久坂部羊のレビュー一覧

  • 虚栄 下

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    下巻に至っても、外科、内科、放射線科、免疫療法科、それぞれの科の、しがらみと嫉妬と利己主義に凝り固まった医師たちが互いの足を引っ張り合う。
    思惑が錯綜し、医師たちの醜さがこれでもかと、描き出される。
    そんな中、唯一誠実な医師雪野の行動が、清涼剤となっている。
    書中、著者はタイトルの言葉を使い、医師に語らせる。
    「今は医学が進んでいるから、何でもわかるはずだと考えている人が多いようです。決してそんなことはない。実際はわからないことばかりです。何でもわかるように見せかけているのは、医者の虚栄ですよ」
    一方で、一人の医師にこんな発言もさせる。
    「日本の超高齢化社会のひずみと、進みすぎた医療の矛盾、寝

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    2017年10月22日
  • 虚栄 上

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    現役医師ならではの、専門知識に満ちた医療小説。
    次々と専門用語が飛び出し、治療法が語られ、読んでいるだけで、がんに関する知識が身につく!?
    増殖遺伝子の制御。がん幹細胞。センチネル・リンパ節。電磁波がん凶悪説。真がん・偽がん説。・・・etc
    小説は、国内でがんの凶悪化が問題視され、その対処のため時の総理大臣の肝いりで”プロジェクトG4が結成される。
    手術でがんそのものを取り除く外科、抗がん剤等薬で治療する内科、がんに放射線を当て治療する放射線科、がんを攻撃する免疫細胞の攻撃力を高める免疫療法科。
    この四科の医師たちがそれぞれの優位性を誇り、様々な手を使い、策を巡らす。
    やがて、がんを研究する医

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    2017年10月26日
  • 神の手(下)

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    医療ミステリー(?)を読むのは初めてだったが…面白かった!上巻だけなら、実話かと思うほど。

    「神の手」というタイトルは医師の驕りを揶揄しての言葉なのだろうか。医学と医術の目覚ましい進歩で、救えなかった命が救えるようになり、人の生死という神の領域にまで踏み込んでしまった「神の手」を持つ医師の。
    日本の医療の問題についても考えさせられた。この本を読んで、余計に分からなくなってしまった。

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    2017年10月22日
  • 神の手(下)

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    久坂部さんの小説は、もうほんとに凄すぎて、ノンフィクションかと思ってしまいます。
    安楽死について、考えてしまった。

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    2017年10月10日
  • 虚栄 下

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    ネタバレ

    がん治療の国家プロジェクト発足の理由が衝撃的、かつ現実にありそうで恐怖すら覚えます。また、それをネタに事実を脚色して金稼ぎするマスコミと、そのマスコミを利用して権謀術数を企てる医療界の面々を見ていると、ホント何を信じたら良いか分からなくなります。

    そんな中、象徴的だと思ったのは矢島塔子の存在。治療法を医者に丸投げせず、自分なりに治療法を調べ、その方針に基づいた治療を行なった結果の生還。

    現在、医療に関しては様々な情報源がある時代。(利権を追い求めているかもしれない)医者に頼り切るのではなく、患者側も自分で自分が抱える病を知り、どのように向き合っていくかを自分で決めるべきではないか。

    そん

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    2017年10月01日
  • 嗤う名医

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    医療関係のお話が6編入った短編集。ミステリー、とあるけど…どうなんだこれは(^^; どのお話もかなり毒がきいてて、結構好きだな~。現役医師の書いた小説だと思うと、エロもグロもあんまり生々しく感じないというかうっすらエタノールの匂いがするというか…そんなん私だけか? 私はいわゆる軍艦頭なので『愛ドクロ』に出てきたような、自分の頭蓋骨の3D映像をぜひ見てみたい!(笑)

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    2017年09月28日
  • カラダはすごい! モーツァルトとレクター博士の医学講座

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    豆知識のような小粒の情報ばかりでやや退屈してきますが、時折「自分の精子を三日間観察した」などという著者の狂気が垣間見え、中々侮れません。

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    2017年09月19日
  • 嗤う名医

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    医療に携わる人の環境などが勉強になった。少し過激な描写もあったが、また違う作品も読んでみたいと思った。オチが少し弱い気もする。

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    2017年07月09日
  • 嗤う名医

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    医療関係の短編集です。
    専門用語などはありますが、そんなに難しいこともなく、医者の世界のおかしさ・世界の狭さなどがうまく描かれています。
    医療に携わる人間であれば、シニカルに笑えるという感じだと思います。
    もっと他の著作も読んでみようと思います。

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    2017年07月01日
  • 芥川症

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    #fb この人、グロいの専門家と思ってたので、こういうコメディ?タッチは意外と面白く。芥川の何をモチーフにしたのかは各題名で明らかなんだけど、決して全てが芥川のスジをなぞっているわけではなし。個人的には、「地獄変」からの翻案が秀逸。あ、やっぱグロテスク...。

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    2017年06月27日
  • 嗤う名医

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    大阪大学医学部卒、現役医師の久坂部羊。初めて読んだ『廃用身』は衝撃的でノンフィクションかと思ったほど。その後に読んだ何冊かの長編すべて、読むたびに「病院ってこんなものなのか」と思わされ、同様に病院を舞台にした海堂尊にユーモアまみれの作品も見受けられるのに対し、こちらはいつも相当ヘヴィー。そんな久坂部さんの短編を初めて読みます。

    収載されている6編は『寝たきりの殺意』、『シリコン』、『志向の名医』、『愛ドクロ』、『名医の微笑』、『嘘はキライ』。

    自分が正気であると疑わず、おざなりな介護をする嫁に殺意を抱く老人。貧乳にコンプレックスを抱き、ついに豊胸手術に踏み切る女性。自他ともに認める完璧主義

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    2017年05月10日
  • 神の手(下)

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    上巻で巻かれた伏線の回収が、下巻の後半に一気に押し寄せ、せわしのない幕閉じだった。良く言えば、スピード感がある展開。
    あと、最後まで、安楽死というものをどのように捉えるべきなのか、その答えはこの小説にも書かれていないし、自分にも答えを導き出すことはできなかった…。

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    2017年04月26日
  • 嗤う名医

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    帯の煽りがミステリーだったので購入しましたがミステリーではないと思う…
    唯一 嘘はキライ はちょっとミステリーぽくてラストの爽快感がよかった。
    1番好きなのは 名医の微笑 。主人公の裏の顔より表の顔のがよっぽどグロいと感じる。
    読みやすくてちゃんと面白いけど中々に不愉快な描写もあって、こういうのは好きです。
    解説が相当愛がある感じで、読み物としても面白いので星一つは解説に捧げます。

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    2017年02月18日
  • 芥川症

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    ネタバレ

    芥川龍之介の作品に着想を得た短篇集。
    読みやすく、また面白い。
    軽い文体なのですっきりと読めます。
    ブラックな表現もありますが、読後感はそれほど悪くない。

    「薮の中」→「病院の中」
    様々な石の説明が、素人の患者家族には矛盾して聞こえる、という供述が矛盾する「薮の中」のオマージュ。

    「羅生門」→「他生門」
    老婆が自身の行為を正当化したことで下人においはぎされるという「羅生門」より。心臓移植を受けた患者が「支える会」にふりまわされ、またそれを克服していく話。

    「鼻」→「耳」
    自分の鼻にコンプレックスを持つ僧侶の話より、自分の顔にコンプレックスを持つ女の話へ。美容整形を繰り返し、手を入れていな

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    2017年02月27日
  • 医療幻想 ―― 「思い込み」が患者を殺す

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    ネタバレ

    70年代、共同幻想という言葉が流行った。権力による規制があたかも自分たちによって規制されているかのように幻想させられている。その若者たちが老人になった時、回復見込みがないのに薬や治療を求める。それは病院に行けば治療してもらい回復するはずだと思い込んでいるからだ。筆者はこれも幻想だという。老人になると薬を飲んでも治らない。リハビルをしても回復しない。それが現実だと書いている。
    認めたくないが現実はいつも直視しなければならない。

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    2016年11月12日
  • 嗤う名医

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    初めての著者本。単行本の時から、気になってたけど、基本文庫本しか買わないので、文庫発売日に、いそいそと購入しました。

    奥田英朗の「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」と精神科医の伊良部シリーズを読んだ後だったので、お医者さんの話とはいえ、
    患者視点のメディカルコメディ(?)伊良部シリーズとは毛色の全く違う本作。あらすじにも「ミステリー」と銘打っているので、
    どんな感じなのだろうと、わくわくしながら読み始めました。

    最初の話「寝たきりの殺意」を読み始めた時、ちょっと身構えました。
    「ひょっとして・・、ミステリーはミステリーでも、”イヤミス”の類・・?」と不安になりました。
    というのも、あたしは

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    2016年10月18日
  • 嗤う名医

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    「笑う」じゃ無くて「嗤う」。笑えないお話ばかり。名医の裏の性癖‥‥ちゃんと治してくれればと思い、そんな人に触れられたくないとも思い‥‥複雑。七つのお話に出てくる医者は作者の分身?と感じた瞬間があったけれど、まさかね‥‥

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    2016年09月11日
  • 嗤う名医

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    様々な医師を主人公にした短編集。久坂部羊の短編小説を初めて読んだのだが、どの短編も医療に関する深い知識をベースとしたミステリーの中にブラックユーモア、恐怖など様々なスパイスが効いていた。反面、これまでのよく練られたプロットの長編ミステリーに比べると物足りなさを感じてしまう。

    『寝たきりの殺意』『シリコン』『至高の名医』『愛ドクロ』『名医の微笑』『嘘はキライ』の6編を収録。

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    2016年08月20日
  • 人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期

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    超面白い。医者である父の医療嫌いエピソード満載。とっても勇気が出る本だと思う。
    死ぬってどういうことか、医療をどう利用するか考えさせられる。

    2016.8.16.

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    2016年08月16日
  • いつか、あなたも

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    初めて読む作家さんです。
    たまたま電子書籍のキャンペーンがあって、目にして購読してみました。

    実体験を元にした在宅医療の短編集。
    「医療」といっても、ほとんど終末期の看取り
    読んでいてつらいものばかりでした。

    タイトルの「いつか、あなたも」は 
    いつかあなたも終末期の看取られることになるっていうことかと思っていたのだけれども。

    「いつか、あなたも」ってつぶやく患者さん、あそこを取ったのかしら?
    あの編は不気味でした。

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    2016年06月01日