久坂部羊のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ9人の現役医師による医療小説アンソロジー。
医師作家でしか表現できないと思われる臨場感あふれる詳細な描写、ヒューマンでミステリアスなストーリーが魅力の作品集だ。
1〈研修医ヒナノの洞察〉
上司からパワハラを受けている研修医が患者の膠原病を見つけ上司を見返す痛快な話
2〈魚類譚〉
封建的で理不尽な医大の内部構造、詳細な手術シーンにミステリーとホラーの要素を取り入れた作品
3〈パイナップルのある光景〉
同じような引きこもり系の精神疾患でも、一方は入院治療、一方は家族による対処という示唆をする精神科医。専門的な見解が押し付けなく、ふわっと伝わってくる秀作
4〈救いたくない命〉
救急外来に運び込まれて -
Posted by ブクログ
誰にも訪れる「死」。しかし、実際にどのようにして死んでいくのかを知っている人は少ない。人がどのような末期を知らないと、虐待に等しい終末期医療に苦しみ、悲惨な死を迎えることになりかねない。肉親が迎えたとき、そして自ら死を覚悟したとき、どのような死に方を選べばいいのか。在宅診療医として数々の死を看取った、作家の久坂部羊氏が、人がどのような死を迎えるのかをリアルに描き、安らかな死を迎えるために、私たちが知っておくべきことを解説する。その日に備えて、読んでおきたい「死の教科書」
はじめに
第一章 死の実際を見る、心にゆとりを持って
第二章 さまざまな死のパターン
第三章 海外の「死」見聞録
第四章 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ徴候診断でその人が抱える病気が「見える」医師。だけれど、見えるがゆえに、先がわかりどうすることもできない虚無感を抱えている。
「見える」から、治る患者だけを治療し、お金を持っている人には最高のサービスを提供しよう、安心を買ってもらおうとする医師。
二人は同じように「見える」が考え方は真逆。
病気が見える見えない、施設の子供たちの治療方針などで意見が最後まで合わなかった菜見子。
ずっと対立、わからない、理解できないで終わるかたちもアリかもと思った。ちゃんと意見のぶつかり合いがあったので。
菜見子の元夫の行動。ストーカー。刑法39条を悪用しようとする。(ネットで検索。履歴残るからバレるで -
Posted by ブクログ
認知症の介護の話。
最初は高齢者の車の事故が増えていることから、義父にも運転をやめてもらった方がいいと嫁の雅美が言い出したことから始まる。
義父を説得しているうち、何か様子がおかしいと思うようになり、なんとか脳ドックという名目で病院に連れていく。
初めは事故が起こったら自分たちにも被害があるとか、世間体ばかりだった。
とにかく介護が進むに連れて色々なことがある。
介護される側もする側も疲れてくる。
壮絶な日々である。
自分も近いうちに介護をする側になり、その先には介護される日が来るだろう。
それがわかっていても、受け止められないような過酷で残酷な真実がある。
そんな重い話でも、目を背けることは -
Posted by ブクログ
久坂部羊『生かさず、殺さず』朝日文庫。
在宅医療を知る医師でもある著者の『老乱』『老父よ、帰れ』に次ぐ認知症小説。
古くは、有吉佐和子の『恍惚の人』、ここ数年で読んだ認知症の元刑事を主人公にした佐野広実のミステリー小説『わたしが消える』と認知症を描いた小説は幾つかあるが、現役医師の描く認知症小説というのは非常に珍しい。
本作では、高齢者の医療、介護、認知症と様々な高齢者問題が赤裸々に描かれており、読んでいると歳を取ることに恐怖を感じて来る。
伍代記念病院で各科の認知症患者を集めて治療する通称『にんにん病棟』で病棟医長を務める三杉洋一を主人公にしたサスペンスフルな小説。
少子高齢化の