近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ今回ばかりは本のタイトルや表紙の絵の
先入観だけでほんわかストーリなんて思わず
何でも来い!とばかりに読んだらほんとに
いろんなジャンルが楽しめました。
個人的には途中のあり得るようで
ありえない展開からのそこに落ち着く
のかと思った新津きよみさんの
「わたしの家には包丁がない」や
なんだか複雑な家庭環境だと色々と
複雑だよなぁ~なんて読みながらの
ラストでわかるある方の正体に
おぉうと驚いた松村比呂美さんの「離れ」、
そうそう近藤史恵さんってこういう
じわぁ~っと怖い話あるよねって
思い出した「姉のジャム」、
社会問題になっている不法就労や意外な
素性のベトナム人や今どきの詐欺や飲食店の
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Posted by ブクログ
脚本家でようやく生活も安定してきた鈴音のもとに、突然、特に親しくも無い高校時代の同級生から連絡があった。子どもを抱えたシングルマザーの水絵はリストラされて日々の生活にも困窮している様子。
金の無心かと思いきや、一週間だけ鈴音のマンションに同居させて欲しいという申し出であった。
絆されて渋々期間限定での同居を受け入れた鈴音であったが、貸した歯ブラシを買い換えたはいいが、使い古しの方を返すなど非常識とも取れる行動に、徐々に違和感を感じるようになる。
実際に現実に身の回りに起きてもおかしくないシュチュエーションで主人公が感じる重圧が伝わって、心がざわざわしました。
疑いながらも相手の立場で考えて打 -
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃ優しい女性の再生を描いたミステリでした。
主人公の久澄だけでなく登場人物それぞれの傷に寄り添い、そして包み込んでくれるような作品だったように思います。
主人公となる久澄は、会社を辞め実家の家事をしている女性。現状に対して焦りはあるものの、働きに出る勇気も持てず、母や姉に甘えて日常を過ごしています。
そんな彼女に舞い込んだのは、祖母からの観劇代行のバイト。
外に出ることが難しくなった祖母に代わり、頂きもののチケットで観劇し、その感想を伝えるというもの。
久澄はこのバイトをきっかけに少しずつ歌舞伎をはじめとした舞台の魅力に惹かれていくが、行く先々で小さな事件と、なぜか毎回老紳士が現れ -
Posted by ブクログ
勝手に長編だと思い込んでいて最初の交霊会がのちのち関わってくるかと思いきやそんなことはなかった。
バレエ姉妹の話。主人公が新たなやりがいやアンナとベガの出会いも素敵だった。
パリの美しい街なみ文章から伝わってきた。
ここからの短編は通勤時にもさくっと読めて、落ちもしっかりしていたからとても読みやすかった。
「甘い生活」は私自身も妹に搾取されてきたのですごく姉に共感してしまった。主人公の性格の悪さ、ずる賢さにとても気分が悪くなった。最後の展開は自業自得だね。
「未事故物件」はオカルトの類いかと思いきや・・・。怖かった。
タイトルの「ホテル・カイザリン」は少し切ないお話。
冒頭の事情聴取を