久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
医師作家による「人間の尊厳」を問い続ける内容であり、とても重く答えが出せなかった。
薫子の次兄が、自殺志願者を3人も殺害するという凶悪事件が起きたことから物語は始まる。
検察官のあざとい法廷戦略にも臆するとこなく、自分の意思を告げる次兄。
優しい次兄が、世間から極悪人と糾弾されるのが納得出来ず、以前通っていた心療内科医に相談したりと奔走する。
兄のことを善良なサイコパスだと言っていた心療内科医師こそが…。
すんなり納得できる結末ではなかったものの、テーマ事態が、自殺を容認できるか…につきると思ったので、自分にとっても重い課題を背負ったようだ。
昨今、特にコロナ禍になってからも感じる -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!
医療系の短編小説は特に読者と有識者の知識の乖離が起きやすいように思うが、今作はわかる、推察できるギリギリの用語が多く、興味深く読めた。
汚い部分や倫理観から外れている欲望なども小説内にあり、それは人の生死を見てきた人間が故なのかもなと考えさせられた。
しかしながらちゃんとした正義の軸もあり、人の多面性を感じられた。
嘘はキライ!内で出てきた本物親子丼、自分は良く思ったので食べられる場所があったら食べたい。
今まで読んだ中で1番巻末の書評が面白い。大体読んだ時に感じる感想はこの巻末の中野さんが書いてくれているから書くことが無い。
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Posted by ブクログ
ネタバレ在宅医療専門病院「あすなろクリニック」を舞台とし、訪問看護師からの視点で書かれた短編集。
久坂部羊さんの本の中ではあまりブラックな感じがしなく、終末期医療の現実が書かれている。後書きにはほぼ実話と書かれています。
ただ、重度の認知症や統合失調症の病状を見たことがない人が読むとかなり重い内容なのでは…と思いました。
タイトルになってる「告知」で、先生が癌の告知をいかに回避しながら病状を説明する文章がミステリーを説いているように書かれていて引き込まれます。
「セカンド・ベスト」はALSの患者さんの終末期のお話。最後が久坂部羊さんらしいなと思いながら悲しくなりました。