久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
450ページの二段組みで読み応えありました。
厚労省の悪者官僚が超高齢化社会の問題を解決する為、意図的に医療を悪用してPPP(ピンピンぽっくり)を画策し、合法的に高齢者の突然死を実現させようとするお話し。
最後は悪は敗れるとなるのですが、今の日本の平均寿命と健康寿命の乖離を見るに、考えさせられるものがあります。
登場人物の描写などが非常に細かく書かれており、それが長編になってる理由というのもありますが、ダラダラ感はなく情景がよく分かります。また舞台になっているのが身近な所ばかりなのでその点も良かったです。面白かった~!ドラマ化したら話題になるやろなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久坂部さんの著書はどれも引き込まれる
「Rest in peace」
「善良なサイコパス」と「邪悪な健常者」
ある日突然殺人容疑者の妹になった薫子の思いも常識的なものだが、真也の発言も当事者の気持ちに寄り添ったものだったりしてわからなくなる
「生きることを無意識にいいことだと思い込んでいる」
死の欲動が強い人として女の太宰治といわれた久坂葉子という作家をあげている
真也は最後に自殺について
「漫然と憐れむことの無神経さ、思慮のなさにおまえは気づかないのか、そういう悪気のないふつうの感覚が、浅はかな自殺の否定につながっているんだ。」と薫子に言っている
ほんとうの思いやりとは…
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Posted by ブクログ
ネタバレ小説としてはあまり好みではないが、ノンフィクション風味として読むと大変興味深い本だった
私自身、死は救済だと思っているところがあるので、始終薫子の意見には疑問を抱きつつ読み進めた
亡くなった方の気持ちに寄り添うとしたら、今世から解放されてよかったねと思うけど
亡くなった人が親しい人だった場合、諸手を挙げてよかったねとは思えない、それこそ薫子のように相談してくれたらよかったのにと思ってしまう気がする
希死念慮と長年同居している私でさえそう思うのだから、通常の死を恐れる人たちにとっては自殺した人に寄り添うことなんてとてもじゃないができないのではないかと思った
生きる自由があるのだから死ぬ自由 -
Posted by ブクログ
医師作家による「人間の尊厳」を問い続ける内容であり、とても重く答えが出せなかった。
薫子の次兄が、自殺志願者を3人も殺害するという凶悪事件が起きたことから物語は始まる。
検察官のあざとい法廷戦略にも臆するとこなく、自分の意思を告げる次兄。
優しい次兄が、世間から極悪人と糾弾されるのが納得出来ず、以前通っていた心療内科医に相談したりと奔走する。
兄のことを善良なサイコパスだと言っていた心療内科医師こそが…。
すんなり納得できる結末ではなかったものの、テーマ事態が、自殺を容認できるか…につきると思ったので、自分にとっても重い課題を背負ったようだ。
昨今、特にコロナ禍になってからも感じる -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!
医療系の短編小説は特に読者と有識者の知識の乖離が起きやすいように思うが、今作はわかる、推察できるギリギリの用語が多く、興味深く読めた。
汚い部分や倫理観から外れている欲望なども小説内にあり、それは人の生死を見てきた人間が故なのかもなと考えさせられた。
しかしながらちゃんとした正義の軸もあり、人の多面性を感じられた。
嘘はキライ!内で出てきた本物親子丼、自分は良く思ったので食べられる場所があったら食べたい。
今まで読んだ中で1番巻末の書評が面白い。大体読んだ時に感じる感想はこの巻末の中野さんが書いてくれているから書くことが無い。