久坂部羊のレビュー一覧

  • 生かさず、殺さず

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    久坂部羊『生かさず、殺さず』朝日文庫。

    在宅医療を知る医師でもある著者の『老乱』『老父よ、帰れ』に次ぐ認知症小説。

    古くは、有吉佐和子の『恍惚の人』、ここ数年で読んだ認知症の元刑事を主人公にした佐野広実のミステリー小説『わたしが消える』と認知症を描いた小説は幾つかあるが、現役医師の描く認知症小説というのは非常に珍しい。

    本作では、高齢者の医療、介護、認知症と様々な高齢者問題が赤裸々に描かれており、読んでいると歳を取ることに恐怖を感じて来る。

    伍代記念病院で各科の認知症患者を集めて治療する通称『にんにん病棟』で病棟医長を務める三杉洋一を主人公にしたサスペンスフルな小説。


    少子高齢化の

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    2024年05月14日
  • 祝葬

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    端からみれば同じ短命でも、それぞれ背景や死に様が違って面白い。
    後悔と納得の分水嶺はどれくらい自分で悩めたか、が直結するのかな、と思っているのですが、死に方なんて自分自身も周りの環境も変化していくなかで、どれくらい悩んだ結果だ、と胸を張ってそのときを迎えられるんでしょうね。

    文中で幸福とは微分という人もいれば積分という人もいる、みたいなフレーズがありますが、もっといろいろ指標はあるんだろうな、と思います。

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    2024年05月10日
  • 人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期

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    ネタバレ

    医師で作家の久坂部羊さんの父のお話。医者にかかりすぎるのはよくないが、ここまでほったらかしにはそうそうできないとも思う。でも、こういう生き方があるのだと参考になった。
    何もしないで大丈夫。あるがままを受け入れる。それがよりよく生きるヒントだと学んだ。
    ・ストレスが諸悪の根源説
    ・父の信条は「無為自然(よけいなことはせず、自然に任せるのがよい)」
    ・退職後はたくさん海外旅行
    ・定期検診の意味
    ・長生きする苦しみがある
    ・何もしないで大丈夫。あるがままを受け入れる。

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    2024年04月23日
  • 人はどう老いるのか

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    あきらめることは受け入れること。今のところどこも悪くない40代なのに、延命治療はしないでと家族に伝え済の自分にとっては、思っていることを言語化してくださっている良書。

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    2024年04月16日
  • 悪医

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    僕自身、末期がんなどの終末医療に携る医療者がどのように患者さんと接するのか気になっていたためこの本を手に取りました。
    頭では理解していても、死への恐怖は克服など到底不可能なのだろうなと改めて思いました。
    何よりも、ここではどのようにするのが正解とかは具体的にはなく、小説ありきなハッピーエンドもなく現実味があります。

    医療を学ぶ身として、本当に自分がいつ死ぬかは分からないものなのだと実感します。
    だからこそ、今を生きていくしかないのだと。
    そしたら後悔しないとかではないのだけれど。

    死とは永遠のテーマですね

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    2024年03月17日
  • MR(下)

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    おもしろかった。
    難題が出るたびにどうにかして解決していく(ただ一筋縄ではいかないところにハラハラする)のがおもしろい。

    解説の通り、たしかに悪者は悪者ではないのかもしれないと思った。
    「悪者」にも正義があり、守るものがある。

    視点が変わりながらの進んでいく話、おもしろい。
    最後の終わり方も良かった。

    高血圧の診断基準が昔より低くなってる点、
    学生の頃知ったときは、素直にいいことだと思ったけれど
    単なる症状悪化改善の他に
    薬(製薬会社)の売上増、病院の儲け、ひいては医療費の増大…と確かにそうなるわけだ。あと薬価というものを気にしたことなかったけどそれも前述に繋がる。。

    何においても健康

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    2024年02月29日
  • 芥川症

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    芥川の作品をもじって医療に繋げているのが面白かった。久坂部さんは総じて過度な医療反対なんだなあと思った。

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    2024年02月20日
  • MR(上)

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    MRの仕事は大変と聞くけれど、どんな仕事をしているのか?どんなことを考えてるのか?を知りたくて本書を手に取った。

    予想通り…とも思えるような仕事内容だったが、
    おもしろかった。
    話の展開は池井戸潤みたいな。

    気づいたら世界に引き込まれていた。

    下巻も続けて読みます。

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    2024年02月01日
  • 怖い患者

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    ネタバレ

    医療にちなんだ短編集。
    後味の悪い作品でしたが、自分はこのようなブラックな作品が好きなのだと思わされました。
    高齢者施設で起きる事件、ゾクッとしました❗

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    2024年01月31日
  • 善医の罪

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    くも膜下出血の終末期医療を行った医師が、悪意も落ち度もなかったにもかかわらず、周辺の思惑に押し流され、殺人罪で有罪判決を受ける。

    実際に起きた事件を元に書かれたという本書は、安楽死、尊厳死が制度化されていないために、終末期医療の現場で医師たちが負わされている過大なリスクと責任を如実に示した。

    本書は返す刀で司法制度の欠陥にも切り込んでいる。

    人の死をタブー視し必要な議論を避ける風潮は、防衛論議とも共通する。

    悪意というか、保身と視野狭窄に陥った人物ばかり登場する展開に辟易とするが、控訴審に向かう主人公たち、特に宗旨替えした雑誌記者の存在は、そんな現実に対する作者のわずかな希望の象徴とも

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    2024年01月22日
  • 院長選挙

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    最後まで面白く読ませていただきました。院長選挙を題材としてとんでもない医者の実態が面白く書かれてあります。この作者の他の作品もよんでみたいです。

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    2024年01月17日
  • 善医の罪

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    事実を基にしたフィクションとのこと。
    それだけに真に迫った説得力があり、死を肯定する安楽死や尊厳死の問題に目を向けない世間に対し、鋭く問いかけるサスペンス。
    主人公の女医白石ルネが担当する患者が、これ以上生存の見込みがない状態に陥る。延命治療を断っていた患者を思い、最善の治療を行うが、その甲斐無く死に至る。
    その死がマスコミにリークされ、安楽死の疑いがかけられる。患者の死が発端となり、賠償金を狙う患者の家族や、死の責任を医師個人に押しつけようとする病院、同僚や看護師の裏切り、医療の専門知識が無いまま彼女に罪をかぶせる警察と検察。
    様々な思惑が絡み合い、やがて起訴され裁判に持ち込まれる。己の信じ

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    2023年12月27日
  • 砂の宮殿

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    医療ツーリズムや高額診療がテーマ。医療の公平性についての疑問をその切り口にしているが、そもそも公平かどうかは自分自身が決めているため、純然たる共産主義世界でなければ、客観的公正はありえない。

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    2023年12月17日
  • 医療幻想 ―― 「思い込み」が患者を殺す

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    「老いて温まりたいものは、若いうちに暖炉を作っておけ」と西洋の諺を挙げているが、本書を手にしていない者にこそ、この言葉を投げかけたい。

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    2023年12月17日
  • 老乱

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    介護する側、される側のそれぞれの大変さがわかりました。

    この作品では、介護する側の息子夫婦の強引さが最初目立ちましたが、山あり谷ありの経過を経て、介護される側の気持ちに寄り添う決意を固めると、後半は深い思いやりに変わっています。

    仕方ない事ですが、最後が少し悲しかったですね。

    #共感する #切ない #タメになる

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    2023年12月16日
  • 告知

    購入済み

    訪問看護・医療について知りたかったので読んでみました。
    医師であり小説家であるという著者のため、興味深く読めました。
    訪問医療を受ける人々は末期の方々が多く、看取りを含め、それぞれの作品に悲しみがありましたが、人は誰もが死ぬ存在なのだと改めて感じました。

    #切ない #泣ける #深い

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    2023年12月06日
  • 老父よ、帰れ

    購入済み

    認知症で施設入所していた父親を家に連れ帰り、介護した主人公。
    壮絶な介護をおもしろおかしく描写されていましたが、介護の本質は何かと問う周囲との軋轢や葛藤、理想と現実のギャップに、自ら父親を連れ帰った主人公が、「この野郎」と手を上げようとした姿が実感として迫りました。
    読んでいる私も、いずれは親の介護を、と、勉強のつもりで読んでいます。

    主人公の言動が強引に感じる場面があり、介護の難しさを感じもしたり。

    お嫁さんの泉さんと、弟さん夫婦の穏やかさが印象に残りました。

    #深い #切ない #タメになる

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    2023年12月03日
  • 老父よ、帰れ

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    ある医師の講演を聞き、認知症の父親を施設から自宅へ引き取ることにした好太郎。
    好太郎は影響を受けやすいタイプだ。
    良いと思ったら一直線。
    そして、すぐに焦って先走るタイプでもある。
    それが介護の中にも出ている。
    それにしても、介護はやっぱり大変だと思わざるを得ない。
    好太郎の性格や腹が立つけど個性的なマンションの住民たち。
    それがまたリアルでユーモアもあるけど、笑えない。
    家族だけでなく、地域からの冷たい対応…
    これから、高齢化社会になっていき、誰もが向き合うことになる可能性も高い認知症なのに、そんな風に扱われるの?と思わず顔がひきつる場面も。
    ただ、介護するだけでなく、その先の最期まで、考え

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    2023年11月06日
  • MR(下)

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    下巻は、追い詰められた紀尾中とその部下達の立ち向かい方が、一縷の隙も見せられない感じで気になり、読み進めた。薬が患者の手元に届くまでに、こんなにも様々な思惑がうごめいているのかとも思った。
    患者ファーストで働いてきた紀尾中が、最後に、社長の真の思いは社員ファーストということを知り、これからどう行動していくのか。読み終わっても考えている。

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    2023年10月31日
  • オカシナ記念病院

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    今回は、当たり前のように思っていた病院での治療について考えさせられた。オカシナ記念病院と南沖平島に住む人々の考え方が、本当は一番よいのだと思う。がん検診や認知症外来などについても、そういう考え方のほうがいいかもと、目から鱗で興味深かった。

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    2023年10月29日