小説 - 光文社文庫作品一覧

  • 母親ウエスタン
    3.8
    いつも行く食堂で出会った女の名は、広美といった。気づけば死んだ妻に代わり、子供たちの面倒を見てくれるようになっていた広美。しかしまたある日突然、彼女は家族の前から消えてしまう。身体一つで、別の町へと去って行ったのだ――。家族から次の家族へ、全国をさすらう女。彼女は一体誰で、何が目的なのか? 痛快で爽快な、誰も読んだことのない女一代記。
  • うろんもの~人情・お助け押し売ります~
    -
    御家人の次男坊・杉野伸吾は、立派な戯作者になるのが夢だ。だが、師匠には、真面目すぎて話に艶がないと叱られてばかり。そんなとき、役者まがいの美貌を持つ謎の男・夕星と知り合う。兄さんと懐いてくる夕星は、伸吾の長屋に転がり込んできて……。「お助け屋」の仕事に巻き込まれた伸吾を待っていたのは、波瀾万丈の日々だった! 爽やかで温かな人情活劇。
  • 視線
    -
    劇団員の夏帆(かほ)は、住宅地図調査のアルバイトで小学生時代に住んでいた街を訪れた。同級生の家に招かれた彼女は、途中の夜道で通り魔に襲われてしまう。怪我は軽かったが、同じ頃、近くで女性が殺されていた! 被害者は、ある過激な新興宗教の信者だったらしいのだが……。ありふれた住宅街に渦巻く疑惑、恐怖、殺意。日常に潜む悪意をえぐり出す傑作ミステリー。
  • 雨の暗殺者
    3.0
    降りしきる強い雨の中、銃声が夜の闇を切り裂いた。都内3カ所で同時多発的に起きた銃撃事件。犠牲者は8人。同一犯の犯行か? 警視庁機動捜査隊員・加藤裕子は、かつて惹かれた男が遺したニューナンブを手に、連鎖する事件の暗部を追う。憂国の志士を名乗る武装集団の陰に、裕子が垣間見たものは!? 女性捜査官の孤高の闘い! 揺るぎなき魂が読者を魅了する。
  • 狼の血
    3.3
    入社して六年のサラリーマン、山本甲介。出世の見込みもなく、雑用を押しつけられる鬱々(うつうつ)とした日々。そんな甲介の前に突然、中学時代の同級生・保坂(ほさか)が出現する。今はヤクザとなった保坂は、拳銃と現金の入ったバッグを甲介に託し死んでいった。たまりきった憤懣(ふんまん)と怨念が拳銃を手にしたとき、運命が動く! 抑圧される人間の狂気を執拗に描写した新境地の問題作!
  • ラスト シネマ
    3.9
    映画がまだ輝いていた頃。雄さんは故郷を捨て東京へ飛び出した。しかし――歳月は流れる。銀幕への夢に破れ、病んだ彼は、生地に戻り死を待つのみだった。一言だけセリフを貰った一本の映画。人生の最後に、もう一度、雄さんに夢(シネマ)を見せようと、小学校三年の私は幻の映画を探しはじめる(「ラストシネマ」)。傑作と名高い掌編「中村正太郎さんのこと」を併録。
  • いつでも夢を
    4.0
    手にカッターナイフを握りしめ、街角で雨に打たれつづける女。その姿を放ってはおけない二人の男。女と同様、胸の奥に深い哀しみを抱えるヤクザ者。生きるのに無器用な、売れない小説家。それぞれの孤独が出会ったとき、ほのかに希望は生まれ、やがてそれは、大きな愛情へと育ってゆく。太宰治賞作家が描く、ひとを愛するよろこびに満ち溢れた「純愛小説」の傑作!
  • ずぼら
    3.0
    あと半年で三十歳──。 秒読み開始になってから、女の三十がたいへんな区切りだと気づいた私。泊まりがけの尾道(おのみち)旅行で「大事な話」を切りだそうと思ってるのに、塩田(しおた)の奴、なんで、のべつ幕なしに酒飲むのっ!? ま、すこうし酔った塩田、好きだけど……(表題作)。 因縁、奇縁、くされ縁。女心と男心は、すれちがうからおもしろい。六つの不思議な物語。
  • 占星術師 日下部由水子(くさかべゆみこ)
    3.0
    坂の上にある洋館に、日下部由水子の占いルームはある。迷いをおぼえた人々が、背中を押してくれる言葉を求めに来る。相手の言葉を受け止めることが出来るのは、由水子自身に、迷い、悩んだ日々があったからだった。占いルームには、今日も様々な悩みを抱えた女性たちがやってくる。 現役占星術師である作者初の、占い小説登場。
  • 女色絵譚
    -
    両性の結合。それは男の征服感を満たし、同時に女性をこの世のものとは思えぬ夢幻(むげん)の世界に導くものだ……一代にして大ラーメン・チェーン店の社長に昇りつめた赤松至朗は、そう考える。男にとって、これ以上の高邁崇高な使命はない! 日夜奮闘、しかし精力絶倫を誇る至朗も、最近の女どもの過度な要求に四苦八苦……。男たちの珍騒動をコミカルに描いた傑作。
  • ただよう薔薇の午後
    -
    いつもは淡白な彼女が積極的に燃え上がった夜、FMから流れていたのは、ブラームスの交響曲第四番だった。チェロの響きが彼女に異変をもたらす。演奏会で無伴奏チェロ組曲を聴いたときは、終演まで待てなかった。タクシーの中で彼女は自ら太股を開いて……(「黒の旋律」)。音楽が、絵画が、バイクが官能を刺激する。女と男をめぐるフェティッシュな恋愛小説集。
  • 陰陽師 鬼一法眼〈一〉~義経怨霊篇~
    -
    1~3巻440~550円 (税込)
    新都・鎌倉──。足軽の村上兵衛(ひょうえ)は、瀕死の老人を助け、鶴岡八幡宮に引き入れてしまう。途端、老人は奇怪な化け物に! これこそ、源頼朝に怨恨を抱いて死んだ者の怨霊が封印を解かれた姿であった。怨霊は穢(けが)れをばらまき、鎌倉は百鬼夜行の都に! そこに、巷の陰陽師の頭・鬼一法眼、登場! 金銀妖瞳を持つ法眼と怨霊との大合戦が始まる! 鬼哭啾々(きこくしゅうしゅう)──奇才の大陰陽絵巻。
  • 偽装自殺の惨劇
    3.0
    事件は、大学生バンド『三角関数』の演奏中に起きた! 首吊り死体に扮したメンバーの西条が補助用の鎖を切られ死亡、小佐井も毒殺されたのだ! しかも切断された鎖の輪は消え、毒殺の方法もわからない。メンバーを知る霧村誠治助教授は独自に調査を進めるが……? 医学ミステリーの第一人者が二重三重のトリックを駆使してみせた、本格推理の傑作!(『二重殺人トライアングル』改題)
  • サンセット刑事
    -
    奇観を誇る佐賀の『七ツ釜』で会社員・波多野仁の死体が発見された。かつては凄腕(すごうで)でならした末森刑事も捜査に加わる。現場に残された波多野の車から発見された6枚の写真……そこに写されていたのは、なんと末森の幼少時の恩人・菊池香織の一人娘・恵理子であった。著者のテーマである、「宿命のもつ恐ろしさ、奇怪さ」を集大成した、入魂の本格推理!
  • 桂離宮殺人旅情
    -
    新婚旅行で京都を訪れた新妻の夜里子(よりこ)が、桂離宮を見学した夜、謎の失踪を遂げた。唯一の手掛りは、彼女が残した一枚の紙片。夫・直道は、夜里子の親友・夏木梨香に異変を告げ、姉の香奈、さらには小早川警視正の協力を得る。やがて浮かんだ夜里子と伯父・中津原の不倫関係。だが、怪しいと睨んだ中津原が惨殺体で発見され、同じ場所からもうひとつ意外な死体が……。
  • 郷愁 サウダーデ
    -
    哀切なファドの調べが流れるポルトガル・リスボン。カメラマンの桑田は、南蛮屏風や螺鈿(らでん)細工などの撮影にやって来ていた。老いの入口に立つ彼の胸に去来するのは、あり得たかも知れないもう一つの人生。異国の地で思い惑う男の情感(表題作)。過ぎ去った時の重みを捨て去りかねて、最終幕への一歩手前でたたずむ男たち。そのうしろ姿を細やかに描く傑作短編集!
  • 林真紅郎(はやししんくろう)と五つの謎
    3.3
    林真紅郎、元法医学者。愛妻を事故で亡くしたのを契機に勤務先の大学を辞し、35歳の若さで「隠居」生活に入った。そんなある日、12歳の姪と行ったコンサートで事件は起きた。ステージ上のマジックで消えた女性が、トイレの個室で殴打された姿で発見される(「いちばん奥の個室」)。バラバラの謎が真紅郎の頭の中でシンクロするとき、一挙に〈事件〉は解決する! 本格推理の傑作。
  • 蚊取湖殺人事件
    3.1
    スキー場にやって来た慶子と美那。二人はゲレンデならぬ氷上で絞殺死体に遭遇してしまった。被害者の首には包帯が!? 警察は二人を疑っているらしい。そこで彼女たちは身の潔白を証明するため、スキー場で知り合った男と協力して犯人捜しを始めるが……(表題作)。「謎解き」「奇術」そして「伝統職人もの」、バラエティに富んだ泡坂マジック、巧みの世界!
  • 砂時計
    3.0
    親友に“離婚した女と一緒になってくれ”と頼まれたら……? 二見幸夫は、能勢陶吉の頼みを断われず、彼の元妻・波妙(はたえ)と奇妙な同居生活を始める。半月後、能勢は殺人容疑で逮捕された。波妙は「計画的犯行だった」と二見に告白。親友の確信犯的殺人の背後には何が……!?(表題作) 紋章上絵師、仕立職人、奇術師等々――奇才が仕掛けた綺羅星(きらぼし)の如く並んだトリック。哀歓漂う傑作選。
  • 夢の密室
    -
    来条美箱(らいじょうみはこ)は、就寝前に“カヴァハイ”という飲み物を飲んで不思議な夢をみた。ホテルの一室での密室殺人。しかも容疑者は、別れた夫・靖彦だった。彼の虚言癖が原因で別れたのだが、なぜか憎めない。靖彦が助けを求めてのテレパシーではないか、と感じた美箱は、謎解きを開始するが……(表題作)。鬼才が放つ、奇妙で不思議なファンタジック・ミステリー。
  • 王を探せ
    3.8
    だから、どの亀取二郎が犯人なんだ!?――その亀取二郎は、2年前の犯罪をネタに恐喝されていた。耐えきれず、彼は憎き強請(ゆすり)屋・木牟田(きむた)を撲殺する……。警察がつかんだのは、犯人が「亀取二郎」という名前であること。だが、東京都近郊だけで同姓同名が40名。やっと絞りだした数人は、みなアリバイをもつ、亀取二郎ばかり。鬼貫・丹那のコンビが捜査するなか、犯人は次なる兇行に及ぼうとしていた!
  • 死びとの座
    3.2
    一人めの被害者は、芸能人のミッキー中野こと秋葉原好一(よしかず)だった! 彼は東京・中野区の公園に置かれたベンチに座っているところを、拳銃で撃ち抜かれて息絶えていた。──捜査陣は、つぎつぎに出現する容疑者に困惑する。スチュワーデス、フリーのルポライター、ライバルの同業者たち……動機を持つ人物が多すぎるのだ。鬼貫(おにつら)警部は北へ西へと奔走し、彼らのアリバイ工作を崩そうとするが……。
  • 武田勝頼の正室(つま)
    -
    天正五年、十四歳の咲姫は、甲斐の太守(たいしゅ)武田勝頼に輿(こし)入れした。織田・徳川連合軍に大敗した武田は、甲相同盟の強化を計る。だが、やがて咲姫の兄・北条氏政が、勝頼との同盟を反古(ほご)にし、織田と同盟を結んだ。木曾義昌の謀叛、さらには武田一門筆頭の穴山梅雪の逆心と、名門武田氏は滅びの道を辿るが……。悲運の武将・武田勝頼を敬愛し、殉じた女の生涯を活写!(『涙、らんかんたり』改題)
  • 横浜外人墓地殺人事件
    3.0
    横浜外人墓地で、白昼、銀座のクラブ『久利』のママが殺された。どうやら彼女は、大がかりな贈収賄事件に関わっていたらしい。元警視で、今は気ままなルポライターの雨宮退介が、調査を開始した。とたんに、秘密を握る証人が消されてしまう。野心と欲望がもつれあう中で、退介は殺し屋たちの襲撃にも怯まず、事件の謎に迫る。
  • 笑う忠臣蔵~女子大生桜川東子の推理~
    3.3
    夜ごとバーに集う私立探偵の工藤とライターの山内に、マスターの島。3人揃ってヤクドシトリオは往年の銀幕スター話に興ずる。そこに美貌の大学院生桜川東子が揃えば未解決事件の話題に様変わり。アルバイトの阪東いるかも加わり、いっそうにぎやかに盛り上がる! 今回はあっと驚く歌舞伎の新解釈で、東子が見事に真相を究明! 大好評のバー・ミステリシリーズ!(『笑う娘道成寺~女子大生桜川東子の推理~』改題)
  • 警視庁特捜班ドットジェイピー
    3.3
    相次ぐ不祥事でイメージアップを図るため警視庁初の戦隊『警視庁特捜班ドットジェイピー』が結成された。集められたのは、性格に難はあるものの、格闘、射撃、コンピュータなどの達人にして美男美女揃いの5人の警官。一躍世間の脚光を浴びた彼らだが、やがてその知名度が災いして重大な事件に巻き込まれることに。はたして、結末はいかに。話題を呼んだ“怪作”!
  • 闇のなかの祝祭
    -
    奈々子と妻・草子。二人の女の間をボールのように舞う男──。モデル問題で騒がれた表題作のほか、同じ人物構成による、男にとっての女を描いた好短編「風呂焚く男」「青い花」「家屋について」の3話を収録。離婚時代(!?)の今こそ問う、男にとっての女とは……。吉行ファン必読の一冊!
  • 重い空輸機~フェリー・パイロット事件簿~
    -
    「ユー・ハブ・コントロール(きみが操縦しろ)」嵐の中、ベテランパイロット井出は、副操縦士天藤(てんどう)謙に命令した。二人はフリーの空輸パイロットで、双発機パイパーPA31を、アメリカのダラスから名古屋まで運ぶ仕事を請け負ったのだ。中継点のグアムに着いた二人は、機体底部に異常があることを発見した。自らのパイロット経験を生かした航空サスペンスの傑作!(『死の飛行計画』改題)
  • 謎の二重墜落~消えた大韓航空858便~
    -
    南アフリカ航空機がインド洋上に墜落した翌日、大韓航空機がビルマ上空で消息を絶った。航空関係に強いルポ・ライター、滝雄介は早速取材を始めた。南ア機の乗客名簿の一人「佐伯真一」宅を訪ねると、本人は在宅していた。そして、大韓機にも同じ名前が……!? 自らも操縦桿を握る著者が、謎の大事件を新説で描破する!
  • カレンダー
    -
    たしかに、夜の数だけ、ワインの数だけ、日だまりのまどろみや、何気なく言ってしまう嘘の数だけ、人は恋をしてもいいはず──。六月、夏を待ちきれない孤独なあなたのこころが、もうひとりの似たようなこころを求めてさまよう。六月、たぶんこれはあなたか、あなたのまわりの誰かが、一瞬まよいこむ、本当の恋の物語。
  • 影絵の愛
    -
    夫以外の男に、初めて女の歓(よろこ)びを教えられた大信田倫子(おおしだみちこ)。彼女は、秘密の情事のめくるめく予感に震えながら、今日も男のもとへ急ぐ――。だが、思いもよらぬ事件がふりかかった。渋谷のホテルで人妻が殺され、現場から夫の万年筆が見つかったのだ。夫はアリバイを主張するが、証人が出現。倫子は、夫の潔白を証明すべく奔走(ほんそう)し始めたのだが……!? 驚愕の真相!
  • 夜の目撃者
    -
    白い粉が散乱する路上で発見された女性の絞殺死体。が、被害者・和田マチ子の靴底には、粉はついていなかった。意外な犯人像……(「夜の目撃者」)。夫殺しを疑われた未亡人大石糸子は、さらに……。被害者が遺した21の歌枕には、犯人の名が!? (「優雅な告発」)現代の不安や恐怖、残酷さを抒情(じょじょう)豊かな文体で捉えた、珠玉(しゅぎょく)のミステリー傑作集。
  • 沖ノ鳥島は燃えているか~199X年日本領土防衛作戦~
    -
    沖ノ鳥島は、太平洋上に浮かぶ胡麻粒のような二つの点であるが、日本にとっては、その経済的価値ははかりしれない。「一億ドル支払わなければ、島を核地雷で吹き飛ばす」との世界解放戦線(WLF)と名乗る一味の脅迫に、首相邸は動揺……。元海上自衛隊の盾隼人(たてはやと)は旧部下たちを集め、反撃を開始した! 激変する世界の政治経済の中で、明日起こるかもしれない日本の危機!
  • ストレスパワー~プレッシャーが飛躍のバネになる~
    -
    ストレスは攻撃的ストレスと、逃避的ストレスとに分けられる。その蓄積によって起こる病気も異なる。また、仕事などをバリバリと熟(こな)していくうえでは、攻撃的ストレスは大いに有効となる。作家で、生物学を教える著者が、独自の体験をもとに、人体をマルチ的、マクロ的、トータル的に眺め、解説する画期的ストレス解消の手引書。
  • あの道この道
    -
    江戸時代には早漏も不能も存在しなかった? 将軍は皆そうだったという腎虚(じんきょ)とは。なぜ「相模(さがみ)女は淫乱」か。性の禁忌(きんき)、縁起、呪術(じゅじゅつ)とは。間男(まおとこ)の日仏に見る扱い方の違いは。……など。現在の川柳(せんりゅう)ブーム、その原点とも言うべき古川柳のばれ句を、一流の女性観で艶(つや)やかに解釈する、吉行流ばれ句の密(ひそ)かな楽しみ方。
  • 殿様ごっこ~酒場「デルタ」物語~
    -
    女と男が本音と嘘で化かしあう夜の銀座。酒場「デルタ」では今夜も“銀座の恋の物語”がくりひろげられる。――「夜分、お邪魔しちゃって」と妙なあいさつで、二人のお伴を従え、店に入ってきた若い男。この財閥の御曹司(おんぞうし)が、アルバイトホステスを見初めて大人の女に仕立てたのだが……。夜の修羅場(しゅらば)を四分の一世紀生きぬいた著者が描く、粋(いき)で悲しい大人の恋……。
  • 男の戸籍
    -
    『私は男が大好きである。人間としても、恋人としても、友人としても、夫・つばめ・間男(まおとこ)・旦那―あらゆる立場の、あらゆる表情の男が好きなのである。とにかく男大好き、男バンザイ! この本は、女好きのあなたに捧げる、男好きの女からの、ちょっと長めの内緒話である』(あとがきより)直木賞作家が贈る傑作小説集!(『浮気人間絵図』改題)
  • 半ダースもの情事
    -
    「脱ぐぞ」男はいきおいよく裸になり、今度は私の顔の上に馬のりになった。あかい口紅のままの私の唇に、ぐいと無理やり──女の怨念、女の献身、女の悲嘆、女の愛憎、女の倒錯……。銀座のママ、作詞家など波乱の人生体験をもつ著者が、はじめて女の側から“男と女の本音の世界”を描いた、切れ味するどいロマン傑作集!
  • 北太平洋の壁
    -
    アメリカ、シアトルで四人の日本人が射殺され、顔面を砕(くだ)かれた。彼らは、純金に絡(から)む大がかりな詐欺事件を日本で引き起こした企業の幹部らしい。日米の合同捜査が難航する中、捜査協力を依頼された極東航空機長、酒巻も独自の調査を始める。浮かび上がった容疑者は、犯行当時ヨットで北太平洋上にいた! 驚愕の犯罪計画と、壮大なアリバイ崩しに挑戦する渾身(こんしん)作!
  • ママ堂々としているよ~母と娘のふれあい学~
    -
    「人生八十年時代を迎えて親子関係にも締切りがある、ということを見据え、あの子なら手放しても安心、といえる子どもに育てること。それを軸に据えさえすれば、あとは自分の生きてきた人生の体重をかけて、自分流に育てればいい」(文庫版のためのまえがき)。親としてあるべき姿とは何かを探る、実体験を中心とした子育て論。
  • 結婚ぎらい
    -
    「二度と結婚せえへんデ。僕はもう、結婚はコリゴリやがな」倉田は、つくづくそう思う。惨憺たる結婚生活を解消すると、心から幸せになれた。しかも、若い女の子からも急にもてはじめ、別れた妻に「ざま見さらせ」といい気になったが……。《究極には男のキライなのは、「女」じゃないか》と考える著者が、七つの“キライ”をキツーイ筆致で描いた連作小説集。
  • 嫌 妻 権
    -
    “嫌煙席”ならぬ“嫌妻席”に男が座ったら……。妻が嫌いで、かくし部屋を持つ夫。離婚した後も、前の女房と安らぐ男。ワルイ女の子とつき合いながら、かえってワルイほうがたすかると思っている男。などなど……。男は女房(ヨメハン)のいないところで、いつも活躍している!? 中年男の哀愁と切なさを、飄々(ひょうひょう)と謳いあげる新夫婦七景!
  • 善人は若死にをする
    3.0
    本書に収めた作品は、僕が十四歳から十七歳にかけて書いた小説だ。しかし、当時の僕が世の中に見い出した疑問点や矛盾点は、現在、解消されているかどうか? そう考えると、これらの作品は〔残念ながら〕ほとんど古びていないばかりか、むしろますます切実な内容とさえ思われてくるのである。〈著者のことば〉
  • 六十歳革命
    -
    現在、世間で通用している年齢感覚や価値観は、人の寿命が60歳までの時代のもの。今となっては過去の遺物だ。80歳時代の到来に合わせて、新しい価値観を見つけ確立しよう。本人が、「老いた」などと否定的な考えを持ったら、進歩発展は確実に止まる。──著者曰く自由業という純粋培養でいたからこそ見えてきた「人生六十代から」の論拠と、その生き方を示す注目の書。
  • 二重アリバイ三重奏
    -
    人気作家、哲村玲次郎の他殺体が発見された。捜査線上に、彼の恋敵である浅田利行が直ちに挙がった。独身の二人は、同一女性に結婚を申し込んでいた。浅田は捜査員に、被害者に対するあからさまな敵意を見せながらも、アリバイを証明。死後明らかになってきた哲村の身辺の謎、そして新たな参考人が……!? 複雑に絡(から)み合う人間の欲と業(ごう)、乱歩賞作家がトリッキーに描く!
  • トラップ・ハウス
    3.2
    大学卒業旅行としてトレーラーハウスでの一泊のキャンプを計画した男女9人。だがドアを閉めた瞬間、トレーラーハウスは脱出不能の密室と化した。混乱のなか1人が命を落とし、悪意に満ちたメッセージが見つかる。次々と襲いかかる罠を仕掛けたのは、いったい誰か? 果たして生きてここから出られるのか? 本格ミステリーの原点に立ち返った著者の新たなる傑作!
  • 聖い夜の中で
    4.0
    事件はクリスマスに起きた!  父母のいない淋しい聖夜を過ごすひろむは、サンタクロースと街で出会った。が、その正体は、看守を撲殺して脱獄をした岩野昌造だったのだ。人質にとらわれた無垢な幼児と、サンタに扮した殺人鬼。緊迫の逃走の結末は?(表題作)――逝去した後も、根強い人気を博す著者の《最後の事件簿(ファイナル・ミステリー)》。卓抜な心理を巧緻に描いた美しい結晶の数々。
  • 悪魔の情事
    -
    若く美しい女社長西條ユリとハンサムな芸能企画社社長小久保三郎の秘められた情事。台湾留学生○清華(とせいか)と信金社員香川晴彦の若い恋。心臓を病む世界的指揮者二本松伸に献身的に尽くす妻の虹子。六人の男女。無関係な彼らが結びついた接点。ひとりの男は撲殺され、もうひとりは自殺した。謎の言葉「悲劇は睫毛よ……」を残して。その情事には、なにかがあった!?(『悲劇は睫毛よ』改題)
  • 炎上~警察庁情報分析支援第二室〈裏店〉~
    3.0
    職場では怪しい研究に没頭し、相手が誰であろうと命令口調。行動すべてが予測不能、態度は決まって傲岸不遜。しかし、不可解な事件の捜査に当たれば、その頭脳明晰ぶりで瞬く間に真相を解き明かす。彼は安孫子弘警視正。所属は警察庁情報分析支援第二室、通称〈裏店〉。江戸川乱歩賞作家が生み出した、唖然とするほどに強烈な名探偵が活躍する衝撃の連作ミステリー!
  • 東京ヴィレッジ
    3.0
    松倉明里は玩具メーカー勤務の33歳。社内では大リストラの噂が飛び交い、交際7年になる恋人との将来も不透明だ。そんなとき、青梅市にある実家でも厄介なできごとが。正体不明の夫婦が入り込み、何ヵ月も我が物顔で暮らしているという。両親や姉夫婦は何をしているのか。うちが乗っ取られる!? 実家に戻った明里が目にしたのは、思いも掛けない光景だった!
  • ウィンディ・ガール~サキソフォンに棲む狐I~
    -
    典子は、高校吹奏楽部のアルトサックス奏者。典子のサックスにはクダギツネのチコが棲みついているが、誰にも秘密だ。地区大会出場者を決める部内オーディションの直前、部員が襲われ怪我を負う事件が起こる。レギュラーを狙う誰かの仕業なのか。チコは犯人がわかったと典子に囁くが――。吹奏楽に情熱を傾ける典子とチコが謎を解く、音楽溢れる青春ミステリー。
  • 赤い旅客機
    -
    新婚旅行から帰ったばかりの若妻・さゆりが失踪した。タイで撮った写真に、拘留中のはずのSA航空機爆破犯人が写っていたという。さゆりは国際謀略に巻き込まれ、消されたのではないか。兄の映画助監督・柳沢は、独自に調査を始めたが、今度は柳沢の身に危険が! 現実の国際謀略事件を題材にした、書下ろしサスペンス力作。
  • ブルー・ヘルメット~UNTAC日本代表誘拐さる~
    -
    国連監視のもとに民主化の道を歩もうとするカンボジア。しかし、情勢は予断を許さない。UNTACの白石代表誘拐さる! またその時、タイ・カンボジア国境付近で、若い女性の虐殺死体がいくつも発見された。代表救出と、連続殺人の解明に生命を賭して挑むPKO日本人隊員たち。全世界の注目を集める東南アジア問題の、核心を余すところなく描いた力作。
  • 殺意の集う夜
    -
    トラック運転手の深井宗治は、誰もが羨む美人妻、直子と幸せな生活を送っていた。が、突然の悲報。直子が交通事故で死んだ。 深井の唯一の趣味はオートバイ。その仲間が、事故現場の状況から彼女の死に不審を抱き、捜査に乗り出した。直子の過去を辿ると、一人の男が浮かび上がった。
  • 混沌の城(上)
    -
    1~2巻440円 (税込)
    大異変によって、日本は跋扈する妖魔、割拠する戦国時代の坩堝と化した。邪淫の妖蟲に妻と父を犯された伊吉は、豪剣で鳴る武蔵に救いを求める。蟲を操るのは北陸・金沢を支配する美麗の魔神・蛇紅。超絶の闘いの始まりだ。斬! 斬! 刺客を血祭りに上げるうちに明らかになる恐ろしき「螺力」の存在……。読む者を瞬く間に異界に叩き込むノンストップ大河伝奇!!
  • 横浜・長崎殺人ライン
    -
    横浜の見える丘公園で、エリート社員・久保木が絞殺された。県警の薬師寺は、久保木のライバルを着目するが、彼には第三者によるアリバイが。数日後、長崎での久保木の葬儀前夜、第二の殺人が起きた。苦悩する薬師寺は、妹の友人・美緒とその恋人・壮に相談、新たな視点から事件に取り組むが、そこにも時間の壁が立ちはだかっていた! アリバイ崩しの本格推理!
  • 白衣の女~女医・朝比奈遙子~
    -
    1~2巻440~550円 (税込)
    朝比奈遙子が勤務する病院に、急患が運ばれてきた。記憶喪失のその老女は、生活保護を受け、入院することに。そんなとき、連続殺人事件が発生。被害者たちには、ある共通点があった。そして、この事件で遙子の婚約者との悲しい過去が蘇った……。女医・遙子初登場! 現役医師の著者が、老人医療の現場からの衝撃の実態を織り交ぜながら描く、渾身の一冊!
  • 誤認手術
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    医者で弁護士の朝比奈博士(あさひなひろし)。博士が顧問を務める滝田病院の医師・花丘裕が殺された。博士は花丘の医療ミスによる患者死亡事故の和解調停を引き受けており、殺人は遺恨によるものと思われたが……。なんと、第一発見者で花丘の恋人の看護婦・島原伸子が失踪。博士は、事件の鍵を握るもうひとりの女性に着目した! 現役医師が医療現場の実状を取り入れて描く意欲作!
  • 母の診断書
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    年老いた両親が郷里の北海道から私の診療所にやってきた。検査結果は、予想以上の健康体。しかし私は母の検査結果に疑いの気持ちを拭(ぬぐ)えなかった……。最愛の母が原因不明の病に! 医者である息子は何を考え、治療に当たるのか? 死に直面した親子の愛情の形とは? 現役の医師として老人治療に関わる著者が自らの体験を小説として描く感動作!
  • 手術の代償
    -
    医者で弁護士の朝比奈博士の元には、病院内外でのさまざまな事件が舞い込んでくる。今回の依頼は、美容外科医院を経営する湯舟浩二への恐喝の調停だ。浩二は豊胸手術のミスで2億円を要求された。支払可能額との差に和解は難航。裁判に持ち込むしかないと博士は考えるが……。台湾に行ったはずの浩二が品川で殺されていた! 現役医師ならではのリアル・サスペンス!
  • 覚醒麻酔
    3.0
    医師で弁護士の朝比奈博士(ひろし)。彼は親友の新聞記者・片桐から妙な話を聞いた。大学病院院長選の不正問題を取材中、入院した片桐は、手術の麻酔状態のなかで不正の証拠となる言葉とともに自分の妻の名前を耳にしたというのだ。夢か現実か? 事件と親友の妻を結ぶ糸は? 博士が真実を知ったころ、片桐が事故死した! 大学の内部事情に精通した著者が描く問題作!
  • DNA鑑定殺人事件
    -
    DNA鑑定の権威、R医大十和田浩三教授に、愛人殺しの容疑がかけられた。動機はなく、アリバイもあるにもかかわらず被害者の体内に残された体液のDNAが、十和田のものと一致していたのだ。友人の依頼を受け、調査に乗り出した朝比奈博士(ひろし)だが、その矢先、事件の鍵をにぎる男が殺され、その現場からも十和田のDNAが! 犯罪捜査の盲点をつく衝撃作!
  • 女医彩子の華麗なる復讐
    -
    女医・彩子が住むマンションの隣人・黒金兄妹は、いったい何者なのか? 彼らが出した紅茶には睡眠薬が入っていた!? 翌朝寝坊して遅刻した彼女は、医局長から特別室の担当をはずされてしまった。大学院進学を希望する彩子を失脚させると、トクするのは誰か?……大学病院という複雑な組織の中で、たくましく、そして明るく生きる女医の姿を描いた好編。
  • 原発・日本絶滅
    -
    茨城県東海村にある原発に異常震動が発生。日本原子力研究所の湯原博士は原子炉を停止させるが、東菱研究所の井沢は、形ばかりの点検を済ませると、独断で運転再開に踏み切った。だが再び、異常震動が起こり、原子炉は破壊への暴走を始めた。炉心溶融(メルトダウン)、大爆発、避難する人々の大混乱。綿密な調査と膨大な資料を駆使して、原発倒壊の悪夢を赤裸々に描いた衝撃作。
  • 暴れ蛇~くりから女刑事~
    -
    元警視庁の巡査部長・桐原夕紀は二年前、暴力団「石神会」の男に婚約者を殺害された。白い肌一面に彫った刺青は、その彼が殺された当時、復讐を誓ったときに入れたものだった。彼女は事件を機に警察から退くが、ある日、仕事相手の夫婦が殺されたのを知り、再び美しい体を利用して事件を追いかけた……。男と女の人間模様を見事に描いた傑作サスペンス!
  • 弥彦・出雲崎殺人ライン
    -
    新潟県・出雲崎で「ヤヒコニイッテ ウラ」という言葉を遺し、女が殺された。取材で、現地を訪れていた編集者の笹谷美緒と、恋人・黒江壮は、その女を三度目撃。その後の調べで、被害者は、横領の疑いをかけられ、失踪中の銀行員・水原千秋だったことが判るが……。数日後、弥彦神社裏から被害者のイニシャル入りの指輪が見つかった! 最期の言葉の謎とは?
  • 主治医
    -
    首都医大の助教授・霧島透は、主任教授・川石倉雄の後継者と目されていた。しかし、突然、川石が薬物自殺で他界した。川石は肺炎を患っており、その治療の主治医は霧島であった。さらに、霧島の誤診が川石の自殺を招いたと、マスコミが騒ぎ立てスキャンダルに! 孤立を深める霧島を、名誉教授の大蔵が自らの主治医に指名するが――。医学界の“重大問題”を問う意欲作!
  • 医療事故
    3.0
    花城(はなしろ)病院で、看護婦・小美島裕子(こみじまゆうこ)の点滴ミスによる死亡事故が発生した。医者で弁護士の朝比奈博士(あさひなひろし)は、院長の花城一也に、和解調停の弁護を依頼される。だが、その裁判の最中に、被告の一人である裕子が失踪。博士は行方を追うが……。奥多摩で女性の焼死体が発見され、なぜか、手に点滴用の部品を握っていた! 現役医師の著者が医療現場の実態を鋭く抉(えぐ)る問題作!
  • 秘薬の処方箋
    -
    医者で弁護士の朝比奈博士(ひろし)は、様々な調査依頼を受ける。今回は、不能症(インポテンツ)の内服薬・プロスタートX(PX)を常用している柿山剛児の診察結果に関することだった。彼には、PX服用による異常血圧の疑いがあったが……。その柿山が車の中から死体で発見された! 事故死? 病死? それとも……!? 朝比奈の推理が冴える! 現役医師ならではの傑作医学推理!
  • 恐怖の万歩計~銀座紅色診療所~
    -
    妻から、ダイエットのため、1日1万歩を歩くようにと万歩計を渡された今立達三(いまだちたつぞう)だが、なかなか、そのノルマをこなすことができない。そこで、今立が考えた方法とは……? (「恐怖の万歩計」より)銀座七丁目にある紅色診療所を舞台におこる、ちょっとHな珍事件の数々。自らも現役の医師である著者が現場での体験もおりまぜ描いた診療所シリーズ!
  • 女医彩子の欲望クリニック
    -
    彩子は自分の患者の病名を「3H(スリーエイチ)―シンドローム」と名付けた。3Hとは何の略なのか。彩子は、ヘッド(頭)、ハート(心臓)、ヘモ(痔(じ))の略だと医局長に説明するが、本当の意味は……!? (「駆け込み病棟」より) 医療現場では時として、男と女の人間模様が浮きぼりになる。そこで働き成長していく若き女医の姿を描いた傑作4編。
  • 女医彩子のミステリー病棟
    -
    ゆうれい? まさか? 彩子の髪が逆立った。うわさだが、ここ六本木の診療所に幽霊が出るという。東京の大歓楽街のど真ん中では、どんな事件だって起こる。……しかし、こんなミステリアスな難問も、女医彩子の親身でけなげで理知的な診断の敵ではない。――人の生と死を直視する場所。そこで悩み、推理し、そして発見する若き女医の姿を描いた、心を動かす物語。
  • 誤診の壁~日系女性殺人事件~
    -
    医学博士で弁護士の朝比奈博士(あさひなひろし)、彼のもとへはさまざまな事件がもちこまれる。偶然目撃した若い女性の投身自殺で、この事件は開幕した。謎の糸をたぐるうちに朝比奈は、日系三世の女性の毒殺に遭遇。どうやら核心には、彼の母校P医大の医師たちも深くかかわっているらしい。――医師である著者が、最新の医療情報を解説しつつ描いた、朝比奈シリーズ第2弾!
  • 身も心も
    3.7
    妻に先立たれ、毎日を無気力に過ごす礼二郎。彼を変えたのは、絵画同好会での幸子との出会いだった。やがて2人は恋に落ち、喜びも悲しみも分かち合いながら愛を育む。たとえ周囲の人間に後ろ指をさされようとも。だが、礼二郎は不意の病に蝕まれて……。ときめきを忘れかけていた男女が、限られた時の中で紡ぐ切実な恋愛模様を、まばゆいほどに美しく描く感動作。
  • 南紀・伊豆Sの逆転
    -
    南紀・白浜で女性が毒殺され、その所持品から呼び出しの手紙が発見された。差出人はT・H。そして、手紙と同じイニシャルの男性が、「私がやりました」という遺書を残して潮岬で死んでいた。同じ頃、伊豆・下田を訪ねていた壮と美緒も、殺人事件に巻き込まれた。南紀と伊豆を結ぶ見えないラインとは!? 逆転トリックの本格推理傑作。
  • 恐怖の谷
    4.2
    犯罪王モリアーティ教授の組織にいる人物から届いた、暗号手紙。その謎をみごとに解いたホームズだが、問題の人物ダグラスはすでにバールストン館で殺されていた。奇怪な状況の殺人を捜査する謎解き部分(第一部)と、事件の背景となったアメリカの“恐怖の谷”におけるスリルとアクションに満ちた物語(第二部)の2部構成による、傑作長編。
  • あたたかい水の出るところ
    3.7
    大島柚子(おおしまゆず)は、近所の銭湯「松の湯」が大好きな17歳。家族には問題アリ、将来はまだ見えず。いろいろ不安はあるけど、現実感はない。お湯さえあれば幸せだ。そんな柚子が、松の湯に通う大学生・福一(ふくいち)と出会う。反発しつつ、どこか気になる。これってもしかして恋――? どこかおかしな男女が出会い、やがて最強の人生を歩き出す。お湯が引き起こす幸せな奇跡の物語。
  • 処刑の火山島
    4.0
    元処刑捜査官――北条貴。米国を代表する財閥も関与する秘密結社「ECCO」は、地球外知的生命体とも接触を図り、人類を今の10パーセントに減少させることを謀議していた。5億人という、17世紀半ばの人類の数にして、地球環境を正常に戻すという。だが、45億人もの人間が死ぬことになる……。全地球的な規模の敵との決着は? 人気シリーズ、堂々の完結編!
  • 祇園小唄殺人事件
    -
    京都洛中三条通の洋館で、美貌のカリスマ相場師が殺された。自宅寝室で喉を刺されて死んでいるのを、夫が発見したのだ。残された血文字のダイイング・メッセージ“ZT”は、夫・辻善三郎を指し示しているのか? さらに、彼女が大切にしていたオルゴールが盗まれていた。オルゴールのメロディ「祗園小唄」に込められた暗号トリックとは!? 赤かぶ検事の名推理。
  • 首吊り判事~京都のテミス女裁判官~
    -
    際立(きわだ)った美貌(びぼう)、歯に衣(きぬ)着せぬ発言――女裁判官・松宮亜紀子(まつみやあきこ)の赴くところ、マスコミの姿は絶えない。そんな亜紀子の夫が惨殺死体で発見された! 第一容疑者は愛人の大西真理子(おおにしまりこ)。が、警察犬による臭気選別テストの結果は、なんと亜紀子を真犯人と指し示した! 窮地に追い込まれた女判事の打つ手は!? 圧巻の法廷場面に手に汗握る人気シリーズ最新作!
  • 容疑者は赤かぶ検事夫人
    -
    松本市内のホテルのパーティに招待された赤かぶ検事とかみさん・春子は、地元の名士に囲まれておろおろするばかり。ところが、会場で株成金の本庄夫人が殺され、八千万円相当の装飾品が盗まれた! しかも、盗品が春子のコートから発見されたから大変。検事夫人が強盗殺人犯? 会場は騒然、春子は無実を訴え泣き崩れ……。(表題作)
  • 盗みは愉し
    -
    窃盗事件を扱う赤かぶ検事。被告人は、盗むこと自体が生き甲斐のコソ泥だった。――一方、赤かぶの近隣の住人は、小倉という家のセパード犬の吠え声に悩まされていた。そのうるささたるや、告発事件に発展するほどだ。ところが、セパードが何者かに毒殺された! 窃盗事件と犬の変死に関連が?(表題作) 法廷ミステリーの本流を行く、傑作集。
  • 伊賀・甲賀 忍者の里殺人事件
    -
    京都・北山で痛ましい惨劇が起きた! 舞妓が、全裸で絞殺されたのだ。紫のコメ粒を並べた奇妙な記号を遺して……。容疑者は従兄弟の針谷賢二。だが、彼までが何者かに惨殺される。甲賀出身の彼女らが、なぜ? 頭を悩ます赤かぶ検事は、舞妓の遺した記号が、忍者の暗号ではないかと睨んだが……? ――現代の連続殺人と戦国時代の謎! 著者会心の力作。
  • 美貌課長の秘命
    -
    化粧品業界の若き営業マン・根津俊六に思わぬ好運が訪れた。出張先のホテルで、社内きっての美人課長・伊集院妃美子と濃厚な一夜を過ごしたのだ。絶倫ぶり巨砲ぶりを買われた根津は課長から特殊任務を授かった。化粧品愛用者の獲得、不正な価格破壊屋の摘発、美人調香師のヘッド・ハンティング……。根津はベッドで奮闘する! 読めば元気が出る傑作ロマン!(『野望の情事社員』改題)
  • 超特急燕号誘拐事件
    -
    昭和10年、超特急燕号は、奇妙な事件に巻き込まれた。走行中に起きた殺人事件、そしてトンネルの中で、機関車と一等車が突然消えた。重なる事件は混迷の度合いを深めていく。伯爵家の出である、四条杉彦と連れの小百合は駆け落ち途中で、この列車に乗り合わせていた。そして、陸軍高官のさる高貴な身分の人物も乗り合わせていたのだった。
  • 甲州・ワイン列車殺人号
    -
    両親の留守をいいことに、トラベルライター・瓜生慎(うりゅうしん)の息子・竜は、ガールフレンドのうずらとデートを楽しんでいた。そこへ、うずらの親友・手毬(てまり)が、人を殺して失踪したという連絡が! 被害者は、手のひらにミニチュアの手毬を握っていた……。さらに、『スーパーあずさ』の乗客の眼前で第二の殺人が起き、慎も事件に巻き込まれる……。好評トラベルミステリー。
  • 日本海・豪雪列車殺人号
    3.0
    冬の北信濃へ取材に出かけたトラベルライター・瓜生慎と息子の竜。竜のガールフレンド・うずらも一緒だ。糸魚川で北陸本線に乗るころ、天候が崩れる。激しい雪に臨時停車を繰り返す車内で、男が死体となって見つかった! 列車はトンネル内の筒石(つついし)駅で立ち往生。そして新たな殺人が。犯人の狙いは何か!? 雪の密室と化したトンネルで起きる惨劇――鉄道推理傑作!
  • 弘前・桜狩り列車殺人号
    -
    一人息子の竜が高校に合格! お祝いにトラベルライター・瓜生慎(うりゅうしん)一家は家族旅行に出かけた。“はやて”の車中で、妻の真由子は初恋の人・佐原と再会するが、彼は刑事に尾行されていた。一方、夜行バスを利用した竜は、車中で自殺志願の少女と出会う。弘前で合流した一家は佐原殺害の報を聞き……。舞台は“リゾートしらかみ”で人気の五能線。傑作鉄道推理!
  • 伊豆・踊り子列車殺人号
    -
    『伊豆の踊子』にちなみ、開催された“踊り子祭り”。そのイベント会場から、踊り子に扮装した少女が失踪した。同じ夜、河津七滝(かわづななだる)の老舗(しにせ)旅館の主人が死体で見つかる。踊り子の簪(かんざし)に埋もれて!? イベントに参加していた息子の竜におされ、トラベルライター・瓜生慎(うりゅうしん)は、新聞記者・可能克郎と一肌脱ぐことに……。大人の思惑に翻弄される少年少女。社会派鉄道推理意欲作!
  • 北海道・幽霊列車殺人号
    3.5
    廃線跡を、幽霊列車が走っているという。トラベルライター・瓜生慎(うりゅうしん)は、情報を追って、北海道に飛んだ。到着したペンションでは、同窓会が開かれていた。瓜生はそこで、16年前の鉄道事故で死んだ少年の話を聞く。彼は、本当は殺されたのではないのか──。集まった彼の仲間達は疑問を募らせる。そして瓜生たちの目の前を幽霊列車が轟音(ごうおん)をたてて通り過ぎていった!
  • 殺し屋カラス
    3.0
    “カラス”の異名をとる草薙丈二は、日米混血の特殊な任務を負った警察官だ。警視庁は、アメリカの対都市ゲリラ作戦を主任務とする警察チーム(SWAT)を手本に、特殊突撃部隊(SAT)を編成。丈二は、その特別ユニットに配属された。メンバーは、究極の実力をもって、敵を排除することを許されている。そのユニットが、国内に潜入した北のテロリストを追う!
  • 伊勢・志摩 狼伝説殺人事件
    -
    三重県と奈良県の県境にある大台ヶ原で、2人のハイカーの惨殺死体が発見された。まるで獣に食いちぎられたような痕跡……それは野犬などより遥かに獰猛な野獣の仕業(しわざ)に思われた。捜査に駆けつけた警視庁嘱託警視・千々岩(ちぢいわ)の前に現れた、異様なフェロモンを漂わせる謎の美女――。そして、新たな惨劇が! 犯人は人か魔か? 戦慄の怪奇幻想ミステリー!
  • 熊野古道に消ゆ
    -
    熊野・湯峰(ゆのみね)温泉の壺湯で、女性の腐乱死体が発見された! 犯人は「小栗判官伝説」を模したのではないか――警察庁嘱託警視・千々岩は事件に興味を覚え、独自の調査を始める。その矢先、熊野古道・乳岩(ちちいわ)で二人のハイカーが惨殺された! 遺体の胸に残された椿の花炭の意味とは!? 歴史と伝説に彩られた聖地を舞台にした連続殺人に、“落としのガンさん”が挑む。
  • わたしを深く埋めて~花妖殺人事件~
    -
    千々岩乱(ちぢいわみだれ)、62歳。警察庁嘱託、捜査指導官。職人肌の腕を惜しんだ警察庁刑事局長がつくらせた特例ポストだ。息子の死によって未亡人となった嫁の雪子と連れだって、吉野山に温泉と桜を楽しみに来た千々岩は、桜の樹の下での殺人事件に遭遇する。数日後、京都の円山(まるやま)公園でも、桜の樹の下に死体が……。桜の花に狂わされた情念に、推理の職人が挑む!
  • 悪魔の生物兵器を潰せ
    -
    日本の防諜組織・JSAのダブルゼロ課のエース草薙丈二のもとに、北朝鮮が日本で生物兵器の実験をするとの情報が飛び込んでくる。バイオ・ビジネスで暗躍する華僑・孫文生(ソン・ウェンシン)は果たして北朝鮮と手を組んだのか? 丈二は、水際で阻止すべく、妖艶な魅力を持つ呪術師・エキータとともに南西諸島に飛ぶ。安全国家日本の幻想を撃つ、THE KILLER CROWシリーズ!
  • 殺戮の島
    -
    カラスこと草薙丈二は、日本の防諜組織JSAの凄腕スパイ・キラー。美人と戯れながら今日も非情に国家の敵を抹殺する。日本海から侵入した北朝鮮の工作員が仲間を殺して亡命してきた。彼の真の目的は何か? 死闘の連続のなかで育まれる奇妙な友情。物語は伊豆沖の孤島でのクライマックスへ……!? 安全国家日本の幻想を撃つ、非情なる諜報戦!
  • 黒いドラゴン
    3.0
    国家が、破滅活動を実力で阻止するための組織を持つことは、国際常識である。日本のCIAと呼ばれるJSA。そのダブルゼロ課は、殺しのライセンスを持つアンチテロリスト要員5人から成る。メンバーの一人、草薙丈二に正体不明の中国女性から接触があった。それは典型的な女性情報員の手口によるものだ。中国の首相来日を前に、5人は臨戦態勢に入った……。
  • ハラハラ刑事 一発逆転
    -
    内閣総理大臣に脅迫状が届いた。犯人は都内にしかけた核爆弾の解除と引き換えに、三億円を要求、実際にミニ原爆を爆破してみせた。極秘調査は難航。ところが、放射能に冒された犯人は、計画を三人組に引き継ぎダウン。偶然、それをキャッチした少年が坂下署にかけ込んだが、残っていたのは、ハラハラ刑事コンビ・柴田と高見だった。爽快ユーモア・サスペンス!
  • 魔性の報酬
    -
    新婚家庭に何者かが侵入し、息子を惨殺、美貌の妻は拉致された。東京地検のエリート検事川畑鋭介は、復讐を決意、職を捨てて敵を追うが……。立ちはだかる謎の組織。鋭介は一味の中国人女性・林青蘭を捕らえ、自白させるために犯す――。日米韓の先端技術を盗み、他国へ売る秘密組織、それを阻止する財界の熾烈な戦い。鋭介が地獄から得た報酬は……!?
  • 「好色一代男」殺人事件
    -
    殺された京都西陣の織元・花よしのオーナー浅井万三は、死の直前、自身の赤裸々な性体験を綴った自伝を残していた。新京都日報の記者・江頭は、この自伝に隠された意味を探り当て、浅井と関係を持った女たちを追い、熱海から京都へ。しかし、追いつめた女たちは次々と何者かの魔手にかかる。奇怪な連続殺人の謎を追う記者の執念を描いた快作!

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