思う。

    オレは理学部出身だけど医学部の一部の連中とは特に気が合ったんで、3年4年の頃には毎週のようにスキーや飲みに行ったもんだ。
    しかし、自分が病気にかかったら、彼らだけには診て欲しくないと思ったものだった。
    どこも実態は似たようなもんなんだろうけどね。
    オレが付き合ってた連中(10人くらいか)が特にバカ揃いだったこともあるけど…
    (2008/5/6)

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    タイトルだけ見るとどんなとんでも本かと思うのだけど、中身は素晴らしかった。確実に確かな医療が受けられると信じて疑わない現在の私たち。患者、医師両サイドの意識改革の必要性を警鐘している。医療崩壊と言われて久しい日本であるが、この書籍を読むと内実がよく理解できる。

    <今後の医療発展のために必要だと感じたこと>
    ・医療ミスを糾弾するのではなく、補償制度を充実させることで対処。
    ・研究、臨床の分離。研究分野で先進医療を受けるものは治験を受け入れ、その代わり医療費を免除。
    ・医師の将来の保証。その分若い頃に技術修練などに頑張れる。

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    同じ自由が認められながら、なぜ今までは日本の医療はまがりなりにもやってこられたのか。それは端的に言えば、医師と時代そのものにモラルがあったからであろう。自由に任せていても、医学生は自分の能力に応じた科を選び、必要とされる場所で勤務し、節度をもって開業していた。医学部がそれほど多くなく、優秀なものが医師になり、世間から尊敬される分、それに見合う責務を果たしていた。
     時代のモラルが低下したことも大きい。ルールさえ守れば何をしてもいいという風潮、少しでも自分が得をすることが要領のよい生き方とされ、若者はそのための情報収集に奔走している。
     診療にすぐれた医師を優遇せよ
     良い医療が優遇されれば、医師は水が低きに流れるごとく良い医療に向かう。しかし今、良い医療を行おうとすれば、医師の私生活が破壊されかねない状況になっている。

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    2009年10月07日
  • 告知

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    短編集ではあるものの、主な登場人物(医療者側)は一貫していてとても読みやすかった。

    私は在宅医療の現場も、少ないながら実際に見た経験がある。あとがきで作者が「在宅医療で診た患者をモデルにした」と語っていたが、本当にどの話にもリアリティを感じて面白かった。

    病院とは違って在宅は「生活の場」であるとよく言われる。実際その通りで、たくさんの患者が入院していて、ある程度の制限がある病院に対し、患者と家族の意思や価値感が大きく反映されるのが在宅医療である。本作でもその色は濃く映し出されていて、特に「アロエのチカラ」では顕著であるように感じた。そんなまさかと思いたいが、ああいった患者家族もいるだろうな、と感じた。病院ではないのだから当事者の気持ちを尊重するべきではあるが、かといってどこまで許容するかというのは難しい話だ。病気を治すため、楽にするため、安全に生活してもらうため。「正解」を知っている、あるいは自分の中の「正解」を信じている医療者は、どうしても患者と家族を思うように動かしたくなってしまう。しかし、それが果たして当事者のためになるのか、そもそもそれは「正解」なのか。同じ病気でも、きっと「正解」は患者によって違うだろうし、同じ患者でも時と場合によって変わってくるだろうし、元から「正解」なんてないかもしれない。在宅医療で「正解」を導き出すのは、病院でのそれよりも難しいのではないかと感じた。在宅での生活を支える医師や看護師へのリスペクトが強まる作品だった。

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    2026年10月04日
  • 廃用身

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    本当の話かと思うほどリアルな内容でした。
    漆原先生の言葉には読者も納得させられたのではないでしょうか。少なくとも私は感心し、納得しました。ですがどんなに心身に良い影響を与えようが自分や家族の見た目の変化は受け入れにくいものがあります。
    今後の日本がどうなっていくか…。気になりますね。

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    2026年09月30日
  • 無痛

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    もう10年ほど前になるかな?
    ドラマをやっていて友人から本が面白いと聞き買った本。10年の積読です。
    今の私には刺激が強過ぎた。
    話はとても良くできていた。
    憲法39条は私自身、ずっと引っかかっている。
    心神耗弱、心神喪失、泥酔者、覚醒剤の常習者にも適応される。
    そして痛みを感じることが出来ないイバラ。
    全て悪いのは他人にしてしまう、そういうふうに育ってしまった大人。医者、臨床心理士、刑事。
    それぞれの立場、考え。
    法律、命。
    さすがお医者さんの書く小説。
    別の作品も読みたい。

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    2026年09月28日
  • 廃用身

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    前半は「なるほど、こういうスタイルの話ね」と思っていたら、後半の展開が想定を超えてきて思いっきりくらった。
    マスコミに踊らされるということを差し引いても、善なのか悪なのか分からない。それにしても、実写化しようとした人、凄いな。

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    2026年09月28日
  • 命の横どり

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    ネタバレ

    移植の優先順位ってわかるんだね。
    特殊な血液型だったからたまたま?
    でもレシピエント希望するならドナー希望必須にするのは良い考えじゃないかと思う。
    レシピエント希望できるけどかつドナー希望してるなら優先順位あげるとか。

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    2026年09月22日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    『廃用身』って言葉自体初めて聞いた。
    これを映画化?
    観たいような、怖すぎるような。
    人の決意や感情はその時々で揺らいで、結果オーライもあれば後悔もあり。
    事前に丁寧に説明しても、同意のサインがあっても「誘導された」と後出しジャンケンのように告白されたらキツいなぁ。
    漆原先生の周囲の人の様々な証言があっても、一貫して応援したい気持ちだったから結果は残念。
    葬儀の場面で先生に感謝している人が描かれていた事、「究極のAケア」が身を結んだ事が救い。

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    2026年09月19日
  • 砂の宮殿

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    題名が象徴するように、主人公才所准一と彼が理事長の集学的先進医療施設「カエサル・パレスクリニック」が破滅・崩壊へと進む過程を描いた医療ミステリー。
    富裕層向けに自由診療を推進する彼の周辺で、次々と不審な死が連続する。
    犯罪を疑うジャーナリストが面会を求めるが、そのジャーナリストも取材先で不慮の死を迎え、いよいよ疑惑は、主人公へ・・・。
    主人公には最後まで共感が持てない、小説だった。

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    2026年09月15日
  • 悪医

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    患者の「少しでも治療を続けたい」という思いと、医師として効果のない治療を続けることへの葛藤。どちらの立場にも共感できるからこそ、患者と医療者のすれ違いが印象に残った。仕事柄、患者と医療者の認識のズレをどう埋めるか、そして「正しい」選択へ導くのではなく、患者自身が選択できるよう支えることの大切さをわかっている。と同時に絶対無理だろとと言う自分の声が繰り返し聞こえてくる。

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    2026年09月10日
  • 無痛

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    面白かった!後半一気に読んだ!作者は登場人物を完全にいい人、悪い人、に分けないでいい人にもちょっと嫌なところ、悪い人にもちょっと感情移入するところを書いてる気がした。1人めっちゃ嫌な人はいたけど。最後終わりかたが…

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    2026年08月27日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    ノンフィクションかと思って読み進めていたけど、最後まで読んで『あ、そーゆーことか』と納得。
    社会的問題への切り口として、小説としてこれはすごい。
    色々考えさせられるし、実際考える。
    医療従事者の友人にも勧めたい1冊。

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    2026年08月27日
  • MR(下)

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    ネタバレ

    私が自身が製薬会社に勤めており、MRがドラマ化することをきっかけに興味が湧いて小説を探したのがきっかけ。

    作者が現役の医師ということもあり、細かな描写がリアルでした。

    "患者ファースト"の真の意味とはなにか…?
    綺麗事だけでは片付けられないなと思った。

    所々で危機が襲ってくるけど、どんでん返しが気持ちいい!!

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    2026年08月19日
  • 廃用身

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    2026年5月に映画化された作品で、刊行は2003年。
    映画は未視聴なんですけど、文庫版の原作を読んだうえで言わせてもらうと、これ映像化して大丈夫?
    ただ調べてみるとpg12らしいので、きっと色々配慮されているのでしょうが、どんな感じになってるのか気になります。

    脳梗塞などで麻痺してしまって使い物にならなくなった腕や脚を切り落とす。
    デイケア施設の院長である主人公、漆原糾が、この画期的な治療法を実践し、過酷なリハビリや親族からの虐待などに苦しむ患者たちを救っていく介護医療系ドラマ……の皮を被ったサイコミステリー。

    新書みたいな構成で廃用身切断の意義とデイケアの日常を描くソフトタッチな前半から急転直下、後半からはがらっと作風が変わって、胸糞の悪くなる展開に呆然としました。
    介護の現場を知っている者と知らない者との間にある確執、マスメディアの影響力、日本の介護の未来というちょっと重めのテーマを随所にちりばめながら、徐々に漆原糾という医師の人間性が明らかになっていきます。

    作中で麻痺した手足のことを廃用身と言っていますが、これは造語でして、正式な医学用語では廃用肢というらしいです。
    結末を知っている身からすれば、この作品のタイトルが廃用肢ではなく廃用身であることに、本当に戦慄を覚えます。
    ちなみにちょっとグロくて汚い描写が多くて、それが読みやすいうえにリアルに書かれております。
    耐性があってよかった……と切に思いました。

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    2026年08月18日
  • 廃用身

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    最初実話か〜って読んでいて、途中からフィクションだったか…ってなって最後実話!?!?ってなった。ここまで赤裸々に書いて良いものだというのが衝撃。暗いけど全部考えるべき内容だし、みんな嫌がるけどほぼ全員直面する未来について考える機会になった。読んでよかった。

    追記:フィクション!?

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    2026年08月18日
  • 廃用身

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    ネタバレ

    半分くらいまで、ヤバい新興宗教の本読まされてるみたいでしんどかった。喜びも笑顔も1面でしかなく、「本当はどうなの?」と思いながら読み進める。最後の1行じゃないけど、終盤に声の出てしまう部分があって、一義的に理があってもやはりそれは全てでは無いのだよなと思わされた。この本を読んで欲しいと言ってきた人と感想を話していたのだが、そこに「良い面があるな」と思ってしまったことが怖いねと。先日、介護職の方が「被介護者には痩せて欲しい」と言っていたのを見てしまってリアリティが増して、

    多分これ、一生忘れないし、一生怖い

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    2026年08月15日