久坂部羊のレビュー一覧

  • 人はどう老いるのか

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    「人はどう老いるのか」作家であり医師である筆者が書いたのは、どう老いてどう死ぬのか?ということに向けて、多くの死を見つめてきた医師の視点からの提言。
    人の命は何者にも変え難い。自ら捨てていい命なんか一つもない。そんな通り一遍のごたくではなく、死とはどういうものか?と正面から死を見つめる真実。
    老いるということは、その結論として死を迎える。
    どう老いるのか?ということは、どう死に向かうかというこのに他ならない。
    年金受給資格を満たし、死を身近なものとして見つめる世代に入りつつある私には、多くの示唆に富んだ一冊だった。
    本書を読んで「求めない」という詩集を読むことにした。

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    2025年01月16日
  • オカシナ記念病院

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    新実一良(にいみ いちろう)は、研修医期間の最初の二年を東京の、白塔(はくとう)大学病院で務めた後、離島の病院に赴任した。
    院長以下のゆるい医療体制に唖然とし、積極的に色々な提案をしては当たって砕ける。
    岡品院長は、自分のやり方に異を唱える人たちの意見にも、「お試しで」やってみましょうとあっさり同意する。
    上手くいかないことは予測済みの『お試し作戦』は「やらずに悔やむより、やって後悔する方がいい」という方針である。

    大病院の医療が「生存日数を延ばすこと」に特化されていることに対しての問題定義である。
    本人はもう死なせてくれと思っているのに病院と家族が許さない。
    自分はどう死にたいのか考えてお

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    2024年12月28日
  • 無痛

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    分厚くて読めるかなあと思ったけど、面白くてどんどん読んでしまいました。久坂部さんが医師ということもあり、内臓の描写等がリアルで想像しやすかったです。痛みを感じるからこそ人の痛みにも気づけるのだと改めて思いました。

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    2024年12月26日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    明けのカルテ 医師作家アンソロジーを読みました。
    9人の医師作家の短編集です。
    どれも結構面白かったです。
    空中テントでは、テントを張るために実家に帰った主人公が父親の認知症と直面します。
    50年前に話題となった有吉佐和子『恍惚の人』を思い出します。
    私の祖父も私が子供の頃認知症で大変でした。
    昔は介護施設も無かったですから大変でした。
    峠を超えてきた命では天城峠を超えて早産しそうな患者を迎え入れるチームの話で、出てきた地名が河津七滝ループとか、天城峠、伊豆の踊子像とか、懐かしく思いながら読みました。
    ドラマになって欲しい短編集です。

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    2024年12月24日
  • 人はどう死ぬのか

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    私は、両親を、時期は異なるがそれぞれ孤独死で亡くしている。日本人の平均寿命よりかなり早くに。もちろんどちらも心の準備は全くなかった。
    残された子供たち(私たち)は、事あるごとに「死ぬときは病院で死のうね」と合言葉のように言い合っている。だって、死ぬときに誰かに看取ってもらえるから。心の底からそう思っていた。

    けれどこの本を読んで、欲が出てしまった。治療で苦しみたくないし、家が好きな私はやはり住み慣れた自宅で過ごしたい。
    そのためには準備が必要だ。自分の死に方についてよく考え、希望を家族に伝える。
    そして、人は必ず死ぬのだから、つまらないことで意地を張ったり、ケンカしたり、ムキになってこだわっ

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    2024年12月23日
  • 思い通りの死に方

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    今や死にたくても死ねない長命地獄社会が到来していると言われています。
    人間は繁殖期を過ぎたら、死というゴールを意識して生きていく必要があるの事。高齢になり、医師のところへ行き、何かしらの病名をつけてもらい、薬をもらい、安心して帰ってくる。
    やはり、正しく老いを受け入れて、進歩を諦めて、出来ることに感謝していく生き方が求められる。
    なるほど、その通りである。

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    2024年12月12日
  • 人はどう悩むのか

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    まだ30代だが、中高年の悩みが想像以上に深いことを知った。着実に迫ってくる老い、リストラの危機、出世争いでの明確な差、心身の機能低下、自分の限界が見えることによるやる気喪失、親の介護や子供の思春期など…

    「期待値を下げる」という対処法は、後ろ向きな姿勢にも見える。「給料は我慢料」とか「結婚は努力、辛抱、諦め」などだ。でも結局のところ、世界が自分に合わせてくれるのではない。だから自分が変わらなければならないのだ。

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    2024年12月10日
  • 怖い患者

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    医療ミステリー、またはホラー
    短編が5作収録されているのですが
    患者と医師の関係を描いたものです
    すごく人間臭く、リアルです
    そしてその人間臭さが怖いと思いました
    普段は選ばないようなジャンルを選んだなぁと思いましたが
    満足度はかなり高いです

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    2024年12月07日
  • 怖い患者

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    医療に関する短編集。
    診断された病名に納得できず、ドクターショッピングを繰り返す女性。
    他人の不幸に快楽を感じてしまう女医。
    旦那宛に届いた自分を誹謗する手紙に情緒不安定になる妊婦。
    デイサービスに通う老人たちに公平に対応しようと努める医師と老人たちの狂気。
    自分の発作の原因が接種したワクチンの副作用思い込む女性。
    どれもが悪意に溢れ、疑心暗鬼になっている人たちが描かれている。
    だけど、とても他人事とは思えない。
    自分にもそういうところがあるのでは…これから、自分も同じようなことが起こる可能性があるのでは…と考えてしまう。

    2024.12.5

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    2024年12月05日
  • 人はどう老いるのか

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    ネタバレ

    いつまでも明晰だと、老いのつらさ、惨めさが如実に意識され、不快な過去と不安な未来に苦しめられるが、認知症になるといっさいが消えて今だけの存在になる。

    認知症の介護をはじめるなら、認知症の人が起こすトラブルをできるだけたくさん最悪なものを想定内にして、心の準備をすることが肝心。

    ・無為自然
    作為的なことはせず、自然に任せるのがいい
    ・莫妄想(まくもうそう)
    不安や心配や迷いは妄想だからしないほうがいい
    ・少欲知足
    欲を減らし、足るを知ることが苦しみをへらす

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    2024年11月27日
  • 嗤う名医

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    短編集です。
    医療を題材にした小説は初めてでしたが、非常に読みやすく、個人的には『寝たきりの殺意』と『名医の微笑み』が面白かったです。

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    2024年11月08日
  • 老乱

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    久坂部羊さん初読み。
    ご本人が、「僕の本のレビューには、読後感が悪いとよく書いてある」とおっしゃっていたけど、妙に納得。確かに読後感はよくない。
    でも、これが認知症の現実なんだなと。
    医師という立場ならではのリアルな描写と、認知症絡みの事故や事件の新聞記事の引用が相まって、ドーンと現実を突きつけられた。
    認知症の人を介護するときの心の持ちようも出てきたけど、そんな大らかな心で優しく接し続けられる人っている?私は全く自信がない…
    誰もが介護する側、される側になる可能性があるので、自分事として考えないといけないなとつくづく思った。

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    2024年11月05日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医師でありながら作家でもある方々の医療小説9編。

    私の知っている作家さん以外にこんなに多くの医師作家さんがいることに驚きました。どれも医師であるだけに小説の内容は臨場感が溢れていて迫力がありました。

    中山祐次郎さんの『救いたくない命』は救急で運ばれてきた患者が犠牲者15人以上を出した通り魔事件の犯人と知り、葛藤をしながらも必死に命を救う姿に京アニ事件を思い出しました。

    南杏子さんの『空中テント』は家族の介護の経験がある人は共感出来るはず。

    どれも本当に良い作品ばかり。若手医師の過酷な労働時間、医療ミスの隠蔽、不都合な論文を闇に葬る等、医療小説が好きな人なら興味のある内容ばかり。でも朝比

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    2024年10月31日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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     書くことで、解放される思いがある。

     新たなジャンルが始まることへの期待を込めた夜明けでもある一方で、書かないと解放できない思いが溜まってきているのも事実であると思う。

     

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    2024年10月26日
  • 人はどう死ぬのか

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    ネタバレ

    著者が医師で作家でもある久坂部羊さん。
    新書ですが、読みやすくて勉強になりました。
    死について、ガンについて、安楽死について等知識を得たい方はオススメです。良著。
    以下は自分が付箋を貼ったページ。
    P37 助かる見込みがあるのなら、病院で治療を受けたいと言う人は、悲惨な延命治療になるリスクを受け入れる必要があります。助かる見込みがあれば治療を受けたいけれど、悲惨な延命治療は絶対にイヤというのは、両立しないのです。
    P109のエンゼルケアの所。看護師が遺体の肛門に指を入れて掻き出すシーンが衝撃でした。
    P126 人生百年時代の意味。この言葉の真に意味するところは、「百歳まで生きられる」ではなく、

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    2024年10月19日
  • MR(上)

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    読み物として楽しめました。人間関係の話が多いので、実態を知る、実務の参考にというより、フィクションの色が強い印象です。

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    2024年10月19日
  • オカシナ記念病院

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    都会の大病院での研修を終えた主人公が、今度は離島での研修のため、岡品病院へ赴任する。若く使命感に燃える主人公は、島民のために前の病院でやってきた通り、老人に延命治療を施したり、訪問医療やがん検診を積極的に提案する。

    昨日、テレビでがん検診を推奨するような番組を見たし、私の会社でもがん検診を受けるようにいわれているので、がん検診のくだりはなかなか考えさせる内容だった。

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    2024年10月16日
  • MR(上)

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    製薬会社の営業職であるMRが題材になっている話。
    自分と同じ仕事だからか、読んでいて苦しい気持ちになった。病気で苦しんでいる患者さんのために。と言いつつも、営利企業として利益も出さなければならない側面もある。

    医療従事者から信頼されるパートナーを目指して働きたい。

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    2024年10月06日
  • 生かさず、殺さず

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    医療従事者と介護者と認知症の本人

    あんなこともこんなことも有り
    感じ方も考え方もそれぞれ
    ご本人の認知の力はどのくらい?
    子供?赤ん坊?
    それとも……

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    2024年09月26日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    読み応えがあった。強烈だし、重い。腹にズドンと来る一冊というのは本書のような作品の事を言う。
    自殺志願者たちを殺め続けた男の真相とは。
    世間の声とは大抵がメディアが作り出した「作られた声」に過ぎない。誰もがそれに乗っかって発言しているのがほとんどだろう。
    本作ではサイコパスへの認識がいかに遅れているか、メディアがいかに扇情的な事件を欲しているかも描かれている。
    だがあくまで本書はミステリ。怒涛の如し展開で終盤は目を見張った。違和感は現実になり、架空の出来事がこちらを指差してくる。そしてこう言うのだ。
    お前はまともか? 本当に? と。

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    2024年09月23日