久坂部羊のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大好きな現役医師作家である久坂部羊の作品。
文庫化を機に上下巻を読んでみた。
「神の手」とは、延命治療でひどい状態になりながらもなんとか生きながらえている患者に対して、医師が安楽死させる行為のこと。
安楽死の是非を巡って、肯定派と否定派を巡る話。
著者が現役医師なだけに、相変わらず医療業界の裏事情や延命治療を受けている患者のひどい状態の描写が生々しく描かれており、自分もどちらが良いのかを考えさせられた。
物語の最後では、安楽死法というのが制定され、安楽死専用薬というのが開発される。近い未来でこのような時代が来るのだろうか。
この本を読んで、自分の知らないところではいろいろな問題があることを思い -
Posted by ブクログ
すごくビックリした事があったんですが・・・・
ネタバレだろうと思うのですが、内容紹介に出ちゃってるので書きます。
ジャーナリスト松野さん死んじゃうの?( ̄□ ̄;)
主役級の人物死す・・・・
とりあえずそこが一番衝撃でした。
高齢化社会への問題提起と「プロジェクト天寿」計画。
テーマはとっても良いと思ったんですが、結局どうなの?って感じで終わってしまったのが残念でした。
これだけ問題提起したのだから、最後何らかの結論が欲しかったです~。
医療ミス、報道、高齢化問題、安楽死問題など興味深いテーマが山盛りなのですが、山盛りすぎたのでしょうか。。。
ラストがあっけないと言うか何と言うか。
あと、 -
Posted by ブクログ
久坂部羊さんは、「廃用身」「無痛」と読みましたが、どちらも面白かったです。
特に「廃用身」は衝撃的でした。
今回も「廃用身」のテーマに通じるものがあります。
高齢化社会において、医療の発達によって「生かされている」老人達は果たして幸せなのか?チューブに繋がれてただ延命するのみならば、ポックリ死出来た方が本人にとっても家族にとってもいいのではないか?
そう考える厚労省の佐久間のストーリーと、父は医療ミスによって死んだと訴える枝利子のストーリー、で展開していきます。
佐久間が取り入れようとしている治療法について、そんなのダメでしょと思いつつ、でもそれって実はいいのかもしれないと段々佐久間の説 -
Posted by ブクログ
ネタバレ安楽死の是非というのは古今東西、恐らく半永久的に答えはでないと思っています。徐々に加速する、賛成派VS反対派。そこに当事者たる患者やその家族はいません。論争を大きく起こすきっかけとなった医師と患者との最後の場面。人の生死はとても厳かです。共に安楽死に賛成した、というより積極的に医師へ依頼すらしていた付き添いの家族が、時間とともに大切な人を死なせた(安楽死)憎い医師、と感情が大きく揺れ動き、医師を追いつめる姿は、理解し難いものであった。しかし、大切な人を積極的に死なせた、という罪悪感は時が経つ程、徐々に自分を責め立てていくものなのかもしれない。
生死を論争の道具にしか思わない、鬼と化した人々が登