久坂部羊のレビュー一覧
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芥川の小説を再構成した医療エンターテイメントに続く、名作のパロディー医療エンタメ(解説者によると正確にはパスティーシュというそうだ)。
名作をちょっとひねった題名にシニカルさを、その内容にブラックさを味わうことができる。原作をしっかり読み込んで理解したうえでないと、このような作品は書けないのでは。
その一編『アルジャーノンにギロチンを』は、日記形式で構成されている。高慢な医者すぁる主人公は、認知症を恐れ、日記をつけているが、その進行と共に徐々に文章が乱れてくる。
既視感があると思ったら、著者の『老乱』でも、主人公にあたる老人の日記で、認知症の進行具合が迫力満点に描かれていた。
いずれも、現役の -
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久坂部羊『カネと共に去りぬ』新潮文庫。
世界文学のパスティーシュ医療ブラックユーモア短編集。世界の名作小説を連想させるようなタイトルの『医呆人』『地下室のカルテ』『予告された安楽死の記録』『アルジャーノンにギロチンを』『吾輩はイヌである』『変心』『カネと共に去りぬ』の7編を収録。
最近の久坂部羊の作品はシリアス路線ではなく、ブラックユーモア路線の作品が目立つ。本作に収録されたいずれの短編もブラックでユーモラスな一面を持つのだが、シリアス路線の方が好きだな。
『医呆人』。アルベール・カミュの『異邦人』のパスティーシュ。村壮はムルソーのパロディだし、基本的なプロットも元ネタのパロディだ。主人 -
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ストーリーは
52歳の男性、ガンが再発、治療の結果
「残念ですが、もうこれ以上、治療の余地はありません」
と若い外科医に余命宣告されてしまう
「つらい抗生剤治療で命を縮めるより時間を有意義に」と
52歳の男性「先生は、私に死ねと言うんですか」
納得いかない男性「もう先生には診てもらいません!」
若い外科医を恨みながら「ガン難民」になってしまった男性
苦しみの果てホスピスにたどり着くまでを
患者の苦しみ、医者の悩みを対比させながら、展開される
わたしなら?
昨日見た再放送
NHK「ドキュメント72時」「海の見える老人ホーム」
の中でホーム住人高齢の男性がいみじくもおっしゃっ -
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センセーショナルなタイトルからすると、大学病院は無理な人体実験を繰り返したり、研修医や医学部の学生の練習の場であり、それを告発する内容かと思いきや、全く逆で、大学病院は信頼に足り、また事件や事故のたびに、マスコミの批判や理想論に対応したこれまでの改革が、旧制度の医局を喪失したりして、それらが日本の医療の崩壊に向かっているという憂国(憂医療?)の書である。
医局の件については特に力点を置いている。
(注)医局とは医師・歯科医師の執務室、控室のことを指す。ここから転じて、大学医学部・歯学部の附属病院での診療科ごとの、教授を頂点とした人事組織のことを医局と呼ぶ。
「旧弊な医局制度が破綻し、医師は