久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
医療に関する短編集。
診断された病名に納得できず、ドクターショッピングを繰り返す女性。
他人の不幸に快楽を感じてしまう女医。
旦那宛に届いた自分を誹謗する手紙に情緒不安定になる妊婦。
デイサービスに通う老人たちに公平に対応しようと努める医師と老人たちの狂気。
自分の発作の原因が接種したワクチンの副作用思い込む女性。
どれもが悪意に溢れ、疑心暗鬼になっている人たちが描かれている。
だけど、とても他人事とは思えない。
自分にもそういうところがあるのでは…これから、自分も同じようなことが起こる可能性があるのでは…と考えてしまう。
2024.12.5
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Posted by ブクログ
医師でありながら作家でもある方々の医療小説9編。
私の知っている作家さん以外にこんなに多くの医師作家さんがいることに驚きました。どれも医師であるだけに小説の内容は臨場感が溢れていて迫力がありました。
中山祐次郎さんの『救いたくない命』は救急で運ばれてきた患者が犠牲者15人以上を出した通り魔事件の犯人と知り、葛藤をしながらも必死に命を救う姿に京アニ事件を思い出しました。
南杏子さんの『空中テント』は家族の介護の経験がある人は共感出来るはず。
どれも本当に良い作品ばかり。若手医師の過酷な労働時間、医療ミスの隠蔽、不都合な論文を闇に葬る等、医療小説が好きな人なら興味のある内容ばかり。でも朝比 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ著者が医師で作家でもある久坂部羊さん。
新書ですが、読みやすくて勉強になりました。
死について、ガンについて、安楽死について等知識を得たい方はオススメです。良著。
以下は自分が付箋を貼ったページ。
P37 助かる見込みがあるのなら、病院で治療を受けたいと言う人は、悲惨な延命治療になるリスクを受け入れる必要があります。助かる見込みがあれば治療を受けたいけれど、悲惨な延命治療は絶対にイヤというのは、両立しないのです。
P109のエンゼルケアの所。看護師が遺体の肛門に指を入れて掻き出すシーンが衝撃でした。
P126 人生百年時代の意味。この言葉の真に意味するところは、「百歳まで生きられる」ではなく、 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ9人の現役医師による医療小説アンソロジー。
医師作家でしか表現できないと思われる臨場感あふれる詳細な描写、ヒューマンでミステリアスなストーリーが魅力の作品集だ。
1〈研修医ヒナノの洞察〉
上司からパワハラを受けている研修医が患者の膠原病を見つけ上司を見返す痛快な話
2〈魚類譚〉
封建的で理不尽な医大の内部構造、詳細な手術シーンにミステリーとホラーの要素を取り入れた作品
3〈パイナップルのある光景〉
同じような引きこもり系の精神疾患でも、一方は入院治療、一方は家族による対処という示唆をする精神科医。専門的な見解が押し付けなく、ふわっと伝わってくる秀作
4〈救いたくない命〉
救急外来に運び込まれて -
Posted by ブクログ
誰にも訪れる「死」。しかし、実際にどのようにして死んでいくのかを知っている人は少ない。人がどのような末期を知らないと、虐待に等しい終末期医療に苦しみ、悲惨な死を迎えることになりかねない。肉親が迎えたとき、そして自ら死を覚悟したとき、どのような死に方を選べばいいのか。在宅診療医として数々の死を看取った、作家の久坂部羊氏が、人がどのような死を迎えるのかをリアルに描き、安らかな死を迎えるために、私たちが知っておくべきことを解説する。その日に備えて、読んでおきたい「死の教科書」
はじめに
第一章 死の実際を見る、心にゆとりを持って
第二章 さまざまな死のパターン
第三章 海外の「死」見聞録
第四章