近藤史恵のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「ラストメッセージ」がテーマの短編集11編。
とても読み易かった。
印象に残ったのは「もうひとつある鷹宮家四訓」
「孤独の谷」「猫への遺言」
「もうひとつある鷹宮家四訓」は、大切な人を
思いやる気持ちが温かい。
ほのぼのとした短編集ばかりかと思いきや、
「孤独の谷」は言葉を使えば使うほど死に近づいて
いくという少し怖い話で、最後のシーンが
ぞわりとする。
「猫への遺言」は、読み終わった後、なんだか
モヤモヤ感があった。新型コロナウイルスで
亡くなった夫の遺言書、読まれるはずのなかった
遺言書で、妻は夫の秘密を知ることになる。
いろいろあったかもしれないが、
夫には共感できない。
これ、いい話? 梅吉(猫)は可愛いけど。 -
Posted by ブクログ
大阪の和菓子屋が舞台。ふわっと優しい当たり障りのないストーリーかと思ったら、良い意味で違っていて良かった。
つぐみの身体に曾祖母の魂が乗り移ってしまうという設定。その願いとは……。
まさかの展開でした。
曾祖母の願いの行きつく先も気になりますが、会話のあちこちにある私たちを取り巻く問題の描写や無自覚な偏見にハッとさせられた。
正反対の性格をした姉妹の関係性の変化や、大正時代を生き抜いた曾祖母のこと、姉・小梅の仕事への向き合い方。
いろいろなことに考えや感情をめぐらせながら読んだ。
そして、個人的なところでは、留学したいという小梅と親のやりとりに既視感。
芋あんのキンツバ、六方焼き、すずめのこなし、最中……案の定、読みながら和菓子が食べたくなる。
タイトルの「おはようおかえり」
言葉に込められた願いと愛情を感じました。
近藤さんは作品の振り幅が大きくて、いつも読む前からどんな作品なのかワクワクさせてくれる。