久坂部羊のレビュー一覧

  • いつか、あなたも

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    在宅医療に関する短編6編。
    最期を自宅で迎えたいと誰しもが考えるのではないだろうか。
    住み慣れた家で家族が側にいてくれればかなり落ち着けそうだもの。
    自分の最期もそうありたいなぁ。
    それに付き合ってくれる医師、看護師さんの苦労は大変なものだろうな。それでも、在宅医療を望む患者がいるならばぜひにも協力して欲しいわ〜。
    それにしても、最期まで痛みに苦しむのはちょっとキツイ。
    なんとかならないものだろうか。

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    2015年12月27日
  • 神の手(下)

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    下巻に入り、当初の安楽死の問題よりも医師会問題に重点が置かれたようになる。
    そのため、興味を持ちきれない。
    途中にはさまれる白川とは別の安楽死反対派の医師が、苦しむ患者を前に安楽死を決断出来ない状況の描写は、医師ならではの生々しい残酷さで読者を引き込む。

    この作品では、多くのひとが死んでいく。殺されたり自殺したり。
    安楽死と医師会の問題に巻き込まれ、ひとが実際に死んでしまうことはあるのだろうけれど、警察も余り捜査をしていなかったり、犯人がどういう手口で犯行を行ったのかが重視されていない。
    ひとが死んでいるのに、あっさり過ぎてしまうということに、ひとの命を雑に扱っている印象を受け、読んでいて気

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    2015年12月09日
  • 神の手(上)

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    安楽死と医師会に焦点を絞った、久坂部羊さんらしい医療への問題を掲げた作品。

    21歳の末期癌患者である若者の除ききれない激痛と向き合う主治医白川。
    付き添いをしている伯母の頼みもあり、患者自身の意思を確認したため、安楽死を決断する。
    しかし、殆ど見舞いにも訪れなかった母親によって告発される。

    安楽死の四要件(P46)
    患者が耐えがたい肉体的苦痛に苦しんでいること。
    苦痛を除去する方法を尽くし、ほかに代替手段がないこと。
    生命の短縮を承諾する本人の、明示的な意思表示があること。
    死が避けられず、死期が迫っていること。

    白川も感じているが、この要件って少しおかしい。
    痛みがあって苦しんでいて、

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    2015年12月07日
  • いつか、あなたも

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    ネタバレ

    最初のと最後のが良かった。
    フィクション分があるとはいえ
    現場ではこういうことが起きてるんだな。

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    2015年12月05日
  • 第五番 無痛II

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    前作の無痛より、こちらの作品の方が読みやすい。
    ストーリーの面白さに欠けたが、日本の医療や日本人の医療に対する考え方について、作者の思いが強く感じる。恥ずかしながら、人間ドックが日本人独特の考えから成り立っており、欧米には存在しないこと、そのような考え方がないことを知らなかった。
    病気はどうしようもない事が多く、医者は万能ではない事は、心に刻みたい。

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    2015年11月10日
  • 破裂(上)

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    ある過激な高齢化社会対策と医療裁判の話。現代社会に警鐘を鳴らす超意欲作だが話が冗長すぎるのが気になる。ドラマでは主人公を削っても話が成り立つのが無駄なエピソードが多い証。だが好きな作品。

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    2015年10月02日
  • いつか、あなたも

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    *在宅医療専門クリニック看護師の“わたし”と新米医師、院長らが、患者本人と家族、病とその終焉に向き合う。終末医療、看取り、安楽死、死後処置…カルテに書かれない六つの物語*

    これは小説ではなく、ほぼ実話とのこと。重く哀しくやるせないが、綺麗ごとではない、これが現実。

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    2015年05月12日
  • 破裂(上)

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    医療過誤は、ニンゲンであるからこそ、起こる。
    それを どう防ぐかが 課題なのだが。

    松野という ジャーナリスト。
    正義 という言葉を振り回すいやな記者。
    そのオトコが、医療過誤を 追求する。
    設定の角度が イマイチ だね。
    自分が ガンだと診断されたが、それが誤診だった。
    その体験が 医療に不信をもち、追求しようとする。

    江崎は 麻酔医。
    痛恨のミスを 事例として集める。
    なぜなのか?
    どうも、その動機が よく見えない。
    医療を どのように 変えていくのかが
    見えていないような気がするから、物足りないのか?

    香村は 心臓外科の助教授。
    エリート中のエリート。
    研究の水準が高いが、手術は 

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    2015年04月29日
  • いつか、あなたも

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    在宅医療に興味のある私にとっては、とても興味深い
    この超高齢化社会では、需要はどんどん増える

    素人なんだから、しょうがないだろう

    でも、自分にとって大切な人の介護なのだから
    無関心でいる訳には行かない
    もう少し基礎的な知識があると良いのに

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    2015年01月28日
  • 神の手(下)

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    ネタバレ

    上巻はかなり惹き込まれて読んだのですが、下巻は上巻でちりばめられたいろんな要素の畳み方がちょっと雑に感じられてしまい、残念。

    まずはJAMA。様々な知謀を巡らせて国内医療の覇権を握ったと思ったら、代表の新見はおかしくなっちゃうし、その後不自然なほどバタバタと人が死んでいくし…

    そして阻止連。結局無能な集団のまま消滅。唯一まともだった東氏は新見の手でアッサリと離脱。古林康代もサックリ死亡。

    これだけ関係者が不審死してたらだれがどう見ても超怪しんで、わずかでも関係している人たちに捜査の目を向ける思うんだけど。

    で、話の黒幕「センセイ」の正体のガッカリ感といったら…正直、何の驚きも無かったし

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    2015年01月03日
  • 破裂(上)

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    様々な立場の人が、それぞれの思惑で一つの医療ミス裁判に関わっていく。
    人間である以上ミスは必ず起こるのであり、ベストを尽くした(であろう)医師を責めても仕方がないと思う反面、遺族は許せんよなぁと思ったり…

    松野の歪みは腹立つな、と思っていたら、後編の裏表紙のあらすじが、すごいネタバレしてきた。

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    2014年12月05日
  • 人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期

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    お父様の介護について書かれている
    医師として忙しいのに、自宅で介護されていた
    多くの経験をしているからこそ、落ち着いて介護されているけれども
    決して楽ではなさそう
    医療行為は拒んでいても
    寝たきりになったので、身の回りの世話は必要
    しかも、せん妄とか、不穏な状態にもなり
    介護する側の疲れや不安も大変そう
    それでも、比較的には安らかに逝けた方らしい

    自分の時は、どうなるやら

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    2014年11月23日
  • 破裂(下)

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    手術の医療ミスで大金を請求するなら、逆に手術が成功したときには同じくらいの報酬をよこせ、的な記述があって、結構納得してしまった。
    人間なんだから絶対ミスをしないなんて無理だし、どんなに注意して二重三重のチェック機構を作ったとしても100%ミスをなくすことはできないと思う。ミスを減らすことはできるかもしれないけど。
    だからといって医者の凡ミスで命を落とした人とその遺族は仕方ないと思えないっていうのもわかる。

    医療ミスとは別に少子高齢化の問題も出てきて、いろいろと考えさせられる。
    でも私もピンピンポックリがいいなあ。

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    2014年02月08日
  • 思い通りの死に方

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    死にたくても死ねない長命地獄社会、治療の苦しみがわからない、幻想を与えてお金を儲けている医者。納得のいく生き方をすれば、死に方はどうでもよくなる。

    医療の歴史。ここまで出来るようになったと言うべきか、まだまだ遠いと言うべきか。

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    2014年03月17日
  • 医療幻想 ―― 「思い込み」が患者を殺す

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    世間では、あちらもこちらも立つようなバラ色の幻想が、マスメディアを中心として拡大再生産されている。

    気付かない人と、気付かないフリをしている人。いつかは気付かされるんだろうけど。

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    2013年06月02日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    タイトルからはもっと軽いタッチの作品かと思ってたけど、いたって真面目な内容。ちょうど同時期に読んだ“医療の限界”と似てるな~、って思ってたら、やっぱり本作者も少なからず共感されてました。でも日常業務の忙しさのあまり、声を上げて医療の現状の打破を試みる人がほとんどいないから、こういう主張をどんどんしていくべきだとは思います。

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    2013年02月16日
  • 思い通りの死に方

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    高齢者は不調を病気のせいにしたがる。一部の例外の元気な高齢者や闘病環境に恵まれた立場の人が手本になってはならない。胃ろうをしたらまた口から食べられるようになる、というのは、この株は絶対にあがる、というのと同じ、だと。僕は長生きするつもりでいるけれど、突出して長生きで元気な人が世の中に自慢するのは害悪だと言い切られた。年代や立場で感触が大きく変わりそうな本。ただ、歳をとればそれに応じた変化がでるのが当たり前、そろそろお迎えがくるよ、という表現ができる社会に、というのは、いまのところ、賛成。

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    2013年01月31日
  • 思い通りの死に方

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    体の不自由も痛みも「年のせいだから受け入れろ」と言われてもねえ・・・・。いずれ死ぬことは仕方がないとしても、腰が痛い膝が痛い何が痛いというのを、我慢しろというのは殺生だと思います。
    老いることは、すなわち高齢障害者になること。元気な年寄りは例外なのだと口をそろえるお二人。だったら、だからこそ、年寄りの体の痛みにはもっと同情してしてほしいと思いました。
    しかし、老いにともなう痛みの問題以外は、「死と太陽はみつめられないから、死をちら見しながら、明日死んでもいいように毎日を生きよう」という話など、その通りだなあと思うことばかりでした。

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    2012年11月17日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    この本のタイトルと内容には相当開きがあります。

    医学部、大学病院、医局から観た医療制度改革の問題点について医師から見た意見であり、それを正しいと思うか?おかしいと思うかは読み手次第でしょう。

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    2012年10月03日
  • 思い通りの死に方

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    久坂部 羊 さんの作品を読んで、興味があったので手に取った。「老い」と「死」について加齢とともに考えてそれを受け入れ、明日死んでもいいように悔いなく生きなさいってことが書いてあった。がんになっても治療せず延命治療もしないで、生きた方がいいという考えの著者なので、それはそれでこういう考え方もあるのだと思って読むのが良いと思った。

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    2012年10月01日