近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「サクリファイス」シリーズ第3部。
タイトルはサヴァイヴ(生き残る)。
本作は「サクリファイス」シリーズの主人公である白石誓が主人公の物語ではなく、ロードレースの選手として白石の近くにいた選手たちの視点で描かれた6編の短編集。
「サクリファイス」から始まり、「エデン」、「スティグマータ」へと繋がるロードレースを舞台にした白石の物語にどハマりした私には、斬新な視点の物語であったが、やはりどこか物足りなさを感じてしまった。
本作では白石以外の多くの違った個性を持つ主人公が登場するが、近藤先生の心理描写には驚かされる。
それぞれの心理を描ききるのみならず、自転車の上で感じる風や音、雨の描写 -
Posted by ブクログ
人にはどこまで優しくすれば良いのだろう。
この人と仲良くなりたい お近付きになりたいに限らず、自分の利益の為だけの打算故の優しさはいくらでも発揮できるのやもしれない。それが人間の優しさの全てならこれ以上わかり易い物は無い。
しかし、困っているから助けてあげたい の善意の気持ちだって勿論誰しもが持っている優しさの感情だ。ただそれをどこまで実行するべきなのだろう。
してあげたのに何よ
と思う優しさの提供側
それくらいしてくれたっていいじゃない
と思う優しさの収受側
鈴音のモヤモヤやイライラを募らせる人間味溢れる姿と、人の言動や立場を踏まえて 発信されない言葉を 一生懸命考えている姿に胸を打た -
Posted by ブクログ
女同士の愛憎模様を描いた物語です。カラッとした性格の主人公が、新人作家とその秘書に動揺し振り回されていくさまがどこか生々しく描かれています。
作者らしいさっぱりとした筆致なので、実情の泥沼さよりも随分受ける印象はからりとしています。
容貌が持つ利益不利益をからりと暴き、性癖がもたらす選択のいびつさを描き出して、恵まれているようでそうではない部分を抱えつづける、生きにくい彼女たちの姿が印象に残りました。どんな人でも、100%の満足を抱えて生きていることなんてありえなくて、どこかでなにかに折り合いをつけつつ日々を進むしかない。その諦めを受け入れることも、生きる上で、人それぞれが日々繰り返してい