久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
在宅医療クリニックに勤める看護師の視点で描いた、6編の連作医療小説。
何れもリアル感に満ち、あとがきによると著者が在宅医療に携わった体験に基づいた実話だということで、納得。
まず、1話目の「綿をつめる」で、死後処理の克明な描写に圧倒されてしまった。
続いての認知症患者とその家族の「罪滅ぼし」には、涙腺を刺激され、「告知」では自分の場合ではと思い惑うが、「アロエのチカラ」には、そこまで縋りはしないのではないかと。
「セカンド・ベスト」は、究極の問題=安楽死がテーマ。
どのケースもいずれ、原題の「いつか、あなたも」の通り、自分の身に起こるかもしれない、起こるであろう問題。
そうなった時どうする?と -
Posted by ブクログ
ネタバレ【ネタバレあり】
無痛の続編。
謎の新型感染症とパンデミックの恐怖が描かれる。新型カポジ肉腫に感染した人がじわじわと肉腫に蝕まれていく様子には戦慄した。以来ほくろが大きくなってないか気になってしかたない。現在では滅多に命を落とすことはないような病気でも、その治療法が確立するまでにはたくさんの人の命が犠牲になってきたんだな、と改めて思った。医者の地位向上のためにWHOが自作自演のバイオテロみたいなことをしているというのは、本当にあったとしたら恐ろしすぎる話だ。
イバラは前作に引き続き、洗脳されて利用されて殺人の道具にされかかって…真面目に更生しようとしていたのに、どうしてそんな目に遭わなけ -
Posted by ブクログ
「安楽死を執り行う医師は、”神の手”を預託された存在」とはいっても、人の命を奪う殺人行為に変わりはない。
安楽死をめぐって、その賛否両勢力がせめぎ合う。
医師ばかりでなく、読者にとっても安楽死の問題は、けっして他人事ではない。
医療技術の進化は、新しい命題を我々に突きつける。この小説をきっかけに、その是非について考えてみるのもいいだろう。
物語は、安楽死問題も絡む医療庁設置の画策や、それに纏わる殺人事件に自殺も相次ぎ、いよいよミステリーの様相を呈してくる。
そして明らかになる「センセイ」の正体・・・
医療情報小説にミステリー小説と、二倍楽しめるエンターテイメント。 -
Posted by ブクログ
常に患者を最優先することを心がけている主人公の医師。
そして、末期がんの患者に真摯な対処をしたにもかかわらず、その賛否をめぐり否応なく安楽死の論争に巻き込まれてゆく。
患者の母親を中心とした執拗に安楽死を認めない勢力に対し、安楽死法の成立を画策推進する勢力。
その後ろ盾となる政治家が、「センセイ」と呼ぶ人物は誰なのか。推進勢力には何やら不穏な思惑がありそうで、ミステリアスな展開が続く。
また、著者の作品の数々は、医療情報小説としても読むことができる。
例えば、「医師会がこだわり続ける出来高払い制度では、・・・出来の悪い医者ほどもうかる仕組み・・・」とか。
現役医師の著者ならではの著述が続き、楽