久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ著者が医師で作家でもある久坂部羊さん。
新書ですが、読みやすくて勉強になりました。
死について、ガンについて、安楽死について等知識を得たい方はオススメです。良著。
以下は自分が付箋を貼ったページ。
P37 助かる見込みがあるのなら、病院で治療を受けたいと言う人は、悲惨な延命治療になるリスクを受け入れる必要があります。助かる見込みがあれば治療を受けたいけれど、悲惨な延命治療は絶対にイヤというのは、両立しないのです。
P109のエンゼルケアの所。看護師が遺体の肛門に指を入れて掻き出すシーンが衝撃でした。
P126 人生百年時代の意味。この言葉の真に意味するところは、「百歳まで生きられる」ではなく、「百歳まで死ねない」ということだと私は思います。それがどれだけ恐ろしいことか。
P136 がんとの共存。がんを根絶しようと思うと、過度な治療を受けて副作用で苦しんだり、場合によっては逆に命を縮めてしまったりします。過激な治療ではなく、ほどほどの治療でようすを見て、治療の効果より副作用のほうが大きくなったら、潔く治療をやめる。これががん治療の要諦です。
P166 海外の安楽死事情。日本では本人の意思より家族の意見、さらには世間の常識が優先される風潮が、未だに強いと思われます。もちろん、死んでほしくないという家族の気持ちもわかります。しかし、それを優先すべきという人は、忘れていないでしょうか。いざ、自分が死ぬ以外にないほどの苦痛に陥ったとき、優先されるのは苦しんでいる自分ではなく、その苦痛を体験していない家族だという事を。
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Posted by ブクログ
ネタバレ9人の現役医師による医療小説アンソロジー。
医師作家でしか表現できないと思われる臨場感あふれる詳細な描写、ヒューマンでミステリアスなストーリーが魅力の作品集だ。
1〈研修医ヒナノの洞察〉
上司からパワハラを受けている研修医が患者の膠原病を見つけ上司を見返す痛快な話
2〈魚類譚〉
封建的で理不尽な医大の内部構造、詳細な手術シーンにミステリーとホラーの要素を取り入れた作品
3〈パイナップルのある光景〉
同じような引きこもり系の精神疾患でも、一方は入院治療、一方は家族による対処という示唆をする精神科医。専門的な見解が押し付けなく、ふわっと伝わってくる秀作
4〈救いたくない命〉
救急外来に運び込まれてきた瀕死の男はとんでもない犯罪者。しかも、手術助手を務める医師には憎むべき理由があった。救急救
命手術場面の描写がすごい
5〈春に綻ぶ〉
コロナ病棟で働く内科医の日常と苦悩をリアルに描く。苦闘の果てに主人公はかすかな希望を見出だす
6〈闇の論文〉
がんを見極める生検の際、傷ついた血管からがん細胞が侵入し、転移を招くことを証明した論文。これが世間に知れた場合の混乱を避けようと医療界の重鎮は論文を闇に葬る。現実世界ではどうなっているのか気になる
7〈言葉が消えるまえに〉
過去に同じ脳神経外科の医局員だった男の裏切りで医局を追放された主人公。そこへ、その男がグリオーマ患者としてやって来る。主人公のヒューマンな姿勢が光る
8〈空中テント〉
唯一、医師の視点ではなく、女性看護師を主人公にした作品。肉親が認知症になった時の介護を巡って、エゴむき出しの親族や主人公に訪れる修羅場、介護サービスを考えるまでの経緯がリアルに描かれる
9〈峠を越えてきた命〉
伊豆半島にある産科救急に特化した病院の若手医師が主人公。切迫早産の妊婦が救急車で揺られながら険しい天城峠を越えて病院に向う様子、待機して万全の体制を取る医療スタッフ、分娩室での対処の様子が実に生々しく描かれる。危険にさらされる新しい命を懸命に救おうとする産科スタッフの努力と救急隊との密接で的確な連携が読み手の心を打つ。秀逸で感動的な人間ドラマだ
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Posted by ブクログ
ネタバレ徴候診断でその人が抱える病気が「見える」医師。だけれど、見えるがゆえに、先がわかりどうすることもできない虚無感を抱えている。
「見える」から、治る患者だけを治療し、お金を持っている人には最高のサービスを提供しよう、安心を買ってもらおうとする医師。
二人は同じように「見える」が考え方は真逆。
病気が見える見えない、施設の子供たちの治療方針などで意見が最後まで合わなかった菜見子。
ずっと対立、わからない、理解できないで終わるかたちもアリかもと思った。ちゃんと意見のぶつかり合いがあったので。
菜見子の元夫の行動。ストーカー。刑法39条を悪用しようとする。(ネットで検索。履歴残るからバレるでしょ…とは思ったけど、その前に彼の身に…(((((((・・;))
自分は優秀だ、社会が悪いと思う、自分は悪くない。
イバラ。痛みを知らない。痛みを知るためにとった行動。白神を尊敬し、あーちゃんのことがすき。あーちゃんに自分の成長した姿を見せたいと思っていたが…
イバラは、どこに向かったか…。
自分をおいて国外に逃げた(サトミと共に)白神のもとか…。裏切られたと思ったか、まだ、尊敬しているか。
殺しそびれた祐輔のもとか。
あーちゃんとは、自分が思っていたかたちではないが再会でき、菜見子も力になりたいと思っていたが、彼女のもとにはとどまらなかった。
白神、サトミを本当に勉学だけさせるのか?
イバラと似たような実験をしようとしてないか?気になるけれど、そこまでは触れていない
続きがあるなら読みたい。
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Posted by ブクログ
認知症の介護の話。
最初は高齢者の車の事故が増えていることから、義父にも運転をやめてもらった方がいいと嫁の雅美が言い出したことから始まる。
義父を説得しているうち、何か様子がおかしいと思うようになり、なんとか脳ドックという名目で病院に連れていく。
初めは事故が起こったら自分たちにも被害があるとか、世間体ばかりだった。
とにかく介護が進むに連れて色々なことがある。
介護される側もする側も疲れてくる。
壮絶な日々である。
自分も近いうちに介護をする側になり、その先には介護される日が来るだろう。
それがわかっていても、受け止められないような過酷で残酷な真実がある。
そんな重い話でも、目を背けることは難しい…
2024.6.9