久坂部羊のレビュー一覧

  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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     書くことで、解放される思いがある。

     新たなジャンルが始まることへの期待を込めた夜明けでもある一方で、書かないと解放できない思いが溜まってきているのも事実であると思う。

     

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    2024年10月26日
  • 人はどう死ぬのか

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    ネタバレ

    著者が医師で作家でもある久坂部羊さん。
    新書ですが、読みやすくて勉強になりました。
    死について、ガンについて、安楽死について等知識を得たい方はオススメです。良著。
    以下は自分が付箋を貼ったページ。
    P37 助かる見込みがあるのなら、病院で治療を受けたいと言う人は、悲惨な延命治療になるリスクを受け入れる必要があります。助かる見込みがあれば治療を受けたいけれど、悲惨な延命治療は絶対にイヤというのは、両立しないのです。
    P109のエンゼルケアの所。看護師が遺体の肛門に指を入れて掻き出すシーンが衝撃でした。
    P126 人生百年時代の意味。この言葉の真に意味するところは、「百歳まで生きられる」ではなく、「百歳まで死ねない」ということだと私は思います。それがどれだけ恐ろしいことか。
    P136 がんとの共存。がんを根絶しようと思うと、過度な治療を受けて副作用で苦しんだり、場合によっては逆に命を縮めてしまったりします。過激な治療ではなく、ほどほどの治療でようすを見て、治療の効果より副作用のほうが大きくなったら、潔く治療をやめる。これががん治療の要諦です。
    P166 海外の安楽死事情。日本では本人の意思より家族の意見、さらには世間の常識が優先される風潮が、未だに強いと思われます。もちろん、死んでほしくないという家族の気持ちもわかります。しかし、それを優先すべきという人は、忘れていないでしょうか。いざ、自分が死ぬ以外にないほどの苦痛に陥ったとき、優先されるのは苦しんでいる自分ではなく、その苦痛を体験していない家族だという事を。

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    2024年10月19日
  • MR(上)

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    読み物として楽しめました。人間関係の話が多いので、実態を知る、実務の参考にというより、フィクションの色が強い印象です。

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    2024年10月19日
  • オカシナ記念病院

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    都会の大病院での研修を終えた主人公が、今度は離島での研修のため、岡品病院へ赴任する。若く使命感に燃える主人公は、島民のために前の病院でやってきた通り、老人に延命治療を施したり、訪問医療やがん検診を積極的に提案する。

    昨日、テレビでがん検診を推奨するような番組を見たし、私の会社でもがん検診を受けるようにいわれているので、がん検診のくだりはなかなか考えさせる内容だった。

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    2024年10月16日
  • MR(上)

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    製薬会社の営業職であるMRが題材になっている話。
    自分と同じ仕事だからか、読んでいて苦しい気持ちになった。病気で苦しんでいる患者さんのために。と言いつつも、営利企業として利益も出さなければならない側面もある。

    医療従事者から信頼されるパートナーを目指して働きたい。

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    2024年10月06日
  • 生かさず、殺さず

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    医療従事者と介護者と認知症の本人

    あんなこともこんなことも有り
    感じ方も考え方もそれぞれ
    ご本人の認知の力はどのくらい?
    子供?赤ん坊?
    それとも……

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    2024年09月26日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    読み応えがあった。強烈だし、重い。腹にズドンと来る一冊というのは本書のような作品の事を言う。
    自殺志願者たちを殺め続けた男の真相とは。
    世間の声とは大抵がメディアが作り出した「作られた声」に過ぎない。誰もがそれに乗っかって発言しているのがほとんどだろう。
    本作ではサイコパスへの認識がいかに遅れているか、メディアがいかに扇情的な事件を欲しているかも描かれている。
    だがあくまで本書はミステリ。怒涛の如し展開で終盤は目を見張った。違和感は現実になり、架空の出来事がこちらを指差してくる。そしてこう言うのだ。
    お前はまともか? 本当に? と。

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    2024年09月23日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    9人の作家(医師)による9篇の物語
    それぞれの作家自らの経験なのかはわからない
    ただ、それぞれの作家の医療への思いが短い作品の中に散りばめられていると感じた

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    2024年09月18日
  • 人はどう老いるのか

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    死について安心できている人なんていない。
    突然なのか告知されてなのか、どちらにしても迷うことや悩むことだらけ。
    著者は医師であるが外務省に勤めて医師の現場に立つことになった。この経歴も興味深いが、医師の現場に戻ったデイケアクリニックでの出来事が興味深い。
    認知症の症状や個人差もあり、そのやりとりはやはり生々しいがユーモアを忘れない老人との会話もある。
    目次もなかなか工夫されており、それはよまなきとなる。
    準備しても仕切れないが最後はそこだよなと哲学的になる。

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    2024年09月16日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    9人の現役医師による医療小説アンソロジー。
    医師作家でしか表現できないと思われる臨場感あふれる詳細な描写、ヒューマンでミステリアスなストーリーが魅力の作品集だ。
    1〈研修医ヒナノの洞察〉
    上司からパワハラを受けている研修医が患者の膠原病を見つけ上司を見返す痛快な話
    2〈魚類譚〉
    封建的で理不尽な医大の内部構造、詳細な手術シーンにミステリーとホラーの要素を取り入れた作品
    3〈パイナップルのある光景〉
    同じような引きこもり系の精神疾患でも、一方は入院治療、一方は家族による対処という示唆をする精神科医。専門的な見解が押し付けなく、ふわっと伝わってくる秀作
    4〈救いたくない命〉
    救急外来に運び込まれてきた瀕死の男はとんでもない犯罪者。しかも、手術助手を務める医師には憎むべき理由があった。救急救
    命手術場面の描写がすごい
    5〈春に綻ぶ〉
    コロナ病棟で働く内科医の日常と苦悩をリアルに描く。苦闘の果てに主人公はかすかな希望を見出だす
    6〈闇の論文〉
    がんを見極める生検の際、傷ついた血管からがん細胞が侵入し、転移を招くことを証明した論文。これが世間に知れた場合の混乱を避けようと医療界の重鎮は論文を闇に葬る。現実世界ではどうなっているのか気になる
    7〈言葉が消えるまえに〉
    過去に同じ脳神経外科の医局員だった男の裏切りで医局を追放された主人公。そこへ、その男がグリオーマ患者としてやって来る。主人公のヒューマンな姿勢が光る
    8〈空中テント〉
    唯一、医師の視点ではなく、女性看護師を主人公にした作品。肉親が認知症になった時の介護を巡って、エゴむき出しの親族や主人公に訪れる修羅場、介護サービスを考えるまでの経緯がリアルに描かれる
    9〈峠を越えてきた命〉
    伊豆半島にある産科救急に特化した病院の若手医師が主人公。切迫早産の妊婦が救急車で揺られながら険しい天城峠を越えて病院に向う様子、待機して万全の体制を取る医療スタッフ、分娩室での対処の様子が実に生々しく描かれる。危険にさらされる新しい命を懸命に救おうとする産科スタッフの努力と救急隊との密接で的確な連携が読み手の心を打つ。秀逸で感動的な人間ドラマだ

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    2024年09月04日
  • 寿命が尽きる2年前

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    生きがいがなく、早くあの世に行きたいといつも言う人に、「いつまでも元気で長生きしてね」という決まりきった文言を送ることにいつも違和感を感じている私。
    この本では、病気や死を過剰に恐れて、死が迫ったときにでも最期まで病院に頼ってしまうことが正しいのか、どんなことをしても長生きすること、人間ドックを定期的にうけることも本当に必要なのかなど書かれている。俯瞰してよく考えてみると、生き方として本来あるべき姿を教えてくれている一冊

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    2024年09月03日
  • オカシナ記念病院

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    本作は久坂部医師の作品の中では、比較的楽しく読める作品でした。医療行為とは?改めて考えさせられました。

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    2024年08月30日
  • 第五番 無痛II

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    ネタバレ

    シリーズ全二作おわり。
    なんか全体的に為頼センセ運に頼り過ぎじゃね?と思いながらも飽きずには読めました。
    昔Superfly主題歌でドラマ化してたかな?みたいな記憶で読む。先入観なくすために、読み終わってからキャストを見ましたが為頼センセと白神センセはまあイメージとあんま相違ないけど、他はだいぶん脚本脚色してたんかな?サトミ役が浜辺美波やったんやへぇ〜

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    2024年08月29日
  • 健康の分かれ道 死ねない時代に老いる

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    ネタバレ

    参考になった。
    長生きするのは幸せなのかと考えさせられた。
    現在、医療は限界があり、治療をして延命するのが幸せとは限らない。辛い思いをせず、寿命を受け入れる覚悟を持って生きることが良いのかもしれない。

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    2024年08月17日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医師が描く小説はリアリティがあります。専門的な用語も飛び交うがそれもまた面白い。本短編集はよく知った医師作家が多かったので、新たな面も見れて楽しめました!

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    2024年08月07日
  • 無痛

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    ネタバレ

    むかーしSuperflyが主題歌歌ってドラマ化してなかったっけ??(違うかも)な記憶で読んだ。
    内容まったく知りませんでしたが医療系のサスペンスでした。これドラマ化できんの??ちゃんとエグい描写があります。
    全く飽きさせない展開で読みやすかったけど、若干エンタメに振りすぎてるのが気になったので★×4.5かなぁ~
    続くみたいなので次も読む。

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    2024年07月04日
  • 無痛

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    ネタバレ

    徴候診断でその人が抱える病気が「見える」医師。だけれど、見えるがゆえに、先がわかりどうすることもできない虚無感を抱えている。

    「見える」から、治る患者だけを治療し、お金を持っている人には最高のサービスを提供しよう、安心を買ってもらおうとする医師。

    二人は同じように「見える」が考え方は真逆。

    病気が見える見えない、施設の子供たちの治療方針などで意見が最後まで合わなかった菜見子。

    ずっと対立、わからない、理解できないで終わるかたちもアリかもと思った。ちゃんと意見のぶつかり合いがあったので。

    菜見子の元夫の行動。ストーカー。刑法39条を悪用しようとする。(ネットで検索。履歴残るからバレるでしょ…とは思ったけど、その前に彼の身に…(((((((・・;))
    自分は優秀だ、社会が悪いと思う、自分は悪くない。

    イバラ。痛みを知らない。痛みを知るためにとった行動。白神を尊敬し、あーちゃんのことがすき。あーちゃんに自分の成長した姿を見せたいと思っていたが…

    イバラは、どこに向かったか…。
    自分をおいて国外に逃げた(サトミと共に)白神のもとか…。裏切られたと思ったか、まだ、尊敬しているか。
    殺しそびれた祐輔のもとか。
    あーちゃんとは、自分が思っていたかたちではないが再会でき、菜見子も力になりたいと思っていたが、彼女のもとにはとどまらなかった。

    白神、サトミを本当に勉学だけさせるのか?
    イバラと似たような実験をしようとしてないか?気になるけれど、そこまでは触れていない

    続きがあるなら読みたい。

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    2024年06月24日
  • 老乱

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    認知症の介護の話。
    最初は高齢者の車の事故が増えていることから、義父にも運転をやめてもらった方がいいと嫁の雅美が言い出したことから始まる。
    義父を説得しているうち、何か様子がおかしいと思うようになり、なんとか脳ドックという名目で病院に連れていく。
    初めは事故が起こったら自分たちにも被害があるとか、世間体ばかりだった。
    とにかく介護が進むに連れて色々なことがある。
    介護される側もする側も疲れてくる。
    壮絶な日々である。
    自分も近いうちに介護をする側になり、その先には介護される日が来るだろう。
    それがわかっていても、受け止められないような過酷で残酷な真実がある。
    そんな重い話でも、目を背けることは難しい…

    2024.6.9

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    2024年06月09日
  • 生かさず、殺さず

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    誰もが直面する現実。だからこそたくさんの人に読んでほしい作品だと思いました。
    認知症病棟で働く人は本当に大変で、人の親のために、こんなにも一生懸命働いていてくれることに感謝と尊敬しかないです。
    簡単にネットで調べられるようになった医学の知識が、本当に正しいのか、その選択で合っているのかを家族はよく考えないと行けないとも思いました。
    ただただ暗くなるようなこの病棟の話を、サスペンスも含めて描かれているこの作品は読みやすく、勉強にもなりました。

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    2024年05月27日
  • 悪医

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    がん患者を診る医者と患者の両面の心理を、細かな描写で綴っている。どちらの心理も胸を突く内容で、どちらも辛い。患者側の心理が時間と共に安らかに落ち着いていく様が興味深い。あがいてあがいてどこまでも治療に執念を燃やす気持ちに、健康な自分は理解ができないが、その立場になればどうなるんだろうと恐ろしくなる。
    最後には、両者が寄り添うようなシーンがあり、読んでいてスッキリする瞬間がある。

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    2024年05月21日