久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ9人の現役医師による医療小説アンソロジー。
医師作家でしか表現できないと思われる臨場感あふれる詳細な描写、ヒューマンでミステリアスなストーリーが魅力の作品集だ。
1〈研修医ヒナノの洞察〉
上司からパワハラを受けている研修医が患者の膠原病を見つけ上司を見返す痛快な話
2〈魚類譚〉
封建的で理不尽な医大の内部構造、詳細な手術シーンにミステリーとホラーの要素を取り入れた作品
3〈パイナップルのある光景〉
同じような引きこもり系の精神疾患でも、一方は入院治療、一方は家族による対処という示唆をする精神科医。専門的な見解が押し付けなく、ふわっと伝わってくる秀作
4〈救いたくない命〉
救急外来に運び込まれて -
Posted by ブクログ
誰にも訪れる「死」。しかし、実際にどのようにして死んでいくのかを知っている人は少ない。人がどのような末期を知らないと、虐待に等しい終末期医療に苦しみ、悲惨な死を迎えることになりかねない。肉親が迎えたとき、そして自ら死を覚悟したとき、どのような死に方を選べばいいのか。在宅診療医として数々の死を看取った、作家の久坂部羊氏が、人がどのような死を迎えるのかをリアルに描き、安らかな死を迎えるために、私たちが知っておくべきことを解説する。その日に備えて、読んでおきたい「死の教科書」
はじめに
第一章 死の実際を見る、心にゆとりを持って
第二章 さまざまな死のパターン
第三章 海外の「死」見聞録
第四章 -
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Posted by ブクログ
最初は大阪や海外(医務官)で医者をしていて、20年前に小説家に転向された方が書いた「死」に関しての本です。
どう死ぬのかという事については医者時代に看取った事を中心に記されていてますが、近年病院で亡くなる方は昔とは大きく変わらないですが、綺麗な状態で亡くなる方が減っているとの事。
医療技術が発達して、あともう少し延命して欲しいと願う家族とそれに応じせざるを得ない医者(特に経験が浅い)が無理に薬剤投与と身体を傷つけ苦しみながらも延命させてる現状があるとの事。無理して生き続けるのはオーバーに感じた。僕だったら苦しみながらも生き続ける事に意味があるのか分からない。
別章では、ピンピンコロリと終生を迎 -
Posted by ブクログ
ネタバレ徴候診断でその人が抱える病気が「見える」医師。だけれど、見えるがゆえに、先がわかりどうすることもできない虚無感を抱えている。
「見える」から、治る患者だけを治療し、お金を持っている人には最高のサービスを提供しよう、安心を買ってもらおうとする医師。
二人は同じように「見える」が考え方は真逆。
病気が見える見えない、施設の子供たちの治療方針などで意見が最後まで合わなかった菜見子。
ずっと対立、わからない、理解できないで終わるかたちもアリかもと思った。ちゃんと意見のぶつかり合いがあったので。
菜見子の元夫の行動。ストーカー。刑法39条を悪用しようとする。(ネットで検索。履歴残るからバレるで