近藤史恵のレビュー一覧
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ひたひたと染み込んでくる厭な感じでした。
自分の子どもにはこうあって欲しい!から逸れると、子どもを憎々しく思うものなのかな親って……怖っと思いました。この作品では両親とも、自分達は微塵も悪くなく、どうして次女はあんな風になってしまったのかをずっと嘆いていて、そりゃあんなやり方したらね、と思いました。父親は明らかにやり過ぎ。
独善的で、うちの父親と同じタイプなのでとても苦手です。
同じ、新しく宿った命でも、結婚していたら祝福され、中三だったら亡き者にされる。目の前で、待ち望まれるのを見せ付けられるのだから、妹の憎しみも深深と積っていくのはわかる気がします。
ラストはひえっとなりました。 -
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四国の磯ノ森の海辺の小さな町で起きた、祖父母の心中事件の真相を、孫である高校生の光介が成長しながら突き止めていく。
芸術家ならではの、プライベートや常識を越えるといった、境界線の危うさ。
高郷カメラで起きた、各々の家族の考え方の違い。
大人にならざるを得なかった子どもたち。
時に真実を明かさない優しさ。
悲劇は、一体どこで起きてしまったのだろう。
文章から、写真の美しさや力強さも伝わってきたし、光介が初めて一眼レフカメラを手にする描写とか、芹が時間が止まった写真店を復活させようとしている描写とか、それぞれの家族の思いが交差するところか、とても良かった。 -
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大阪・心斎橋にある芸術科メインの女子校。その付け足しみたいな普通科に、高校から入学することになってしまった女のコ二人。必然的仲良くなった二人だが、なぜか手を繋ぐと不可視なものが見えてしまう。二人が、その能力のためもあって、如何にも歴史のある女子校でささやかれていそうな怪異に次々と絡んでしまうという連作。事件の真相の方も、その手の噂話にふさわしいものが大半を占める。多分狙いでやってるんだろうけど、さすがにそれだとお話としてはかなり薄味でちょっと食い足りない。前後に花音の母親である作家が出てくる枠がはまっているのだけれど、これが実に不穏で、ある意味本編より不気味。妙に尻切れトンボな終わり方といい、
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元警察犬のジャーマンシェパードを飼うことになった共働きの池上夫婦。
初めて犬を飼う夫婦の日常と、周囲で起きるさまざまな事件を描いたミステリ連作短編集。
躾もきちんとされてて賢いけど、人懐っこくてちょっと臆病な元警察犬のシャルロットがとにかく可愛くて、わんこかわいい~愛しい~!って読んでたらすぐ読み終わっちゃいました。
もちろん可愛いだけではなく、飼い主同士の暗黙のルールや犬の習性を理解した上でのしつけの重要さ等々、犬を飼ったことのない私には初めて知ることばかりで、新鮮でした。
動物を飼うことの責任の重さや、動物を利用し改良してきた人間の歴史などなど、人間のエゴについて考えさせられるエピソー -
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とてつもなく怖いという類ではない。「あぁそれは霊だね」といった感じ。そういった意味ではミステリ側に位置している気がする。
あらすじ(背表紙より)
伝統ある女子高・凰西学園に入学した真矢は、人一倍怖がりの花音と友達になる。「出る」という噂のあるピアノ練習室で、虚空から伸びる血まみれの手を目撃した2人は、その日を境に、手をつなぐと不思議なものが見えるようになってしまう。保健室に横たわる首のないびしょ濡れの身体、生徒の肩に止まる白い物体、プールの底に沈むもの……。少女たちが学園にまつわる謎と怪異を解き明かす、美しくも繊細な6篇の青春ホラーミステリー。 -
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ネタバレ真実を知った時の驚きはさほどなかったというか、あ、そういうやつね...という感じだったが、歌舞伎に詳しくない私でも、その雰囲気を楽しめたし、全体としては面白かった。
性別を2種類しかないものとすること自体は本気で見直す時に来ているだろう。
この小説では歌舞伎という特殊な世界の話として描かれていたけれども、結局2種類のみの性別に押し込めようとすれば、どこであってもこういった悲劇は起きるのだから。
子供の性別や能力によって親の愛情が左右されることも多々あるのだろう。
母親の愛情が深かったことが分かるだけに辛い。
最後は希望のある終わり方で良かった。 -
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ネタバレ流行のファッションに身を包むキリコは清掃の仕事のついでに事件も人の心もクリーンにしてしまう――。
お掃除ミステリ第五弾にして最終巻。
四篇の連作短編集ですが、最初の二話は英会話学校、三話目はコワーキングスペースで起こった事件のお話。
例によって、掃除の派遣で働くキリコの深い洞察力によって事件とそれに関わる人の心を解きほぐしていきます。
軽く読める肩の凝らないミステリですが、真相の裏に隠された悪意や嫉妬の熱量は結構重みがあり、認知の歪みやいじめでは済まされないビターな内容でした。
特に三話目の「重なり合う輪」の女性が受ける悪意のない嫌がらせは、胸がつまり苦しくなります。
その上、自分の見たい