久坂部羊のレビュー一覧
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医学というと難しい印象を持つが、医師兼作家の著者が身体の仕組みを解説。巷で流行っている健康に関する話題が、実はそういうことでもないんだよ、ということも解説。
幸い今のところ自分は健康体でかつ健康オタクでもないので本書にお世話になる内容は少ない。一番勉強になったのはアルコールを飲むとトイレに行きたくなるわけ。アルコールには利尿作用があるのではなくて、抗利尿ホルモンの動きを抑える働きがあるということ。言い方を変えれば、本来身体には脱水になるのを防ぐために抗利尿ホルモンがあるが、アルコールを摂取すると身体が「アルコールはよくない」と反応して抗利尿ホルモンにブレーキをかけて、ア利尿を促すもの。
最近自 -
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著者のデビュー作『廃用身』に度肝を抜かれ、その後のいずれの作品にも衝撃を受けました。いちばん最近読んだ『嗤う名医』で初めて短編を読み、その腕にも唸りました。本作はそんな著者による芥川龍之介作品のパロディ。登場順に(括弧内が芥川の元ネタ)、『病院の中』(『藪の中』)、『他生門』(『羅生門』)、『耳』(『鼻』)、『クモの意図』(『蜘蛛の糸』)、『極楽変』(『地獄変』)、『バナナ粥』(『芋粥』)、『或利口の一生』(『或阿呆の一生』)。最終話の『或利口の一生』に「パクリ」という項があり、そこに著者の本音がそのまま記されているようです。「小説というものは自分で筋を考えなければならないものだと思っていたの
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死に至る新型ウィルスが日本で発生する。
同時期、遠く離れた外国で医師たちが連続して殺害されるという事件が発生。
為頼はかつて日本で起きた一家四人惨殺事件で知り合った少女と再会を果たし、彼女の治療に手を貸すことになる。
医学界の暗部とも思える謀略と、それらの事柄がひとつに繋がったときに見えてくるものは為頼にとっては到底受け入れられるものではなかった。
前作を上回る壮大なスケール・・・と言ってしまえればいいのだろうが。
大風呂敷を広げすぎて、結果的にきちんと終われていない物語のように感じてしまった。
為頼のキャラクターも変わってしまっている。
確かに登場人物の一部は前作と繋がっているけれど、主人公 -
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6篇からなる短編集。
この作品も読みやすくスラスラ進む。
短編なので、やや物足りない感もあるが、軽く読みたいときには手頃だろう。
寝たきりの殺意
寝たきり状態となった男が、世話をする嫁に対する不満を募らせる。嫁は男のことを痴呆だと嘘をついて嫌がらせをしていると、往診の医師に訴える。
シリコン
豊胸手術を受け、胸部にシリコンを注入された女。はじめはうっとりする程美しく膨らんだ胸が、次第にボコボコとし腫瘤のようなものが触れるようになった。癌ではないかと不安になり、女は病院へ行く。
至高の名医
腕が良く、ゴッドハンドともてはやされる外科医の男は、常に仕事に対し厳しく向き合っていた。あるとき、担