久坂部羊のレビュー一覧
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この手の本は初めて手に取る。知識ゼロ状態で読むには、ちょうどいい本だった。
・死生観は、これまでは先に持つことで今を一生懸命生きれるという使い方だったが、本当の言葉そのままに「どのように死ぬか」という視点でも押さえておくべきだなと思った。いわゆる終活。
・なるべく長く生きたいと思っていたが、健康寿命を長くしたい、ということなんだな、と自己理解が高まった。ある意味甘かったなあ。
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・長寿は反対、天寿なら良い。健康寿命までを人生と捉えてそれまでにやりたいことはやっておけ、それ以降は抗わず死んでいけ。という論。
・なぜならただ生き延びるだけの生き方は、本当に悲惨だから。精神的、体力的、社会的 -
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介護士 小柳恭平の周りで起こる介護に纏わる様々な問題を炙り出していく物語だが、特徴的な登場人物が話を彩っていると感じた.レポーターの朝倉美和、黒原悟郎医師、週刊誌の松沢俊紀記者、良からぬことを計画している須知智毅、姉の真里亜と接触の合った塚本秀典などなど.恭平の働く施設で3人が連続して死亡する事件を舞台に、介護士たちの実態や施設管理者の動きが克明に描写されており楽しめた.老人たちの存在自体を自分自身で問いかける恭平の複雑な思いが随所に現れており、問題の複雑さを実感した.恭平の言動が揺れ動くのもある程度理解できると思った.このような事態を解消する打開策は簡単には見出せないと思うが、傍観することも
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いろんな意味で参考になった。
2年前とは?つまり今。わかりにくいだろうけど、自分のように還暦を過ぎた人間には「いつ死んでもおかしくない」わけだから(事故もあるし)それは2年後と仮定して、悔いのない生き方を今しなさい、という意味です。
老齢になって「なんかあったら」とか「子供のために」とか考えてお金を使わずに人生を楽しまないのは勿体無い。自分のお金を感動や素晴らしい体験のために使って満足して死ぬべきだ。
人間ドックに行って不安になって医者にかかりっきりになったり、死ぬのが怖くて病院で一生を送るのは勿体無い。
うーん。その通りです。医者であり小説家でもある著者が語る内容には説得力があります。 -
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ネタバレ老人介護について憂いを持つ主人公の医師の前に現れたのは麻痺を患った90キロオーバーの男であった。男は麻痺の影響で皮膚に床ずれができており、治療も一向に進まない上にその体重からサービスを受けるのも一苦労で床ずれと家族の関係は悪化の一途を辿る。そんな中主人公はふと「四肢を切断する」という治療法を思いつくのであった。
そして恐ろしいことにこのストーリーはノンフィクションなのである。
言葉にできない拒絶感を抱きながらも医師目線でサクサク進むストーリーは軽快である。切断する必要のない四肢を切断するという行為をしながらである。患者の反応にも一切の嫌悪感を匂わせないのが逆に恐ろしいところである。
次第 -
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死について、教訓めいた内容だが、健康中毒の日本人には、ぜひ読んで欲しい。
死に際は様々だけど、ある程度の年齢になったら、好きな事をして、自由に生きて死んでいく方が、医療の世話になるよりはいいという主張。
著者がレニリューヘンシュタールに会った、というくだりには感激した。
92歳のレニは、鮮やかなブルーの水着で、恋人の若いカメラマンを連れて、海の生物を撮影にきていたという。ナチに協力したと戦後は裁判だらけの生活で、それでも写真家として、ヌバの写真集を出し、72歳でダイビングのライセンスを取り、海洋写真家として生きた凄い女性。
毎日を精一杯生きることが大切と結んである。 -
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帯が全てを物語る。
舞台は離島。設備は整っている、そこそこの病院だ。
積極的な検査や治療は実施しない。
患者が求める治療を行う。
死を間近にしても、それは変わらない。
患者の家族もまたそれを望む。
離島という環境も大きく関わっているのだが、院長の意向でもあるというから東京からやってきた研修医が混乱するのも無理はない。
患者を救いたいから検査をする、治療を施す。
その当たり前が通用しない。
早期発見、早期治療が当然の謳い文句の世の中にあって、両極だ。
研修医が旗振り役となってお試し健康診断を実施する件では、検査の意義だとか医療機関の儲けの構図のようなものが浮かび上がって、なるほどなーと。