久坂部羊のレビュー一覧

  • 院長選挙

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    急死した大学病院の地位を巡って、各科の副院長がお互いを罵りながら院長を目指す笑える話。
    おそらく、本当の病院の偉い人達もこのレベルなんだろうなと思いながら読んだ。
    現場はたいへんなのに何をやってるんだか、と呆れながら笑いたい人には向いている本。

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    2021年01月13日
  • カネと共に去りぬ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    医療と人生の最後についての、アイロニー含む逸話集。
    医療人の黒い側面と、人生の最後の迎え方について、はばかりなく語っているが、一般の方にも心響くでしょうか。

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    2020年12月26日
  • 祝葬

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    ネタバレ

    いわゆるクオリティ・オブ・ライフがテーマでしょうか。同作者の「神の手」「廃用身」も似たようなテーマだったように記憶していますが、病気との向き合い方を他人に決められてしまうことの嫌悪感を「希望の御旗」にて同じように感じました。

    対して「ミンナ死ヌノダ」の覚馬は、検査も治療もしないことを自ら選んで死んでいったわけですが、その様子はとても満足そうに映ります。

    本書はこうした終末期医療に対する問題定義がメインかと思いますが、ラスト直前に出てきた誤診と医師の労働環境に関する問題についても作者は訴えたかったのかな、という気がしました。どちらの点についても、いろいろ考えさせられたり興味を持って調べたりするきっかけになったことは、良かったと思っています。

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    2020年12月20日
  • 黒医

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    後味の悪さは一級品!
    随分と意地悪な目線で書かれてる気がするけども、優しさという名前の無関心の薄皮を剥ぎ取れば、ぎゅうぎゅうにこんな感情が詰まってるんだよね、人間。

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    2020年11月15日
  • 神の手(上)

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    医療訴訟の話ですかね。
    まだ途中なのですが、、けっこう強引な描き方をしている部分もあるのかなとは思いますが、趣旨はわかります。
    ただ、読んでてしんどい(笑)
    少しずつ読み進めています。
    人権・尊厳死、、、ホスピスなど、、、医療の現場にまつわることについてはいろいろ整えられてきているのかもしれませんが、実際に病気や死を目前にした本人や家族が、その選択肢について、知らなすぎる気がします。
    現在、上巻の半分手前くらいですが、ゆっくり読み進めていきます~

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    2020年09月30日
  • 嗤う名医

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    6つの短編の中では【シリコン】が1番面白かった。
    【至高の名医】もよかった。
    【名医の微笑】はちょっと苦手。

    いずれも、お医者さんって、色んな人(患者)を相手にして、ストレスの溜まる職業なんだなぁと思う。

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    2020年09月29日
  • カネと共に去りぬ(新潮文庫)

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    芥川の小説を再構成した医療エンターテイメントに続く、名作のパロディー医療エンタメ(解説者によると正確にはパスティーシュというそうだ)。
    名作をちょっとひねった題名にシニカルさを、その内容にブラックさを味わうことができる。原作をしっかり読み込んで理解したうえでないと、このような作品は書けないのでは。
    その一編『アルジャーノンにギロチンを』は、日記形式で構成されている。高慢な医者すぁる主人公は、認知症を恐れ、日記をつけているが、その進行と共に徐々に文章が乱れてくる。
    既視感があると思ったら、著者の『老乱』でも、主人公にあたる老人の日記で、認知症の進行具合が迫力満点に描かれていた。
    いずれも、現役の医師である著者にしか書きえない、力作だろう。

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    2020年09月07日
  • カネと共に去りぬ(新潮文庫)

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    医呆人/地下室のカルテ/予告された安楽死の記録/アルジャーノンにギロチンを/吾輩はイヌである/変心/カネと共に去りぬ

    どこかで聞いたような題名ばかり。こうもブラックな話に利用できるとは、きっと凄いんだろう。心身の健康への気になり具合が大きい時に読むのはちょっと辛かった。元気でないと読めないかも

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    2020年08月09日
  • 嗤う名医

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    久坂部さんの作品は、医者も人間なんだなーと感じさせられる。そして病気と患者と医者同士の確執とかストレス多そう。

    個人的に好きなのは「シリコン」。美容整形に失敗した運のない女子が、これからの人生に希望を見出す、光のある感じが良かった。

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    2019年10月12日
  • 院長選挙

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    国立大学の最高峰、天都大医学部の病院長・宇津々が謎の死を遂げた。自殺・謀殺説が囁かれる中、近く病院内で行われる新院長選挙。候補者は4教授。心臓至上主義の内科・徳富、内科嫌いの外科・大小路、収益の4割を稼ぐ眼科・百目鬼、改革派の整形外科・鴨下。誰が院長の座に?選挙運動真っ盛り、院長の死に疑問を持った警察が動き出した…。超エリート大学病院の医師たちの、序列と差別、傲慢と卑屈だけを描いた抱腹絶倒の医療小説!

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    2022年03月15日
  • 院長選挙

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    不真面目なほうの久坂部さん(笑)。真面目に書いているとはとても思えないほどふざけています。登場する医師の名前はほとんどが誰かをパロったもの。章のタイトルが『面白い巨塔』だったりして、吉本興業ばり。フィクションのふりをした暴露本なのかもしれません。どの医師も自分の専門こそいちばん偉いと思っていて、内心はお互いを蔑み合っているなんて。信頼できる医師はここには誰もいないし、誰が院長になっても困りもの。腕の悪い人格者より腕の良いゲス野郎が選ばれるってねぇ、でもまぁそういうことになっちゃうか。

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    2019年08月30日
  • 告知

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    在宅医療という知らない世界の話。
    終末期医療の本人と家族の辛さが描かれており、読んでいて悲しくなる。
    事実、このようなことが日本のいたるところで起こっていると思う。
    感動する話もまるが、ただ辛い話もあり、読後感がスッキリしませんでした。

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    2019年08月26日
  • 思い通りの死に方

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    長生きは素晴らしいこと、というマスコミの報道に疑問を呈する内容。不健康な状態で長生きすることにいいことはないらしい。

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    2019年08月12日
  • 破裂(下)

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    白い巨塔をテレビで見てから思わず読んでしまった。
    スピーディな展開、ドラマ化にはぴったり。
    少し現実味がないかな。
    でも、ハラハラドキドキ面白い、イッキ読み。

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    2019年06月19日
  • 破裂(下)

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    3月-5。3.0点。
    下巻。厚労省エリートの画策、主人公の麻酔科医にも誘いの手が。

    主人公のキャラクターが薄かったかな。イマイチ感情移入できず。

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    2019年03月15日
  • 破裂(上)

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    3月-4。3.0点。
    主人公の麻酔科医、患者を死なせた症例をマスコミと組んで調査。
    一方、心臓手術時に針を忘れたため、死亡した娘が医療裁判の動きを。

    少しテーマを盛り込みすぎの感じが。下巻でどうやって納めるのか、楽しみ。

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    2019年03月08日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    センセーショナルなタイトルからすると、大学病院は無理な人体実験を繰り返したり、研修医や医学部の学生の練習の場であり、それを告発する内容かと思いきや、全く逆で、大学病院は信頼に足り、また事件や事故のたびに、マスコミの批判や理想論に対応したこれまでの改革が、旧制度の医局を喪失したりして、それらが日本の医療の崩壊に向かっているという憂国(憂医療?)の書である。

    医局の件については特に力点を置いている。
    (注)医局とは医師・歯科医師の執務室、控室のことを指す。ここから転じて、大学医学部・歯学部の附属病院での診療科ごとの、教授を頂点とした人事組織のことを医局と呼ぶ。

    「旧弊な医局制度が破綻し、医師は自由を得た代わりに、安定と将来の保障を失った。世間は不透明な寄付や名義借りをしなくてすむようになった代わりに、地域医療と産科医・小児科医を失った・・・(略)・・・訴訟のリスクの高い科の医師を失いつつある」と。
    具体的には、従来は医局の教授が、一般病院はおろか過疎地域の病院まで目くばせして医師を配置してきたが、それが無くなった現在は、若手医師は激務の大学病院を逃げ出し、また地方や過疎地を避け、都会の開業医を目指している。
    一方、時間の予定が立たない産科医や、子供相手の面倒な小児科、そして訴訟リスクの高い外科医を失いつつあると言う。

    そして著者は言う。「そもそも大学病院とは人体実験を行ったり、新人の教育をするところなのだ。それを認めない事には、話が前に進まない」
    大学病院は医師の数も多く、その分監視の目が多いということであり、間違った治療はチェックされ、また情報も多く集まるので、大学病院の医療は信頼に足ると。

    著者は、現場の医師の声を代表して、現在の過酷な医師の実態と、将来の医療制度を理想論ではなく、現実的な目から見てくれと叫んでいる。

    少し別な観点からみると、大学病院は研究・治療・教育と幾重もの役割を負わされているのがよく分かった。
    そして良き研究者は良き治療医ではないと言うことも。

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    2018年12月19日
  • 神の手(下)

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    「神の手(下)」(久坂部 羊)[電子書籍版]を読んだ。あまりに安易に関係者が死んでしまうのが興醒めかな。で、結局のところなんとなくうやむやのまま終わってしまったよ。

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    2018年07月05日
  • 芥川症

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    ネタバレ

    芥川龍之介の作品にインスピレーションを得て、医師らしい皮肉とユーモア、そして毒を一盛りした短編集。医師目線が効いている。

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    2018年06月30日
  • 芥川症

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    芥川龍之介が、いかに優れた小説家であったとはいえ
    残されたのは基本的に小粒な作品ばかりだった
    だから、そのスキャンダラスな死への憧憬を抜きにしては
    こうも長年読み継がれる存在となりえたものか
    少々疑わしいと思われる向きも、けっこう多いと思う
    半ばは真だ
    しかし、芥川の凄まじさは
    その死に至る準備段階からの副産物として
    「歯車」などの壮絶な晩作を次々と生み出してきたところにあるのだ
    自らの意志により死を捉えた人の明晰さ、というある種のロマンを
    芥川は、いちはやく体現してみせたのだ
    …とはいえ、むしろ本人としては
    「阿呆」と呼ばれて笑われることを望んだのかもしれないけれど

    久坂部羊の「芥川症」は、作者の専門である医療をテーマとしつつ
    芥川龍之介の代表作をオマージュした短編集
    死におびえる人々、それに死を相対化して安心する人々の
    罪のない(こともない)平凡さから
    生きることのありがたみを抽出しようとする一方
    死への抗いを不自然なこととしても描いている

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    2018年06月22日