あらすじ
外科医の才所准一は、大阪で富裕層向けの自由診療クリニックを運営している。抗がん剤・免疫療法の趙鳳在、放射線科の有本以知子、予防医学の小坂田卓という優秀な三人の理事とともにがん治療を行い、順調に実績を重ねていたところ、久しぶりにクリニックを訪れていた顧問が突然死を遂げる。急性心筋梗塞と診断されるが、顧問の死には不審な点が多く存在していた――。最先端の医療チームに黒い疑惑が渦巻く医療サスペンス。
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Posted by ブクログ
久坂部羊『砂の宮殿』角川文庫。
医療サスペンス小説。
なかなか面白い。超高齢化社会が到来した日本に於いて、医療は非常に重要な砦となるが、全ての医療従事者が清廉潔白で患者のために愚直に働いているとは限らない。中には私服を肥やし、名声を得ることだけに拘る医療従事者もいるのだろう。そんな医療従事者への不信感を煽る恐ろしい小説だった。
『砂の宮殿』というタイトルは、『高い志も富や名声の前では脆いものだ』ということと舞台となりクリニックが『カエサル・バレスクリニック』という2つにかけたものであろう。
最先端の医療チームを持ち、海外から裕福な患者を集め、自由診療を行うカエサル・バレスクリニックで理事長を務める外科医の才所准一は、抗がん剤・免疫療法の趙鳳在、放射線科の有本以知子、予防医学の小坂田卓という優秀な3人の理事とともに癌治療を行い、順調に実績を重ねていた。
ところが、久し振りにカエサル・バレスクリニックを訪れていた顧問の福地正弥がクリニックを出て自宅に戻る途中で倒れ、直ちにクリニックに運ばれたのだが、突然死を遂げる。死因は急性心筋梗塞と診断されるが、顧問の死には不審な点が多く存在していた。
その後、福地の不審死を含め、カエサル・バレスクリニックに渦巻く黒い噂に関連して、才所准一の近辺を嗅ぎ回っていた怪しげな老ジャーナリストがシンガポールで不審死を遂げる。
最先端医療の発展に尽力する外科医とその周辺で渦巻く黒い噂の正体は……
本体価格1,000円
★★★★★