久坂部羊のレビュー一覧

  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    ネタバレ

    久坂部さんの著書はどれも引き込まれる

    「Rest in peace」

    「善良なサイコパス」と「邪悪な健常者」

    ある日突然殺人容疑者の妹になった薫子の思いも常識的なものだが、真也の発言も当事者の気持ちに寄り添ったものだったりしてわからなくなる

    「生きることを無意識にいいことだと思い込んでいる」 
     死の欲動が強い人として女の太宰治といわれた久坂葉子という作家をあげている

    真也は最後に自殺について
    「漫然と憐れむことの無神経さ、思慮のなさにおまえは気づかないのか、そういう悪気のないふつうの感覚が、浅はかな自殺の否定につながっているんだ。」と薫子に言っている

    ほんとうの思いやりとは…

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    2022年09月03日
  • 告知

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    在宅医療の大変さを知ることができたのは良かった。
    苦しまず、家族に迷惑をかけず、最後を迎えたいと強く強く思った…

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    2022年08月14日
  • 悪医

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    何もかもが共感させられる。ものすごくリアル。医療者側の気持ちも生活も悩みも、患者側の気持ちも病状の描写も両者全てにおいて。何が正しいのか安易な正解も示されていないところがなんとも現実的。現実はとっても複雑だから。そういうのがそのまま描かれておりぐさぐさきました。

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    2022年07月22日
  • 悪医

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    いろいろ考えさせられました。
    現時点で健康な自分は医者側目線というか、森川の考えに頷きながら読んでた。
    でも自分が患者になった時、小仲のような気持ちや思いになるんだろうか……
    なってみないと分からないけど、いやいや絶対になりたくないし、もしそうなってしまった時、この本のことを思い出そう。

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    2022年06月15日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    家族のことを思うことや、死を悲しむことまで
    エゴだと言われてしまうと、何も言い返せない。

    でも、エゴと言われても人間には感情というものがある。
    でも、本人が本当に悩んだ結果としての自死を
    本人を尊重してあげるのも分かる。
    でもその本人のために自分の感情をないがしろにするのも
    なんか違う気がするし。

    あ~難しい。正解なんて無いよなー。

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    2022年05月25日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    自殺志願者を殺めた真也の妹、薫子の視点で物語は語られる。家族の立場と当事者の立場の違いで、何が最善の選択なのか答えは出ない。生き方の多様性 は受け入れられるが、極論過剰な気がした。

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    2022年05月12日
  • 老乱

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    私も母の認知症の介護経験があるので、すごく共感するところがあった。私も主人公と同じで先のことを心配しすぎて本人の気持ちになかなか寄り添うことができなかった。ありきたりだが、もう少し早くこの小説に出会えていれば、母との最期の時間をもう少し穏やかに過ごせたのではないだろうか。
    認知症本人の気持ちや介護職、医師側からの視点も書かれている。施設や精神科医療の現状は悲しいものだが現実だろう。私は介護には関わっていないが田舎の義父は認知症を患っているし、私自身も可能性はあるのだからこの学びを活かしていきたい。

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    2022年05月09日
  • 無痛

    購入済み

    エログロあり

    展開が読めずどう登場人物が繋がっていくんだろうと思いながら読み進めて、後半一気に展開して各登場人物が絡み合っていき一気読みしてしまいました。
    途中のストーカーの気持ち悪すぎる描写にきちんと文字を読み進めることができなかったけど、それ以外のグロ描写は割と大丈夫でした。
    久坂部先生の小説はやっぱ最後がゾッとする終わり方をしますね。
    続きがどう展開するのか想像もつきませんが、読むのが楽しみです。

    #ダーク #ドキドキハラハラ #怖い

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    2022年05月07日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    後味の悪さとか評価はいろいろわかれるが、私はやはり、面白かった。ただし、わかりにくいところも随所に見られたが。

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    2022年05月07日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    ネタバレ

    小説としてはあまり好みではないが、ノンフィクション風味として読むと大変興味深い本だった

    私自身、死は救済だと思っているところがあるので、始終薫子の意見には疑問を抱きつつ読み進めた

    亡くなった方の気持ちに寄り添うとしたら、今世から解放されてよかったねと思うけど
    亡くなった人が親しい人だった場合、諸手を挙げてよかったねとは思えない、それこそ薫子のように相談してくれたらよかったのにと思ってしまう気がする
    希死念慮と長年同居している私でさえそう思うのだから、通常の死を恐れる人たちにとっては自殺した人に寄り添うことなんてとてもじゃないができないのではないかと思った

    生きる自由があるのだから死ぬ自由

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    2022年04月18日
  • 第五番 無痛II

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    ネタバレ

    これだけの厚さを、一回も飽きることなく読ませさせる力がすごい。
    今回はすごい規模の恐ろしさが描かれていたけど、リアリティある文章に引き込まれて、そういう意味での“おかしさ”は感じず、最後まで読みきれた。けど、最後の終わり方がよくわからなかった…。
    コロナが流行っている今読むから、また身近に感じられる部分も多々あって、おもしろく読めた。
    イバラが想像以上に成長していて、なのに亡くなってしまったのは悲しかったな…。

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    2022年04月17日
  • 廃用身

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    どのみち、足手まといの重荷なんだから軽くなってくれ。

    これからの若い世代に何を背負わせなければいけないのか。経済活動、出産育児、高齢介護。これらをやってもらわないといけないと考えたとき、何を軽くするか。考えさせられた一冊です。
    でも、アリじゃないの?とも思いました。
    悪趣味な考え方をすると、五体満足な高齢者は、手厚い介護を受けれている目印になる日が来るのでしょうか。

    私?
    十中八九切断されているんでしょうね。

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    2022年04月09日
  • 老乱

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    老いていかれる恐怖、置いていかれる恐怖。

    介護者と被介護者の視点で進んでいきます。
    私も割と雅美の気持ちもわかるのですが、日記の内容だったりを読んでいると、だんだんと気が滅入ってきました。全体のイメージとして、アルジャーノンに花束を、のローズとチャーリーを思い出しました。

    不謹慎ですが、自分が認知症になる前に、楽してぽっくりが良いと考えました。

    認知症のテーマでは「アリスのままで」も、なかなか重苦しいです。

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    2022年03月28日
  • 悪医

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    もう、治療法はありません。
    そう宣告された人に必要な事は何だろうと考えました。

    私は二十代の頃から難病からくる半身不随で、社会的な立場を何も持っていないので、末期がんを宣告されても驚きはしますが、生きる事にあまり執着を見せないかもしれません。なるべく楽な方法が良いなぁ、とだけ考えています。

    作中に出てくるお医者さん同士の会話は、ちょっとショックでした。多分これを何倍にもしたのが、患者と医師の溝の大きさなのかなとも感じました。

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    2022年03月21日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    読んだことを後悔すらした読後。専門職、しかも経験あるシニアのDrですら、こういうものなのだと正直思った。
    帯カバーに「著者自身、懸命に向き合い・・」とあるのが逆に空々しい宣伝文句と思ったが。
    100%ではなくとも嘘ではないと思うだけに、最後までついて回る不消化な、未消化な、もやもやの槍都市と作者のメッセージともいえる「登場人物の口をついて出る」論理的説明、そして結末。

    メンタルがきつい時は読むべきじゃないだろうね。

    まして身内や友人がターミナル期にある時も絶対薦めない。

    しかし、誰しもが現実から目をそらすことなく、この本を読むことは薦めたい。

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    2022年03月04日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    善人で相手の立場を考えて行動する、心優しい人。
    独りよがりで思いこみが激しく、軽はずみな人。

    1人の人の印象は、その人を見る人数の分だけ種類がある。

    誰かにとっての心遣いは、その人にとっての迷惑以外の何物でもないこたもある…。

    難しい。

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    2022年02月12日
  • 廃用身

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    善と悪の間に立たされた感覚を持ったまま読み進めてしまう。介護問題やメディア問題など、現代の社会的問題について問いかけるメッセージ性があった。

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    2022年02月06日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    医師作家による「人間の尊厳」を問い続ける内容であり、とても重く答えが出せなかった。

    薫子の次兄が、自殺志願者を3人も殺害するという凶悪事件が起きたことから物語は始まる。

    検察官のあざとい法廷戦略にも臆するとこなく、自分の意思を告げる次兄。

    優しい次兄が、世間から極悪人と糾弾されるのが納得出来ず、以前通っていた心療内科医に相談したりと奔走する。

    兄のことを善良なサイコパスだと言っていた心療内科医師こそが…。

    すんなり納得できる結末ではなかったものの、テーマ事態が、自殺を容認できるか…につきると思ったので、自分にとっても重い課題を背負ったようだ。

    昨今、特にコロナ禍になってからも感じる

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    2022年02月01日
  • 嗤う名医

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    ネタバレ

    面白かった!

    医療系の短編小説は特に読者と有識者の知識の乖離が起きやすいように思うが、今作はわかる、推察できるギリギリの用語が多く、興味深く読めた。
    汚い部分や倫理観から外れている欲望なども小説内にあり、それは人の生死を見てきた人間が故なのかもなと考えさせられた。
    しかしながらちゃんとした正義の軸もあり、人の多面性を感じられた。

    嘘はキライ!内で出てきた本物親子丼、自分は良く思ったので食べられる場所があったら食べたい。

    今まで読んだ中で1番巻末の書評が面白い。大体読んだ時に感じる感想はこの巻末の中野さんが書いてくれているから書くことが無い。

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    2022年01月13日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    被告の言い分に同意していまいそうになる気持ちが読み進むにつれて大きくなる。
    殺人犯に同意してはいけないとの思いの間で気持ちが揺れる。
    死に惹かれる人や死にたいと強く思うほどつらい思いの人に、どのように寄り添っていけばよいのか、とても難しい。
    それは希望の押し付けや自殺の全否定ではないのであろう。
    本当の思いやりを真剣に考えたい。

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    2022年01月04日