久坂部羊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ストーリーは
52歳の男性、ガンが再発、治療の結果
「残念ですが、もうこれ以上、治療の余地はありません」
と若い外科医に余命宣告されてしまう
「つらい抗生剤治療で命を縮めるより時間を有意義に」と
52歳の男性「先生は、私に死ねと言うんですか」
納得いかない男性「もう先生には診てもらいません!」
若い外科医を恨みながら「ガン難民」になってしまった男性
苦しみの果てホスピスにたどり着くまでを
患者の苦しみ、医者の悩みを対比させながら、展開される
わたしなら?
昨日見た再放送
NHK「ドキュメント72時」「海の見える老人ホーム」
の中でホーム住人高齢の男性がいみじくもおっしゃっ -
Posted by ブクログ
センセーショナルなタイトルからすると、大学病院は無理な人体実験を繰り返したり、研修医や医学部の学生の練習の場であり、それを告発する内容かと思いきや、全く逆で、大学病院は信頼に足り、また事件や事故のたびに、マスコミの批判や理想論に対応したこれまでの改革が、旧制度の医局を喪失したりして、それらが日本の医療の崩壊に向かっているという憂国(憂医療?)の書である。
医局の件については特に力点を置いている。
(注)医局とは医師・歯科医師の執務室、控室のことを指す。ここから転じて、大学医学部・歯学部の附属病院での診療科ごとの、教授を頂点とした人事組織のことを医局と呼ぶ。
「旧弊な医局制度が破綻し、医師は -
Posted by ブクログ
芥川龍之介が、いかに優れた小説家であったとはいえ
残されたのは基本的に小粒な作品ばかりだった
だから、そのスキャンダラスな死への憧憬を抜きにしては
こうも長年読み継がれる存在となりえたものか
少々疑わしいと思われる向きも、けっこう多いと思う
半ばは真だ
しかし、芥川の凄まじさは
その死に至る準備段階からの副産物として
「歯車」などの壮絶な晩作を次々と生み出してきたところにあるのだ
自らの意志により死を捉えた人の明晰さ、というある種のロマンを
芥川は、いちはやく体現してみせたのだ
…とはいえ、むしろ本人としては
「阿呆」と呼ばれて笑われることを望んだのかもしれないけれど
久坂部羊の「芥川症」は