久坂部羊のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ思い通りの死に方、というタイトルに惹かれて読む。
思い通りの死に方ができれば、こんな安心なことはないではないかと考えたため。
筆者は「人間の死に方」で有名な久坂部羊さんと「大往生したけりゃ医者と関わるな」著書の中村仁一さん。
この2人の延命治療反対派2人の対談なので、反対意見を差し挟まれることもなく、話が弾む様子が文字から見て取れる。
以下、心に残ったところ
①「自分の死を考えるための行動」として一番のおすすめは棺桶に入ること
②死に方は意のままにならないが生き方は思い通りになる。納得の行く尊厳ある生き方をすれば最後はどんな死に方であろうとどうでもよくなる
→ほんとそのとおり。やはり結局死に方は選べないんだと改めて思った
③「人生劇場」においては、色々な役柄が必要。半身不随の役、寝たきりの役など、あなたならきちんと演じてくれるだろうと見込まれて与えられたその役柄に徹すればいい。
→なかなか受け入れにくい考えだが、何事もプラスの側面があるので、そこに光を当てるというポジティブ思考を極められればそうなるかも
あとから調べたところ、中村仁一さんはすでに肺がんで亡くなっており、セデーション(鎮痛剤等)も行わなかったとのこと。 -
Posted by ブクログ
すごくシンプルに強引に書くと「死が近づいた時に無理に病院で生かすことはせず、自然に任せることが最善」ということです。
このことは小説家でもある久坂部さんの作品にも何度も登場人物に言わせています。
ちょうど母が看取りのタイミングが近づいていて、健康ではあるけど体力がなく、食べられない。でも胃瘻はせずに水分と栄養の点滴になり、あとは自然に旅立つのを待っていますが、父も(元気)近くで看取ることができるので、久坂部さんの考えに賛同しています。
医者は家族に頼まれれば後でトラブルにならないように一見必死に生かすけど、「医者はホントは知っている」という副題があるように、医者としては家族と会話ができる(無理な酸素吸入せず)中で逝かせてあげるべき、と知っているということです。 -
Posted by ブクログ
介護施設で起こった入居者の転落事故。
たまたま事件前に施設に取材をしていたルポライターの美和は、事故に不可解なものを感じ、再度 施設の介護士たちに話を聞いた。
その中で、第一発見者の小柳は苦しんでいる高齢者は早く死なせてあげた方がいいという発言をしていた。
その後、立て続けに施設で起こる高齢者の死亡事故に、美和は小柳に疑惑を抱く。
しかし、小柳は掴みどころがないというか、本当のことを言っているのか、何を考えているのかわからない。
ただ、この話は現実の事件から着想しているということからも、決して絵空事ではない。
介護問題の根は深く、高齢化社会では避けて通れないことだと痛感する。
2025.9.28 -
Posted by ブクログ
在宅医療専門の「あすなろクリニック」の医師と看護師たちが対する患者さんたちとの短編集。
最期は慣れ親しんだ自宅で迎えたいという末期がんや治る見込みの低い患者さんたち。
まだ在宅医療に入って間もない三沢医師と自宅のご遺体のエンゼルケアを完璧にこなす中嶋看護師との医療側でのやり取り。
そして、家で家族を介護する家族と医療側のやり取り。
末期癌やアルツハイマー、精神的な病にALSの難病まで、様々な患者さんのそれぞれの思いに寄り添いながら、大変という一言ではとても片付けられない現場。
家族との意志疎通も難しい。
寿命が長くなった現代、在宅介護は増えるかもしれない。
そんな未来に向けて、覚えておきたい一冊。
2025.9.15 -
Posted by ブクログ
●科学博士の書評指数:
楽しみ度:★☆☆☆☆
共感度 :★★★☆☆
学び度 :★★★★☆
話題度 :★★★☆☆
お薦め度:★★★☆☆
●概要:
医師としての経験をもとに,死の現実を冷静かつ具体的に描いた本になります.病気・老衰・事故など多様な死の形態を紹介し,延命治療の限界や死に向き合う心構えについて述べています.日本と海外の死生観の違いや比較も交え,死を避けるのではなく受け入れることの重要性を述べております.「どう生きるか」を医療の観点から考えさせる一冊と考えます.
●感想:
【1】 一番印象に残ったのが,筆者の若い時の患者に対する体験.患者を助けようと徹底的な医療を試みるのだが,無残にもその努力は打ち砕かれ,患者の体は水ぶくれと腐敗が始まり,悲しい死となったいう経験.医療にも限界というものがある事を痛感する.
【2】 在宅医の経験から,老衰で死ぬことは,死ぬまでが長く大変だという事も新たな知識でありました.いわゆる,ピンピンコロリが難しいということが理解できます.あわせて,自分の死期が正確に理解できる事の有用性についても理解できます.「ガン」について死期がわかるので,死因としては良いのではという意見には「なるほど」と驚きました
【3】 救急車を呼ぶこと,胃ろう,いわゆる精一杯の医療行為が,「穏やかな死」につながらないことについて,他の本でも述べているように注意を促していました.在宅死の方が病院死よりも良いとの意見でした.