あらすじ
2年後に死ぬとわかったら、あなたは何を想うでしょう。この時点で〝いつまでも元気で長生き〟という理想の選択肢は失くなります。だが、うろたえ、嘆き続けるわけにもいかない。たった一度の人生を終えるのです。もっと大事なことがあるはずです。人はみな自分の寿命を生きる。そもそも寿命とは何か。戦後一貫して日本人の平均寿命は延びている。自分の寿命はどこまで延ばせるか。「死を受け入れるのはむずかしい」と人は言うが、その達人はいるのか、楽な方法はあるのか。悔いなき人生をまっとうするには?
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今の無事がありがたくかけがえのないもの…。普段から「足るを知る」「余計な心配をせずあるがままを受け入れる」自分でありたい。「寿命が尽きる2年前は今」、自分にとって大事なものは何か、生きることの意味は何かを考えれば「何をしたらいいのか」「何をしてはいけないのか」は自ずとはっきりする。
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きっと誰もが『その時』になったら、焦るし、泣くし、怒ると思う。でもそんな時に心の片隅にこの先生のコトバがあれば少しは落ち着ける、かな。
また何年後かにも読んでみたい。
CEA/ 肺、食道、胃、大腸、胆道、膵臓、乳がんに反応の腫瘍マーカー
PSA/ 前立腺がん
メメントモリ = 死を想え→ 死を意識して生きよ、今を楽しめ!
2009年東大病院調査
「望ましい死を迎えるために、最後まで病気と、闘うことが必要か」 がん患者の約8割は必要、慰謝料約2割は必要。
プラセボ効果= 効くと思ってのむと実際に効く心理的効果のこと
安心は幻想、心配は妄想
『莫妄想』= 妄想すること莫れ/なかれ
『少欲知足』 欲望を押さえて足るを知ることが大事
『無為自然』 余計なことはせずあるがままを受け入れる
『ライオンは野菜を食べない。でも健康』
『時間は有効に使おうと思えば思うほど、足りなくなる』
『事故は青信号の時に起こる』
以上 父上の名言
作者は外科医→ 外務省 医務官@パプアニューギニアの日本大使館勤務 経験
無頓着力、満足力、感謝力
物忘れ→ 忘却力、老人力ととらえる!笑
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死に時は早めに設定(Ex60歳)しておいたほうが、死ぬときに悔いが少ないと考えた久坂部羊さんの「寿命が尽きる2年前」という発想を具体化した本です。2022.10発行。寿命とは、寿命を延ばす方法、寿命を縮める病気、寿命に逆らう苦しみを説明したのち、2年後の死は予測できないけど、理由なしに食欲がなくなり、活動量が減ってくると、死の準備を勧められています。死にたくない人は死が迫ったとき必ず医療に頼り、失敗する最期を迎えてしまう。いったん死のスイッチが入ったら、どんなに医療を施しても、それを止めることはできない。泰然と死を受け入れるには、十分に生きたという実感をもてればいい。2年間あればいろいろなことができる。逆に、2年間は医療に近づかないこと。
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現役医師である作者の死生観について書かれている内容。これは、人生の教本と言っても良い作品だと思う。常に不安を抱えている現代日本人への標となりうる名著。
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時間とお金をかけてわざわざ人間ドッグや健康診断に行っても、異常が見つかれば精神的に大きなダメージを負い、病院に行けば医療地獄に陥る。「異常なし」の場合でも全く安心できない 。若いうちならともかく還暦過ぎの生き方として何が重要なのかつくづく考えさせられました。
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参考になった。
作者が書かれた他の本と同様のスタンス。
人は皆いつか亡くなる。先延ばしせず、やりたい事を今やる。ファーストクラスの飛行機で旅行とか。
悪あがきせず死を受け入れるのも大事。
Posted by ブクログ
はじめにから
この新書の前に上梓した『人はどう死ぬのか』で、私は上手な最後を迎えるためには、死を受け入れることが大事と書きましたが、その「死を受け入れる」ながむずかしいのだという反響を、すくなからずいただきました。
どうすれば、楽に死を受け入れられるのか。
それはやはり悔いのない人生を送ることではないでしょうか。言い換えれば、うまく生きるということです。
高齢者だからといって、手遅れということはありません。残された時間をどう使うかによります。
ということから始まっていて、
来るべき“その日”を穏やかに迎えるために、残された時間をどうすごすのがいいのか。
みなさんといっしょに考えていければと思います。
で、
第1章 寿命とは何か
第2章 寿命を延ばす方法
第3章 寿命に逆らう苦しみ
第4章 二年後の死は予測できるのか
第5章 現代日本は心配社会
第6章 どちらにころんでも悩ましい現代医療
第7章 望ましい最後のお手本
第8章 寿命が尽きる二年前にすべきこと
医者である著者のお勧めは、病院に行くな、医者にかかるなということです。
古来多くの人が穏やかにあの世に旅立ったのです。
生きものとしての人間は自然界の摂理にしたがって、旅だったのです。
高齢者の多くの死を看取ってきた医者だから言えることだと思います。
次は、「日本人の死に時」を読む予定です。
随分前の作品ですが、今か書かれていることとの整合性を確かめることも含めて(笑)。
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生きがいがなく、早くあの世に行きたいといつも言う人に、「いつまでも元気で長生きしてね」という決まりきった文言を送ることにいつも違和感を感じている私。
この本では、病気や死を過剰に恐れて、死が迫ったときにでも最期まで病院に頼ってしまうことが正しいのか、どんなことをしても長生きすること、人間ドックを定期的にうけることも本当に必要なのかなど書かれている。俯瞰してよく考えてみると、生き方として本来あるべき姿を教えてくれている一冊
Posted by ブクログ
ショッキングなタイトルだが、2年前を「今でしょ」(2年後に死んでも悔いはない)と思って考えて生きるのが良いってこと。
自分も71を超えたので、そろそろそういう考えに方向転換の時期か。
具体的にしてはいけない事については頷くことができたが、したらどうだという項目(たとえば豪華な海外旅行など)には、ほとんど頷けるものがなかった。つまり、これだけやったら「死を受け入れることができる」というものがないのが、自分を含めて多くの凡人。
でも、本書を含めて、長生きしすぎて苦しむ多くの話を目にするたび、覚悟はついてきたように感じている。
Posted by ブクログ
医療は治す。死ぬ方向へは持っていけない。なので、死ぬためには医療からそっと離れる方向へ行かないとならない。結構難しそう。がんとかはわかりやすいけれど。誤嚥性肺炎あまり防がなくてもいいとこの先生思ってそう。どうやって死ぬか選べるようになってきているような、なってきていないような、前代未聞の不思議な状況にいるということがわかっていればいいのかな。
Posted by ブクログ
赤木しげるは死は暖かいと言っていたがそれを思い出させる感じ。健康で長生きは理想だけど理想のために事実を歪め余計苦しまないように本書を読んでおくべきだろうと思えた。
Posted by ブクログ
いろんな意味で参考になった。
2年前とは?つまり今。わかりにくいだろうけど、自分のように還暦を過ぎた人間には「いつ死んでもおかしくない」わけだから(事故もあるし)それは2年後と仮定して、悔いのない生き方を今しなさい、という意味です。
老齢になって「なんかあったら」とか「子供のために」とか考えてお金を使わずに人生を楽しまないのは勿体無い。自分のお金を感動や素晴らしい体験のために使って満足して死ぬべきだ。
人間ドックに行って不安になって医者にかかりっきりになったり、死ぬのが怖くて病院で一生を送るのは勿体無い。
うーん。その通りです。医者であり小説家でもある著者が語る内容には説得力があります。
Posted by ブクログ
医師が書くからこその現実。人によって「天寿」が違うことを前提に「いつまでも元気で長生き」幻想を捨て、「いつ」を明確に線引した方がいい。
あまり考えたくないのも事実だけど、誰もが迎えるもので、いつも自分の背後に潜むもの。
突然の急襲を受け、慌てふためき絶望に焦がれるよりも、備えあれば憂いなし。ある程度、「備え」ていた方が生は充実しそう!!
Posted by ブクログ
死について、教訓めいた内容だが、健康中毒の日本人には、ぜひ読んで欲しい。
死に際は様々だけど、ある程度の年齢になったら、好きな事をして、自由に生きて死んでいく方が、医療の世話になるよりはいいという主張。
著者がレニリューヘンシュタールに会った、というくだりには感激した。
92歳のレニは、鮮やかなブルーの水着で、恋人の若いカメラマンを連れて、海の生物を撮影にきていたという。ナチに協力したと戦後は裁判だらけの生活で、それでも写真家として、ヌバの写真集を出し、72歳でダイビングのライセンスを取り、海洋写真家として生きた凄い女性。
毎日を精一杯生きることが大切と結んである。
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寿命がつきる2年前っていつ?今でしょ。と、考えることによって今からの日々を後悔なくすごす。2年もそうやって過ごすと人生の最期が近づいても死を受け入れられる可能性が高くなるということ。くだらないことにむかついたり、誘惑に負けたり、自堕落に過ごす暇はない。自分の一度きりの人生、死を前にじたばたすることのないよう、無駄に怒ったりせず感謝して毎日を過ごしていきたいと思った。
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書かれていることは、今までの久坂部作品で述べられていることの繰り返しだが、何度読んでも納得感あることばかりで生きるということを考えさせてくれる。
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自分の寿命がわかったらいいのにとずっと思っていたんだが、この本はそうではないと私の思いには否定的で、それはそれで読み応えはあった。
でもやっぱり私は自分の寿命は知りたい。
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いつまでも元気で長生き、として死から目を背けていたら直前に慌てたり嘆くことになる。人生最後の2年を自分で納得できることに費やすためには、死に時を設定して、残された時間を悔いのないように生きること。
悔いがないということは、後を安心して任せられるということでしょうか。そういう人の存在については、書かれていませんでしたが。
Posted by ブクログ
著者と同じように管に繋がれ生かされている状態より、程々で死んでいきたい、とはよく思う。
相反するが、著者が急にもう死ぬかも、と感じた時、生きたいと思った、と書いてあった。
今までの持論を覆すことになっても真実を書くところに好感を抱き、お医者さんでもそうなのか、としみじみ感じた。
なので自分がこの先、ジタバタしても仕方ないか、とも思った。
死に際が素晴らしかった身内のことを思うと、改めてすごかったなと思う。
Posted by ブクログ
寿命を決める要因=テロメア説、心拍数説など。
健康寿命を延ばそうとするとおのずと平均寿命が延びる=差は短くならない。
健康寿命は、国民生活基礎調査で主指標と副指標のアンケートをもとに、サリバン法で算出。
低めのカロリー摂取=栄養不足はほとんどの動物で新陳代謝が減るため寿命が延びる。
がんは上皮細胞にできるもの。それ以外の細胞は肉腫という。子宮がんと子宮肉腫、これの良性のものが子宮筋腫。
がんは切った際には細胞レベルでは転移している。再発は目に見えるくらいの大きさになっただけ。
サーチュイン遺伝子で長寿化が証明されているのは線虫とショウジョウバエと酵母だけ。
医者は治療しないと何もしないといわれるので治療する。
死を受けいれる。
下顎呼吸は1~2時間続くが苦しくない。
通常の量が食べられなくなるのは死が近づいている証拠。活動量が減る。無理には外出しない。
がんは治療しなければだいたい1~2年で死ぬ。むやみに長生きしないことがいいこと。
ぽっくり死は心筋梗塞やクモ膜下出血などでできるが、猛烈に痛い。
老衰も、不自由で不如意な長い日々を送ることになる。
水木しげるの「一つ目小僧」=一つ目なら子供と同様今しか見られないから心配がなくなる。
検査被ばくによるがん患者が世界でダントツに多い。前漢患者の3%以上。英米の3~5倍。CTスキャンは世界の30%が日本にある。1回の検査で年間自然被ばく量の2.5~15倍被ばくする。
モーツァルトは高熱の時瀉血をしてなくなった。
治らない病気を無理に治そうとしない。いったんスイッチが入ったら、治療しても死ぬものは死ぬ。
芥川龍之介『芋粥』=過ぎたるは及ばざるがごとし。命も同じ。いつまでも死なない、と思ったら生きていることの価値が薄れる。
自分の人生をつらいことで満たす。そのことで人生が輝きいつまでも元気でいられる。
「人生の夕日」はまたいいもの=若いころの欲がなくなって邪心が消える。
富士正晴氏のエッセイ。
飛行機が着陸するように生きる。老化で弱るのは準備。
時間は有効に使おうと思えば思うほど、足りなくなる。何もせずにおこう、と決めると一一が長くて困るほど。
健康はお金と似ている。多くの人が求める。それを得ることが目的になりやすい。なくなることへの恐怖がある。ある程度たまったら満足する心の準備をすること。
ある年齢を超えたら、もう十分だと思って2年間に備える。その間にしたいことをする。
医療には近づかない。延命治療は受けない。
将来の心配ばかりしない。”いつまでも元気で長生き”の呪文に縛られない。