久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ*創陵大学准教授の菅井は患者の黒い肉腫に唖然とした。エイズに酷似するウイルスが骨を溶かし数日で全身に転移、意識障害で死に至らしめる。あらゆる薬が効かず数カ月で日本中にこの「新型カポジ肉腫」が多発したが国は無策で人々は恐慌した。一方ウィーンで天才医師・為頼がWHOの関連組織から陰謀の勧誘を受ける。ベストセラー『無痛』の続編*
前作「無痛」も素晴らしい作品でしたが、今作も同様に読み応えたっぷりの作品に仕上がっています。と言うのも、平面的なストーリー展開ではなく、二面からなる奥の深い物語だからです。新型の病気の蔓延も終息も全てが企みだとしたら?と言う専門家ならではの切り口と、実際にその病に侵された時の人間の醜悪さや絶望や滑稽さを巧みに描く筆力と。すっかり引き込まれてしまい、あっという間に一気読みです。が、前作を知らないと魅力も半減なので、続けて読むのがお勧めです。
とは言え、続けて読むと、為頼医師のキャラクターが少々変わった感じがするのは否めないのですが・・・。イバラは強かった。無痛なことに苦しんだだろうけど、最後はその無痛に救われたんだろうな。含みを残すラストも良かった。時間を置いて再読したい秀作。