久坂部羊のレビュー一覧

  • 廃用身

    Posted by ブクログ

    これだけの〝あと味の悪さ〟は久し振りだ。
    だが読み出すと、ペースに遅い早いはあるもののページをめくる手が少し躊躇した所もあったが止まらなかった。ことの成り行きを見届けなければならないのだと。

    主人公の漆原が執筆した「廃用身」とその編集者が書いた「編集部註」の2段構成になっているのも特異な形だった。
    前半では高齢者介護の実態を知る者として、身の引き締まる思いと同時に僅かながらの後ろめたを感じさせられ、重い気分に。
    〝Aケア〟の具体的な描写は冷静に受け止めつつも、グロテスク感は否めない。
    後半では一気に物語が展開していく。
    ことの一部始終が明らかになり、一つの結果を生み出すものの、当然といえば当

    0
    2026年05月12日
  • 嗤う名医

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    同作者の映画化された小説を今後読んでみたいと思い、こちらを購入。

    「シリコン」は仕事先のつながりがこんなふうに生きようとは…。
    「至高の名医」が1番おもしろく、1番ありそうな話だなと思った。急に挟まれた『胸もデカい』発言も無事?伏線回収された。
    「愛ドクロ」はそういう癖もあるだなーと。行動が行き過ぎていて、俺だったらパートナーは続けられないと思った。

    読みやすい作品が多いが、「名医の微笑」はエグめの性癖。

    0
    2026年05月11日
  • 廃用身

    Posted by ブクログ

    介護現場の綺麗事を許さない壮絶さ、医療の限界、人間の尊厳、倫理とはなど、様々考えさせられる作品だった。

    0
    2026年05月07日
  • 悪医

    Posted by ブクログ

    【一言感想】(小仲サイド)
    目の前の大きな不安を受け入れるには"やりきった"という達成感が心の準備として必要

    【一言感想】(森川サイド)
    相手に起きていることの一側面だけを見て、分かったような顔をするのは欺瞞

    【感想】
    余命を宣告された末期ガン患者が"なんとしても生きる"という希望を胸にセカンドオピニオン、新たな抗がん剤、免疫細胞療法、ホスピスへと流浪する物語

    誰しも"自分は大丈夫"側にいると楽観的に考えることが多く、急に"大丈夫じゃない"側になると心構えが出来ずに、急に目の前に大きな不安が現れた時は直視する

    0
    2026年05月06日
  • 夜明けのカルテ―医師作家アンソロジー―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    定年後勤めだした仕事が少なからず医療に関係しているので、一つ現役医師の小説家が書いた小説を読んでみようと思い、手始めに新潮文庫にある『夜明けのカルテ』という9人の医師小説家の短編を集めたアンソロジーを読んでみた。収録されていたのは下記の作品である。

    牛島志季『研修医ヒナノの洞察』
    朝比奈秋『魚類譚』
    春日武彦『パイナップルのある光景』
    中山裕次郎『救いたくない命』
    佐竹アキノリ『春に綻ぶ』
    久坂部羊『闇の論文』
    遠野九重『言葉が消えるまえに』
    南杏子『空中テント』
    藤ノ木優『峠を超えてきた命』

    それぞれ主人公が外科医だったり産婦人科だったり研究職だったり患者を抱える家族だったり。自分に身近

    0
    2026年05月03日
  • 命の横どり

    Posted by ブクログ

    臓器移植の現実に直面できる小説でした。
    私は、1997年の臓器移植法の制定後に医療系の国家資格を取得しています。けれど…
    脳死判定の検査や倫理観の授業等は少しあったように思いますが、臓器移植について深く考えたことがなかったし書かれていた内容についても初めて知ることばかりでした。
    “命の横どり”と“命の贈り物”、本当に色々考えさせられました。18歳になったら皆、1度はこの事について考える機会が与えられる社会にすべきだなっと思いました。
    ドナーになった側のサポートも必要だと思ったし、立花真知さんのような移植コーディネーターの仕事ずっとは精神的に厳しい…
    ドナーから動いてる心臓を摘出する医師やその施

    0
    2026年04月07日
  • あなたの命綱

    Posted by ブクログ

    ノンフィクション作家の中道颯子が、がん医療の進歩と多様化をテーマに、がん克服も遠くない…ということを伝えようと思い、医療ベンチャー企業の取材をする。

    その最中に元勤務先の後輩であり、友人でもある愛美が、ステージ4の肺がんに罹り、AIに頼ってしまう。

    怪しい医療ベンチャー企業は、やはり…という結末だった。
    中道もいいように踊らされている感じがするのと、友だち思いなのかどうかと見えるところがあり、あまり好ましく思えなかった。
    ただ、榊医師だけは偏屈だけど信用できると思った。
    がんは、治るか死ぬかのどちらかだったが、治らないけど死なないという第三の道があるということ。

    2人に1人が罹ると言われ

    0
    2026年04月06日
  • あなたの命綱

    Posted by ブクログ

    癌で友人見送ったばかり。「死ぬのは間違いない。だけど、今日死ぬわけではない。明日でもない。だったら自分には時間がある。それを精いっぱい大事に使おう。そう思えるのが死の『受容』だ」最後に榊さんのような淡々とした医師に巡り合って看取ってほしいが。「いい加減がよい加減ということもあるんだから、あまり一生懸命になりなさんな」「いのちが延びても患者に恨まれたら医療としては失敗。とにかく本人の希望を優先」死を前にして希望を明確に伝えられるか自信ない。告知の是非も。「癌は治らないけど死なない。徹底的に叩こうとしないで共存。大目に見てやる」…あれこれ考えないで充実した毎日を過ごすことか。

    0
    2026年04月06日
  • 人はどう老いるのか

    Posted by ブクログ

    誰でも老いる。いつまでも若くはいられない。老いへの心の準備をしておけば、がっかりしない。目指すのはできるだけ痛くない、苦しまない死。高望みせず、分をわきまえる。人の事を羨むのは自分に期待しすぎているから。なんだか元気がなくなる気もするけど、幸せな気分で生活する時間は長い方がいい。
    医療関係者が減れば病気の人は減る、というのが笑えた。
    超高齢がいいことばかりではない、には納得。無理に死ぬことはないけど、長生きしてほしいというのは周りの人のエゴではないか、の言葉にも納得。安楽死にも否定的ではないのは、さまざまな老人の死に立ち会ってきたからなのだろうな。
    いやぁ、ポックリ死にたいもんだ。

    0
    2026年03月20日
  • あなたの命綱

    Posted by ブクログ

    ノンフィクション作家が、がんに効果的な検査・治療法を開発した会社を取材する。デタラメなのか?/後輩ががんになり、代替療法にハマってる。効果あるのか?

    非常に面白かった&考えさせられる。がんの治療の意義とは何なのか?哲学的ですらある。

    0
    2026年03月13日
  • あなたの命綱

    Posted by ブクログ

    病態はひとそれぞれで必ずしもあてはまらないけれど、この本では一つの指針を提供してくれる。

    「死の受容5段階」なんとなく知っていたが、今回なるほどと思わせる。
    いろいろ死に纏わる代替療法やAIなどデフォルメされて登場するものの当事者やその家族などがいれば、笑ってすまされない難しい問題だ。

    さて、健康なときに読んだ今、もしがんになったとき、この本が役に立つことを祈ろう。けど、実際は難しい気がする(汗・・・

    0
    2026年03月12日
  • R.I.P. 安らかに眠れ

    Posted by ブクログ

    面白い!死について今まで色々考えたことはあったけど、自殺についてはあまり深く考えたことなかったので、真也と薫子の意見の対立は非常に興味深かったな〜どちらかというと真也よりの考えなので、薫子の独善的な思考は、甘ちゃんやなぁと読んでて歯痒くもあったけど最初から最後まで一貫した善さみたいなのを持ってたから、キャラクターとして矛盾はなかったな。最後は真也の方が、気持ちと思考を切り離しきれなくて苦しんでて、人間らしさがあった。
    というか、自殺に対する考え方の話だと思ってたのに、最終的にサスペンスになってしまったのはちょっとビックリ。でも、そこも含めて面白かったですよ!

    0
    2026年03月07日
  • あなたの命綱

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2026/01/27 5 
    榊先生って博識。皮肉っぽいことも言うが一番診てほしい先生。癌になった人が自費医療や代替療法に頼りたくなるのは自然なこと、そこにつけ込む金儲け医療こそ取り締まってほしいのに野放し。ブラックな面を書くことで知らせる久坂部氏の本は安定の面白さ。ただ今回の作品は専門用語がとても多く次々に出てくるので私の頭ではとてもついていけない。作家の颯子はとてもノンフィクション作家と思えない言動、偽小早川は優秀過ぎ、罹患した愛美はAIにのめり込み過ぎ、みんな超個性派。

    0
    2026年03月04日
  • 怖い患者

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    現役医師の久坂部羊さんが書いたダークな医師小説の5編の短編集。

    精神状態が不安定な患者がセカンドオピニオンが信じられずに、その医師のプライベートを暴き、誹謗中傷や痴漢冤罪の罠にハメ、クリニックを閉鎖にまで追い詰める。しかし実はそれが同姓同名の医師だったという話。
    医者として、人に不幸を告げる…患者に不治の病であることや余命を告げる瞬間が快感になってしまった医者の話。
    いずれもダークで読んだ後に嫌な気持ちになる『イヤミス』な内容が続く…そして一番なんとも言えないどんよりさを感じたのは『老人の園』という短編だ。

    医師の傍らデイサービスの施設を作り、たくさんの老人を集めたが、やがて老人の中にヒラ

    0
    2026年03月03日
  • あなたの命綱

    Posted by ブクログ

    煉獄の苦しみとは言い得て妙。人はなってみて初めて理解する。だから、自分の気持ちは他人には分からない。

    0
    2026年02月28日
  • 祝葬

    Posted by ブクログ

    死に対する夫々の向き合い方が描かれていました。久坂部医師の作品は専門用語も出てきて、リアル感がありますね。最後の章では近未来の医療が書かれていて考えさせられました!

    0
    2026年02月23日
  • 人はどう死ぬのか

    Posted by ブクログ

    前に読んだのに、それを忘れてタイトルに惹かれて再読。死についての漠然とした恐怖を紐解き、どのように迎えるか、現場で何が起きているか、を知り、考えるきっかけになる良書。覚悟をする、ということの大切さを思った。また忘れた頃に再読したい。

    0
    2026年02月21日
  • あなたの命綱

    Posted by ブクログ

    癌だけが疾病の中で特別視されていることを受けての如何にも久坂部氏らしい回答小説。癌疾病の命綱候補を丹念に紹介しつつ、まったく命綱になっていない現状と、癌になっても死なない生き方(受容)に行き着くまでをドラマ仕立てで描く。それにしても主人公・中道颯子のとてもノンフィクションライタとは思えない浅学と直情径行さに終始イライラさせられ、その魅力のなさで物語を結構台無しにしている(そういう役回りであっても酷すぎる)。それはそれとして、書かれている内容は面白かった。

    0
    2026年02月19日
  • 悪医

    Posted by ブクログ

    抗がん剤治療では癌はなくならないことを初めて知った。私の祖父も癌でなくなったが、最期は治療が辛いからもう死なせてほしいというようなことを言っていたと聞いた。
    しかし、治療が難しいと聞いても最初からすんなり諦めて残りの人生を楽しもうと気持ちを切り替えるのは難しいと思う。本人も家族も。
    知識がないから尚更いろんなものに縋ってしまうのだろう。

    小仲のような傲慢な患者に対しても治療をしなければいけない医療従事者は大変だなと思った。あんな自分のことしか考えてないやつまで救わないといけないのか。

    私なら癌と宣告されたらどうなるのかと考えざるを得ない一冊だった。

    0
    2026年02月19日
  • 人はどう老いるのか

    Posted by ブクログ

    老いには抗わない。無為自然。不幸には敏感だが、幸福には鈍感。

    いつ死んでも良いように心がける。

    作者のお父様は、65歳で定年退職した後、87歳まで趣味や娯楽に専念してお亡くなりになられたとの事。自分もそうなりたい。

    0
    2026年02月18日