久坂部羊のレビュー一覧

  • 祝葬

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    代々医師の家系である土岐家は早死にの運命にある。
    その家に生まれ、自らも医師である土岐佑介は親友の手島に早死にの呪い語り、その言葉通り37才の若さで急死した。
    確かに土岐家の人たちは早くに亡くなっているが、それは本当に呪いなのか?
    医療の進歩で人の寿命も長くなり、人の健康に対する考え方も変わる。
    なかなか死ねない時代と土岐家の謎。

    2025.7.26

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    2025年07月26日
  • 絵馬と脅迫状

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    著者ならではの医学的見地を交えた短編ミステリー集。
    ブラックで、毒のある切り口。最後に衝撃的な結末を用意して、読者を楽しませる手法を取る6編が収録されている。
    だが、自分としては、がんの確定診断に使う生検ががんの転移リスクを高めるという論文を巡る話である「闇の論文」が一番興味深かった。
    この論文が世に出れば現場が大混乱するという「不都合な真実」
    これが、現実世界では、どうなのか、非常に気になった。
    他は心臓疾患に携わる医者が神頼みになるという「絵馬」、自らが解離性同一性障害に陥る精神科医を描いた「悪いのはわたしか」が面白かった。

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    2025年07月21日
  • 絵馬と脅迫状

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    医療をキーワードにしたブラックな短編集でした。
    どんでん返しのキモの部分に医療ネタが織り交ぜられてるのは新鮮な印象もありましたが、どの小編も後味が悪く(それが久坂部羊のウリではありますが)、何となくスッキリしない読書体験でした。

    著者の「ブラックさ」は、長編小説ならばこそ、その居心地の悪さと社会へのメッセージ性が溶け合って魅力になるのではないか、と思います。作品の背景や登場人物の内面を十二分に描き出すことができない短編作品では、露悪的な部分が顕著に表れているように感じられました。

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    2025年07月19日
  • 寿命が尽きる2年前

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    ただ長生きすればよいと思っていた、今までの考え方に気付きを与えられた。新しい気付きを得られたという意味では、よい?本だった。

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    2025年06月16日
  • 人はどう悩むのか

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    本書では、各ライフステージに潜む悩みを年代ごとに解説していきます。ふつうは時系列に沿って、生まれたときからスタートしますが、今回は逆に高齢者の側からたどってみたいと思います。
    というのは、今の超高齢社会では、高齢者うつなど、「精神の健康の危機」に直面している人が多いからです。お釈迦さんが唱えた「生老病死」の四苦のうち、「老病死」の三つが襲いかかってくるのが高齢者です。悩みは心に生じるもので、物質や事実のように客観的に存在するものではありません。それなら、事前に悩みのありようを知ることで、実体のない悩みを少しは抑えることができるのではないでしょうか。せっかく手に入れた長生きを、気分よくすごす。そ

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    2025年06月13日
  • 告知

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    ネタバレ

    末期患者の事がよくわかって色々と怖くなったけど、小説としてはまあ、良かった。
    最後のあとがきで実話と聞いて更に怖くなってしまった

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    2025年06月11日
  • 砂の宮殿

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    主人公が物語を語ると見せ、実は読者を騙してく筋書きはたまにあるが、どうも読後感が良くない。
    まっ医療の楽屋が少し分かったのが面白かった。

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    2025年06月01日
  • 人はどう老いるのか

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    アラフィフ世代、多少衰えは感じつつ、老いも死もいつか来るけど今じゃないとある種楽観視してるとこはあるけど、心構え、気持ちの準備はしておきたいと感じた。とりあえず闇雲に受けてるがん検診はもう一度考えてみよう。

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    2025年06月01日
  • 謎解き診察室、本日も異状あり

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    「多重人格の精神科医」「解剖技官」「当直当番の外科医」
    「歯科医」「介護認定」など医療現場の犯罪について5短編。

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    2025年05月16日
  • 無痛

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    顔を顰めるような描写が多い。さすがお医者さんで、医療絡みの表現や言葉遣いが豊富。終わり方的に、続編あり?

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    2025年05月13日
  • 謎解き診察室、本日も異状あり

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    改めて考えると、医師作家さんって案外多いんだな。今作の共著者5名以外にも、夏川草介さん、知念実希人さん、朝比奈秋さんなど好きな医師作家さんがたくさん。あまり自覚していなかったけど、医療ものが割と好きみたい。
    精神科、歯科、在宅医療など、舞台になっているところもバラバラで、新鮮な気分で読めた。
    初読みの七尾与史さん「患者は二度死ぬ」と南杏子さん「サイレント·ペイシェント」が好みだった。

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    2025年05月13日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    一般的な幸せ論は人によりさまざまな形をとる
    ことこそが一般的となりつつある世の中。

    ここにある死生観もあるのだろう

    生きていたいと思えない事実を抱えている人を
    認めることと、死なない努力する人もまた
    認めていたいがそれは気持ちの中だけのこと。

    やるかやらないかは自分の意思でありたい。

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    2025年04月28日
  • 絵馬と脅迫状

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    ネタバレ

    2025/03/10予約 9
    「リアル若返りの泉」
    薄毛の定年退職後の男性が毛髪が増えた!と喜びSNSに投稿しバズる。体毛も濃くなり、病院にかかると原因は毛母細胞がんでステージ4だとのこと。離婚し出ていった元妻が戻ってきた理由は看病のためではなく小金持ちになった男性の資産だった。
    これが一番好きだった。
    今後は廃用身や、無痛、のような作品は執筆しないのかな…あの頃の作品が好みだっただけに少し残念。

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    2025年04月28日
  • 謎解き診察室、本日も異状あり

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    謎解き診察室 本日も異常あり/久坂部羊他4名/幻冬舎文庫/「悪いのはわたしか」は、解離性同一性障害(いわゆる多重人格)を題材として挙げているが、精神に関する病気に対して十分読者が理解できていないため、最後のオチになる部分が理解できない。他の作品はそれぞれの著者の専門的見地を絡めた内容で特色ある内容となっている。

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    2025年04月25日
  • 絵馬と脅迫状

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    病気に関する短編。『爪の伸びた遺体』はぞっとした。気がついたらことを言ってもいいものかどうか。と思ってたら、本人がもっとヤバいなんて!

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    2025年04月19日
  • 謎解き診察室、本日も異状あり

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    ドクター作家5名の共著だが、小説家としてのレベルが違い過ぎて、久坂部氏と七尾氏はやはり面白いが、他3名は今二つで読み飛ばしたくなるような出来。

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    2025年04月07日
  • 死が怖い人へ

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    “死ぬ時節には死ぬがよく候”

    両親の死を見てきたが、父の最期には苦痛を与えたことから、母は延命治療はしない選択をした。当の本人はどうしたかったのか?は、今となってはわからないし、ただ私自身が納得したかっただけとも思う。

    残された者の満足(都合?)で左右されてしまう死とはなんだろう?ふと考えさせられる内容でもあった。


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    2025年04月03日
  • 謎解き診察室、本日も異状あり

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    ネタバレ

    2025/03/08リクエスト 1
    『サイレント・ペイシェント』がよかった。
    介護認定の詐欺。誰しも認定してもらいたい、そうでなくては生活が成り立たない、そんな気持ちを考えると、詐欺はいけないことだがそう思う気持ちも理解できなくないと思う。

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    2025年04月03日
  • 謎解き診察室、本日も異状あり

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    久坂部羊、小松亜由美、中山祐次郎、七尾与史、南杏子『謎解き診察室、本日も異状あり』幻冬舎文庫。

    5人の医師作家による医療ミステリー短編アンソロジー。

    中山祐次郎と南杏子は初読みの作家。七尾与史が医師作家だとは知らなかった。

    七尾与史の『患者は二度死ぬ』がピカイチで、後は並以下の出来だった。

    久坂部羊『悪いのはわたしか』。そういうオチであったかと納得するも、真実は一体何処にあるのかと頭の中が混乱した。新聞で人生相談の連載を持つジャズピアニストにして精神科医である女性医師の元に怪文書が届く。怪文書が届いてから女性医師は次第に精神的に弱っていくのだが……

    小松亜由美『半夏生のトルソー』。瓢

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    2025年03月29日
  • 死が怖い人へ

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    身内の死を身近に何度か見てきてはいるが、先日、真夜中にふと目が覚めた時のこと。
    「死んだら無になる」ということが、無性に怖くなった。
    「無」ということがすごく怖くなったのだ。
    幼い頃、「死んだらお父さん、お母さんと一緒にいられなくなる」と恐れたことごあるが、かなり久しぶりに「死」についての怖さを感じた。

    翌日、たまたまこの本をネットで見かけて読みたいと思った。
    読んでみて思うのは、「死」を考えることは「生」を考えることであって、決して「無」を考えることではないんだなと。

    笑ってしまったのは、「リアルな死後の世界を空想すれば」(147頁から)のところ。
    たしかに、先祖として子孫を見守ったとし

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    2025年03月20日