久坂部羊のレビュー一覧

  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    久坂部さんの今までの小説をすでに読んでいるなら、もうわかりきったことが書かれている。『破裂』や『廃身用』なんか特に、彼の考え方が如実に表れているんだと、改めて実感した。いくら長生きはできても、寿命は決して変わらない、という事実にはハッとさせられた。寿命を迎えてから医療にすがった長生きは、死んでいる身体を無理やり生かせているだけ。長生きすればするだけ、1つずつ何かを諦めていかなくてはならない。例えば歩行。そして飲食。そして意思の疎通。何を諦めてでもいいから生きたいかを、意識しておかなくてはならない。気づけば心臓が動いているだけ・・なんてなりかねない。一度病院に頼ったら最後。まず、自然な死を迎える

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    2011年11月30日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    センセーショナルなタイトルとはちょっと違う内容で
    現在の日本の医療界の問題を淡々と述べていました。

    著者さん、実は面白い人なんじゃないかと思います。

    マスコミは理想論ばっかり言うんじゃないよー!

    というお叱りの本ですが、
    この本も結構理想論だと思いました。
    ワタクシは、現実を見て理想を述べられるのは好きなので、
    この本も結構好きです。

    日本のお医者さん、頑張って欲しい。

    最近話題の医師不足に興味のある人にはおススメ。

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    立場的に患者と医療者の中間…のような位置にいる私には、賛同する部分と複雑な気分にさせられる部分とがありましたが、筆者の主張は共感する部分が多いように感じました。
    研修医の教育システム然り、マスコミの助長による過度な医療不信然り。
    医師不足の危機を招いているのは、世間が異常なまでに正義を振りかざし、現実離れした理想論を追い求めた結果かもしれない。

    普通の企業に就職しても、新入社員は失敗してそこから学んで成長していくものだと思います。ベテランだって、人間がやる仕事である以上ミスが0なんてことはあり得ない。
    医療者だって同じです。命を預かる以上、「ミスしました、はいそうですか」では済まない事は事実

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    2009年10月07日
  • 破裂(下)

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    前作「廃用身」を読んだ時、何ともいえない気持ち悪さを感じた。
    この作品はグロテスクさはないが、医療事故や医療の問題点・厚生労働省の官僚主義などをからめ、何が正しいのか解らなくさせる気持ち悪さは残る。
    登場人物はみな弱い人間のままで、ヒーローはいない。誰が正しいのか解らない。たぶん正解はない。
    視点が変わるたびにそれも正しい意見のように思わされ、読み終わった後、高齢社会を生きなくてはならない自分たちのこれからを考えさせられた。

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    2009年10月04日
  • 破裂(上)

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    単純に命を救う医療を極めていくことが社会のためになるのか。
    すごい命題を突き付けたまま終わる衝撃作。(080518)

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    2009年10月07日
  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    ぶっちゃけ読んでて楽しい本ではない。けど、読む価値はある。特に年配の人ほど。
    長生きして、体のあちこちに障害がある人、寝たきり状態の人、痴呆患者、など色んな人達(及びその家族)がどれだけ苦労しているかを書いた本。「長生きしたい」と何も考えずに求めることがどんなことか考えさせられる。

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    2009年10月04日
  • 破裂(上)

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    老人医療問題をよく扱う人なんですが、色々考えさせられますな。帚木の「安楽病棟」をもっとシビアに突っ込んだ感じ?物語としては「廃用身」同様、広げた大風呂敷がどうしてそんな簡単に畳みきれるのか謎ではありますが、やっぱテーマ勝ちか。あとキャラ。どいつもこいつも感情移入するにはちょっと引くような、普通のよくいる人なので困る。主格がコロコロ移るのがちょっと読んでて解りづらいかも。

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    2009年10月07日
  • 日本人の死に時 そんなに長生きしたいですか

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    人がどう生きるかはそれぞれの人間だけが決められる、というのが近代社会の大原則なのだが、どう死

    ぬかは死期が近づくと、実質的に自分では決められなくなる。
    今の何がなんでも延命、アンチエイジングという「とにかく生きさせる」行政・医療・介護全体の方針

    は、死が絶対に避けられないものである以上、本質的にムダな部分を含んでいるのに、生きたいという

    それ自体は当然の欲望を煽り利潤化する資本主義にばかり貢献して、実質的にそれぞれの人の生を決め

    る権利を奪っている。

    スーパー老人、元気なお年寄り、あるいはその逆の極端な例ばかりメディアは取り上げるな。
    「普通に死ぬ」ことは、今では健康年齢と肉体年齢に

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    書名を見ると週刊誌的に大学病院の内部を告発する内容かと思うが、実質はその反対に近い。

    大学病院が一般の病院と違うのは、教育・研究という部門が治療部門とは別についていて、そのため未熟な若い医師のオン・ザ・ジョブ・トレーニングの場になっていることだ。それは次の世代の医療を供給するのに必須なのだが、当然一定のリスクを伴う。
    それで事故が起こるとマスコミは袋たたきにするが、常にベテランが治療に当たるのは物理的に不可能だし、実践を積まないでベテランにはなれない。

    筆者ははっきりと、必要もないのにいつもベテランの最高度の医療を求めるのは患者のエゴであり、マスコミの無責任なあおりのつけは必ず将来の医療や

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    大学病院とその他の病院。同じ「病院」と名がついていながら前者は医学の研究に重きを置いていて後者は診療に重きを置いている。大学病院が診るのは未来の患者、その他の病院が診るのは現在病気を抱えた患者。誰かが研究をしていかないことには医療分野は発展しない―。
    現在の日本の病院が抱える問題点(主に大学病院の構造とその問題点)についてまとめてある本。病院選びで泣かないように、診療を受ける立場である私たちが読んでおくと面白い。

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    2009年10月04日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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     日本の医療の現状とその問題点、その問題点の背後の歴史や事情。

     それをよく知るマスコミの必要以上の煽動とただ自分たちの利益のための世論誘導。

     そしてそのマスコミに煽られる市民。

     その市民たちの反発を恐れ、必要以上の(悪ともいえる)制度を作ってしまう役所。

     その制度に翻弄される病院と医師。そして押し寄せてくるプレッシャーと世論の反発に耐えられなく辞めていく医者。

     そして医療問題がますます深刻になる。

     病院、医師の視点、役所の視点、そして患者と一般市民の視点とそれぞれの本音をちゃんと書いている。

     作者は医師で作家である。だからこそかけたこの一冊だと思う。

     ただし、逆

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    2009年10月04日
  • 謎解き診察室、本日も異状あり

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    後味は果てしなく悪い物語たち。
    でも、おもしろかった。。。
    さすが、医師たち。。

    中でも、中山祐次郎さんの「泣くな研修医」シリーズは全部読んでいるせいか、いちばん展開が気になった。
    あの院長。。。。
    中山さんが書いたということは、世の中にはそんなこともあるのかもしれないが、嫌だな。。
    もし、万が一、自分が鈴だったら。。
    恐ろしいと思わざるを得ない。。

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    2026年04月12日
  • 謎解き診察室、本日も異状あり

    購入済み

    面白かった

    わるいのは私か。女性精神科医の深見に届いた怪文書とゆうより脅迫状。有名人は大変だ。脅迫状もそのあとも届きますが、内容が彼女のプライベートやトラウマまで知ってるようでした。身近な人物が犯人と感じた彼女は疑心暗鬼に落ちてしまう。犯人がわかったとき、タイトルの意味が分かりました。

    #ダーク #ドキドキハラハラ

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    2026年03月24日
  • 命の横どり

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    立場によって評価が分かれるかもしれない
    臓器移植について考えるきっかけにはなるかもしれない
    レシピエント側もドナー側も、納得できる事情は個々に異なるし、何とも言えないなぁ。

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    2026年03月13日
  • 生かさず、殺さず

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    元々 外科医だった三杉は、現在 認知症専門病棟の医師として働いている。
    外科医を辞めたのは過去に色々とあったからなのだが、そんな三杉に外科医時代の元同僚で、今は小説家となっている坂崎が現れる。
    坂崎は過去に小説が売れたことで、また何かしらのチャンスを狙っており、三杉に小説の協力を頼んでくる。
    しかし、坂崎は三杉の過去をネタにしようと、あれこれ脅しのようなことを仕掛けてくる。
    素直で純粋な三杉は困り果ててしまう。
    認知症患者を抱える日々も、色々と苦労が多い。
    本人への治療の理解が得られない、また家族との意志疎通や考え方の違いなどなど、問題は山積み。
    本当にそんな中で日々働いている医師や看護師の方

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    2026年03月11日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医療現場のリアルな緊張感が伝わってくる作品が多かったです。短編なので読みごたえという点ではちょっと物足りなかったですが、読んだことのない作家さんが殆どだったので読み比べて楽しめました。

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    2026年02月22日
  • 廃用身

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    久坂部さん、こんな著作があったとは。
    廃用身という言葉があるかどうか定かじゃないけど、どうせ動かないのならという割り切りもあるのかもしれないけど、自分だったら自分の家族だったら、なかなか割り切れないだろうなぁ。

    これが治療で行われるAケア。
    ある意味衝撃的でした。

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    2026年02月19日
  • 生かさず、殺さず

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    ネタバレ

    ガンや糖尿病を患い、かつ、意思決定能力や服薬管理能力などがない患者の治療に向き合う認知症専門病棟。
    凄絶で混乱を極める現場で働く主人公の医師に降りかかる危機をミステリー仕立てで描く医療小説。

    現役医師しか描けない専門的な世界と、ストーリー性に惹かれ、どんどん読み進めていけた。

    主人公・三杉洋一は都内の病院の認知症患者専用病棟の医長。元は外科医だったが、辛い経験を経て、WHOの熱帯医療研究所でハマダラ蚊の防虫対策の従事に転身、家庭の事情で帰国後、新設された現在のポストに就いた。

    治療を理解できない患者の医療行為や介護への抵抗、暴言、徘徊などが日常茶飯事の病棟で、三杉は、治療に関して様々な疑

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    2026年02月19日
  • 絵馬と脅迫状

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    う〜ん 久坂部先生の本が初めての方はこの本が最初じゃない方がいいかも

    独特の怖さがある久坂部ワールド

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    2026年02月18日
  • あなたの命綱

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    颯子の自己満足感のあまりの強さに呆れ、
    「他人が自分の選択肢を当事者に強く勧めることは適切ではない」とAIが言う事に説得力がある。
    愛美が辛い癌治療を回避してもそれは愛美の選択した事であり、颯子の異様な押し付けを快く思えない。
    医療系ノンフィクション作家という立場にありながら、客観的な視点が欠如した颯子のエゴを感じ、本人の希望を優先する榊医師の真っ当な発言に共感した。

    颯子の存在が雑音にしか読めなかったのに、彼女というキャラクターの意味が分からなかった。

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    2026年02月17日