久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
下巻に入り、当初の安楽死の問題よりも医師会問題に重点が置かれたようになる。
そのため、興味を持ちきれない。
途中にはさまれる白川とは別の安楽死反対派の医師が、苦しむ患者を前に安楽死を決断出来ない状況の描写は、医師ならではの生々しい残酷さで読者を引き込む。
この作品では、多くのひとが死んでいく。殺されたり自殺したり。
安楽死と医師会の問題に巻き込まれ、ひとが実際に死んでしまうことはあるのだろうけれど、警察も余り捜査をしていなかったり、犯人がどういう手口で犯行を行ったのかが重視されていない。
ひとが死んでいるのに、あっさり過ぎてしまうということに、ひとの命を雑に扱っている印象を受け、読んでいて気 -
Posted by ブクログ
安楽死と医師会に焦点を絞った、久坂部羊さんらしい医療への問題を掲げた作品。
21歳の末期癌患者である若者の除ききれない激痛と向き合う主治医白川。
付き添いをしている伯母の頼みもあり、患者自身の意思を確認したため、安楽死を決断する。
しかし、殆ど見舞いにも訪れなかった母親によって告発される。
安楽死の四要件(P46)
患者が耐えがたい肉体的苦痛に苦しんでいること。
苦痛を除去する方法を尽くし、ほかに代替手段がないこと。
生命の短縮を承諾する本人の、明示的な意思表示があること。
死が避けられず、死期が迫っていること。
白川も感じているが、この要件って少しおかしい。
痛みがあって苦しんでいて、 -
Posted by ブクログ
医療過誤は、ニンゲンであるからこそ、起こる。
それを どう防ぐかが 課題なのだが。
松野という ジャーナリスト。
正義 という言葉を振り回すいやな記者。
そのオトコが、医療過誤を 追求する。
設定の角度が イマイチ だね。
自分が ガンだと診断されたが、それが誤診だった。
その体験が 医療に不信をもち、追求しようとする。
江崎は 麻酔医。
痛恨のミスを 事例として集める。
なぜなのか?
どうも、その動機が よく見えない。
医療を どのように 変えていくのかが
見えていないような気がするから、物足りないのか?
香村は 心臓外科の助教授。
エリート中のエリート。
研究の水準が高いが、手術は -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻はかなり惹き込まれて読んだのですが、下巻は上巻でちりばめられたいろんな要素の畳み方がちょっと雑に感じられてしまい、残念。
まずはJAMA。様々な知謀を巡らせて国内医療の覇権を握ったと思ったら、代表の新見はおかしくなっちゃうし、その後不自然なほどバタバタと人が死んでいくし…
そして阻止連。結局無能な集団のまま消滅。唯一まともだった東氏は新見の手でアッサリと離脱。古林康代もサックリ死亡。
これだけ関係者が不審死してたらだれがどう見ても超怪しんで、わずかでも関係している人たちに捜査の目を向ける思うんだけど。
で、話の黒幕「センセイ」の正体のガッカリ感といったら…正直、何の驚きも無かったし