久坂部羊のレビュー一覧

  • 芥川症

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    【医療小説の短編集】
    謎解きとか仕掛けより、心理描写が秀逸な著者。
    ニヤリとさせられる話から、ドロドロした話まで盛りだくさん。
    医療現場をちょっとだけ知ることができそうなのも良し。

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    2018年07月25日
  • 嗤う名医

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    【医者、患者は何を思う】
    医療ミステリー短編の6話。
    「寝たきりの殺意」は後の長編「老乱」の様な認知症高齢者が主役。認知症の人がどう世の中を見て、聞いて、感じるのかは分からないはず。認知症は不可逆的であるからだ。それは死の瞬間や死後が分からないのと近いのだが、恐らくこの様なのだろうと怖くなる、擬似認知症体験小説である。
    「嘘はキライ」は超能力SF短編といったところか。軽い話として楽しめる。

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    2018年07月15日
  • 第五番 無痛II

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    ネタバレ

    【ネタバレあり】



    無痛の続編。
    謎の新型感染症とパンデミックの恐怖が描かれる。新型カポジ肉腫に感染した人がじわじわと肉腫に蝕まれていく様子には戦慄した。以来ほくろが大きくなってないか気になってしかたない。現在では滅多に命を落とすことはないような病気でも、その治療法が確立するまでにはたくさんの人の命が犠牲になってきたんだな、と改めて思った。医者の地位向上のためにWHOが自作自演のバイオテロみたいなことをしているというのは、本当にあったとしたら恐ろしすぎる話だ。
    イバラは前作に引き続き、洗脳されて利用されて殺人の道具にされかかって…真面目に更生しようとしていたのに、どうしてそんな目に遭わなけ

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    2018年07月13日
  • 神の手(上)

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    「神の手(上)」(久坂部 羊)[電子書籍版]を読んだ。久坂部羊さんは初めてだな。結構引き込まれてしまった。さっそく(下)に進みます。

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    2018年07月05日
  • 廃用身

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    廃用身とは、脳梗塞などの麻痺で動かず回復しない手足をいう。神戸で老人医療にあたる医師漆原は、心身の不自由な患者の画期的療法を思いつく。それは廃用身の切断だった。患者の同意の下、次々に実践する漆原を、やがてマスコミがかぎつけ悪魔の医師として告発していくー。

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    2018年06月16日
  • 神の手(下)

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    安楽死問題に正面から取り組んだ意欲ある作品。
    日本が(正しい表現でないかもしれないけど)安楽死に関しては後進国。あるいは慎重な国である。
    筆者は「破裂」でも安楽死の問題を取り上げており、テレビで見ていたのでこの作品も素直に入り込めた。
    あとは政治と医療の闇の部分が小説を面白くしている。

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    2017年12月29日
  • 神の手(下)

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    「安楽死を執り行う医師は、”神の手”を預託された存在」とはいっても、人の命を奪う殺人行為に変わりはない。
    安楽死をめぐって、その賛否両勢力がせめぎ合う。
    医師ばかりでなく、読者にとっても安楽死の問題は、けっして他人事ではない。
    医療技術の進化は、新しい命題を我々に突きつける。この小説をきっかけに、その是非について考えてみるのもいいだろう。
    物語は、安楽死問題も絡む医療庁設置の画策や、それに纏わる殺人事件に自殺も相次ぎ、いよいよミステリーの様相を呈してくる。
    そして明らかになる「センセイ」の正体・・・
    医療情報小説にミステリー小説と、二倍楽しめるエンターテイメント。

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    2017年12月19日
  • 神の手(上)

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    常に患者を最優先することを心がけている主人公の医師。
    そして、末期がんの患者に真摯な対処をしたにもかかわらず、その賛否をめぐり否応なく安楽死の論争に巻き込まれてゆく。
    患者の母親を中心とした執拗に安楽死を認めない勢力に対し、安楽死法の成立を画策推進する勢力。
    その後ろ盾となる政治家が、「センセイ」と呼ぶ人物は誰なのか。推進勢力には何やら不穏な思惑がありそうで、ミステリアスな展開が続く。
    また、著者の作品の数々は、医療情報小説としても読むことができる。
    例えば、「医師会がこだわり続ける出来高払い制度では、・・・出来の悪い医者ほどもうかる仕組み・・・」とか。
    現役医師の著者ならではの著述が続き、楽

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    2017年12月19日
  • 神の手(下)

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    安楽死とはどういうものか、よく調べたこともなかったので、序盤の「若者の患者にこそ安楽死が必要」という説明にまずはっとした。安楽死が必要な理由も問題点も非常に丁寧に描かれていて、安楽死を実行した医師の主人公が最後まで迷い続ける様子が印象的だった。
    色々想像されるような含みを持たせた終わり方に、読後思わずため息が出た。

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    2017年12月03日
  • 虚栄 下

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    足の引っ張り合いしかしてないね。この人達は。
    そして、別のプロジェクトになっても同じ事になるのか。
    何だか情けないんだけど

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    2017年11月11日
  • 虚栄 下

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    ネタバレ

    がん治療のためにプロジェクトが立ち上がる。G4って。
    自分や近しい人が患ったことがないので、自分だったらどうするか?という視点で読んでた。治療はすべきか否か。がんで亡くなる人をたくさん見送っている看護師の友達は、治療せず限りある余命を楽しんだほうが幸せそうと言ってた。
    手術も放射線治療も抗がん剤も免疫療法も、無駄なのかな。治療より予防できればいいのに。

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    2017年11月09日
  • 虚栄 下

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    下巻に至っても、外科、内科、放射線科、免疫療法科、それぞれの科の、しがらみと嫉妬と利己主義に凝り固まった医師たちが互いの足を引っ張り合う。
    思惑が錯綜し、医師たちの醜さがこれでもかと、描き出される。
    そんな中、唯一誠実な医師雪野の行動が、清涼剤となっている。
    書中、著者はタイトルの言葉を使い、医師に語らせる。
    「今は医学が進んでいるから、何でもわかるはずだと考えている人が多いようです。決してそんなことはない。実際はわからないことばかりです。何でもわかるように見せかけているのは、医者の虚栄ですよ」
    一方で、一人の医師にこんな発言もさせる。
    「日本の超高齢化社会のひずみと、進みすぎた医療の矛盾、寝

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    2017年10月22日
  • 虚栄 上

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    現役医師ならではの、専門知識に満ちた医療小説。
    次々と専門用語が飛び出し、治療法が語られ、読んでいるだけで、がんに関する知識が身につく!?
    増殖遺伝子の制御。がん幹細胞。センチネル・リンパ節。電磁波がん凶悪説。真がん・偽がん説。・・・etc
    小説は、国内でがんの凶悪化が問題視され、その対処のため時の総理大臣の肝いりで”プロジェクトG4が結成される。
    手術でがんそのものを取り除く外科、抗がん剤等薬で治療する内科、がんに放射線を当て治療する放射線科、がんを攻撃する免疫細胞の攻撃力を高める免疫療法科。
    この四科の医師たちがそれぞれの優位性を誇り、様々な手を使い、策を巡らす。
    やがて、がんを研究する医

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    2017年10月26日
  • 神の手(下)

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    医療ミステリー(?)を読むのは初めてだったが…面白かった!上巻だけなら、実話かと思うほど。

    「神の手」というタイトルは医師の驕りを揶揄しての言葉なのだろうか。医学と医術の目覚ましい進歩で、救えなかった命が救えるようになり、人の生死という神の領域にまで踏み込んでしまった「神の手」を持つ医師の。
    日本の医療の問題についても考えさせられた。この本を読んで、余計に分からなくなってしまった。

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    2017年10月22日
  • 神の手(下)

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    久坂部さんの小説は、もうほんとに凄すぎて、ノンフィクションかと思ってしまいます。
    安楽死について、考えてしまった。

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    2017年10月10日
  • 虚栄 下

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    ネタバレ

    がん治療の国家プロジェクト発足の理由が衝撃的、かつ現実にありそうで恐怖すら覚えます。また、それをネタに事実を脚色して金稼ぎするマスコミと、そのマスコミを利用して権謀術数を企てる医療界の面々を見ていると、ホント何を信じたら良いか分からなくなります。

    そんな中、象徴的だと思ったのは矢島塔子の存在。治療法を医者に丸投げせず、自分なりに治療法を調べ、その方針に基づいた治療を行なった結果の生還。

    現在、医療に関しては様々な情報源がある時代。(利権を追い求めているかもしれない)医者に頼り切るのではなく、患者側も自分で自分が抱える病を知り、どのように向き合っていくかを自分で決めるべきではないか。

    そん

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    2017年10月01日
  • 嗤う名医

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    医療関係のお話が6編入った短編集。ミステリー、とあるけど…どうなんだこれは(^^; どのお話もかなり毒がきいてて、結構好きだな~。現役医師の書いた小説だと思うと、エロもグロもあんまり生々しく感じないというかうっすらエタノールの匂いがするというか…そんなん私だけか? 私はいわゆる軍艦頭なので『愛ドクロ』に出てきたような、自分の頭蓋骨の3D映像をぜひ見てみたい!(笑)

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    2017年09月28日
  • カラダはすごい! モーツァルトとレクター博士の医学講座

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    豆知識のような小粒の情報ばかりでやや退屈してきますが、時折「自分の精子を三日間観察した」などという著者の狂気が垣間見え、中々侮れません。

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    2017年09月19日
  • 嗤う名医

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    医療に携わる人の環境などが勉強になった。少し過激な描写もあったが、また違う作品も読んでみたいと思った。オチが少し弱い気もする。

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    2017年07月09日
  • 嗤う名医

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    医療関係の短編集です。
    専門用語などはありますが、そんなに難しいこともなく、医者の世界のおかしさ・世界の狭さなどがうまく描かれています。
    医療に携わる人間であれば、シニカルに笑えるという感じだと思います。
    もっと他の著作も読んでみようと思います。

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    2017年07月01日