久坂部羊のレビュー一覧

  • 廃用身

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    「医学」が科学であることは認めます。しかし、「医療」は科学ではありません。
    「医学」は科学的になればなるほど、「医療」から遠ざかります。すなわち、患者には直接関係のない研究者の趣味になるのです。
    (P.173)

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    2020年07月15日
  • 嗤う名医

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    久坂部さんの作品は、医者も人間なんだなーと感じさせられる。そして病気と患者と医者同士の確執とかストレス多そう。

    個人的に好きなのは「シリコン」。美容整形に失敗した運のない女子が、これからの人生に希望を見出す、光のある感じが良かった。

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    2019年10月12日
  • 院長選挙

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    国立大学の最高峰、天都大医学部の病院長・宇津々が謎の死を遂げた。自殺・謀殺説が囁かれる中、近く病院内で行われる新院長選挙。候補者は4教授。心臓至上主義の内科・徳富、内科嫌いの外科・大小路、収益の4割を稼ぐ眼科・百目鬼、改革派の整形外科・鴨下。誰が院長の座に?選挙運動真っ盛り、院長の死に疑問を持った警察が動き出した…。超エリート大学病院の医師たちの、序列と差別、傲慢と卑屈だけを描いた抱腹絶倒の医療小説!

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    2022年03月15日
  • 院長選挙

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    不真面目なほうの久坂部さん(笑)。真面目に書いているとはとても思えないほどふざけています。登場する医師の名前はほとんどが誰かをパロったもの。章のタイトルが『面白い巨塔』だったりして、吉本興業ばり。フィクションのふりをした暴露本なのかもしれません。どの医師も自分の専門こそいちばん偉いと思っていて、内心はお互いを蔑み合っているなんて。信頼できる医師はここには誰もいないし、誰が院長になっても困りもの。腕の悪い人格者より腕の良いゲス野郎が選ばれるってねぇ、でもまぁそういうことになっちゃうか。

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    2019年08月30日
  • 告知

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    在宅医療という知らない世界の話。
    終末期医療の本人と家族の辛さが描かれており、読んでいて悲しくなる。
    事実、このようなことが日本のいたるところで起こっていると思う。
    感動する話もまるが、ただ辛い話もあり、読後感がスッキリしませんでした。

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    2019年08月26日
  • 思い通りの死に方

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    長生きは素晴らしいこと、というマスコミの報道に疑問を呈する内容。不健康な状態で長生きすることにいいことはないらしい。

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    2019年08月12日
  • 破裂(下)

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    白い巨塔をテレビで見てから思わず読んでしまった。
    スピーディな展開、ドラマ化にはぴったり。
    少し現実味がないかな。
    でも、ハラハラドキドキ面白い、イッキ読み。

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    2019年06月19日
  • 破裂(下)

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    3月-5。3.0点。
    下巻。厚労省エリートの画策、主人公の麻酔科医にも誘いの手が。

    主人公のキャラクターが薄かったかな。イマイチ感情移入できず。

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    2019年03月15日
  • 悪医

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    ストーリーは
    52歳の男性、ガンが再発、治療の結果
    「残念ですが、もうこれ以上、治療の余地はありません」
    と若い外科医に余命宣告されてしまう
    「つらい抗生剤治療で命を縮めるより時間を有意義に」と

    52歳の男性「先生は、私に死ねと言うんですか」
    納得いかない男性「もう先生には診てもらいません!」

    若い外科医を恨みながら「ガン難民」になってしまった男性
    苦しみの果てホスピスにたどり着くまでを

    患者の苦しみ、医者の悩みを対比させながら、展開される

    わたしなら?

    昨日見た再放送
    NHK「ドキュメント72時」「海の見える老人ホーム」
    の中でホーム住人高齢の男性がいみじくもおっしゃっ

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    2019年03月11日
  • 破裂(上)

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    3月-4。3.0点。
    主人公の麻酔科医、患者を死なせた症例をマスコミと組んで調査。
    一方、心臓手術時に針を忘れたため、死亡した娘が医療裁判の動きを。

    少しテーマを盛り込みすぎの感じが。下巻でどうやって納めるのか、楽しみ。

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    2019年03月08日
  • 廃用身

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    2月-19。3.5点。
    高齢者の、麻痺して動かない部分を「廃用身」という。
    動かない四肢を切断するという、医師の物語。

    結構リアルな話。あっという間に読める。

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    2019年02月27日
  • 廃用身

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    廃用身、なんと冷たい悲しい言葉だろう。
    読み始めは、こんな冷たい言葉が実際の医療現場で存在しているのかと思ったが、
    どうやらこの作品がフィクションであると同様に、作品の中での言葉らしい。

    実際の介護の現場では、私のような甘ちゃんの感情は通用しないのだろう。
    考えさせられることだらけの作品で力作だと思うが、読んでいてとにかく寒くてたまらなかった。簡単に身体を切り落とす、理屈ではなく怖かった。
    ★は4に近い3

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    2019年02月25日
  • 廃用身

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    前半は医師の考え方に納得させられてた気がしていたが、やはり外からこのような施設の状態を見たら異常なことだろう

    介護問題は切実で何が本当に本人と家族にとって良いかわからなくなる。

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    2019年02月09日
  • 大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す

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    センセーショナルなタイトルからすると、大学病院は無理な人体実験を繰り返したり、研修医や医学部の学生の練習の場であり、それを告発する内容かと思いきや、全く逆で、大学病院は信頼に足り、また事件や事故のたびに、マスコミの批判や理想論に対応したこれまでの改革が、旧制度の医局を喪失したりして、それらが日本の医療の崩壊に向かっているという憂国(憂医療?)の書である。

    医局の件については特に力点を置いている。
    (注)医局とは医師・歯科医師の執務室、控室のことを指す。ここから転じて、大学医学部・歯学部の附属病院での診療科ごとの、教授を頂点とした人事組織のことを医局と呼ぶ。

    「旧弊な医局制度が破綻し、医師は

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    2018年12月19日
  • 告知

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    久坂部羊『告知』幻冬舎文庫。

    在宅医療連作短編集。『綿をつめる』『罪滅ぼし』『告知』『アロエのチカラ』『いつか、あなたも』『セカンド・ベスト』の6編を収録。

    久坂部羊の作品の中では低ランク。医療現場の描写にはリアリティがあるものの、ただそれだけで、ストーリーが無い。好きな作家の久し振りの作品だけに非常に残念。

    あすなろクリニックで在宅医療に関わる医師と看護師を主人公に患者の死の現場と遺族の人間模様を描く。

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    2018年10月16日
  • 神の手(下)

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    「神の手(下)」(久坂部 羊)[電子書籍版]を読んだ。あまりに安易に関係者が死んでしまうのが興醒めかな。で、結局のところなんとなくうやむやのまま終わってしまったよ。

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    2018年07月05日
  • 芥川症

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    ネタバレ

    芥川龍之介の作品にインスピレーションを得て、医師らしい皮肉とユーモア、そして毒を一盛りした短編集。医師目線が効いている。

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    2018年06月30日
  • 芥川症

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    芥川龍之介が、いかに優れた小説家であったとはいえ
    残されたのは基本的に小粒な作品ばかりだった
    だから、そのスキャンダラスな死への憧憬を抜きにしては
    こうも長年読み継がれる存在となりえたものか
    少々疑わしいと思われる向きも、けっこう多いと思う
    半ばは真だ
    しかし、芥川の凄まじさは
    その死に至る準備段階からの副産物として
    「歯車」などの壮絶な晩作を次々と生み出してきたところにあるのだ
    自らの意志により死を捉えた人の明晰さ、というある種のロマンを
    芥川は、いちはやく体現してみせたのだ
    …とはいえ、むしろ本人としては
    「阿呆」と呼ばれて笑われることを望んだのかもしれないけれど

    久坂部羊の「芥川症」は

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    2018年06月22日
  • 破裂(下)

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    枝利子の裁判は、病院内外の圧力で難航する。その裏で厚労省の佐久間が香村助教授に接触を始めた。それが国家権力による高齢者抹殺計画=「プロジェクト天寿」だと見抜いたジャーナリストの松野は、発表する矢先、何者かに殺される…。裁判の結末は?権力に翻弄される江崎の運命は?そしてプロジェクトの行方は?

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    2018年06月13日
  • 嗤う名医

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    脊柱管狭窄症で尿道に管を入れられ自宅で寝たきりの状態を強いられている男性は、嫁に浣腸を頼むのが憂鬱だ。あげくに嫁は看護婦や医師にわたしが痴呆だと嘘をついて嫌がらせをしている。きっと施設送りにしようと企んでいるに違いない。そんなことはさせないと叫ぶがー「寝たきりの殺意」。豊胸手術に失敗した運の悪い女を描いた「シリコン」他。

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    2018年05月27日