久坂部羊のレビュー一覧
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購入済み
内容が医療モノなので、ちょっと難しかったですが、途中からサクサク読めました。高齢化社会はこれからの課題ではありますが、そんな無茶苦茶な解決策は。。でも終わりは、まぁ一応無事に着地したかなと思いました。
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ネタバレがん治療の国家プロジェクトの利権を巡り、それに参加する内科、外科、放射線科、免疫療法科による派閥争い。患者が見えなくなるほどカネや名声に執着する面々の腐り切った姿は「白い巨塔」を彷彿とさせます。
読んでいると思わず顔をしかめ、眉間にしわを寄せてしまいそうなほど醜い登場人物たちの姿に辟易しながらも、論文捏造や医療ミスなどのスキャンダルに見舞われながら進行していく泥仕合がどうなっていくのか。また、そんな医学会の中で異彩を放つ雪野などの(ごく一部の)真面目な人たちが今後どうなるのか。
そうした先の話が気になって、久々に短時間で一気に読み切った本となりました。 -
Posted by ブクログ
久坂部羊『虚栄 上』角川文庫。
さすがは現役医師の作家というだけのことはあり、専門的な医療に関する描写も非常に解り易く、生々しいリアリティを感じる面白い作品である。
最初は医療ミステリーなのだろうかと思いながら読んでいたのだが、途中から『がん』を主人公にした作品ではないかと思うようになった。登場人物が次々とがんに罹患していくのだ。最近、がんに罹患した知人や親戚の話を聞く。それだけに、身近な恐ろしさを感じる作品でもある。
凶悪がん治療の国家プロジェクトを巡り、覇権争いを続ける、がん治療に関わる医師たち。患者のことなど全く考えずに、自分たちの立場を守り、覇権を手にすることだけを考える医師たちの姿は現代の政治家の姿とも重なる。下巻では一体どんな展開が待っているのか… -
Posted by ブクログ
久坂部羊『芥川症』新潮文庫。芥川龍之介の作品に着想を得て描いた短編集。医療に対する諷刺の効いた短編7編を収録。久坂部羊がまたまた違う一面を見せてくれた。グロテスク、ブラック、ホラー、ユーモア、様々な要素を取り入れた面白い短編集だった。
『病院の中』。『藪の中』からの着想だろう。父親の死に疑念を抱きつつ、難解な医学用語でたらい回しにされる主人公。そして、最後に待ち受ける結末…
『他生門』。『羅生門』からの着想。多くの人びとの支援によりアメリカで心臓移植手術を受けた主人公の人生はもはや自らのものではなくなる。
『耳』。『鼻』からの着想。何ともグロテスクでブラックなストーリー。
『クモの意図』。言わずと知れた『蜘蛛の糸』からの着想。作中に芥川龍之介の『蜘蛛の糸』が落語で描かれる。ブラックでユーモラスなストーリー。
『極楽変』。『地獄変』からの着想。一人の医師の密かな楽しみを描いたグロテスクでブラックなストーリー。
『バナナ粥』。『芋粥』からの着想。落語のような…
『或利口の一生』。『或阿呆の一生』からの着想。著者の半生をベースにした、この短編集の総まとめといった短編。この短編があるが故に短編集全体が面白い作品に仕上がっているようだ。