久坂部羊のレビュー一覧

  • 人はどう老いるのか

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    人の名前が思い出せず、口をついて出るのは「あれ、それ」ばかり。白髪や皺、シミが増えて、鏡を見るのも嫌になる。腰痛や関節痛がひどくなり、歩くのも辛くなる。視力が衰え、本を読むことすらままならない。…遅かれ早かれ、人は誰しも老いる。健康寿命が尽きても、暫くは生きていく。医学は万能ではなく、若さは取り戻せない。巷に広がる健康情報には商業的な意図もあり、過度な期待をしてはいけない。できなくなることや不便になる現実を受け入れ、一瞬一瞬の今を味わう。老け行く自分。やってくるその時に備え、心の準備もしておいた方がよい。

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    2024年10月21日
  • 人はどう老いるのか

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    老人医療に携わる医者からの提言。老いの実態から、病、医療現場、治療の限界、、まぁ、本来あまり知りたくないことがたくさん書かれてる。大事なのは、心の準備。多くを望まず、受け入れる寛容さ。難しいが、納得の一冊だ。

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    2024年10月20日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    医療従事者でありながら小説も書く、凄い方々の短編集。どの話も知識と経験をもとに書かれているので、現実感アリアリ。「魚類譚」、「パイナップルがある光景」、「闇の論文」、「空中テント」が面白かった。

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    2024年10月14日
  • 廃用身

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    珍しい展開の小説(ドキュメンタリー?)でした。久坂部先生の考えの土台となる作品と思います、自分が将来このようなシチュエーションになったら、どうするか?考えさせられました

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    2024年10月12日
  • 人はどう悩むのか

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    人生を老年から振り返る内容。久坂部先生の著者としては今一つでした。以下の言葉は参考になりました。本気でそう思う時には、水面下で気持ちがかたまるもの。思うがままにならないことを、思うがままにしようとして人は苦しむ。人の悩みの本質は変わらない

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    2024年10月06日
  • 黒医

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    ネタバレ

    ①人間の屑:あまり印象に残らず。
    ②無脳児は…:出生前診断の話。私には出産経験がないが、もしそういう機会があったとして、出生前診断をして、障害があるといわれたら、出産は出来ないと思ってるので、この話のように診断に誤りがあったとかだと、怖いなー。
    ③占領:老人優遇社会。20歳と45歳を行き来しちゃう男性が、将来の老人優遇社会を目の当たりにする。
    ④不義の子:一卵性双生児なら遺伝子同じなんだからどっちが父親でもいいじゃん、と個人的には思ったし、最終的には嫉妬深い主人公もそれに近い感情になったと思ったら、、、
    ⑤命の重さ:頼まれたら嫌とは言えない公務員が、上司に頼まれて骨髄バンクにドナー登録し、ドナ

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    2024年10月16日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    3人の自殺幇助をしたとして逮捕された兄。
    妹の薫子は未だついていけない状況の中、事件を知ろうと奔走する。

    医師作家による自殺、自殺幇助といった重いテーマ。
    人の命を救う医者は自殺志願者をどう思ってるんでしょうね…(お勉強だけができて人間性はカスみたいな医大生の事件もよくあるから、崇高な人間ばかりじゃないと思いますが。)

    P226生と死の欲動が人間にはあって、人によって比率が違うって、すごくしっくりきた表現。
    自殺完全否定派と、希死念慮に一部でも理解がある人との価値観は交わらない気がする。
    失恋ぐらいで、時間が経てば立ち直れたのに、ってその時の故人が耐えられないから自殺を選んだ辛い状況だった

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    2024年09月08日
  • オカシナ記念病院

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    久坂部氏の主張は一貫してる。
    一良の影響されやすさと突っ走りすぎが微笑ましい。
    患者としては岡品記念病院で是非看取っていただきたい。

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    2024年08月30日
  • 人はどう老いるのか

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    老いるというものを、メカニズムではなく、老いた上でどう老いと付き合い生きていくのかという観点で書かれた本。
    老いは防げるに越したことはないが、現実的には老いは必ずやってくるもので、死と同じでどう付き合っていくかを考えさせてくれる本。

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    2024年08月03日
  • 無痛

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    ネタバレ

    読み終えて、かなり怖い話だった。
    題名から推測するように痛みを感じない人が犯人であるミステリ小説だか、体の痛みではなく心の痛みも所々に書かれている気がした。
    痛みとは何か?そんな事を色々な点から疑問視して読者に訴えかけ、そこにミステリをうまく混ぜ合わせるそんな作品でした。

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    2024年07月20日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

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    流石全員医師だけあって、医療現場の描写は迫力あるし、過労死ライン超過等の働き過ぎ問題や様々な課題が浮き彫りにされているが、小説としての上手さや完成度は、やはり久坂部氏以外は然程でもない。南杏子氏は出版社勤務から医師になった変わり種らしく、文章のセンスはなかなかだった。

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    2024年06月19日
  • 第五番 無痛II

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    新型カポジ肉腫…
    恐ろしい…
    新しい病気が見つかり、その脅威がまだ未知数の時の恐怖感は、コロナの時を思い出させた。

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    2024年06月18日
  • 黒医

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    医療をテーマにした7つの短編集。
    出生前診断によって胎児に重い障害があることが分かった夫婦の葛藤と残酷すぎる結末を描いた「無脳児はバラ色の夢を見るか?」、医療が発達することによって死ななくなった老人が膨れあがり若者を圧迫する「占領」、成り行き上骨髄バンクに登録することになった主人公が本当にドナーに選ばれてしまう「命の重さ」どれも本当にあってもおかしくない物語だと思った。
    「のぞき穴」が強烈に気持ち悪くて印象に残った。好き勝手やって勝手に安らかに召されてるんじゃないよ…!!

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    2024年06月10日
  • 健康の分かれ道 死ねない時代に老いる

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    検査の無駄みたいな事を書かれていて参考になりました。またピンピンコロリは人によっては良くないとの事が心に残りました。

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    2024年06月10日
  • 人はどう死ぬのか

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    死の舞台裏を見ることができた。
    無駄に長生きすることも考えもの。

    がん検診による被曝による発がんという言葉も印象的だった。

    現代の医療には多くの矛盾や疑問が残る中、医者も患者と向き合わなければいけない現実があるとことを知ることができた本。

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    2024年05月31日
  • 無痛

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    ミステリーとしては楽しめなかったが、刑法39条について再考させられる作品だった。

    物語の展開やキャラクターの行動が予測しやすく、ミステリーとしての驚きや緊張感が欠けていた。しかし、登場人物たちの行動や事件の背景に刑法39条が深く関わっており、この法律の適用やその影響について考えさせられる場面が多かった。

    例えば、精神病を装って攻撃しようとするシーンなどが挙げられる。これらのシーンを通じて、刑法39条がどのように悪用される可能性があるのか、またその結果としてどのような問題が生じるのかが描かれている。

    ミステリーとしての魅力には欠けるものの、刑法39条の問題点やその適用について深く考えさせら

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    2024年05月15日
  • 無痛

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    読み終わるまでが長かった。

    見ただけで病気が分かるって超能力的な意味かと思ったらちゃんと理由があって納得。現実に有り得そうな気もしたし。

    とりあえず元夫が胸糞悪い。なので途中の展開はスッキリできた。可哀想だけど。

    なんだかモヤッとする結末だし読み終わった後は不快感が残る。グロ苦手な人はもっと駄目かもしれない。

    続編があるらしいのでそっちも読みたいと思う。

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    2024年04月27日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

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    優しかった兄が、三人もの自殺志願者を殺めた――。世間から極悪人と糾弾される村瀬真也。連続凶悪事件を犯した兄が語り始める不可解な動機を解き明かそうと、妹の薫子は奔走するが、一線を越えてしまった真也の「知らなかった一面」に衝撃を受ける。自殺志願者を次々殺めた男の告白から見えてきた真実とは――。行きすぎた正義と、無関心な親切は、どちらが正しいのだろうか。誰もが目を逸らしたくなる問題に、著者自身も懸命に向き合い書き下ろした長編小説。



    ☆3つにしてるけど 3.5にしたい!
    村瀬真也の考え方に共感してしまう部分もあり 自分がちょっと怖くなる
    本人の意思を尊重するのはとても大事だと思うけど 嘱託殺人っ

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    2024年04月11日
  • 人はどう老いるのか

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    老人デイケアに勤めた経験から見えてきた老いるとはどうゆうことか、について書かれた本。
    いろいろな老人の実態が書かれていて興味深い。
    中番から後編では老いや死にどう対応していくかが書かれていた。
    老子や、釈迦の考え方を示していた。

    弄便(ロウベン)認知症介護の最難関。認知症になると、便が臭い感覚がなくなり、便がきたないもの認識が消える。便を粘土のようにこねたり、ポケットにしまい込んだりする。

    認知症の種類は4つに分けられ、混合型もある。
    どの型かは死後脳を見てみないとわからないことが多い。
    アルツハイマー型、レビー小体型、前頭葉側頭型、脳血管性。

    認知症に様々なタイプがある。多幸型、不機嫌

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    2024年04月10日
  • 告知

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    在宅医療短編。
    医療スタッフと、患者と、家族と、それぞれの綺麗事ではない思いがリアルに書かれている。
    久坂部氏特有の毒はあまり感じないが、現実的なだけに重く、ハッピーエンドにはならない。
    どのように死ぬのかはどのように生きるのかであり、間際の自分が何を手元に残すのか。
    必ずくる未来にむけて、しばし考える。

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    2024年03月11日