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夏のレクイエム(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 海辺の町で静かに暮らす下條のもとに届いた旧友・小田嶋の訃報。それは、彼の忘れ得ぬ記憶を蘇らせた。かつて事業家としてまさに成功を収めかけていた頃の腹心・小田嶋の裏切り、会社の倒産。借金返済のため妻子を連れて札幌へ。カジノのサクラとして日雇いで働き続けることに腐りかけていた下條を巻き込んだある夏の事件--そこには死んだはずの小田嶋の影が見え隠れしていた……。人生の夏が過ぎ去っていくことに気がついたとき、男たちは言いしれぬ焦燥にかり立てられ、疾走し始める。 -
泣きながら、呼んだ人
母娘を描いた感動の家族小説。 多くの読者を感動に包んだ小説『泣きながら、呼んだ人』。待望の文庫版を電子化。 作者は、「人間描写の達人」と評される加藤元。 物語は、4名の女性を主人公に、ロンド形式で進んでいきます。 母とわかり合えない気持ちのまま先立たれてしまったハルカ。幼い頃から自分と母を仲良し母娘と信じてきた妊婦の菜摘。小さな頃からすべての基準が母親にあり、疎ましく思いつつもどこかで手を離されるのを怖れている千晶。女としての母の側面を大人になっても受け入れられず、母を赦すことができない芙由子。 彼女たちを軸に、その兄妹、夫、父親、義母、義父、友人、子供たちの様々な目線、エピソードが加わります。きっと誰かに、またはどこかしらに共感せずにいられない、心にじんわりとしみわたる家族小説となっています。特に女性には必読の書。 家族と上手につきあえている人もどうもうまくつきあえない人も、すべての読者たちの心に響く、ハートウォーミングな傑作です。ところどころ、くすりと笑わせる筆致も見事。そして読後には、温かな涙が心を潤すこと必至です。 -
不完全ナックル
空手系暴力女子だった過去を遠い彼方に葬り去り、夢にまで見た文化系女子ポジションを獲得すべく日々奮闘中の女子高生・雅野京歌。 しかしそれなのに、京歌は何の因果か素人ばかりの空手部の創部に付き合わされてしまうことになって……。やる気はあるけど軟弱な部長にカラオケ要員系元気ガール、心優しきヤンキー娘に果ては名参謀としてならした病弱軍人娘まで!? 個性豊かすぎる仲間たちに囲まれた京歌は、あくまでも文化系女子への道を歩み続けるのか、それとも――。ゆるっと本気な青春+部活ストーリー! -
シャルのご主人さま
わたくしはシャルロッテ。イングリッシュ・コッカーという中型犬で、麻雛市に暮らす来栖川家で飼われています。 わたくしは、来栖川家のみなさまが大好き。中でも、長女の瑠璃子様が一番好きです。栗色の髪の毛も、無邪気な笑顔も、瑠璃子様を構成する全てが愛おしくてなりません。 けれど、瑠璃子様はとってもアホです。もうビックリするくらいアホです。しかしそれでも、わたくしは瑠璃子様が大好きなのです。 そんな愛すべき飼い主・瑠璃子様の物語、聞いていただけますでしょうか――。 犬の視点で描かれる愉快でハートフルなストーリー! -
マンゴスチンの恋人
すべての人に刺さる4つの恋の物語。 幼い頃のトラウマから男子とつきあえず、年上の人妻に恋する女子高生。存在感の薄いチビオタ地味男の身体の悩みを知り、心を寄せていく美少女。援交トラブルを救ってくれた男子クラスメイトの秘密を知ってしまった少女。かつての恋の痛手に苦しみながら、レズビアンであることをカムアウトすべきか悩む生物教師。 十代の後半、人は性への意識が高まり、性自認が確立しはじめる、サナギのような時期。多感な心は揺れ、痛み、傷つきながらも、人を好きにならずにいられないセクシャルマイノリティのそれぞれの恋を描いた、すべての人に刺さる4つの物語。 全国書店員さんはじめ、芸能界やマスコミから絶賛された第12回小学館文庫小説賞受賞作が、待望の電子化。 -
沢木道楽堂怪奇録 はじまりのひとり
ひとりは霊を見る男。名は沢木隼人、なんでも屋 『沢木道楽堂』 を営むダメ人間。もうひとりは霊に好かれる少女。名を矢都雪穂、明るさが取り柄のお節介な女子高生。ふたりの前には、今日も今日とて奇妙でおかしな出来事が……。 公衆電話からの囁き。声を聞いた少女は怪奇と出会う〈囁き〉。腹を引き裂き自殺した妊婦。彼女の身になにが起きたのか? 〈はじまりのひとり〉。脳を持たない霊はいかにして思考するのか。そもそも霊とはなんなのか? 〈霊に魂の不在を説く〉。ベルクの名曲を巡る、ふたりの奏者の物語〈ある天使たちの思い出に〉。以上四編収録。 -
紳堂助教授の帝都怪異考
時は大正。伝統とモダンが共存する帝都東京。レンガ造りが並ぶ銀座、風情のある花街の神楽坂に、見世物で流行る浅草。 その街を闊歩する青年が一人。若くして帝国大の助教授の肩書を持つ美青年は、博学多才にして超自然的なことにも通じているとか。警察の手に余る事件が彼のもとに持ち込まれることもあるという。 そして、彼の傍らにいるのは助手の美少年。その賢さとまっすぐな心を青年はこよなく愛し、常にそばにおいている。 これは帝都の巷で起こる不可思議な事件を、助手の少年が記録したものである。 -
セラフィムの夜(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 天使のような容貌と肉体を持ちながら生まれつき生理がない人妻・涼子は、大学の後輩の大島に好意を寄せられ、凌辱されてしまう。さらに、病院へ赴いた涼子は、自らの性の驚くべき真実を知る。異常なまでにつきまとう男を殺めた涼子は、彼の腹違いのヤクザの兄・山本に助けを求めた。二人は山本の故郷である韓国へと向かう。そして、山本には恐るべき殺し屋が襲いかかった。「性」と「国籍」。二人の存在の証をかけた逃避行の結末は? ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。 -
崩壊(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 著名財界人が正体不明の男たちに拉致された。日本経済を操る地下組織の仕業か、海外マフィアの陰謀か。バブルに踊り疲れた明日なき日本経済の黒い断面を鋭く抉る、企業サスペンス。経済もの小説第一人者の筆が冴える。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。 -
ルフラン(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 いつの間にか青春を過ぎ、中年となった男と女に起こる日常の危機。なぜか精神が不安定になったり、初恋の人に会い心が揺れ動いたり…。そんな人生の一断面の衰歓と癒やしを見事に描く愛の作品集。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。 -
金星で待っている
その日、人類は初めて金星人と遭遇した――。 僕は劇団の稽古場で、入団希望の女の子を面接していた。自らを 「金星人」 だと名乗る彼女は、印象的な瞳を輝かせながら自信たっぷりに言う。「どこからどう見てもそうです」。 弱りながらも、僕は彼女の入団を受け入れた。目の前で演じた即興芝居が抜群にうまかったから。けれど彼女の加入で、僕らの劇団、いや僕らの人生は大きく変わるのだった……。 小さな劇団を舞台に、夢を追いかける個性的な若者たちを鮮烈に描く、甘酸っぱさ満載の青春群像劇。 -
かもめ高校バドミントン部の混乱
初速400キロとも言われるスピードで飛び交う、真っ白なシャトル。目にも止まらぬ小さなそれを打ち合う華麗かつ苛烈なスポーツ――それがバドミントン。 自らの力を信じて、入学した高校でも意気揚々とバドミントン部に入った南太一は、先輩たちとの実力の差に愕然とし、落胆する……。それでもバドミントンを続けていこう。そう決意した太一は、ライバルや先輩たちに、正面からぶつかっていく――。 第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉を受賞し、『おちゃらけ王』 でデビューした気鋭・朽葉屋周太郎が贈る、青春ストーリー! -
NO WAY OUT 脱出不能
映画化決定! ノンストップ犯罪ノベル!! 「五二物(ぐにもん=質草)」に紛れ込んだ幻の宝石――シン、ヒロ、ケイタの三人は、その石があるという高級質店「K」に忍び込み、一儲けしようと企む。だが、その質屋のオーナーは、違法薬物に手を染め、また、たびたび暴力事件を起こすなどヤクザ顔負けの危険人物だ。 一方、成目警察署の刑事・君島総一郎は、五年前に一人娘を亡くしていた。死因は、県内全域に蔓延している悪質な違法薬物。しかし娘の死は、睡眠薬の過剰摂取による「自殺」として処理され、事件そのものも隠蔽された。総一郎は県警本部捜査一課長・木戸誠とともに、非公式に再捜査をしていた。その延長上に「K」が浮かぶ‥‥。 大人気シリーズ『偏差値70の野球部』の著者による、ノンストップ犯罪ノベル! 読み始めたら止まらない、書き下ろし映画化原作!! -
兄 かぞくのくに
各賞総ナメの映画「かぞくのくに」の原作本。 人生に「もしも」はない。私たちの家族のひとりが「もしも・・・」と口にした時点で、きっと私たちの間で何かが壊れる。それが「何か」はわからないけれど、私たちの誰もが、この言葉を口にしたことがない。でも私は思ってしまう。もしも兄が帰国していなかったら?(本文より)~1960~80年代に日本から北朝鮮に10万人ちかくが移住した「帰国事業」。旗振り役だった総連幹部の一人娘として生まれたヤンヨンヒ監督。パラダイスを夢見て北朝鮮に渡っていった3人の実兄と日本に残った両親とヤン監督。国家や思想によって引き裂かれてしまった「かぞく」に突きつけられた厳しい現実をリアルに綴った感涙のドキュメンタリーノベル。昨年「映画芸術」2012年日本映画ベストテン第一位、第86回キネマ旬報日本映画ベストテン第一位、第55回ブルーリボン賞作品賞、第64回讀賣文学賞戯曲・シナリオ賞ほか各賞を総ナメした話題の映画「かぞくのくに」の監督が涙ながらに綴った原作本。 -
別れの時まで
『水曜の朝、午前三時』著者の長編恋愛小説。 私は手記募集で応募してきた女性に関心を持ち面接するが、彼女は女優であり、その波乱の人生に興味を持ち交際を始める。彼女には息子がいたが夫の影はなく、同じく娘を持つ私は共感を覚え密かな情事を深めていった。 しかし彼女の家に出入りするうち私は監視されていることに気づく。そして息子の父親であるかつての「恋人」が指名手配されていることを知る。 著者は2001年11月、書き下ろしの長編恋愛小説『水曜の朝、午前三時』でデビュー。1970年に大阪で開かれた万国博覧会を舞台に国籍問題で引き裂かれていく男女の恋愛をミステリアスな筆致で描いた同作品は、新人作家の第一作にもかかわらず多数の読者の支持を得て、ベストセラーとなった。 本作『別れの時まで』は、著者が10年ぶりに満を持して発表した長編恋愛小説。大人の恋愛の切なさと先が読めないミステリアスな展開に、全国の書店員さんから多数の感動コメントが集まった。 待望の電子化! -
六百六十円の事情
世の中には、いろんな人たちがいる。男と女。彼氏と彼女。親と子供。先生と生徒。そして爺ちゃんや婆ちゃんとか。その中には、「ダメ人間」と「しっかり人間」なんてのも。あるところに、年齢も性別も性格もバラバラな「ダメ」と「しっかり」な男女がいた。それぞれ“事情”を持つ彼らが描く恋愛&人生模様は、ありふれているけど、でも当人たちにとっては大切な出来事ばかりだ。そんな彼らがある日、ひとつの“糸”で結ばれる。とある掲示板に書き込まれた「カツ丼作れますか?」という一言をきっかけに。入間人間が贈る、日常系青春群像ストーリー。 -
冬の蜃気楼
美少女と中年男に弄ばれる甘美で残酷な青春。 1958年、東京郊外にある映画撮影所(著者が助監督として活動した松竹大船撮影所がモデル)から物語は始まる。主人公は大学を卒業したばかりの22歳の助監督。映画界は最盛期を過ぎたとはいえまだまだ活気に満ちている。新人女優として突然主人公の目の前に現れた16歳の美少女と大根役者の中年男をめぐってストーリーは展開する。ほとんどは、巨匠が監督する映画「一葉」の撮影現場である。当時の映画製作の現場が微細に生き生きと描写される(著者がこれほど詳細に映画製作の現場を描いたことはない)。最終の第12章のみ33年後という設定である。甘美な青春の日々とほのかなエロティシズム――、青春の苦さを見事に描いた傑作長篇小説。 -
ケセランパサラン
大人への脱皮を辿り自分を回復する小説と詩。 「メチャメチャにダメな人間になってみなよ」。高校に行っていない、ちまきが淡い思いを寄せている、ちょっと世間では有名で、でも飄々としているムガさんに言われた。大人の仲間には入りたい。でも、大人は自分のことを大人として見てくれない。高校なんてダメ教師しかいないし、行く必要はない。社会人ともいえないし、社会人じゃないともいえないわたしは、ニコニコ子供らしく笑って、それですませてる。言いたいことも見つからない。寂しい気持ち。そんなわたしを、「好きだよ」ってムガさんが言うなんて、びっくらこいた。 心のなかはいつもそんなこと考えているのに、なかなかその場では言えなくて、あとで後悔する。そんな経験は、誰しも思春期のときにありませんか?その気持ちを思い出させてくれることは、あらためて大人になるってどういうことなのかを考えさせられます。それは、自分の根っこを回復すること。そんなことを感じさせてくれる短篇小説と詩篇です。 -
きみは誤解している
競輪場を舞台に綴る切ない6つの人間ドラマ 「ねえ聞いてるの? 自分のことを僕って呼ぶ人間がギャンブラーになんかなれるわけないって、あたしは言ったのよ」とマリは婚約者の青年をたしなめる。JRの勤勉な駅員として働く彼の、唯一の趣味は競輪。そんな彼が、死期の近づく父の残した当たり車券を元手に大口勝負を挑もうとする表題作。 信用組合に勤める女が、車券の一点勝負にギャンブルの真髄を見い出したきっかけを語る「遠くへ」。 十三年間定職に就かず、競輪場で儲けた金だけで生活している独りぼっちの男が、中学時代の同級生と再会したときの顛末を告白する「この退屈な人生」。 ある夜明けのくしゃみと三万円分のはずれ車券のせいで、夫婦のあいだに波風が立ちはじめた鮨職人の「女房はくれてやる」。 賭けに負けたことがない女子高生が、姉の婚約者の応援に駆り出されたのを機にこっそり通い出した競輪場で淡い恋心を抱く「うんと言ってくれ」。 同棲相手の会社の金を持ち出したという兄を追って、八年前のある出来事から車券を買わなくなった競輪ファンの弟が佐世保競輪場へ向かう「人間の屑」。 全六篇収録。 競輪場を舞台に繰り広げられる切ない人生が放つ一瞬の輝きを、透明感あふれる文章で綴った珠玉の作品集。 -
最後に咲く花
男は、ある女性から自殺幇助を頼まれた。 投資信託専用の運用会社に勤める40歳目前の永江は、離婚後、あるきっかけで、大学時代の同級生・由希と出会う。10数年ぶりの再会。季節が巡るように、お互い気になる存在に変わっていくが、由希は心肺を病んでしまう。そして永江に「これ以上苦しみたくない」と、自殺幇助を願い出る。永江には、20代の恋人・沙織がいたが、由希といる時間のなかに「かけがえのない瞬間」を見いだすようになる。そんななか、友人で建設会社副社長の波佐間が、単身山に登ったまま妻子を残して連絡を断ってしまう。彼を捜すべく山に向かった永江は、ある事に気付かされる。 -
キング
五輪代表は誰の手に? 衝撃のマラソン・サスペンス! 大学の陸上部で同級生だった三人が、オリンピック男子マラソン代表・最後の一枠選考レースに出場する。三十歳の彼らにとって、おそらくこれは五輪へのラストチャンスだった。日本最高記録を持ちながら故障に泣かされ続け、「ガラスのエース」とも称された天才ランナー・須田は、最高の練習環境に身を置いて復活を賭ける。陸連批判をして表舞台から去り、四年ぶりに走る武藤は「俺が勝つ」と豪語。そして、優勝経験がなく、“勝ち方を知らない”青山の前には、ドーピングを勧める正体不明の男が接触してきた。青山は卑劣な手段を一旦は拒むが……。スポーツ小説の名手が手がけた、ランナーたちの人生を賭した勝負を活写する、ロングセラー『チーム』の原点ともいうべき傑作長編! -
サラと魔女とハーブの庭
七月隆文さんが贈る、ハーブの香りただよう癒やしの物語が、待望の文庫化! 13歳の春休み。家でも学校でも居心地の悪さを感じていた由花は、家族のもとを離れ、田舎で薬草店を営むおばあちゃんと暮らす決心をする――誰にも言えない友達・サラとの永遠の友情を守るために。森の中に佇む古いが落ち着いたお洒落なお店、自分のために作られた手作りの部屋、魔法の本みたいな日記帳、そして、由花のための特別なハーブティー……。おばあちゃんとサラと一緒の田舎暮らしは、由花の心をふんわりと満たしていく。それは、春を迎える再生のはじまりだった。『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』や『100万回生きたきみ』など、細やかな心の機微を瑞々しく描く名手・七月隆文さんが綴る、少女達の物語がはじまります。 ※本書は2020年10月刊行の単行本『サラと魔女とハーブの庭』を文庫化したものです。 -
ぼくとおれ
1972年9月8日。札幌の同じ病院で生まれた「ぼく」蒲生栄人と「おれ」仁村拓郎。ふたりは毎日〈スイッチ〉を押し、ちいさな選択を繰り返して、進学、恋愛、就職、結婚と、人生の地図を描いてきたが……。 40歳の男ふたりが辿った交わりそうで交わらない(!?)道筋を、昭和から平成へ移りゆく世相と絡め、巧みな筆致で紡ぎ出す。山本周五郎賞作家の珠玉作。(『地図とスイッチ』改題) 解説/大森 望 「ぼくがイメージするスイッチは鉄道でいうと分岐器だ。ターンアウトスイッチ。線路を分岐させ、電車の進む道を選ぶシステム。つまりスイッチを押すとは、ぼくがどの道筋を進むか決めること。それを繰り返して、自分だけの地図ができる。」(本文より) -
すぐ死ぬんだから
終活なんて一切しない。それより今を楽しまなきゃ。 78歳の忍ハナは、60代まではまったく身の回りをかまわなかった。だがある日、実年齢より上に見られて目が覚める。「人は中身よりまず外見を磨かねば」と。仲のいい夫と経営してきた酒屋は息子夫婦に譲っているが、問題は息子の嫁である。自分に手をかけず、貧乏くさくて人前に出せたものではない。それだけが不満の幸せな老後だ。ところが夫が倒れたことから、思いがけない裏を知ることになる――。 「定年」小説『終わった人』に続いて30万部超の大ベストセラーとなった人生100年時代の痛快「終活」小説! <読者からの声> 2年前に手術を受け、以後は家の中での生活です。何事にも意欲が失せ『すぐ死ぬんだから』状態でしたが、この本に出会って100歳までの人生を考えています。(70代・男性) 『終わった人』も面白かったですが、こちらも一気に読んでしまいました。毒舌が心地よかったです。(50代・女性) 1ページ目から痛快で息も継げませんでした。(70代・女性) もうすぐ定年ですが、新しい人生への希望と勇気をいただきました。(60代・男性) つい最近80代になりもう物欲はなしにしようと思っていましたが、本書でますます元気になり明日もショッピングに行こうと考えています。(80代・女性) ものの見方に光がさしたように感じます。くすんでいる私のはげみになりました。(50代・女性) 重ねた歳は戻せない。でも見た目は変えられる。今日から自分磨きをしよう。(60代・女性) こんなに楽しい本は久し振りです。(70代・女性) 身につまされるが文句なく面白い!(70代・男性) -
太陽の棘
この著者にしか描けない、沖縄と美術の物語! 終戦後の沖縄。米軍の若き軍医・エドワードはある日、沖縄の画家たちが暮らす集落――ニシムイ美術村に行きつく。 警戒心を抱く画家たちだったが、自らもアートを愛するエドは、言葉、文化、何よりも立場の壁を越え、彼らと交流を深める。 だがそんな美しい日々に影が忍び寄る――。 実話をもとにした感動作! 「原田マハ氏は、小説家の優れた才能と人間的な温かさにより、どんなに善意の人間であっても、理解できない事柄があることを明らかにした。私は日本人が書いた沖縄をテーマとする小説で『太陽の棘』がいちばん好きだ。」 ――佐藤優(解説より) -
P+D BOOKS 二百年
6代にわたる一族の物語を詩歌とともに綴る。 妻子を置いて出奔し、港湾労働者として働きながらアメリカに渡ろうとするが果たせず、家族のもとに連れ戻されたものの、好奇心の赴くままにさまざまなことに手を出した幕末生まれの直治。家の資産をほとんど使い果たしてしまった直治は、しかし娘婿に西洋医学を学ばせ、孫の梅子には津田英学塾で学ばせる。 梅子の子・檀(まゆみ)は夫の仕事の都合で海外赴任を経験し、その子・桂は外国人と結婚し海外で暮らしているが、娘を連れて日本に帰ることもある。 そんな6代200年にわたる一族の物語が、同時代の出来事や登場人物たちが愛した詩歌などとともに綴られる、穏やかな作品。 -
パッキパキ北京
コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲(アヤメ)。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極めるこの女はタダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ! 北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは? 一気読み必至の「痛快フィールドワーク小説」!――「味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを」 -
P+D BOOKS 雪
著者独特の幻想的な世界に誘う11の短篇。 ――あちこちで、小綬鶏が啼き、遠くで郭公や鶯も鳴いていた。肩の翼を持ち上げて、飛ぼうとするがうまく飛べず、やはり人間になるしかない、と思った。―― 自由に空を飛べる鳥の姿に、飛びたくても飛べない主人公の心情を重ね合わせる「鳥の歌」、「ゆきゆきて、神軍」を上映する日本の映画館で、戦時中の人肉食を告白し日本への帰国を拒否した元日本兵らしき人と、当時のインタビュアーが邂逅する「黒衣の人」、静かに降りしきる雪のなかで、登場人物たちの心が離れていき、言い知れぬ重みが増していく表題作「雪」など、幻想的で夢とうつつの境界があいまいな11作からなる短篇集。 -
P+D BOOKS 海
漁師町の人たちとの交流を描く自伝的小説。 ――巨大なかじきであった。かじきは二度、三度と海上に躍り上った。嘴だけではなく、かじき全体が鋭い大きな刃物のように見えた。かじきは海を裂き、空を切った。かじきの怒りが、必死の抵抗が、空や海を圧していた。その迫力に、私の全身は震えた。―― 東京の家屋敷を売り払い、母親とふたりで鴨川の漁師町に流れ着いた〈私〉。売れない画家であったが、手元のお金もさみしくなり、漁師の手伝いをして小銭をもらっていた。荒波にもまれる小船の上の生活は厳しいが、烏賊、蛸、鰤、鯖、鰹といった房総の恵みと、漁師たちとの濃厚な交流が心地よく、いつしかすっかりこの町のとりこになっていた。 ――海人の生活が原始的であるが故に、却って私は強く惹かれるのであろう。―― 著者自身「最も気に入った作品」と言い切る自伝的小説の名篇。
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