久坂部羊のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ人間は不平等なものだが、ひとつだけ平等なものがあるとしたら、誰でも1回は絶対死ぬということだろう。でもその死に方は決して平等ではなく、大往生で安らかにピンピンコロリを上等としたら、親に虐待されて死ぬ子供や強盗に押し込まれて殺される被害者、災害で、戦争で、いじめで自殺…
この本では、在宅看護で死をみとる訪問医療の現実をリアルに描く。「良かったねぇ」の死にざまなどほとんどない。特に最終話、ハッピーエンドと思いきやの大苦のラスト…、何もこんな終わり方にしなくとも…と思ったが、作者は敢えてこれを伝えたかったのだと思う。
いつか俺も死ぬんだが、できれば苦しみは少なくしてほしいし、何より誰かがしんどい -
Posted by ブクログ
作者が医者なんで、医療が前面に出てるのは、そうやけど医療ミステリーやないな。イヤミスでもない。
後味が悪いという意味では、かなりやけど…
世間の矛盾というか、気にしながらも、どうにもなってないのを強烈に皮肉る感じ。
タイトルも何かありそうな感じ。
「無脳児…」は、タイトルからして、おい!そんなタイトルええんか!って思うけど…中身は、間違いでしたで済ませられんオチ。
何にしても、絶対はないのは分かるけど、医者に言われると不安になる…そうしか言えんのやろうけど。
「のぞき穴」は、安易に電車で読めない…覗かれたら、色んな文言で誤解されそう…
にしてもあかんやろ!この医者!
って感じの短編集7つでご -
Posted by ブクログ
久坂部羊『オカシナ記念病院』角川文庫。
医療とは何かを考えさせる少しコミカルな小説。
確かに今の医療は過剰とも思われる検査や予防医療と延命治療など、やり過ぎの部分があると思う。まるで病院は製薬会社や医療機器メーカーと手を組んで患者や国から多額の医療報酬を搾取しようとしているかのようだ。
その結果、高齢者が激増し、高齢者施設は順番待ちの大行列で、死んだ頃にやっと施設に空きが出たと連絡が来るという笑うに笑えない状況。余りにも高齢者が増加したので、政府は高齢者の医療負担や介護負担を増やすというが、もはや焼石に水。待機児童ならぬ待機老人であふれた今の日本に未来は無い。
南国の南沖平島にある岡品 -
Posted by ブクログ
450ページの二段組みで読み応えありました。
厚労省の悪者官僚が超高齢化社会の問題を解決する為、意図的に医療を悪用してPPP(ピンピンぽっくり)を画策し、合法的に高齢者の突然死を実現させようとするお話し。
最後は悪は敗れるとなるのですが、今の日本の平均寿命と健康寿命の乖離を見るに、考えさせられるものがあります。
登場人物の描写などが非常に細かく書かれており、それが長編になってる理由というのもありますが、ダラダラ感はなく情景がよく分かります。また舞台になっているのが身近な所ばかりなのでその点も良かったです。面白かった~!ドラマ化したら話題になるやろなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久坂部さんの著書はどれも引き込まれる
「Rest in peace」
「善良なサイコパス」と「邪悪な健常者」
ある日突然殺人容疑者の妹になった薫子の思いも常識的なものだが、真也の発言も当事者の気持ちに寄り添ったものだったりしてわからなくなる
「生きることを無意識にいいことだと思い込んでいる」
死の欲動が強い人として女の太宰治といわれた久坂葉子という作家をあげている
真也は最後に自殺について
「漫然と憐れむことの無神経さ、思慮のなさにおまえは気づかないのか、そういう悪気のないふつうの感覚が、浅はかな自殺の否定につながっているんだ。」と薫子に言っている
ほんとうの思いやりとは…