久坂部羊のレビュー一覧

  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    書名を見ると週刊誌的に大学病院の内部を告発する内容かと思うが、実質はその反対に近い。

    大学病院が一般の病院と違うのは、教育・研究という部門が治療部門とは別についていて、そのため未熟な若い医師のオン・ザ・ジョブ・トレーニングの場になっていることだ。それは次の世代の医療を供給するのに必須なのだが、当然一定のリスクを伴う。
    それで事故が起こるとマスコミは袋たたきにするが、常にベテランが治療に当たるのは物理的に不可能だし、実践を積まないでベテランにはなれない。

    筆者ははっきりと、必要もないのにいつもベテランの最高度の医療を求めるのは患者のエゴであり、マスコミの無責任なあおりのつけは必ず将来の医療や

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    大学病院とその他の病院。同じ「病院」と名がついていながら前者は医学の研究に重きを置いていて後者は診療に重きを置いている。大学病院が診るのは未来の患者、その他の病院が診るのは現在病気を抱えた患者。誰かが研究をしていかないことには医療分野は発展しない―。
    現在の日本の病院が抱える問題点(主に大学病院の構造とその問題点)についてまとめてある本。病院選びで泣かないように、診療を受ける立場である私たちが読んでおくと面白い。

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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     日本の医療の現状とその問題点、その問題点の背後の歴史や事情。

     それをよく知るマスコミの必要以上の煽動とただ自分たちの利益のための世論誘導。

     そしてそのマスコミに煽られる市民。

     その市民たちの反発を恐れ、必要以上の(悪ともいえる)制度を作ってしまう役所。

     その制度に翻弄される病院と医師。そして押し寄せてくるプレッシャーと世論の反発に耐えられなく辞めていく医者。

     そして医療問題がますます深刻になる。

     病院、医師の視点、役所の視点、そして患者と一般市民の視点とそれぞれの本音をちゃんと書いている。

     作者は医師で作家である。だからこそかけたこの一冊だと思う。

     ただし、逆

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    2009年10月04日
  • 無痛

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    登場人物全員うっすら気色悪いし、思考が偏っている。

    サトミの話があっさり終わってて、引っ張った割にはそこまで重要人物じゃなかったのかなと。

    白神の倒錯した性的欲求の描写も必要だったのかな?ただ気持ち悪かったな…

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    2025年12月09日
  • 絵馬と脅迫状

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    短編なので重いテーマ性はなく軽く読めた。
    久坂部さんの本は、いつも深く考えさせられ悩んだりするので、時々はこういう本もいいかも。

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    2025年12月06日
  • 死が怖い人へ

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    ネタバレ

    タイトル通り、「死の恐怖」をどう乗り越えるかとの話が多かった。
    自分は死の恐怖よりも老いの恐怖のほうが勝っているので、文章が心に響きにくかった。
    一番興味深かったのは
    最終章(第9章)幸福な死とは 。
    幸福な死を阻むもののリストが興味深い。後悔、ないものねだり、他人との比較・・・
    思い浮かんだのは、これらは「他人に嫉妬する要因」とも重複する部分があるのではないかと。
    最後は考え方、心の持ちよう だとあらためて突きつけられた。

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    2025年12月06日
  • 思い通りの死に方

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    ネタバレ

    思い通りの死に方、というタイトルに惹かれて読む。
    思い通りの死に方ができれば、こんな安心なことはないではないかと考えたため。
    筆者は「人間の死に方」で有名な久坂部羊さんと「大往生したけりゃ医者と関わるな」著書の中村仁一さん。
    この2人の延命治療反対派2人の対談なので、反対意見を差し挟まれることもなく、話が弾む様子が文字から見て取れる。

    以下、心に残ったところ
    ①「自分の死を考えるための行動」として一番のおすすめは棺桶に入ること

    ②死に方は意のままにならないが生き方は思い通りになる。納得の行く尊厳ある生き方をすれば最後はどんな死に方であろうとどうでもよくなる
     →ほんとそのとおり。やはり結局

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    2025年12月06日
  • 第五番 無痛II

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    前作に続いてまさかの国際展開。
    ウィーンを舞台にしている場面が多いが、ウィーン付きの自分としては嬉しいところ。
    コロナ前に書かれた内容だと思うけど、なんかコロナを予見したかのような内容。本書ではヨーロッパから仕掛けられているが、コロナも中国に仕掛けられたのでは?と思うような暗示にかかってしまいます。
    どんどん人が死ぬ(病気でも殺人でも)のがちょっといたたまれない部分ではある。

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    2025年12月03日
  • 無痛

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    久坂さんお得意の医療小説。
    人の体の状態を見ただけでわかる二人の医者の対決。それも直接対決ではなく..
    随所に日本医療の課題や日本人の病気に対する考え方を批判する表現もあるが、久坂さんの著書を読んでいると違和感はない。

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    2025年12月03日
  • 命の横どり

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    実際に家族が突然の事故や病気で脳死となったら。
    臓器移植を待っているたくさんの人達を救うために、とは分かっていてもまだ心臓の動いている家族の臓器を差し出す決断がすぐ自分にできるのか。
    自分はドナーになりたいと思うけど、家族となると覚悟をきめるまで時間がかかるかもしれないなあ。
    色々考えさせられた。

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    2025年11月24日
  • 廃用身

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    ある医者が考えた心身の不自由な患者の画期的治療法。それは廃用身の切断であった…
    あらすじだけ読むとホラー?と思ってしまうが新書の様な平易な文体での介護現場のリアル。
    少子高齢化社会が更に進んだ現代にこの作品の重みが増していく。

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    2025年11月18日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    最終的には死刑囚となった次兄の少しも軸のブレない感情には恐れ入った。死への欲動の強い人っているんだな。

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    2025年11月16日
  • 人はどう老いるのか

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    すごくシンプルに強引に書くと「死が近づいた時に無理に病院で生かすことはせず、自然に任せることが最善」ということです。
    このことは小説家でもある久坂部さんの作品にも何度も登場人物に言わせています。
    ちょうど母が看取りのタイミングが近づいていて、健康ではあるけど体力がなく、食べられない。でも胃瘻はせずに水分と栄養の点滴になり、あとは自然に旅立つのを待っていますが、父も(元気)近くで看取ることができるので、久坂部さんの考えに賛同しています。
    医者は家族に頼まれれば後でトラブルにならないように一見必死に生かすけど、「医者はホントは知っている」という副題があるように、医者としては家族と会話ができる(無理

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    2025年11月15日
  • 命の横どり

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    臓器移植を巡る物語。

    脳死は分かっているものの、この本を読んで初めて自分事と考えると難しいなと改めて考えさせられた。

    どの立場の登場人物も、負の部分を上手く表現して人間臭さが伝わってくる。なので、もーまったく・・・と思ってしまう人ばかりが登場する(笑)決して、デフォルメされていないのである。

    なかなか難しいテーマだが、改めて深く考える機会となった。

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    2025年11月13日
  • 怖い患者

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    ネタバレ

    ちょっと思ってたのと違った
    全編一人称で話が進んだのだけど、リアル感が無いというか、自分と違いすぎるせいか全然感情移入できなかった
    各話怖い=メンタル病んでるというオチでそういう怖さかあとガッカリ
    どんでん返しの部分は、そうだったの?!という驚きがあってよかった

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    2025年11月09日
  • 廃用身

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    不気味だったけどなぜかバランスが取れてたのは経験値や知識の賜物なんだろうかと感じ、同時に素晴らしい作品だった

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    2025年11月05日
  • 寿命が尽きる2年前

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    自分の寿命がわかったらいいのにとずっと思っていたんだが、この本はそうではないと私の思いには否定的で、それはそれで読み応えはあった。
    でもやっぱり私は自分の寿命は知りたい。

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    2025年10月31日
  • 第五番 無痛II

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    オーディブルにて。
    1の方が面白かったかな。南サトミちゃんがあまりに不憫…!せっかく持ち前の賢さを活かして前途洋々だったのに。結末にはほっとした。

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    2025年10月28日
  • 無痛

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    これは面白かった。さすが医師作家。さもありなんで、素人にはどこまでが医療知識で、どこからがフィクションなのか、全然わからない。
    刑法39条、たびたび小説にも登場する難しいテーマだけど、よく描かれています。
    そして、この終わりは続編に期待…!

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    2025年10月04日
  • 謎解き診察室、本日も異状あり

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    医者としての目線での短編集と期待したが、感想として普通としか言いようが無い感じ。小松亜由美さんの作品は初めて読んだが、今宮准教授のキャラクターが面白かったので、他の作品も読んでみたいとは思う。

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    2025年09月30日