あらすじ
「心の病気で働けないヤツは屑」と言われる社会。「高齢者優遇法」が施行され、死に物狂いで働く若者たち。こんな未来は厭ですか――?現役医師の著者が、医療と社会の未来をブラックな笑いで描く短篇集。
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Posted by ブクログ
作者が医者なんで、医療が前面に出てるのは、そうやけど医療ミステリーやないな。イヤミスでもない。
後味が悪いという意味では、かなりやけど…
世間の矛盾というか、気にしながらも、どうにもなってないのを強烈に皮肉る感じ。
タイトルも何かありそうな感じ。
「無脳児…」は、タイトルからして、おい!そんなタイトルええんか!って思うけど…中身は、間違いでしたで済ませられんオチ。
何にしても、絶対はないのは分かるけど、医者に言われると不安になる…そうしか言えんのやろうけど。
「のぞき穴」は、安易に電車で読めない…覗かれたら、色んな文言で誤解されそう…
にしてもあかんやろ!この医者!
って感じの短編集7つでございます〜
Posted by ブクログ
医療をテーマにしており、作者も医者なので設定に矛盾などを感じず素直に読める。
対立する立場を描いており、自分だったらどちらの立場かを考えながら読んだ。生々しい話もあるが医者の苦悩が少しわかる気がした。
骨髄ドナーについて興味を持って調べた。今までの自分の知識が刷新されたので読んでよかった。
Posted by ブクログ
久坂部羊『黒医』角川文庫。
7篇収録の医療の未来を描いたブラック短編集。
爆発的な高齢者増加により貴重な働き盛りの若者が優遇される未来、生まれてくる子供が抱える障害に右往左往する夫婦、少年時代に女性器に異常な興味を持った産婦人科医……
現実と創作の境目が解らなくなりそうなブラックな短編ばかりだが、物足りなさを感じる。
本体価格640円
★★★★
Posted by ブクログ
この作家さんはお医者さんでもあるので、医療や医者の裏側的な事が描かれていて面白かった。
高齢化社会や妊婦の出生前診断、不妊治療や老人の死についてなど重いテーマだけどブラックユーモアがきいていて軽いタッチで読めた!
短編だったのでサクッと一気読みしました!
Posted by ブクログ
①人間の屑:あまり印象に残らず。
②無脳児は…:出生前診断の話。私には出産経験がないが、もしそういう機会があったとして、出生前診断をして、障害があるといわれたら、出産は出来ないと思ってるので、この話のように診断に誤りがあったとかだと、怖いなー。
③占領:老人優遇社会。20歳と45歳を行き来しちゃう男性が、将来の老人優遇社会を目の当たりにする。
④不義の子:一卵性双生児なら遺伝子同じなんだからどっちが父親でもいいじゃん、と個人的には思ったし、最終的には嫉妬深い主人公もそれに近い感情になったと思ったら、、、
⑤命の重さ:頼まれたら嫌とは言えない公務員が、上司に頼まれて骨髄バンクにドナー登録し、ドナーに選ばれる。家族に猛反対されつつもドナーの役割を果たすが…
主人公が報われない。かわいそう。
⑥のぞき穴:気持ち悪い
⑦老人の愉しみ:テレパシー
個人的には「無脳児は…」「不義の子」「命の重さ」がおもしろかった。
Posted by ブクログ
医療をテーマにした7つの短編集。
出生前診断によって胎児に重い障害があることが分かった夫婦の葛藤と残酷すぎる結末を描いた「無脳児はバラ色の夢を見るか?」、医療が発達することによって死ななくなった老人が膨れあがり若者を圧迫する「占領」、成り行き上骨髄バンクに登録することになった主人公が本当にドナーに選ばれてしまう「命の重さ」どれも本当にあってもおかしくない物語だと思った。
「のぞき穴」が強烈に気持ち悪くて印象に残った。好き勝手やって勝手に安らかに召されてるんじゃないよ…!!
Posted by ブクログ
誰も悪くはない、ないからラストはポッカリ穴が開く「無脳児─」。嫌らしさにゾクっとする「のぞき穴」。この男にとって最高の自己満足、まさに黒医。この二篇は出来がいいと思った。見えない部分が綺麗じゃないことは誰しもわかってる。この短編をどこか楽しんでいる君も黒いんだよって? それもわかってる。
Posted by ブクログ
初めて読んだ気がしないと思ったら、‹反社会品›の文庫本だった
名前変えて文庫本にするの、知らなかった
でもやっぱり読んでしまった【のぞき穴】は私の地元の海岸のことだったので、題材にされて嬉しいような悲しいような…
いろいろブラックすぎて二度よみでも満足しました!
Posted by ブクログ
久坂部羊さんの短編集好きですが、
BLACK 2 × HUMOR
ブラック感半端ないです。
登場人物が心の闇にのまれていく描写を読んでいると疲れてしまう。
だいたいラストにどんでん返しが出てきますが「不義の子」は最後2ページ驚きました。まさかね〜と。