久坂部羊のレビュー一覧
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癌の先進医療をテーマにした作品で保険医療との関係性が学べ、最近歯医者通いで自由治療と保険治療の差を痛感する身としては、生死を分ける癌治療のある意味闇に触れる思いで完読。
医師の医療に対する考え方の違い、臨床研究と治験医療、検査と治療、専門医科等々の立場による違いで千差万別の治療が有ると感じる。深刻な病状を患者へ告知に関しても主人公の才所も悩み、父の死を教訓とした考えも恋人を真逆の考えで亡くし結局、患者其々の考え方に依ると悟る。
カエサル・パレスクリニックは理事長のロボット(ダビィンチ)の使い手外科医の才所を筆頭に放射線科女医の有本、腫瘍内科の趙、予防医学の小坂田3人の理事で癌細胞の見える化C -
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久坂部羊『善医の罪』文春文庫。
実際に起きた事件をモデルにしたフィクションのようだが、フィクションであるならば、このようなグレーな結末でお茶を濁さず、もっとスッキリとした結末を描いて欲しかった。
終末期医療をテーマにした医療&法廷サスペンスということで読む前には非常に興味があったのだが、いつまでも足踏み状態が続くストーリー展開の遅さにイライラ感が募る作品だった。
脳外科医の白石ルネはクモ膜下出血で意識不明の状態で搬送されてきた66歳の横川達男を蘇生させ、懸命の治療を行うが、数日後に多臓器不全となり、家族の同意のもと延命治療を中止する。
家族立会いのもとルネは、ほぼ脳死の状態にある横川 -
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久坂部羊『怖い患者』集英社文庫。
5編収録の毒気に満ちた患者や医師たちを描いたブラックなイヤミス短編集。もう少し面白いストーリーを期待したのだが、少し期待外れだった。
『天罰あげる』。最近はメンタル的な問題を抱える人たちが多いように思う。世にあふれる情報の洪水、ストレスやプレッシャーなどが原因だろうか。何とも嫌な結末。本作の主人公の区役所勤務の愛子は同僚の陰口を聞いたことを切っ掛けに度々発作を起こすようになる。区役所を休職し、心療内科を受診するが、思うような答えと結果が得られず、ドクターショッピングを繰り返す。やがて、気に入った心療内科が見付かり、定期通院するのだが……★★★★
『蜜の味 -
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ネタバレ海外の富裕層向けに、自由診療で高い水準の医療を提供する「医療ツーリズム」の功罪をベースにおいたミステリー小説。
大阪のりんくうタウンにある医療ツーリズム施設「カエサル・パレスクリニック」の理事長・才所准一は、優秀な3人の理事とともに、最先端のがん治療で順調に実績を重ねていた。だが、久しぶりに訪ねてきた顧問の福地が不審死を遂げてから、波風がたち始める。
死因は病死か事故か、あるいは他殺か。福地は元大学の解剖学教授で才所の恩師。その後、「府立病院機構」のトップとして君臨、才所は、開業に際し、便宜を図ってもらっていた。だが、そんな恩義がある反面、顧問料として多額の見返りを要求するなど、強欲で扱いにく