久坂部羊のレビュー一覧
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21歳の末期ガン患者、古林章太郎の激痛を取り除くため、外科医の白川は安楽死を選んだ。
章太郎を看ていたのは、叔母の晶子だったが、晶子の精神も章太郎が激痛に喘ぐ姿を見るにつけ限界を迎えていた。
安楽死の選択は晶子も同意の上だった。
しかし、章太郎の母の康代はエッセイストでもあり、日々忙しく、章太郎の見舞いはおろか、白川の大事な話があるということにすら姿を現さなかったのに、安楽死をさせられたと騒ぎ始める。
そこから、安楽死法の推進派と反対派の対立が浮き彫りとなり、白川はその象徴とされながらも、自分の気持ちがわからないという複雑な心境のまま呑み込まれていく。
2025.2.20 -
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老いも死も嫌なものだが、欲望や執着を捨て、老いや死を受け入れること。与えられた状況に感謝し足るを知る方が心安らかに過ごせる。
武道というのは与えられた状況に最適化することを目指すこと。最適化とは相手の状況に合わせて最も自由度の高い状態を作ること。そうすることで次の行動の選択肢が最大化し、何が起きても大丈夫と言う心持ちになる。
認知症になるのは悪いことばかりではない。
病気になった後病気であることを認識できないから、恐れる必要も悔やむ必要もない。無理解の平安に帰還する。認知症でない人が感じる。不安や恐怖軋轢や葛藤から解放されるから決して悪い状況ではない。
今のところ認知症予防に効果的なものはな -
Posted by ブクログ
五十川幸造(78)が認知症で次第に衰えていく過程を綿密に綴った物語だが、医師でもある著者の幅広い見識がストーリーをリアルにしていると感じた.妻 頼子を亡くし一人暮らしだった幸造は自炊の生活を営んでいたが、土鍋を焦がしたり、散歩で迷ったり、家出をして遠くの町まで出かけたりすることがあり、診断の結果レビー小体型認知症が判明.自宅にケアマネージャーが来るようになったが、セクハラ行為が露見する.その後化粧をしたり、車を動かしたり、包丁を振り回すいった行為が目立つので施設に入る.息子知之と妻の雅美が献身的に介護するが、最終的に有料老人ホームで過ごす事になる.費用捻出のため自宅と土地を売却したことに衝撃を
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医師でありながら小説家でもある9人の短編小説が詰まった作品でした。あんなに忙しそうなのに、いつ小説書いてるんだろうって不思議に思う凄い方々。
医師であるからこそのリアルな感じが伝わってきて、とても面白かったです。
特に空中テントは、認知症の家族を介護したことある人なら誰しも共感出来る部分がたくさんあると思いました。施設の入所は、家族を見捨てることではなく、プロがみてくれる安全な場所にいれるという考えが広がったらいいな。
私も主人公のお母さんにとても同情しました。介護する人は、自由が奪われて当然なのか、当事者じゃない人達から見捨ててるなんて文句言われる筋合いはほんとにない。文句を言うなら1週 -
Posted by ブクログ
*今日、患者が死んだ──。倫理に反する言動で白眼視される医師村荘を描く「医呆人」。ある朝、心が毒虫に変じた女医の葛藤「変心」。高級老人ホームに住む男女の恋愛ドラマ「カネと共に去りぬ」。そして高慢きわまる医師の手記「アルジャーノンにギロチンを」。久坂部羊が名作に鮮やかなメスを入れ、現代医療の噓と欺瞞を浮かび上がらせる。ブラックでシニカルな、七錠の劇薬エンターテインメント*
最高過ぎました!
パロディと言うには質が高過ぎる作品ばかりで、どの作品も感嘆の一言です。
特に良かったのは「アルジャーノンにギロチンを」と「変心」。
久しぶりに原作も読み返したくなりました。