久坂部羊のレビュー一覧

  • 芥川症

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    #fb この人、グロいの専門家と思ってたので、こういうコメディ?タッチは意外と面白く。芥川の何をモチーフにしたのかは各題名で明らかなんだけど、決して全てが芥川のスジをなぞっているわけではなし。個人的には、「地獄変」からの翻案が秀逸。あ、やっぱグロテスク...。

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    2017年06月27日
  • 嗤う名医

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    大阪大学医学部卒、現役医師の久坂部羊。初めて読んだ『廃用身』は衝撃的でノンフィクションかと思ったほど。その後に読んだ何冊かの長編すべて、読むたびに「病院ってこんなものなのか」と思わされ、同様に病院を舞台にした海堂尊にユーモアまみれの作品も見受けられるのに対し、こちらはいつも相当ヘヴィー。そんな久坂部さんの短編を初めて読みます。

    収載されている6編は『寝たきりの殺意』、『シリコン』、『志向の名医』、『愛ドクロ』、『名医の微笑』、『嘘はキライ』。

    自分が正気であると疑わず、おざなりな介護をする嫁に殺意を抱く老人。貧乳にコンプレックスを抱き、ついに豊胸手術に踏み切る女性。自他ともに認める完璧主義

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    2017年05月10日
  • 神の手(下)

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    上巻で巻かれた伏線の回収が、下巻の後半に一気に押し寄せ、せわしのない幕閉じだった。良く言えば、スピード感がある展開。
    あと、最後まで、安楽死というものをどのように捉えるべきなのか、その答えはこの小説にも書かれていないし、自分にも答えを導き出すことはできなかった…。

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    2017年04月26日
  • 廃用身

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    この作品が12年前の作品だと思えないしものすごくリアルで怖い
    漆原は本当に悪なのか?わたしはそうは思わないけれど・・・

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    2017年04月15日
  • 嗤う名医

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    帯の煽りがミステリーだったので購入しましたがミステリーではないと思う…
    唯一 嘘はキライ はちょっとミステリーぽくてラストの爽快感がよかった。
    1番好きなのは 名医の微笑 。主人公の裏の顔より表の顔のがよっぽどグロいと感じる。
    読みやすくてちゃんと面白いけど中々に不愉快な描写もあって、こういうのは好きです。
    解説が相当愛がある感じで、読み物としても面白いので星一つは解説に捧げます。

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    2017年02月18日
  • 芥川症

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    ネタバレ

    芥川龍之介の作品に着想を得た短篇集。
    読みやすく、また面白い。
    軽い文体なのですっきりと読めます。
    ブラックな表現もありますが、読後感はそれほど悪くない。

    「薮の中」→「病院の中」
    様々な石の説明が、素人の患者家族には矛盾して聞こえる、という供述が矛盾する「薮の中」のオマージュ。

    「羅生門」→「他生門」
    老婆が自身の行為を正当化したことで下人においはぎされるという「羅生門」より。心臓移植を受けた患者が「支える会」にふりまわされ、またそれを克服していく話。

    「鼻」→「耳」
    自分の鼻にコンプレックスを持つ僧侶の話より、自分の顔にコンプレックスを持つ女の話へ。美容整形を繰り返し、手を入れていな

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    2017年02月27日
  • 廃用身

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    最初ノンフィクションだと思ってた!
    小説として面白かっただけじゃなく、リアル世界でこれからどんどん増える介護の問題を考えさせられた。
    ほんとにこの治療法、ありえるんじゃないか、と。

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    2016年12月29日
  • 廃用身

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    今まで何冊と小説を読んできたつもりだが、この小説のような感覚は今までなかった。と言うのも、おかしな話だが、途中で小説と気付いたのだ。それまで、介護医療に関するルポルタージュだと思っていた。中盤で気づき、ハッとした。凄い小説である。

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    2016年11月27日
  • 医療幻想 ―― 「思い込み」が患者を殺す

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    ネタバレ

    70年代、共同幻想という言葉が流行った。権力による規制があたかも自分たちによって規制されているかのように幻想させられている。その若者たちが老人になった時、回復見込みがないのに薬や治療を求める。それは病院に行けば治療してもらい回復するはずだと思い込んでいるからだ。筆者はこれも幻想だという。老人になると薬を飲んでも治らない。リハビルをしても回復しない。それが現実だと書いている。
    認めたくないが現実はいつも直視しなければならない。

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    2016年11月12日
  • 嗤う名医

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    初めての著者本。単行本の時から、気になってたけど、基本文庫本しか買わないので、文庫発売日に、いそいそと購入しました。

    奥田英朗の「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」と精神科医の伊良部シリーズを読んだ後だったので、お医者さんの話とはいえ、
    患者視点のメディカルコメディ(?)伊良部シリーズとは毛色の全く違う本作。あらすじにも「ミステリー」と銘打っているので、
    どんな感じなのだろうと、わくわくしながら読み始めました。

    最初の話「寝たきりの殺意」を読み始めた時、ちょっと身構えました。
    「ひょっとして・・、ミステリーはミステリーでも、”イヤミス”の類・・?」と不安になりました。
    というのも、あたしは

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    2016年10月18日
  • 嗤う名医

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    「笑う」じゃ無くて「嗤う」。笑えないお話ばかり。名医の裏の性癖‥‥ちゃんと治してくれればと思い、そんな人に触れられたくないとも思い‥‥複雑。七つのお話に出てくる医者は作者の分身?と感じた瞬間があったけれど、まさかね‥‥

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    2016年09月11日
  • 嗤う名医

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    様々な医師を主人公にした短編集。久坂部羊の短編小説を初めて読んだのだが、どの短編も医療に関する深い知識をベースとしたミステリーの中にブラックユーモア、恐怖など様々なスパイスが効いていた。反面、これまでのよく練られたプロットの長編ミステリーに比べると物足りなさを感じてしまう。

    『寝たきりの殺意』『シリコン』『至高の名医』『愛ドクロ』『名医の微笑』『嘘はキライ』の6編を収録。

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    2016年08月20日
  • 人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期

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    超面白い。医者である父の医療嫌いエピソード満載。とっても勇気が出る本だと思う。
    死ぬってどういうことか、医療をどう利用するか考えさせられる。

    2016.8.16.

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    2016年08月16日
  • いつか、あなたも

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    初めて読む作家さんです。
    たまたま電子書籍のキャンペーンがあって、目にして購読してみました。

    実体験を元にした在宅医療の短編集。
    「医療」といっても、ほとんど終末期の看取り
    読んでいてつらいものばかりでした。

    タイトルの「いつか、あなたも」は 
    いつかあなたも終末期の看取られることになるっていうことかと思っていたのだけれども。

    「いつか、あなたも」ってつぶやく患者さん、あそこを取ったのかしら?
    あの編は不気味でした。

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    2016年06月01日
  • 破裂(下)

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    ネタバレ

    高齢化社会問題、安楽死も定義していて興味深いけど、やっぱり残るのは大学病院の白い巨塔かなあ。医療ミスは難しい。医療裁判で原告側がほぼ勝てないのはここだと思う。難しい医学用語を裁判で並べられても分からないしね。それに、「無痛」だったかな、どんな簡単な手術でも成功率100%なんてなく、必ずリスクが伴うものであり、医者は神様という意識は日本独自のもの、というのも理解している。でも遺族が浮かばれないかあ。

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    2016年05月24日
  • 神の手(上)

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    ネタバレ

    安楽死をテーマにした医療ミステリー。
    安楽死って、当事者(患者)とその家族とで意見が分かれそうだな。。耐え難い痛みに苦しむくらいならさっさと殺してくれと思うのは患者自身だけど、それを受け入れてしまった家族はずっと罪の意識を持ったまま生きなきゃならないのかも。難しい。
    積極的な延命治療が苦痛をもたらすなら、治療せず、天命を全うしたほうが幸せなのかな。

    こてこての関西弁をテキストで読むとやらしく聞こえるな(関西人の方ごめんなさい)。。康代のキャラが上手く引き立ってる。でもむかつく!!

    下巻へ。どうなることやら。

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    2016年03月29日
  • 医療幻想 ―― 「思い込み」が患者を殺す

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    医師にして作家でもある久坂部羊氏が、日本の医療に蔓延する「幻想」を明らかにし、医療の在り方を問い直した著書である。
    ◆薬は効くという幻想・・・新薬の認可のための治験(患者でその効果を試すこと)には限界がある。多くのサプリメントは論理的に効くはずがない。対症療法の薬は自然な治癒力を弱めかねない。。。
    ◆名医幻想・・・医療者から見たいい医者と患者が思ういい医者には往々にして大きな隔たりがある。エリート医師の集まる大学病院などでは、臨床よりも研究が重視される。。。
    ◆診断幻想・・・正常と異常を分ける基準値の変更により、それまで正常だった人が病気に分類される(高血圧が好例)。認知症患者の多くは老化現象

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    2016年03月21日
  • 第五番 無痛II

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    無痛II
    前作にもましてのスピード感がたまらない。
    時間を忘れたい時、集中することによってドーパミンを出したい時にオススメ( ̄▽ ̄)

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    2016年02月24日
  • 第五番 無痛II

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    ネタバレ

    「無痛」の続編。この作者の作品好きかも。

    「新型カポジ肉腫」に不気味さを感じながらも読む手が止まらない。ヨーグルト食べるの躊躇するなあ。。。それにしてもアイツがあんな形で戻ってきたのもびっくりだけど、こんなラスト。。なんだか物悲しかった。

    医療従事者じゃないのに医療系の話が好きなんだけど、日本と海外の「医療」の考え方の違いが面白い。そっか。。人が健康になると病院はいらいないか。でもそれを逆手に取っているのか、健康でも検診を勧める今日の日本。病院が閑散としてるなんて日は来ないのでは。。

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    2016年02月16日
  • いつか、あなたも

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    在宅医療の短編集。実際の医師の話だけにいずれも良かった。ほとんど回復しない人々を診るのは楽ではないのだ。

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    2016年02月14日