久坂部羊のレビュー一覧
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ネタバレ安楽死の是非というのは古今東西、恐らく半永久的に答えはでないと思っています。徐々に加速する、賛成派VS反対派。そこに当事者たる患者やその家族はいません。論争を大きく起こすきっかけとなった医師と患者との最後の場面。人の生死はとても厳かです。共に安楽死に賛成した、というより積極的に医師へ依頼すらしていた付き添いの家族が、時間とともに大切な人を死なせた(安楽死)憎い医師、と感情が大きく揺れ動き、医師を追いつめる姿は、理解し難いものであった。しかし、大切な人を積極的に死なせた、という罪悪感は時が経つ程、徐々に自分を責め立てていくものなのかもしれない。
生死を論争の道具にしか思わない、鬼と化した人々が登 -
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針を体内に置き忘れたせいで父親は死んだと、枝利子に訴えられている心臓外科助教授・香村。その一方で彼は、厚生労働省の佐久間に、あるプロジェクトへの協力を依頼されていた。佐久間が推し進めるプロジェクト「天寿」には、香村が研究しているペプタイド療法が不可欠だったのである。弱った心機能が一時劇的に回復するが、その後突然心臓が破裂して突然死が起こってしまうという副作用がまだ改善されていない、ペプタイド療法が・・・。なぜならプロジェクト「天寿」とは、高齢者抹殺を目的とするプロジェクトなのだ。
裁判の行方はまぁ、予想通りといったところか。やはり医療裁判というのは患者側にはまだまだ不利だなぁと思う。しか -
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医師たちが一人前になるまでの過程で、誰もが経験してしまうという「痛恨の症例」。研修医制度が不十分であるがゆえ、未熟なまま患者と接するためにおこってしまう不可避の犠牲だとはいうが、患者側からすれば許せるものではない。そういった症例を集め、ノンフィクションとして発表しようとしている元新聞記者・松野。彼にはそういった症例の告白をしてくれる医師達を集める協力者がいた。今現在も麻酔科医として働いている若き青年・江崎である。松野は、なぜ江崎がここまで協力的なのかを疑問に思いながらも、次々と症例をまとめていく。そんな中、江崎の勤める病院の心臓外科の手術において、患者の体に針を置き忘れたことによって死亡した
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何かを選ぶということは、それ以外のことをあきらめるということです。
まわりの介護の熱心さー介護される本人がもともと立派な人であった 自然な敬意を呼び起こすのは、やはりそれに値する態度でしょう。思慮深さや、自己抑制、謙遜や達観など
家族の同意があろうがなかろうが、安楽死はすべて違法だということです。また本人の同意があっても、刑法202条の自殺関与罪、同意殺人罪が適応される。
文明は進むばかりが能ではありません。人間を幸せにしないのなら、ある部分を棄てることも、また文明の智慧であるはずです。
死に時が来たときに抗わないことが一番楽です。受入れる準備さえできていれば、心も穏やかになれるでしょう。