近藤史恵のレビュー一覧
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初めての食べ物、初めての旅行先、初めての出会い、色々な初めてが美味しいご飯と土地にあるアンソロジー
坂木司「下田にいるか」
適量が苦手な主人公が勢いで下田にプチトリップするお話
誰かが適当に適量にしてくれるから、好きなものは好きなだけ詰め込んだって良いじゃないか
松尾由美「情熱のパイナップルケーキ」
福引で当てた旅行券で初めての台湾旅行、現地の人や会社の台湾オフィス人との交流を通して少し周りから浮いていると感じていた自分だからこそ気付けることがあると知る
パイナップルケーキに関する謎に気付けたこともきっとそう
近藤史恵「遠くの縁側」
海外出張での大仕事を終えた日、パスポート財布など一切を紛失 -
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ネタバレこれはなかなかの問題作…。
子供がいる立場上水絵の気持ちもわからなくはないけれど、それでもものすごくイライラしてしまった。
脚本家として活躍をする鈴音のもとへ10年ぶりに高校の友人の水絵から連絡が入る。
子連れの水絵は、1週間だけ居候させて欲しいと頭をさげる。
渋々ながらも応じた鈴音。ところがこの関係は1週間では終わらず、ずるずると続いていく。
施す側は、相手からは些細なことに思われるかもしれないけれども、自分の一部を相手に差し出しているわけで、感謝とわきまえを求めてしまう。
施される側は感謝はあるものの、相手は恵まれているのだからこれくらい当たり前、とどこかで思っている。
ボランティアで -
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ネタバレ読みやすい文章でさくさく読めた。
最後の最後に、どう考えてもうまく行っていないこの状況に対して盲目的な遼子が疑問だったが、作中の
「立派なお父さんに育てられた自分が誇らしくて、父の独善的な部分や、自分勝手な部分から目をそらしてきた。
仲のいい家族が自慢だった。家族とうまくいっていない友達を見ると、少しだけ優越感を覚えた。そうやって、自分の目にフィルターをかけてきた。
自分が見たい父の姿だけ見て、それを誇りにしてきた。
情けないのは父だけではない。わたしも同じだ。」
という部分が、全てを物語っているのだと思う。遼子はいまだに自分の目にフィルターをかけている。結局人は変われないということなんだ -
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シリーズ3作目。本作は短編集となっている。
「吉原雀」
吉原で立て続けに(見世の違う)3人の遊女が病気でなくなっているという。気になった千蔭が調べてみると,3人共何か「雀」に関わりがあったらしいことがわかる。そして巴之丞が吉原雀を演じたときの錦絵にその3人にそっくりの女が描かれていた。3人の遊女の死は本当に病気なのか? 巴之丞との関わりは?
「にわか大根」
大阪巡業から戻ってきた市村座のかつての人気若手女形達之助が,何故か大根役者に成り果てていた。周囲が首をひねる中,ある夜達之助の一人息子が転落死する。すると不思議なことに達之助の演技が元に戻った。達之助の演技の変容と息子の事故死には何か関連が -
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猿若町捕物帳シリーズ第2作。
第1作に登場した面々も引き続き登場する。
吉原に若い女の幽霊が出るという噂を中村座の若手作家・桜田利吉が玉島千蔭の耳に入れる。
千蔭には与力・青島が姪との縁談を持ちかけていており,円満に破断にすべく,吉原で遊び呆けてる姿を偽装するために吉原の茶屋・叶屋に行って,知り合いの花魁,梅が枝を呼ぶ。しかしそこで千蔭は幽霊騒動に出くわす。そしてその後,叶屋の主人と女将が揃ってめった刺しにされて殺されるという事件が起こる。幽霊の仕業だと噂になる理由がその女将にはあったのだ。しかし本当に犯人は幽霊なのか。そして川岸に出没する謎の白髪の老婆の夜鷹の正体とは一体。千蔭の破談は無事 -
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内容としては割とありがち、、あぁ、そのパターンか。と。
ただ、妹への気持ち、祖母に対する気持ち、世間に対する気持ちや、自分自身に思うこと、それぞれの葛藤や思いは、少なからず同じような気持ちがわたしにもあって、
あぁ、なんかわかるなぁ。
と、感じました。
うちも祖父の会社を父が、そして、手伝いにわたしと妹が入ってるので、感覚として、なんかわかるなぁと。。。
まぁ、こちらは和菓子で我が家は鉄骨屋だけどさ。笑笑
和菓子の表現がまた素敵で、見てて可愛いとか、綺麗って思っても、あんまり食べたいと思わないんだけど、この本読んでると食べたくなるからすごい。
その表現力たるや。です。
オチもパッとは -
ネタバレ 購入済み
微妙….….
初めて出会った作家の作品ばかりだった。あっ、一人、知ってる方が居たかも….….コロナ渦や、ロシアのウクライナ侵攻、今の(ちょっと前か?)閉塞感の有る現実が、微妙に反映されていて、面白かったか?と聞かれると、微妙….….と答えると思う。